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メジャー2作目にしてバンドの意識に変化をもたらした
過去と未来を繋ぐ新曲『カレイドスコープ/cube』
V系ニューカマー・ν[NEU]が濃厚なデビューイヤーを語る

 歴戦のプロデューサー・亀田誠治率いるプロデュースチーム(u703)のもと、昨年7月にリリースしたシングル『RED EMOTION~希望~』でメジャーデビューを果たした5人組ヴィジュアル系ロックバンド、ν[NEU](ニュー)。デジタルサウンドを基調にしたハイエナジーな楽曲、オーディエンスのみならずスタッフ&関係者をも巻き込む(!?)全員参加型のライブで注目を集めている彼らが、メジャー2ndシングル『カレイドスコープ/cube』を昨年12月21日にリリースした。ギターサウンドが前面に押し出され、その変化と共に2作目にしてビジュアルもガラリと変わったみつ(vo)と、タクミ(g)に、最新シングルをはじめ現在のν[NEU]について語ってもらった。

たっぷり話して最後は…みつ(vo)&タクミ(g)の動画コメント

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――お2人の髪の色といい、衣装のメインカラーも赤から黒になるなど、前作の取材時にお会いした頃から早くもガラっとイメージが変わりましたね。
 

みつ(vo)「皆さんからよくビックリしたって言われるんですけど、実はデビューの頃から決めていたんです。今だから言えるんですけど(笑)。昨年7月に出したデビューシングル『RED EMOTION~希望~』は赤をテーマにしていたんですけど、今回は曲調に合わせたイメージで黒ベースになりました。自分たちのテーマが“進化”なので、どんどん変わっていかないと」
 

――進化と言えば、発売日当日に行われたDuelJewelとのツーマンライブを観ても迫力が増したというか、これまでの楽しさに+何かが加わった気がします。
 

タクミ(g)「それは僕からすると自信なんですよね。今まではテクニックに自信がなくて、それをカバーするためのパフォーマンスだったんですけど(笑)」
 

みつ「デビューしたことでファンの子が距離を感じるというのを耳にするんですけど、自分たちが思うのは逆で、ファンの子たちを今までよりもすごく近くに感じるようになったんです。デビューという大きな転機をみんなで乗り越えたこともそうだし、大きくなったというよりは、広がったことで近付いたのかなって。やっぱりファンの方たちの声だったり、関わってくれる人の愛情みたいなものがライブにも影響したと思います」
 

――ライブ後の挨拶で、みつさんが“バンドをいったん壊した”と言っていたことが気になったのですが。
 

みつ「デビュー前というかデビュー当初に、バンド内で“デビュー”という言葉を使い過ぎて、その言葉に囚われていたというか…どこかでデビューするためのライブをしていたような気がしちゃってたんですね。何かのきっかけでメンバーで話し合ったときに、“鏡を見てライブをやっているみたいだ”って言ったんですよ。ライブをしてても、目の前のファンの子の顔じゃなくて、自分たちがどう見えるかばかりを気にしてる気がして。多分、ライブの構成を考える分、流れが綺麗になり過ぎて、台本通りみたいになってたのかなって。だから、オレたちは何のために音楽をやっているのか、何のおかげで音楽をやれているのかをバンド内でぶつけあって…聴いてくれる1人1人のために何が一番必要なんだ?って考えたとき、ライブでも音源でも、自分たちの音楽が聴いてくれた人たちの何かの“きっかけ”になれるようなものなんじゃないかって。自分たちの姿がどうじゃなくて、音を聴いたときに何かを与えられるバンドにならなくちゃいけない。そのためにデビューしたんだろ、と。それに気付いてからは変わりましたね」
 

タクミ「僕個人では、バンドでライブをしてるのに1人でライブをしてる感覚というか…キャラクター的役割とかバンド内でのそういうポジションを自分1人で担わなきゃいけないっていう勝手な思い込みがあったんですけど、周りからアドバイスをもらってギター1本に向き合えるようになってからは、景色が変わってすごくやりやすくなりました」
 

――MCでもギターを弾くのが今まで以上に楽しくなったとも仰っていましたね。
 

みつ 「前よりも素の表情が出ているというか。最近は楽しそうに弾いているなって思いますね。周りの人の声も聞けるようになったし、信頼関係が出来ましたね」
 

――前回お話を伺ってから僅か4ヵ月ほどの間にそんなに濃い進化があったんですね。
 

みつ「インディーズ時代よりも長く感じたよね。デビューしてからの4ヵ月は本当に何年分かの経験をしたというか。バンドだけじゃなく、人生で一番濃い期間だったんじゃないかな。あと周りへの感謝や音楽が好きという気持ちが音にも出てきたと思います」
 

