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自ら掴んだ『HOPE#』と共に
不死身の男たちがメジャーシーンにカムバック!
ザ・マスミサイルの人生劇場第二幕に迫る
高木芳基(vo)インタビュー&動画コメント

 ザ・マスミサイル。結構昔から聞くバンドだなというあなたの記憶は錯覚ではない。それもそのはず、結成は'00年、オリジナルメンバーの高木芳基(vo)と新田洋輔(b)は30代も半ばに差し掛かろうとしている。メジャー落ち、度重なるメンバーの脱退、バンドとしては瀕死の状態からの自主レーベルの立ち上げ…。そんな彼らが、5年間のインディーズ活動を経て、9月にミニアルバム『HOPE#』で再デビューを果たした。一時代を築いた“青春パンク”の濁流からシーンの大海に放り出された彼らは、多くの傷を負いながらここまでやってきた。ストレートなバンドサウンドに熱い言霊をぶち込んだ人生劇場は、彼らが転がり続けることを辞めなかったらからこそ、ここでまた第二幕を迎えたのだ。フロントマンである高木芳基の胸を揺さぶる言葉の数々に耳を傾けて欲しい。熟成を続けるバンドは、今再び収穫の時期を迎えている。新生ザ・マスミサイル、インタビュー。こんなドラマが待っているから、人生は面白い。

よっくんこと高木芳基(vo)からのいい感じの動画コメント!

――まあ随分昔から知っているバンドではありますが、こんなに紆余曲折あるバンドはいるのかと。またメジャーでアルバム『HOPE#』を出せた、今の率直な気持ちを教えてもらいたいなと。

 
「とりあえずメンバー間で、再デビューの喜びに絞って言うとバラツキはあります」
 
――そうなんや(笑)。
 
「例えば僕はずっとこのバンドでやってる。うちの鍵盤(=白石安広)に関しては、今年の頭に入ったんですよね。ドラマー(=中野誠一)は5年ぐらいで、ギタリスト(=前川真吾)は2~3年。その中でメジャーそのものが初めてっていう人もいたんで、まぁ普通は嬉しいじゃないですか。でもデビューして生き残れる確率が0.何%だって知ってる自分からすると、こっからが大変なんだよなぁ…って(笑)。ちょっと意外だったのは、同期のバンドだったり、僕らの動きを嫌でもチェックすることになる後輩、下手したら先輩だったり、同じような境遇でメジャー落ちしたアーティストの友達や、もちろんデビューしたこともなくドンドン歳を取って30過ぎて、いつまで音楽やってんだろな俺っていう後輩もいる中で、みんなが心から喜んでくれて。35でデビュー出来るっていう1つの爪痕を残してくれてありがとうございます!みたいな(笑)。メジャー落ちして辞めていったバンドももちろんいますけど、やっぱりもう1回再起を図りたいバンドにとって、1つの希望にもなったみたいなんですよ。それを仲間に言われて、改めてこの幸せな環境と申しますか、手前味噌な言い方をすると偉業と申しますか、ちょっとプレッシャーが…(笑)。たくさんの人間に囲まれる環境になったプレッシャーもありますけど、やっぱ今までずっと活動を共にしてきた仲間の期待を、ちょっと背負っていこうかなぁ?みたいな(笑)。いろんな気持ちがありますね」
 
――ずっと自分たちでここ数年やってきたところで、メジャーデビューに向けた話はいつから動いてたんですかね?
 
「まあホントに今年に入るか入ったかぐらいですかね。さかのぼれば、メジャーとの契約が切れてメンバーが5人中3人脱退し、そこからまたアナログにメン募でメンバー募集し…。元々自主レーベルを立ち上げるつもりもなかったんですけど、手売りって限界があるじゃないですか。例えば少なからず鹿児島にも20人ぐらいはファンがいたはずやし、札幌だって100人ぐらいいる。それがもし通販だけでやって、ホントに欲しい人が情報を得られなかったら悔しいので、やっぱり店にCD置きたいなって勉強する内に、気が付けばプロダクション兼レーベル兼アーティストになって、だんだん仕事が膨れていきまして(笑)。丸5年ぐらいやってちょっと疲れてきたんですよね。やらしい話、自転車操業も抜け出し、ちゃんとレーベルの資金も出来て、“こういうインディペンデントな感じが広まったら、この業界がもっとオモロくなるのになぁ~”って思っていた時期に、そういう達成感もあって、曲を書くペースだとか、クオリティだとか、“これぐらいでいいかな?”っていうちょっとした妥協だったりとか、忙しさにかまけてる自分がいて。メンバーにそれを口にはしないけど、自分に言い訳してる自分が現れたとき、“いや、ちょっと危なくね? 本末転倒始まってね?”みたいな(笑)。何でも自分でやっちゃうんで、これはちょっと休もうと思ったんですよ。ライブのブッキングだけでもちょっとしんどかったんで」
 
