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ホーム > インタビュー&レポート > 初の全編日本語詞に挑んだ最新アルバム『街の14景』! 5月から全国ツアーをスタートさせるthe band apartの 荒井岳史(vo&g)と木暮栄一(ds)が新作誕生秘話を語った!! 注目のインタビュー&動画コメントが到着


初の全編日本語詞に挑んだ最新アルバム『街の14景』!
5月から全国ツアーをスタートさせるthe band apartの
荒井岳史(vo&g)と木暮栄一(ds)が新作誕生秘話を語った!!
注目のインタビュー&動画コメントが到着

 メロコア以降の疾走感のある音を基調に、フュージョン、ボサノバ、ファンクなどの多彩な要素を盛り込んだサウンドで、独自の世界を深化させ続けてきたthe band apart。4月24日にリリースされた最新アルバム『街の14景』は、これまで英語詞で歌ってきた彼らにとって初となる全編日本語詞のアルバムとなった。聴き馴染んだ彼らのサウンドが、新たな叙情性と感触を伴って耳に入ってくる新作について、ボーカルの荒井とドラムの木暮に話を訊いた。

荒井(vo&g)&木暮(ds)コンビからの動画コメント!

――今回はもう、初の全編日本語詞によるアルバムになったことから聞いていく他はないのですが。

荒井「そこですよね。昨年に出した4曲入りの『2012 e.p.』がバンドとしては初の日本語による音源になったんですけど、そこに至ったキッカケはいろいろとありまして。震災もその1つではあったんですけど、たまたまその年にベースの原が体調不良でダウンして、その間に僕とパーカッションだけでアコースティック編成でライブをやっていたときに、バンドの曲を日本語でセルフカバーしていたことが大きかったですね」

 
――ほぼ時を同じくして、ずっと英語で歌っていたBRAHMANが震災を機に全編日本語詞による新作をリリースしましたが、the band apartの場合はもっと自然な流れで日本語に向かったというか。
 
荒井「日本語になったことに関しては、あの出来事が決定的なキッカケというわけではないですね。僕らの場合は」
 
――ただ、言葉の乗り方や響き方が明らかに変わってくることで、やはりサウンド面にも少なからぬ影響があったのでは?と思うのですが。
 
荒井「やってみて思ったのは、もちろん違う部分もたくさんあるんですけど、逆に同じというか元々リンクしている部分も多かったというか。もともと日本語が乗ってもおかしくないメロディを作っていた、という側面もあったりして、スンナリといった部分もあればそうじゃなかった部分もあったのが、日本語でやるようになってよく見えるようになった感じですね。今までは片方でしかやっていなかったから、逆に英語で歌うときの雰囲気もよく分かるようになったというか。でも、根底にあるのは日本語でやることが楽しくて、今の自分たちの趣向にフィットしているから、ということなんですよね」
 
――なるほど。でも、実際に聴いてみると驚くほど違和感がなかったというか。耳に飛び込んでくる言葉は変わったのものの、バンドのグルーヴもメロディもいい意味でこれまでと変わらないことに逆に驚きましたね。
 
荒井「そう思ってもらえる方が、逆に一番うれしいですね。自分たちでもそこまで何か大きな変化を求めて日本語にしたわけではないし、何かの路線を意図的に変更したつもりもないですから」
 
――これまでに英語で歌われてきた歌詞と今回の日本語詞では、描かれている世界に違いはあるんですか?
 
木暮「大きくはそれほど変わっていないですけれど、まーちゃん(=原)と川崎が書く歌詞のような世界は、多分今までになかったですね」
 
荒井「今までの英詞の時は、7~8割が木暮でたまに僕が書ければ書くという感じだったんですけど、今回は4人ともが作曲だけでなく作詞までしてくるという形が多かったので。ところどころに強烈な言葉が入っていたりと新しい風が吹いている部分はありますね(笑)」
 
――ちなみに、具体的にはどのあたりに?
 
