コスプレOK！　屋台あり！　夏祭りライブイベント
『聖地巡礼!!2013～夏休み合宿編～』の開催を間近に控え
原昌和(the band apart)×サオリリスの
スペシャル対談を実施!!

―今年2回目が開催されますが、まずは昨年の初開催に至る経緯を教えていただけますか。

原(the band apart／b)　｢元々は呑みの席で知り合いにここ(滋賀県・豊郷小学校旧校舎)をプレゼンしたのよ。その前にもアニメの影響を受けて、友達と車で遊びに行ってた場所でもあったし、すごく感じが良かったのもあって。『ライブハウスでライブをするのって、普通じゃね?!』なんて話をしたら、『可能性ある』と連絡があり、実際にもオファーが来たと。それで同じく『けいおん！』好きのKENZI(MASUBUCHI)のバンド(FRONTIER BACKYARD)も誘ったら『『コピバンしない?!』って言われて(笑)。でもさすがにアニメのイメージがあるし、男が歌うのは薄ら寒いだろうと思っていたら、KENZIがサオリちゃんのDJにいたく感銘を受けていた時で、適任だからボーカルを頼む事になって｣

サオリリス　｢その経緯は知らなかったんですけど、DJ出演オファーがまずあって、豊郷行ってみたかったので即OKしたんです。そしたら、KENZIさんからコピバンの話をいただいて。歌えるかどうかや曲決めや練習などモヤモヤする事はたくさんあったんですがOKの返事をしました。でも、一向に連絡が来ない…、このままじゃヤバい…、何か『けいおん！』と被るなって(笑)｣

原　｢(笑)。でも、実は俺らは猛特訓していたんだよ｣

サオリリス　｢らしいですね！　でも、私は皆さんと会わないまま当日を迎えるのは良くないと思って、バンアパが大阪にライブで来られた時に挨拶は行ったんです。その時は、木暮さん(ds)とお話をしたんですけど。後は、私はカラオケでずっと練習していましたよ。で、当日ようやくリハーサルで皆さんと合わす事が出来まして｣

原　｢バッチリだった！　『あれは金を取れるな！』って、サオリちゃんをみんな褒めていたから｣

サオリリス　｢こうやって…、バンドの皆さんはおだててきますが…、私は初ライブ前の澪(みお)の状態でした(笑)。だって、幕が開いて、最初に誰が出て行って話をするかとか、そんなのすら決まってなかったですし！｣

原　｢そんなの仕方ねぇ！　むさ苦しい男がペコッとお辞儀をするもあれだから、サオリちゃんに押し付けた！｣

サオリリス　｢私も仕方ないと思ってやりましたが、膝が震えてましたよ！　誰もやらないんだから!!｣

原　｢でも、今やサオリちゃんがこのイベントのマスコットキャラみたいになっているもんな｣

サオリリス　｢押し付けられただけ、色々と(笑)。この間もプロモーション用とかいって、豊郷まで写真を撮りに行きましたけど(以下掲載写真)、何か振り回されている感がある！｣

原　｢ははは！　ちゃんと幸せになってね(笑)｣

―(笑)。さて、今年についてもお話を伺いたいです。

　原　｢何で、2days?!　随分と打って出たな～(笑)｣

　サオリリス　｢2日間ともDJやるのかな?!　今年もコピバンをやるんですかね?!｣

　原　｢『コピバンやれ！』って、既に言われてるよ｣

　サオリリス　｢紬(つむぎ)ちゃんの存在がいないですよ?!｣

原　｢何かしらアドリブでお願いできる…、サオリちゃんピアノやっていないの?!｣

サオリリス　｢出た、押し付け！　私は唯並みに出来ないのでDJをやっているんですよ(笑)。小さい頃、ピアノを習ってましたけど、その先生が大嫌いだったので｣

原　｢あ～、うざったい奴多いよね。俺もピアノとバイオリンをやっていたけど、本当に嫌だったから発表会でピアノの上に乗って怒ってむちゃくちゃに弾いている映像が未だに家にあるよ。クラシックを嫌いなんじゃなくて、無理やりクラシックをやらされるのが嫌だったから。中学の時に同級生にメタル好き集団がいて、初めて聴いた時に『これは音楽じゃねぇ！』と思って、そういう音楽を好きになった｣

