Fate/Zero、機動戦士ガンダムAGE、ソートアート・オンライン
アニメ主題歌に立て続けに抜擢される注目の女性シンガー
藍井エイルが最新シングル『INNOCENCE』をリリース!
ミステリアスな彼女の素顔に迫るインタビュー&動画コメント
昨年10月に、アニメ『Fate/Zero』のエンディング曲となった『MEMORIA』でデビューを飾った女性シンガー、藍井エイル。いきなりオリコンシングルチャート初登場8位にランクインしたその曲を皮切りに、2ndシングル『AURORA』はアニメ『機動戦士ガンダムAGE』オープニング曲に、さらに11月21日にリリースされた最新シングル『INNOCENCE』も、アニメ『ソートアート・オンライン』フェアリィ・ダンス編オープニング曲と、リリースする楽曲全てが話題作に起用されている。力強いサウンドに埋もれることなく、逆にその音の波をまとって燦然と天から舞い降りたようなクリアで艶やかな歌声同様に、端正なビジュアルも人気。でありながら、実は小学校からバスケをやっていたタフな体育会系女子であることや、「夜中に書いた詞を次の日、昼間に見たら恥ずかしくてしょうがなかった!」とあっけらかんと語る姿はとてもさっぱりとしていて、同性から見ても好感度大だ。デビュー当時、ジャケットなどに顔の一部分だけを覗かせるビジュアル戦略を展開したのも、「ちょっとミステリアスなのがいいかな?って(笑)」という彼女自身のアイディアもあったという。12月には東京、大阪で初のワンマンライブが決まり、1月には彼女をデビューに導いたアニメ&アニメ音楽の“神”情報誌『リスアニ!』のイベントで日本武道館のステージに立つ。さらに1月30日には1stアルバム『BLAU』のリリースも決定と、今ノリにノッている藍井エイル。2013年の彼女に要注目です。
藍井エイルからのキュートな生動画コメントはコチラ!
――ちょっと意外ですが、藍井さんの話す声は歌うときのハイトーンと違って低めなんですね。クールな感じの。
「結構ギャップがあるみたいで、ニコニコ生放送で毎週ゲーム実況をやってるんですけど、声が低いせいか“え? 本人?”とかってだいたい毎回言われます(笑)。話し方もサバサバしてるらしく“男らしい”って言われることが多いですね。デビューして“ロックサウンドが似合いそうな声だね”って言われたことがあって、そのとき初めて声が低くてよかったなと思いました(笑)」
――いい声だと思います(笑)。歌うことは元々好きだったんですか?
「大好きですね。子供の頃に親戚が集まったときにカラオケに行って、そのとき初めて人前で歌ったんですけど、すっごく楽しくって。それから“歌手になりたい”って強く思って、自分なりに歌手になるためのルールを決めまして。“朝起きた瞬間から歌が歌えなきゃダメ”とか、“カラオケを7時間以上歌い続けられなければ歌手にはなれない”とか、そういう謎のルールを(笑)」
――すごくスパルタな(笑)。
「ハイ(笑)。それがあったからか結構、喉は強いんですよ。そうやって歌手を目指してたんですけど、だんだん“夢は叶わないんじゃないか?”って思い始めて…でも音楽と離れるのはイヤだったから、趣味として楽しもうと。あるとき自分の歌をインターネットの動画サイトに投稿したときに、デビュー曲の作家さんである安田史生さんが声をかけてくださって。それからアニメ音楽情報誌『リスアニ!』でご紹介して頂いて、デビューが決まって」
――今の時代らしいキャリアの始まり方ですね。プロフィールによると高校時代はバンドを組んでいたと。
「最初はギターだったんです。内心歌いたいなぁと思いながらギターを弾き、しばらくしてボーカルの子が脱退したのを受けて、“歌っていいですか?”みたいな感じでボーカルになって」
――最初に歌ったとき、その声にみんな驚いたんじゃないですか?
「すごく楽しかったのは覚えてますね。やっぱり人の前で歌ったり表現するのが好きだったんですね」
――バンドではどんな曲をやってたんですか?
「オリジナルもやりましたけど、SHAKALABBITSとか友達のリクエストでX JAPANの『紅』も歌ってました(笑)。ほとんど遊びみたいなバンドだったから、メンバーみんながそれぞれ好きな曲を持ち寄って、何でもアリで」
――藍井さんが特に影響を受けたボーカリストはいますか?