――なるほど。
 
「やっぱ年間100本ライブやってるバンドが3ヵ月休むと、ちょっとザワッってなると思うし、それでヘンな噂が立つのも嫌だったんで、“ライブを一旦休止します!”って宣言して。“バンドの活動休止じゃないからね!”っていうのは強く言いたかったんですけど、結局休止扱いされましたけど(笑)」
 
――まぁそれだけ、ライブ=ザ・マスミサイルだったんですね。
 
「ですね。その発表をしたのが去年の11~12月で、ライブをゼロにしちゃったら僕の仕事も減るから、曲作ってレコーディングして。何なら、もう悔いのない、これ以上のモノは作れないっていう作品がもし出来たら辞めへん!?ぐらいのとこまでバンドは来てたんですよ。それぐらいの覚悟を持って、みんなバイト辞めて、経費で飯食って、音楽に集中してやろうってしてるところに、このメジャーの話が舞い込んで来たから(笑)」
 
――マジで!? スゴいねぇ。
 
「休めねぇじゃんみたいな(笑)。嬉しいんですけど、結果ライブを再開したのがホントありがたいことに『ARABAKI ROCK FEST '12』で。予定通り3~4ヵ月ライブをしない計画は実際叶ったんで、ホントにウマく出来てますね」
 
――ブログとかをさかのぼって読んでて、まずメジャーの話があったから、そこに向けて曲作りの期間をとって休んだのかなぁって思ったんですよ。
 
「まあ普通そうゆう風に勘ぐりますよね、特に関係者は(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) そもそもどういったいきさつだったんですか?
 
「事務所に関しては、こんなことあるんだみたいな。今の社長がたまたま自社アーティストのライブを観に来て、“何だこの対バンは!?”みたいな。その主催のバンドにイベントに誘われてたんで、結構なギャラ吹っかけて(笑)」
 
――アハハハハ!(爆笑)
 
「ファースト・インプレッションは最悪だったと思うんですけど、まあその辺に社長は関わってなかったんで(笑)。しかもイベントが押したから、たまたまうちらも観れた。ライブが終わったら物販にCDとライブのチケット買いに来て、次のライブに1人で観に来て。それが藤崎マーケットとの2マンっていうヘンなイベントだったんですけど(笑)、それで火が点いたみたいで」
 
――けどそれって、20代のバンドがデビューするストーリーと一緒ですよね。マスミサイルは12年やってるけど、今回の件はある意味関係ない(笑)。不思議なモンですね。それでも続けてなかったら来なかったチャンスというか。
 
「そうですね、はい。それはあると思う」
 
 
常に不安になるようにしてます
 
 
――今回のアルバムに向かって行った流れ、コンセプトって何かありました?
 
「僕らももう新人じゃなかったんで、みんなで逐一話し合いながらどうしていこうか?って考えて。レコード会社然り事務所然り、命懸けてやらなアカン案件やと僕らも思ってるんで、とにかくまずは曲を書こうと。例えば僕がジャズやブルースを歌っても、この声と歌い廻しと歌詞の泥臭さがあれば、僕が歌えばザ・マスミサイルになると思ってるんですよね。だからいろんな曲を書いてみようと。まあ作れる曲の振り幅はそんなにないんですけど30~40曲書いて、その中から今のザ・マスミサイルはこんなんやで!っていう、ちょっとした名刺代わりの楽曲をというか。青春パンクやと思ってたやろ? ずっとやってたんやで、出来るんだぜって。地に埋もれてた5年間をちょっとでも知ってもらいたかったし、新生ザ・マスミサイルを知ってもらいたかった。そうやって拾い集めていった1つの希望ですね、『HOPE#』っていうのは。“普通のこと”っていうのはずっと押してるんですよね。聴いた人が“そういうことだったのか!”っていう目から鱗のことを僕には書けない。そんなことわざわざ言われなくても知ってるよっていうことやけど、最近当たり前過ぎて考えたことなかったなぁ~みたいなことを歌いたいし、特別な人間じゃないから、普通のことしか歌えない。その代わりそれを見落とさないよう、毎日地に足着けて生きてるよって」
 