木暮「『ARENNYAで待ってる』(M-11)の“クソがいくら着飾っても クソはクソでしかない”とか(笑)。コレを原が自分でエモーショナルに歌っていればそのままなんですけど、荒井の声で歌うことで不思議な相乗効果を生んで成立しているのが面白いですね」
 
――そうした4人の個性のさらなる表出もありつつ、全編日本語で歌われたことでthe band apartの音楽性のユニークさが今までと違う角度から浮き立っているというか。これまでに英語詞のバンドだからと別枠で聴いていたところがまっすぐ耳に入ってきて、改めてサウンドの多彩さやメロディの良さなどに気付かされる面が多いんですよね。
 
荒井「ありがとうございます」
 
木暮「やっぱり(日本語にしたことで)聴こえ方が変わっているんだろうな。もともとは今までに作ってきた曲でも、歌モノっぽいメロディのものは日本語が合うだろうなとは思っていたんですよね。でも、前の『2012 e.p.』の時にはまだまだ試行錯誤しないといけないなと思っていたんですけど、今回のアルバムは、現時点ではなかなかうまくやれたかなと思いましたね」
 
――前作のシングル『2012 e.p.』の時には、どのあたりがまだまだでしたか?
 
木暮「シングルは荒井と原とオレでメロディを作った曲が1曲ずつだったんですけど、自分が作った以外の2曲は作り方を変えずに日本語を乗せて成立しているなと思ったんですが、自分の曲は今まで通りの乗せ方だとちょっとメロディ過剰に聴こえるところがオレの中にはあって…。テンポが遅い歌モノに関しては、そのまま日本語を乗せてもいい感じになるんですけど、もうちょっとロックでエモーショナルな曲になると、メロディは歌というよりももう1つの楽器としてサウンド全体の中に混ざっている感じなのがいいと思って。そこを気をつけながら今回はやれましたね」
 
――確かに今回のアルバムではアップテンポな曲でもthe band apartらしい心地よさを削がれることなく、ナチュラルに日本語が乗っていると思います。
 
木暮「とは言っても、まだまだ遊べる余地がいろいろあると思います。しばらくは日本語で試していきたいですね」
 
――そんなバンドにとってエポックな新作を手に、5月からは全国ツアーも始まります。(関西は6月5日(水)神戸・太陽と虎、7日(金)KYOTO MUSE、8日(土)奈良NEVER LAND)。
 
荒井「ライブに関しては、新旧の曲を織り混ぜた感じでやれればいいなと。自分たちの感覚では日本語の曲も英語の曲も変わりはないので、楽しんでもらえればいいなと思っています」


Text by 吉本秀純



(2013年4月25日更新)


Check

Release

衝撃の初の全編日本語詞!
約2年ぶりとなる6thアルバム

Album
『街の14景』
発売中 2800円
asian gothic label
ASG-25

<収録曲>
01. いつか
02. ノード
03. 仇になっても
04. 夜の向こうへ
05. 12月の
06. AKIRAM
07. 明日を知らない
08. 師走
09. 泳ぐ針
10. black
11. ARENNYAで待ってる
12. アウトサイダー
13. 8月
14. outro

Profile

バンドアパート…写真左より、川崎亘一(g)、原昌和(b)、荒井岳史(vo&g)、木暮栄一(ds)。'98年頃から現在の編成でライブ活動を開始し、'01年にデビューEPとなる『FOOL PROOF』を発表。パンク~オルタナティヴなサウンドに、ソウルやボサノバなどの洗練されたコード感、フュージョン的な心地よい疾走感などを兼ね備えた音楽性で、独自のスタイルを確立している4人組。

the band apart オフィシャルサイト
http://asiangothic.org/the_band_apart/


Live

話題の新作がライブでどう響く!?
関西地区には6月に登場!

『6th album“街の14景”release live
 SMOOTH LIKE BUTTER TOUR』
一般発売4月27日(土)
Pコード197-283
▼6月5日(水)19:00
神戸 太陽と虎
▼6月7日(金)19:00
KYOTO MUSE
▼6月8日(土)18:00
奈良NEVERLAND
オールスタンディング3600円
GREENS■06(6882)1224
※未就学児童は入場不可。

4/27(土)10:00より一般発売開始!
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