ホーム > インタビュー&レポート > ロックにパンクにHIP HOP…ジャンルレスな3組が集う エキサイティングなライブツアー『ファジビッチ!!』 FUZZY CONTROLのフロントマン、JUONが語る 壁を取り払った“誰も見たことがない”ステージの魅力
――ジャンルも個性も全く違う3組の共演になりますね。
「そうですね。Who the Bitchは彼らなりのオリジナルをすごく持っていて。パンクの世界をわかりやすく表現しているバンド。やりたいことが一発でわかりますよね。 S+AKSはクラブを拠点に現場でがっつり踊ってきたダンサーたち。ドリ(DREAMS COME TRUE)のステージでは、もっと広いお客さんに向けてわかりやすい振り付けで盛り上げてきた彼らですが、本質のゴリゴリHIP HOPな部分をこのステージで表現できたらなと。FUZZY CONTROLがロック、Who the Bitchがパンク、 S+AKSがHIP HOPと、ジャンルレスな3組が融合したイベントなので、自分たちも観たことないようなステージングにしたいなと。音楽のコアな部分を見せていくんじゃなくてもっと視覚的にもエンタテインメントさを出していきたいですね。この3組でやるからこそ日頃やっていないことにチャレンジしたい。それぞれ“俺が一番目立つ!”っていう意識ですし(笑)。みんな負けず嫌いだから。結果、相乗効果でプラスのものが伝えられるんじゃないかなと」
――ただならぬ気合を感じます。さらに、今ツアーでは仕掛けもたくさんあるんですよね。例えばチケットの種類もおもしろい。
「そう! 名前の通りなんですけどEXCITING AREAは好きに盛り上がっちゃって!という感じ。また、心は燃えてるんだけどじっくり全体を観たいという方にはSTANDING AREA。今回初めてのSEATINGはライブハウス初体験とか、お子さま連れやおじいちゃん&おばあちゃんにも。安全だし音楽を落ち着いて聴いてもらえる、ライブハウスって気軽に足を運べる場所だと知ってもらいたかったんです」
――他にもメンバー考案のオリジナルメニューもあるなど、盛りだくさんです。そして何と言っても、このイベントのために配信シングル『みんなのうた』をWho the Bitchと合作されたんですよね。
「思ったよりすぐ完成しましたね、全然悩まず! 僕だけが歌うわけじゃないので、そうするとすごく客観的になれて、のめり込まずに、みんなのいいところがわかる感じで」
――全体が見えている感じですね。
「僕のプロデュース能力が5倍くらいレベルアップした感じ(笑)。そもそもehi(Who the Bitch/vo&g)たちがレコーディングで歌ってるところを見るのも初めてで。スピーカーを通して改めて聴くとehiのこの部分がいいんだな、ここを生かしていこうっていうのがすごく明確に見えてきて。いい機会だし、(普段ボーカルを執らないパートのメンバーも)全員がそれぞれピンで歌ったんですよ」
――意外だったのが、曲の核である大サビへのメッセージ部分をJOE(b&vo)さんが歌っておられましたね。
「全体のビジョンとしてはJOEに『みんなのうた』の一番言いたかった部分を叫んでもらおうと。あの部分はアイツじゃないとダメだったんですよ」
――そのワケは?
「JOEは昔から長渕剛さんが好きで、カラオケでもよく歌ってたんですけど、何ていったらいいのか…“思いっきり”歌ってるんですよね。そのイメージもあって、『みんなのうた』にある青春そのものみたいな感情を歌えるのはJOEだなって。ただ、レコーディングではやっぱり“思いっきり”歌うから、ペース配分とか全くできてなかった。アイツこれから本番なのに、リハーサルで思いっきり世界入っちゃって。のど枯らしてるんですよ! ゴホゴホっとか言って…。さすがの名プロデューサーも、一回で声枯らしちゃうとは思わなかったな~(笑)! ペース配分できるくらいの能力は備えておいてほしいですよね!」
――ワハハ! JOEさんのコントロールが一番の難関だったんですね。その他の方々はどうでしたか?
「Who the Bitchの女子ふたりは、“らりるれろ”の発音を舌でまわすようなパンキッシュなクセとかを活かしつつ。yatch(Who the Bitch/ds)は「俺はいいから~!」って引っ込み思案な感じだったんですけど、いざ歌うとなったら本気全開で歌ってくれました(笑)」
――では無事『みんなのうた』が完成して、ご自身ではどんな曲になったと思いますか?
「何を伝えたいのかが一目瞭然、一回聴いただけでわかる、強力な曲。“この曲すごくいいよな”って自分たちでもするっと言えるんですよね。作ってる側なのに言えちゃう。客観的に見ることができたし、自分たちのよさにも気付けましたね。俺たちカッコいいんだな!って再確認できた。音楽って、時には構えて聴いたりすることもあるじゃないですか。でもその構えの壁が『みんなのうた』では全部取り払われていて。ライブでやるとホームパーティみたいな気分なんですよね。それがお客さんへも伝わるんじゃないかな。クソまじめに聴いてもしょうがないなって(笑)」
――確かに、曲全体に楽しまないと損!なムードが流れてますよね。PVもいつものクールなイメージとは違って、すごくアットホームな感じを受けますし、ライブでお客さんと一緒にやれば本当に『みんなのうた』になりますよね。
「そうなんですよ。タイトルの時点で僕たちだけのものじゃなくて、“みんなの”歌なんです。もっと、この歌をお客さんみんなで育てていきたいですね」
――そんな『みんなのうた』を引っ提げて、すでに昨年『ファジビッチ!!』ツアーは3公演が終了しています。これまでの手応えはいかがですか?