――普通やったらとっくに解散してたり普通の仕事をしたりとかも多い中で、よく諦めないでやって来れましたね。
 
「そうですね。正社員だけにはならんとこうみたいな」
 
――アハハハハ!(笑)
 
「仕事しながら成功する人もいると思います。でも、ダメです、仕事を音楽にしないと。っていうのは徹底的に守りましたね」
 
――仕事しながら音楽やった方が逆に活動が安定するよと言いながら、仕事に本気になって音楽から離れていく。
 
「そのサンプルをイッパイ見て来たんで(笑)」
 
――諦めないとか一生懸命にやるって、実はなかなか出来ないと思うんですよね。やっぱり諦めてまうし、最初は一生懸命でも、その気持ちはどこかでなくなっていく。だからその炎が消えないというか、それを自分に課し続けられる原動力はどこから来てるのかなと。
 
「ちょっとウマいこと言うかもしれないですけど、大人になるっていうことは、自分の騙し方がドンドンウマくなってくるってことなんですよね。これぐらい頑張っとけばこれぐらいのお金をもらえるとか、自分を騙せるのは自分だけなんで、非常に危険じゃないですか。結局、手を抜いたりもしますけど(笑)、その言葉をなるべく思い出すようにしてますね。だから常に不安になるようにしてます。頑張る基準って自分でしか決められないじゃないですか。だから心折れそうになったらやっぱ仲間ですよね。それこそ、家族もあって仕事もしてるのに、ものスゴいアグレッシブな音源作ったりライブしたり、それも1つの頑張りやし、同じような環境でしのいでて、俺らよりオモロいことをやろうっていうバンドがいたら、アイツらはあんなに頑張ってる、とりあえずアイツらと同じぐらいもしくはもうちょっと頑張ろうって。頑張りで刺激し合うっていうのは、案外狭い範囲でやってますね。ライバルというか、売れたら誰より喜ぶけど、頑張ってるとちょっと悔しくなるみたいな。それは例えば太陽族であったり、ワタナベフラワーだったり。彼らがオモロいことやってると悔しいんですよね。そういうのを見るとやっぱ頑張らなアカンと思う。モチベーションはやっぱ人からもらってますから」
 
 
伝わってると思ってるっていうのが、1番危険やと思いますね
だから伝えなきゃですね
 
 
――今回の制作上の、レコーディングの苦労とかはありました?
 
「曲作りはもう10何年前から苦労の連続ですけど、RECに関しては今回はプロデューサーに西川進さんを迎えて。曲を活かすことをシンプルに考えてくれる人で、バンドもやってる方なんでニュアンスも分かってくれたから、ホントに兄貴的な感じで付き合わせて頂いて。今までやったら詰めて詰めて詰めてレコーディングって感じだったんですけど、西川さんが“全然いけるよ”みたいな感じやったんで、結構レコーディングの直前まで不安でしたね(笑)。でも、それが勉強にもなったし、これから長くザ・マスミサイルやっていく上では、いい経験をさせてもらえたなぁって」
 
――それこそ曲作りはずっと苦労してるって言ってましたけど、それでも30〜40曲も書けるんですか?
 
