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ソウルディーヴァ、鈴木聖美がビルボード大阪に登場。
デビュー25周年のクリスマス スペシャル ライブで、
憧れの『RADIO STAR HEROES』を歌う!

鈴木聖美からの貴重な動画コメントはコチラ!

 日本が誇るソウルディーヴァ、鈴木聖美。デビュー25周年記念アルバム『RADIO STAR HEROS』を9月にリリースした彼女が、12月18日(火)、ビルボードライブ大阪でクリスマスライブを行う。アルバムのプロデュースは実弟、鈴木雅之。敬愛するソウルシスターのために彼が用意したのは、鈴木聖美がこれまで聴いて来た音楽のヒーローたちの曲を、現在のヒーローたちとデュエットする、という贅沢なコンセプトだった。子供の頃から国内外の様々な音楽を吸収して育った兄弟ならではの企画。ジェロ、木村充揮(憂歌団)、大澤誉志幸、黒沢薫(ゴスペラーズ)、押尾コータロー、そして鈴木雅之率いる(?)マラーズら、豪華ゲストが揃う中、いきいきと歌う鈴木聖美がいる。柳ジョージが残したトラックに彼女のヴォーカルを合わせた『雨に泣いてる』も感涙ものだ。ライブに先駆けて「ぴあ」を訪れてくれた彼女に話を聞いた。

いつか木村充揮さんと歌いたいっていう願いが『神様お願い』に。
 

■鈴木聖美さんのデュエットアルバムっということで、もう少し黒っぽい仕上がりを想像してたんですけど、全体の印象はグループサウンズっていうか60年代の和製ポップスっていうか、新曲も含めてちょっとノスタルジックな雰囲気もあって新鮮でした。

鈴木聖美001.jpg鈴木:うん。あれはね、アルバム作る時に、女の子たちがあの時代にはあんな曲がはやったよねって話してるみたいな、そんな感じが出せたらって思って制作に入ったのね。ザ・テンプターズの『神様お願い』なんて、私もう音楽の真っ只中だもん。15、6歳で一番音楽を聴いてた頃。その頃は私、邦楽はあんまり聴かなかったんだけど、グループサウンズだけは好きでよく聴いてた。友達はみんな、タイガースのコンサートに行ったわ、みたいな話で盛り上がってるの。私はテンプターズのファンだった。だから私ね、最初テンプターズやろうって話になった時に『忘れえぬ君』って曲が好きだったから、その曲をやりたいっていったの。そしたらみんなに、“知ってる人いないんじゃないの”って言われて…。それで『神様お願い』にしようってことになったのよ。雅之(鈴木雅之)は私より4つ下なんだけど、『神様お願い』の方がインパクトはあるって。『忘れえぬ君』いい曲なんだけどね。憶えてる人、意外と少なくって。

■憂歌団、木村充揮さんとのデュエットですよね。

鈴木: レコーディングのために、わざわざ東京まで来てくれたのね。『神様お願い』1曲のために。それで思ったとおりのフィーリングでやってくれて、スタッフ一同納得。私の前のアルバムで、『10ドルの恋』っていう憂歌団の曲を、内田勘太郎さんのギターで歌ったんだけど、それがご縁で今度は憂歌団とのデュエットにつながりましたね。いつか木村さんと歌いたいなって、お願いしたいような気持ちがあったんだけどそれがまた『神様お願い』になったってことで面白いんじゃないかなって(笑)。

■ぜひ、またやっていただきたいです。日本のソウルの東西コラボ。でも、今回それが実現したのが、グループサウンズのカバーであり、しかもザ・テンプターズのカバーであるってところが楽しいですよね。意表を突かれるっていうか、懐が深いと言うか。

鈴木: そう?ぶっちゃけた話。私、ウォーカー・ブラザーズのスコット・ウォーカーが大好きだったの。それでね、テンプターズのドラムの大口広司 さんがスコット・ウォーカーに感じが似てたの、それでテンプターズも大好きだったの。娘時代、私、面食いだったからね。あの頃、グループサウンズの人たちって、みんなカッコよかったですよ。で、みんなカバーの曲をやってましたからね。洋楽が自然に入ってきて、演奏する方も聴くほうもみんなそういうものを感じたり、追っかけたりしているっていう雰囲気がありましたからね。

柳ジョージさんとは、一緒によくライブやってたんです。

■アルバムのタイトルが『RADIO STAR HEROS』 。柳ジョージさんとの『雨に泣いている』のデュエットが印象的ですよね。柳さんは鈴木さんにとってまさにヒーローだったってうかがっているんですが、あそこに使われたミディアムテンポのトラックはあの有名なバージョンを元にしたんでしょうか?