「今回、僕らが知ってるお客さんのノリ方じゃないんです。ちょっと外国っぽい感じ。日本は、まじめに聴いて曲が終わるごとに拍手する…という一連の流れがあると思うんですけど、海外は仲間同士でごちゃごちゃ話したりしてうるさいんですよね(笑)」
――先ほどの『みんなのうた』で取り払った壁のような、構えてない感じですか?
「構えてないですね! それって多分すごく素敵なことなんです。ライブが終わった後のお客さんの顔を見たら、よかったのかよくなかったのかが直にわかる。みんなイイ顔してくれてるんですよね。そもそも『ファジビッチ!!』は、誰も観たことないようなライブをやろうという趣旨だったので、お客さんが新しいリアクションをくれるのは自分たちも求めていた部分だったので」
――それは確かな手応えですね。さて、『ファジビッチ!!』ツアーも2月からいよいよ後半戦。16日(土)には大阪公演が迫っています。大阪の土地柄、お客さんのカラーなどはありますか?
「みんな言いたいこと言いますよね。これアーティストに直接言ったら、へこむんじゃないかなっていうことも」
――言いたい放題、わかる気がします(笑)。
「気持ちいいなぁってなるくらい(笑)。音楽を真剣に聴いてくれているからこそで、言い換えると期待してくれてるんでしょうしね。“後半ジャンプ低くなってたね”とか(笑)。ベロベロに酔っ払って物販に来る人もいますしね」
――あかん方の外国っぽさですね(笑)。
「根がいい人が酔っ払ってるのは全然OKです! サイコーです! 今の話は全部いい意味ですから。ストレートに言ってくれる土地柄だから、僕も飾らずに言いますよ」
――大阪なら、嘘のないキャッチボールができると思っていいですかね?
「ハイ! 思ってください」
――ありがとうございます(笑)。では、これまでのお話の中にも滲み出ていましたが、最後にこの公演に対する決意をお願いします。
「自分たちにとってすごくチャレンジングな中、終わった3公演ではみんなすごくイイ顔して帰ってくれてるんです。そういうものって自分自身に還ってくるんですよね。その気持ちも持ち込みつつ、残る静岡・大阪・仙台公演でも楽しませていきたいですね。さらにFUZZY CONTROLは来年10周年。ワンマンライブもやっていきたいしアニバーサリーにふさわしい“花火”を打ち上げたいと思ってます。いい曲作って、このツアーもやりつつ先のことも見据えて。音楽を絶やさないことが自分らにできることかなと」
――ツアーはもちろん、FUZZY CONTROLの今後にも期待しています。ありがとうございました。
Text by 後藤愛
(2013年1月18日更新)
ふぁじー・こんとろーる…メンバーはJUON(vo&g)、SATOKO(ds&vo)、JOE(b&vo)の3ピース。2003年に結成。翌年にはテキサスで開催された世界最大のショーケースライブイベント『SXSW』に参戦し、2005年には『SUMMER SONIC』へも出演。生命力に満ちた圧巻のハイクオリティなプレイに、グルーヴィーなサウンドメイク。ユニークさが際立つ言葉選びなど、個性溢れる音世界で若手ロックバンドの中でもズバ抜けた実力を誇る。近年はその卓越したテクニックがアーティストからも高評価を得ており、DREAMS COME TRUEをはじめ吉川晃司、相川七瀬らのライブやレコーディングでもサポートも務めている。
FUZZY CONTROL オフィシャルサイト
http://www.fuzzycontrol.jp/
チケット発売中 Pコード178-459
▼2月16日(土) 17:00
心斎橋JANUS
EXCITING AREA-3500円 STANDING AREA-3500円 SEATING-3500円
[出演]FUZZY CONTROL/Who the Bitch
[ゲスト]AKS
※整理番号付。ドリンク代別途要。
※3歳以上はチケット必要。
キョードーインフォメーション■06-7732-8888
●カクテル「超ハローグッ杯」
●軽食「サトチャンハン」
●カクテル「赤いレモンティー」
「“超ハローグッ杯”は、FUZZY CONTROLの楽曲『超ハローグッバイ』にかけてあるんですけど、白ワインをベースにしたカクテルで、“サトチャンハン”はドラムのSATOKOが家でよく食べるという炒飯。“赤いレモンティー”はWho the Bitchの同名曲をモチーフにしたカクテルです。イベント終了後は仕事もないでしょうし、ぜひどうぞ。もし夜勤があるんです~っていう方はテイクアウトしてください。ドリンクは後で氷を入れて召し上がって頂ければ!」