「苦労…してないんスかね? じゃあ(笑)。もっと絞って作り込めばいいんですけど、とりあえず時間があったんでやってみたって感じですね。ペラッペラの曲もありましたし(笑)」
 
――(笑)。でも、やっぱり熱のあるアルバムというか、テンポが速かろうが遅かろうが、それが全曲に通してある。
 
「やっぱり歌の表情はずっと大事にしてますね。そこもちょっと迷いの種なんですけど。あんまり感情を入れ過ぎると聴けないっていうのもあるんですよ。それで昔反省したこともあって。CDって買わせるだけなら最初のインパクトが大事だと思うけど、やっぱりアーティストである以上、ずっと大事にして欲しい楽曲たちという意味では、何度も聴けるバランスが必要やなぁって」
 
――歌詞の言葉数がめっちゃ多いですよね。
 
「言葉にリズムがないんで(笑)。最近、作曲本を今さら読んでて。『初心者でも書ける作曲』っていうのを(笑)。今もう鞭で叩かれてるんで。やっぱ素晴らしい詞にはリズムがあるんですと。だからリズムがある歌詞には、必然的にメロディが乗るなんて天才じみたこと書いてるんですけど、自分の歌詞を読み返したら全くリズムないんですよ。そもそもリズムがあるわけないんですよね。感情を書いてるから。だからその辺を今勉強してるところです(笑)」
 
――『NO!タイムカード』(M-2)の“始まりは決めたぜ でも終わりは決めないぜ”っていう1行がスゴくいいですね。
 
「まさにもうバンドマン、バンド人生に向けてですね。特に20代の頃は“何歳までに”って、よく言ってる仲間がいましたから。家業が継がなきゃいけないヤツとかもいるんで。でも、それを決めたらホントに辞められますか?って思うところもあるし、それは志半ばでしょう?って」
 
――何かどこかで終わりを決めなきゃいけないような気がするじゃないですか。今やってることを諦めて、どこかで真っ当に生きなきゃイケないタイミングが来るみたいな、誰に言われたわけでもない強迫観念が。こう言い放ってくれたら、スゴく勇気付けられる1行ですね。あとは『たとえそれがフィッシュストーリーだったとしても』(M-6)の、言葉なくして伝わるなら”。=やっぱ言葉で伝えなきゃいけないことがあるってことですよね。伝えることで力を持つことがあるというか。
 
「そうです! ホントにその通りです。伝わってると思ってるっていうのが、1番危険やと思いますね。だから伝えなきゃですね」
 
――あと、“酒・煙草・SEXも知らねぇくせに”とか、“夢の苦しみ 愛の醜さも知らないくせに”とか、この辺もスゴく共感出来ましたね。それこそ引きこもりの人も日常を生きる人もそうですけど、そういう日々に心の動きが起こることをしないとなって。
 
「まあそっちに対するメッセージもありながら、やっぱその親、先生の叱り方に対するdisですね。そんなんじゃ子供の心動かないよって。アンタたちが素晴らしい世界だと思ってないと。そこにハッとして欲しいですよね。大人に」
 
――やっぱり自分も歳を重ねることで、目線が変わってくるのは感じます?
 
「もう全然変わりますね。だから年齢相応の歌を書いていきたい。ガキンチョの頃はやっぱ青い叫びをするべきやって思ってたし。元々斜に構えてる人間だったんで、誰かが頑張れって言ったら、俺は頑張れじゃなくってっていう歌を書いたし、言ってみたら結構パンクなんですよ。近いところに対する反発。でも、社会に反発は全くしてなくて、髪も全然立てない。多数決に対する反骨があるというか、正義とされ始めたらその反対にいくみたいなところは、若い頃からちょっとあったんですけよね。もっと歳をとったら、愛が全てだって言葉で片付ける作曲家になってるかもしれないけど」
 
――10年後にインタビューしたら歌詞めっちゃスッカスカになってたりして(笑)。
 
(一同笑)
 
――伊坂幸太郎の小説『砂漠』からインスピレーション受けたっていう一説もありましたけど、ブログを見てても結構映画を観たりしょっちゅう延滞してるみたいですね(笑)。
 
「アハハハハ!(笑) よく読んでますねぇ(笑)。まあ曲をイッパイ書かなきゃいけないときに、ちょっと自分に課してまして。1週間に5本っていうノルマで、もう自転車操業ですよ。返しに行ったら5本借りて、“今週1本外した~観れんかった~”って(笑)。でも、あんまり映画から得られるモノはなかったですね。本の方がやっぱり膨らみますね」
 