鈴木聖美002.jpg鈴木: 違うの。5、6年前のテイクがあったんですよ。このバージョンでジョージさん、アルバム出してるの。それをお借りして作ることが出来たのよ。ミディアムテンポでしょ。これジョージさんがすごくお気に入りだったそうなんですよ。私もずーっとあのアップテンポで聴いてきてたから、うわーっこの感じいいって思って。これだったらデュエットするとかっこいいかも知れない、と思ってね。
 ジョージさんとは、よく一緒にライブやってたんです。きっかけは『MOGITATE!バナナ大使』って番組で、もう20年くらい前。憶えてます?山田邦子さんとか高嶋政伸さんとか出演なさってた…。この番組のエンディングをジョージさんがずっとやってたんですよ。その番組の切り替わりの時、ジョージさんの次を私が請け負ったのね。その時、じゃ引き継ぎということでって言ってTVで『スタンド・バイ・ミー』を一緒に歌ったんです。その頃は私、デビューして間もなかったし、ああ、この人が柳さんか、カッコいいな、と思って…それ以来のご縁でね。それからお互いのライブやディナーショウなんかにゲストで呼び合ったり、というようなことをやってたんですね。だから、私ジョージさんとはすごく間近で接してるし、彼が歌うっていうことはすごく私の楽しみでもあったわけなんですよ。 ジョージさんがセレクトする洋楽って、ジャズでもそうだしポップスでも、スタンダードでもそうなんだけど、すごく私に合うの。例えばナット・キング・コールの曲を選んだとするじゃない?ああジョージさんならこっち選ぶか、やっぱりねって。それがよく分かるのね。だからあの人は私より、4つくらい上なんですけど、私にとってはもう、カリスマ的な人だったんだなって思う。

■音楽的に気心が知れるっていうか、通じ合う関係…。

鈴木: そう、でもね音楽の話ってそんなにしたわけじゃないんですよ。
 ジョージさんていうと、よくお酒の話が出るんだけど、私ジョージさんとそんなにベロベロになるまで飲んだことないし、ましてや酔って音楽談義なんてしたこともないのよね。私、こんな曲が好きなのよ、みたいな話もしたことなかった。なんだけど…。ジョージさんがこういうのやってって言った時には“ああ、この歌、前から歌いたかったのよね。とか思うことがたくさんありましたね。思ってる曲が一緒だったな、うれしいなって思うようなことが、いっぱい。

杉真理さんが素晴らしい曲と歌詞を書いてくれた。

■いいですね。そういう、多くを語らなくても、一番好きなことで理解し合える関係って。でもお話をうかがってると、鈴木さんが聴いてこられた60年代から70年代にかけての音楽体験の拡がりが、その後の交遊の中でも大きいんじゃないですか?この『RADIO STAR HEROS』に反映されなかった部分も含めて、そのあたりのお話をうかがえれば。

鈴木聖美003a.jpg鈴木: うん、私ね、実はカンツォーネとかもやりたかったんだけど。あはは(笑)。私が若い頃にはイタリアの音楽ってすごく入って来ていたのね。CDは雅之からも曲を出してきたりとかして、今回はこういう曲で固まったんだけど、最初はいろんな曲を考えていて、今まであんまり歌ったこともないような分野にも挑戦してみたかったんですよ。大澤誉志幸君の曲なんかはラテンでしょ。この曲はライブでもふたりで歌ったんだけど、CDさながらのいい出来でしたよ。だから今回は 、初めて挑戦できるような曲を大澤君からもらったり出来たので、次の機会にはほんとに、カンツォーネとか、カバーしてもいいなって思ったりしてます。

■根っこはR&Bとかソウル・ミュージックだと思い込んでたので、ちょっと意外。

鈴木: だって、ジャンル問わずに何でも聴いてましたから。もちろん、ブラックミュージックならモータウンっていう時代ではあったけど、私アメリカン・ポップスも大好きでニール・セダカとかも聴いてたし、大好きだった。当時はほら、イギリスの音楽とかも好きだったから、ビートルズはもちろん、いっぱいいたでしょ。ハーマンズ・ハーミッツとかさ。あのね、みんな笑うんだけど、私、エジソン・ライトハウスが好きだったんです。あれはもう70年代入ってましたか。なんかあれ向こうのグループサウンズって感じで好きだったけどなあ。だけどね、子供の頃ってイギリスの音楽だのアメリカの音楽だのってわからなかったじゃない。また分かったからどうってことでもなかったし。フランスやイタリアの曲も、レコード屋さんに行ったら、シングル盤が全部一緒に並べられてたでしょう。だから、ラジオや何かで曲が流れているのを自分で聴いて、いいな、と思ったらすぐにレコード屋さんに走ったものよ。シングル盤探しに。ラジオデイズってそういうものだったよね。