サオリリス　｢へぇ～！　でも今DJをやっていますけど、私もバンドへの憧れは未だにありますよ｣

―改めて、｢けいおん！｣の魅力も教えてください。

原　｢ラーメンと同じで化学調味料が入ったドギツイ音楽をやっていることだと思う｣

サオリリス　｢かっこいい表現ですね｣

原　｢でも、単純にこのイベントは建物がかっこいいというところから始まっていて。『けいおん！』を説明しようとすると偏っちゃってわからない人もいるので、お客さんには純粋に“かっこいい建物でやっているイベント”ぐらいの認識でいてもらえればと思っていた。で、当日会場で興味をもってくれた方は後々調べると、『けいおん！』の場所だったんだってわかるくらいでいいかなと…。でも、あがってきた告知用のフライヤーを見たら、「いかにもでしょ!?」ってぐらい偏り狂っていて…、笑い狂うしかなかった！　こうなったら、腹を括るしかねぇなって思ったんだよ(笑)。本当は、スカして出る予定だったのに！　バンドやっている奴なんて、シニカル気取って、おしゃまぶりてぇわけよ。苦み走った顔しちゃってよ｣

サオリリス　｢原さん、ずっとにやけっぱなしでしたよ！｣

原　｢そりゃ、腹を括ったんだから！　本当は、しゃまぶりたかったの!!｣

サオリリス　｢(笑)。でも、みんなバンドマンがしゃまぶっていたら、私はやりにくかったですよ(笑)｣

原　｢じゃあ、このイベントの振りきり方は…｣

サオリリス　｢うん、私の味方でしたね(笑)。でも、昨年は『けいおん！』ファンって、どれくらい来られていたんですかね?!｣

原　｢狂ったくらいにコスプレをしている人いたよね?!　あずにゃんになっている人いたぞ、野郎で！　どうして、そうなったのって思ったから(笑)。小学生でカツ丼が好きすぎて、『カツ丼になりたい！』っていう奴いるでしょ。あんな感じなのかな？｣

サオリリス　｢凄く純粋な気持ちですよね(笑)｣

原　｢まぁ、当日はシニ（カル）ってないで、踊らにゃ損損！　『ドリーム』のランチとか行った事ある?!　俺、この歳になるまで、こういうオタクと呼ばれている世界を知らなかったのね。で、”聖地巡礼”という行為も初めて知ったんだよ。家に入り浸りっぱなしのオタクを、聖地と謳う事で外に引っ張り出す大事な意味合いがあったんだなって思った｣

―深いです…。原さんはサオリリスさんともそうですが、去年このイベントに出た事で交友関係も広がったんですよね。例えば、バンアパと今年2マンもしたパスピエとか。

原　｢そうそう、パスピエとは昨年のイベント開催から1週間後に一緒に川に行ったりしていたからね｣

サオリリス　｢凄い！　オタク客層とバンアパ客層が仲良くなったりとか、お互いの世界を知れたらいいですよね、このイベントがきっかけで｣

原　｢そういうイベントやフェスって無いから。後、購買部の弁当食った?!　美味しいよ。売っている人も、そこの卒業生だったりしたから、どこのクラスに好きな人がいたかとかを聞いたよ(笑)｣

サオリリス　｢何を聞いているんですか!?(笑)

原　｢(笑)。当日、車で来る人は近くの駅とか色々観に行ってもいいと思う。飛び出し注意のパネルもあるし｣

サオリリス　｢飛び出し坊やならぬ、飛び出し女子高生！｣

原　｢ひたすら写メを撮ったりして｣

サオリリス　｢コンプリートで(笑)｣

原　｢誰もいない廊下に立っていると、本当にあったんだなって思ったりもするし｣

サオリリス　｢街の人と話すのもいいですよね｣

原　｢まぁ、とにかくは『けいおん！』を観ること｣、100%楽しむなら！｣

サオリリス　｢観てから行くのと、観ないで行くのは全然違うから。観てもらっていた方が、私たちもコピバンをしやすいし！　『何の曲をやっているんだろう?!』って思われても、あれなので(笑)｣

原　｢後は、意外とこの場所って町議会と町民が建物の解体を巡って凄惨な対立をしたりと、暗い歴史もあるのよ。でも、そんな場所をロケ地にした京都アニメーションはかっこいいなと思う｣

サオリリス　｢『けいおん！』には、揉め事も争い事も無くて…、ひたすら優しい｣

原　｢『私を楽しませて！』と求めて、楽しませてくれる作品ではないから。自立した賛同を想えるという大人の作品だから｣

サオリリス　｢『けいおん！』を知らなくても、出演するバンドを知らなくても…、何かしら良いスタート地点になるイベントだと思いますので、ぜひ遊びにきてほしいですね！｣
 

取材・文／鈴木淳史

撮影／河上良(bit Direction lab.)

（2013年8月14日更新）