 
伝える手段が僕には歌しかない
人の喜んでる顔、涙でグチャグチャになってる表情をずっと見ていたい
ステージの上から
 
 
――マスミサイルが今でも音楽を続けて、歌う意味って何なんでしょう。
 
「言ってしまえば、音楽って人生を変えてしまう可能性があるじゃないですか。それは“明日からも頑張ろう”っていうのも1つだし、“明日死のうと思ってたけど、マスミサイルが歌ってることはホントかな? じゃあもうちょっと生きてみようかな”っていう人間も、こんだけ長いことやってるといるんですよ。だから音楽を辞めようかって悩んでるときも、これからいろんな仕事とか人生が待ってるかもしれないけど、人の人生を、自分たちが本気で叫んでたら変えうる可能性のある仕事って他にあるのかな?って。それをずっと味わってたかったんですね。そこが唯一続けてるブレないところですかね。相手がいるから歌うんです。自分が楽しいからやってる感覚は実はあんまりなくて、歌そのものは多分そんなに好きじゃないんですよね。ただ伝える手段が僕には歌しかない。だから人の喜んでる顔、涙でグチャグチャになってる表情をずっと見ていたい。ステージの上から」
 
――最近、ビルボードにライブを観に行ったとき、たまたまステージの真横の席やったんです。普段僕らって1番後ろからお客さんの背中しか見えてないですけど、そこからはお客さんの顔が見えて、それがめっちゃええ顔してて。
 
「そうなんですよ!」
 
――よくみんな泣かんとステージ立ってるなって思うくらい、人って音楽でこんないい顔するんやって、めちゃくちゃ感動して。
 
「その通りでございます。俺、結構それが自慢だったんですよね。ステージでもよく言うんですよ。“お前らは一生、この景色は観ることは出来ない。知ってるか!? お前らどんだけ素晴らしい顔してるか”って。“みんなが一生観ることのない景色を俺たちは観てる。それをずっと観させてくれ”って。でもそれが観れたんですね(笑)」
 
――観れましたね(笑)。
 
「アハハハハ!(笑)」
 
――だからそれはスゴく貴重な体験やったなぁと。例えばそれを10代の頃に観てたら、やっぱりステージ立ちたいと思うし、スゴい仕事やなぁと。
 
「もうホント素晴らしい仕事やと思う。ただつまんない顔を1人でもしてたら、ホントダダ下がりですからね!」
 
――そうか! 逆につまんない顔もよく見えるもんね(笑)。
 
「もちろんでございます(笑)」
 
――めっちゃ熱く歌ってるときに携帯いじられて(笑)。
 
「それ1番キツいっすね! 仕事もあるでしょう。そりゃのっぴきならぬこともあるでしょう。ただ、こっちも人間なんで大変ですね」
 
――アハハハハ!(爆笑)
 
「目立ちますから、アレはホントに」
 
――めっちゃ熱いメッセージを届けてる前で、青白い光がボワ~ンって。
 
「そうそうそう!(笑) アレ、ホンット辞めていただきたい。スゴい申し訳ないけど(笑)。残念ながらね、500人ぐらいまでは楽勝で全員の顔が分かりますから。1000越えるとしんどくなってきますけど、700ぐらいまでも結構覚えてます。ホントに分かるんですよ、携帯いじられたら」
 
――アハハハハ!(笑) 気を付けたいところですね。あと、今回のタイトル『HOPE#』について改めて説明して頂きたいなと。
 
「もうそのままですね。ただ、みんな希望を持っていこうぜ、ハッピーに行こうぜ、光はあるぜっていうメッセージよりも、“自分たちの意志”っていう意味での希望というか。あとは、その想定してる目標のちょっとでも先へ行きたい想いも込めて、#を付けて。想像の半歩先へっていう気持ちですね」
 
――ここまで音楽を続けてきて…それでもやっぱりこのバンド、ザ・マスミサイルにこだわった理由は?
 