■『夢で会えたら』はそんな時代を感じさせる、大瀧詠一さんの ノスタルジックな雰囲気のナンバーですよね。。もちろんラッツ&スターのカバーも有名です。

鈴木: これはもう雅之からのオファーで。“お姉ちゃん、ぜひこれを”って(笑)。私、ちゃんと歌ったことなかったんですよ。ライブとかで雅之と一緒にやっていても、サビのところをチョロっと一緒に歌うくらいで。最初から歌ったことなかったんで、この鈴木聖美バージョンでは、本人はめいっぱい可愛らしく歌ったつもりなんだけどな(笑)。

■アルバムのために書き下ろされた楽曲がさっきの大澤さんの曲と…。

鈴木: 杉真理さんの楽曲。いい曲を書いてくれたんですよね。最初はね、曲をお願いしに行ったの。直接お会いしてね。
 経験上、作曲家の方が曲を書くときって、詞のイメージも出来てる曲って割りとあるんですよ。作曲家の中で、もう曲と詞がマッチしているっていう場合がね。だけどそこへ作詞家の大先生の詞をどかんと持ってこられると、ちょっと違うかなあって思うようなことがあるの。ヴォーカリストとしては、それでも歌わないといけないんだけど、今回私、それは嫌だったから、杉さんに詞の方もお願いしたの。そしたらちゃんとできたもの。曲のイメージでそのまま歌った詞が。
 杉さんの詞を見たときね。私なんて素敵なのって思った。何て言うのかしら、この歌にあるみたいに、男だとか女だとかを超越した、こんなお洒落な友達を、友情を持つことが出来たら、もう、最高じゃない?。そんな素晴らしい詞を、杉さんは書いてくれたの。私、見直しちゃった。杉さんのこと。

■最後にライブのお話を…あったかいステージになりそうですね。

鈴木聖美トメ.jpg鈴木: はい、12月18日、ビルボードライブ大阪でやるんですけど、まあ今回デュエットしていただいた方たち、全員を連れて来るわけにはいきませんもので(笑)。そのために、私の弟みたいな桑野信義を連れて来ます。彼にサポートしてもらって、イメージとしては、このアルバムに近い感じで、クリスマス・ライブということで、クリスマス・ソングも含めて歌おうと思ってます。リハーサルをしていないのでまだ何も言えないんだけど、このアルバムを元に、25年ってことで、レーベルを問わずに思い出の曲を歌えたらなって感じですね。楽しみにしててください。
 

 




(2012年12月13日更新)


Check

Profile

■鈴木聖美【KIYOMI SUZUKI】

東京生まれ。アマチュア時代より『シャネルズ』のステージで歌う。そのステージのために作曲家・井上大輔がオリジナル曲「TAXI」を提供。1987年4月、『シンデレラリバティ』でメジャーデビュー。1stアルバム『Woman』 は60万枚を越すヒットを記録する。鈴木雅之との共演作『ロンリー・チャップリン』はデュエット曲の定番として、長く歌い継がれる作品となる。その後はコンスタントにアルバムを発表。’94年には世界初の東京-ロスアンゼルス間をISDN回線で繋いだピーボ・ブライソンとのデュエット曲「Touch the world」 をはじめとして、マイケル・マクドナルド、ウェンディ・モートンらを迎えた『Duets』を発表。日本人と海外アーティストとの共演の先駆けとなった。’97年には「Ballads for lovers」に日本代表として参加。東京・大阪・名古屋・札幌の4ヶ所でピーボ・ブライソン、ロバータ・フラック、ジェームズ・イングラムらとともにライブを行う。2012年9月、豪華アーティストを迎え、歌手生活25年記念アルバム『RADIO STAR HEROES』をリリース。

Release

Album
『RADIO STAR HEROES』

発売中 2400円
テイチクエンタテインメント
TECG-24067

<収録曲>
1.Interlude
2.ロンリー・チャップリン 
  duet with ジェロ
3.コーヒー・ルンバ
  featuring押尾コータロー
4.雨に泣いてる
  duet with 柳ジョージ
5.Jingle1
6.神様お願い
  duet with 木村充揮(憂歌団)
7.愛の迷い
  ~You gotta feel me, keep on danding~
  duet with 大澤誉志幸
8.Jingle2
9.夢で会えたら
  duet with 黒沢薫(ゴスペラーズ)
10.Jingle3
11.Precious Friend
  duet with 杉真理


Live

『鈴木聖美
クリスマス スペシャル ライブ!』

チケット発売中 Pコード 184-750
▼12月18日(火) 18:30/21:30
ビルボードライブ大阪
自由席-11000円(クリスマス・プレート付)
※カジュアル エリアは取り扱いなし。未就学児童は入場不可。
18歳未満は成人の同伴が必要。ビルボードライブ大阪の整理番号をお持ちでない
お客様は開場時間の30分後のご案内となります。
ビルボードライブ大阪の整理番号をご希望の場合はお問い合わせ先まで。
【問い合わせ】
ビルボードライブ大阪■06-6342-7722

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