「Do As Infinityに憧れてましたね。メロディも好きだし、ライブ映像で見る、すごく楽しそうに歌ってる姿とかも全部。伴(都美子)さんってかわいらしさがありながら、声が力強い。私もそういう風に表現出来るアーティストになれたらっていうのはありますね」
――これまで発表された3枚のシングル曲はどれもロック色の強いバンドサウンドで、藍井さんの歌声はその力強い音の中でひと際光っているというか、可憐さと芯の強さや突破力みたいなものを併せ持った魅力がありますよね。YUIさんのトリビュート盤『SHELOVESYOU』でカバーしていた『GLORIA』でもそう感じたし、ルーツであるDo As Infinityにも通じるところで。
「それは嬉しいですね。YUIさんの『GLORIA』は、私自身が受験勉強をしていたときによく聴いていて、すごく元気をもらってたんですよ。“迷いながらも夢に向かいたい”っていう楽曲だったこともあって、当時の自分の気持ちにぴったりで、かなり思い入れのある曲ですね。だから歌わせてもらえて光栄だったし、自分が歌うとつい力が入っちゃうんだと思います(笑)」
映画やドラマを観たりゲームをやったり
外から得たものを自分の中で変換して表現するのも楽しい
――最新シングル『INNOCENCE』は、冒頭の“隠してた感情が悲鳴を上げてる”という一節がとても鮮烈でした。同時に、“素直な声”や“君の無垢な笑顔”といった詞が、まさに『INNOCENCE(=無垢、無邪気)』なのかなと。
「“君”っていうのが、過去の自分というか、夢を叶えることが出来ると純粋無垢に信じている幼い頃の自分のことを描いていて、現在の自分はその対比みたいな感じですね。いろんなことがありながらも、前に進んで行こうとする強さに変っていく…純粋無垢に夢をつかみ取ろうとする気持ちで、『INNOCENCE』というタイトルにしました」
――ミュージックビデオには、白い衣装を着たエイルさんと黒い衣装のエイルさんが登場して、楽曲をストーリー化したような内容になっています。
「夢に向かって羽ばたきたいけど、悪い方向に考えてしまう自分もいて、その紆余曲折を白と黒の衣装を着た自分2人で表現していて。白い衣装の自分は、黒い衣装の自分を邪魔に感じることもある。でも、夢に向かって迷いを捨てて前に進んでいくためには、そういった葛藤も消化していかないといけない。その感情を表現したかったんですね」
――“歌手になりたい”という夢を描いていた自分自身と重なる部分がありますね。
「そうですね。『INNOCENCE』は詞を共作させてもらったんですけど、自分が詞を書いていなくても、曲のテーマみたいなものは考えますね。今回のシングルで言えば『last forever』(M-3)は2人が歩んできた想い出を振り返っている曲なんですが、“こういうテーマで書いて欲しい”って伝えました」
――映像も楽曲もご自身がいろんなアイディアを出されているんですね。
「勝手に妄想してるだけなんですけどね。“私がもしゲームを作ったらこういうストーリーで”とかと同じで(笑)」
――ゲームも好きなんですね(笑)。
「ゲームのやり過ぎで小学校2年生で視力0.2なかったぐらいです(笑)。最初は父がやっていたのを見て何もわからずコントローラーを触りはじめて、何も理解しないまま漢字も読めないのにRPGをやってたんですけど、どんどんハマっていって。妄想というか、そういった想像とかから歌詞が生まれたりもするので、おもしろいなぁと思ってて」
――ゲーム音楽もかなりクオリティが高いですしね。
「そうなんですよ。気持ちの高まり方とかって、音楽によって全然違うんですよね。音楽的にもかなり影響を受けてると思います。どちらかというとハッピーエンドよりもバッドエンドのゲームの方が好きで、時には1週間ぐらい落ち込んじゃうんですけど、そうやってゲームに浸って落ち込んでる自分も好きだったりして(笑)。映画やドラマを観たりゲームをやったり、外から得たものを自分の中で変換して表現するのも楽しいし、いろんな考え方があるのを知ると、その分想像が膨らむんですよね。本を読んだりしながら思いついた歌詞を書きとめたりもするんですけど、夜になるといろいろ考え込むことが多くて、昼間にそれを見ると“なんだこれー! こんなの出せないよー!”っていうのばっかりですけど(笑)」
――秋にはデビュー1周年を迎えられて。今、藍井さんが描いている夢は?
「自分の音楽をより多くの人に聴いてもらうためにも、もっともっといろんな楽曲を自分で書きたい。これまで作った曲はバラードが多いんですけど、ロックなものや昭和レトロな感じとか、歌謡曲テイストのものも書けたらなぁと思っているんで、今、絶賛曲作り中です! 自分で曲を作るときはだいたい鼻歌から始めるんですけど、メロディが思いつかないときは思いつくまでDマイナーのコードを鳴らし続けて、結局全然違うコードのメロディが思いついて、そこから作っていったり(笑)。2013年はツアーもやってみたいし、そのためにもっともっとガンバっていろんな曲をやりたい。もっと幅広い表現力も身につけたいですね」
――最後に関西のファンに向けてメッセージをお願いします。
「12月20日(木)心斎橋RUIDOで大阪初ワンマンがあります! そして1月30日(水)にはアルバム『BLAU』のリリースも決定しました! 大阪でライブをするのは今回が初めてなのですごく楽しみですし、イッパイ盛り上がれたらイイと思います。皆さん遊びに来てネ! 最後の“ネ”は女のコっぽく言ってみたんですけど、どうです?(笑)」
Text by 梶原有紀子
(2012年12月18日更新)
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