「あのね、バンドが好きみたいです、俺。まあ楽器が得意じゃないっていう物理的なところもあるんですけど、メジャーの契約が切れてメンバーも2人ぼっちになったとき、その相方がベースだったから、まあバンドじゃないと使いモンにならないじゃないですか、基本的にベースって」
 
――アハハハハ!(笑) まあそうですね。
 
「だから、メンバーを探してる2~3ヵ月の間も月10本ペースで弾き語りをやってたんですけど、全然オモシロくなかったんですよね。両手も両足も不自由な中で、僕の歌は伝わらないって、結構それで分かっちゃった。さあいざ5人になりました!って動き出したとき、自分で言うのもアレですけど表現力が上がってましたね。だってあの3ヵ月間ひたすら弾き語りしてて声と表情でしか伝える手段がなかったのが、両手両足、動き全てで伝えられる。何でバンドなんだって言われたら、全部を使って表現したいからに他ならないのかもしれない。しかも、みんなで作った音とかアレンジが後ろで鳴ってるって、こんなに幸せなことはないので。俺はやっぱり大っきな音と、自分たちの仲間で作った音の中で、最大限ピョンピョンしたい。好きなんですよ、バンドが」
 
――そう考えたら、こんなに素敵な商売はないというか。
 
「ホンマですね。味方だらけで。ただ携帯がね(笑)」
 
――コレはね、気を付けて欲しい(笑)。その場にいるからには、ちょっと興味あるはずなのにね(笑)。まあでも、ザ・マスミサイルはここからまた始まったということで。これからもよろしくお願いしますよ!
 
「ハイ! よろしくお願いします!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2012年12月17日更新)


Check

Release

ドラマティックなサウンドに宿る
熱き言霊が胸を打つメジャー復帰作!

Mini Album
『HOPE#』
発売中 1800円
CROWN STONES
CRCP-40327

<収録曲>
1. 何度も君に恋をする
2. NO!タイムカード
3. いこうぜ
4. ニシジマ
5. キミノブブン
6. たとえそれがフィッシュストーリーだったとしても

Profile

ザ・マスミサイル…写真左より、白石安広(key)、前川真吾(g)、新田洋輔(b)、中野誠一(ds)、高木芳基(vo)。’00年、高木が貼ったたった2枚のメンバー募集で結成された5人組ロックバンド。’04年、人気アニメ『NARUTO』エンディングテーマとなったシングル『今まで何度も』でメジャーデビュー。’07年 、ギター、キーボード、ドラムの3人が脱退。高木、新田でザ・マスミサイル続行を表明。同年12月、菅野康治(g)、中野、高橋康宏(key)を新メンバーに迎え再始動。自主レーベルMASS RECORDS を設立。精力的なリリースとライブを重ねるも、’09年には菅野が脱退。’10年6月、サポートギタリストであった前川が正式加入。同年8月、地球一周アースマラソン・間寛平氏からの直々オファーにより、応援歌『夢と現実のハザマに完璧は必要ない』を書き下ろしリリース。MV に間寛平本人を起用し話題となる。同年10月には10年来の付き合いである戦友・太陽族とミニアルバムを同時リリース、11月には5thアルバム『あいたいあいて』をリリース。全国40ヵ所以上のツアーを決行。’11年3月、高橋が脱退。11月には絶盤となっていた1stアルバムと1stミニアルバムを全曲リアレンジ・再録した『教科書と仲間のうた』をリリース。’12年、年始からライブ活動を休止し充電期間に突入、同時にキーボードに白石を迎える。4月には『ARABAKI ROCK FEST.12』に出演、新生ザ・マスミサイルを始動させた。

ザ・マスミサイル オフィシャルサイト
http://www.massmissile.com/


Live

マスミサイルの真骨頂を
これでもかと味わえる感動のライブ

Pick Up!!

『ザ・マスミサイル
 東名阪ワンマン2012
 Hope to HOPE# 』

【大阪公演】
チケット発売中 Pコード183-138
▼12月18日(火)19:00
LIVE SQUARE 2nd LINE
オールスタンディング3000円
キョードーインフォメーション■06(7732)8888
※小学生以上は有料。

 
【東京公演】
チケット発売中 Pコード183-794
▼12月20日(木)19:00
代官山UNIT
オールスタンディング3000円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999

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年明けに竹内電気との
2マンライブが神戸で決定!

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神戸 太陽と虎■078(231)5540

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