タクミ「隠すことをやめたよね」
 

みつ 「今まではデジタルっていうものが…もちろんそれが武器ではあったんですけど、それを盾にしていた部分もあって。でも、今回の2ndシングルはその武器を1回取っ払って、自分たちの素の部分を出してみようって」
 

――それで、『カレイドスコープ』は前作以上にデジタル要素を抑え、ギターが前面に出たバンドサウンドになったんですね。
 

みつ 「今まではリズム隊が曲を支えてくれて、ギターと歌は乗っかってみたいな気持ちでいたんですけど、ギター隊の成長を感じていたので、託してみたらこういう形になりました」
 

――確かにギターのフレーズの組み立て方が、これまでとはかなり違うと思いました。
 

タクミ「アイデアがどんどん出てくるんですよ。今まではやらなきゃいけないことに囚われたり、やりたいことを我慢したりしてたんですけど、“今回はギターが主役”と言われちゃうとワクワクしちゃって(笑)。何パターンフレーズを作ったか分かんないです」
 

みつ「デモはもうちょっとデジロックだったんですよ。でも、タクミと華遊(g)くんがシンセで作っていた音色をギターで弾いてきたので、任せてみようって」
 

――ギター隊の意地ですかね?
 

タクミ 「そうですねぇ。意地というか、溜めていたものを噴火させてみようかなって。いつも自由だったのはギターソロだけだったので、今回は楽しくてしょうがなかったですね」
 

――歌詞の内容もちょっと変わりましたよね。
 

みつ 「今回は“旅”という言葉をすごく使ってるんですけど、音楽は生き様というか…ロックって人そのものだと思うんですね。そう思ったときに、この曲は自分の歩いてきた道、歩いていく道…過去も未来も形にして書きたいなって。今までは葛藤する部分を見せないようにしていたんですけど、それをさらけ出した上で自分や、バンドが歩いてきた道を書いてみようって。デビューをきっかけに生まれた“希望”や“前に進む”ことに関して伝えていきたい気持ちは今でも変わってないんですけど、違う視点で捉えたときに、光がよく見えるときには影があるから、光と影をテーマに歌詞を書きました」
 

――光と影といえば、ダブルAサイドのタイトル曲『cube』もそうですよね。
 

みつ 「これはリーダーのヒィロ(b)がドロドロした部分を全部吐き出した曲で、最初は形にならなくてボツだったんです。リーダーが頭を抱えてるのを見て、今まで一緒にバンドをやってきた仲なので、オレにも何か支えられることがあるんじゃないかって、試しに足りなかったサビを作ってみたんです。それがハマッて、今回は共作という形になりました」
 

――それでサビの部分で急に曲調が開けるんですね。新しい形の中で生まれた曲ですが、今回の3曲の中では一番ν[NEU]らしいですよね。
 

みつ 「実はこの曲は、自分たちの中で区切りだと思って作ったインディーズの集大成の曲だったので、最初は音源化しないと決めていたんですよ。でも、ファンの声が大きくて、遂に音源化したらまさかの両A面にまで出世しまして。自分とリーダーで作った曲ですけど、感覚としては全員で作った曲です」
 

――そして、通常盤にはボーナストラックとして『Lily』が収録されていますが、これもまた前2曲とは違う曲調で。
 

みつ 「『Lily』は昔からあった曲で…かつてのν[NEU]は歌モノでポップなバンドだったんですけど、自分たちが入ってデジタル系に流れていきまして。でも、バンド名は変えなかったんですよ。当時、メンバーの半数が変わるならもはや別のバンドじゃないかってすごく言われたんですけど(苦笑)。そんな中でも自分たちがなぜν[NEU]としてやろうかと思ったのは、以前の曲を死なせたくないっていう想いもあったんですね。昔のファンの子にとっては嬉しいことじゃないのは分かってるんですけど、今は感謝の気持ちというか、過去があったからこそ今もν[NEU]を出来ていると思っているので。過去を忘れるんじゃなくて、背負ってやっていく。そう決めたので。そういう意味では前のメンバーさんや前のファンの子、今のメンバーにも感謝の気持ちで歌わせてもらいました」
 

――聴いていてすごく優しい気持ちになれる曲です。
 

みつ 「歌い方もだいぶ変えました。自然と違う歌い方になったというか」
 

――ライブでも表現力が増したというか。
 

みつ「なんか前より素直になりましたね。自分が一番気持ちいい歌を歌おうって、それだけになったので」
 

タクミ 「『Lily』はボーカルと一番バトった気がしますね。ベーシックな部分は普通に弾いているんですけど、アウトロだったらギターが前に出てもいいかなって。ギターの存在感がより一層出てるし、今までギタリストとしてやってきた意味があるなって」
 

みつ「すごくν[NEU]らしい部分があったり、新しい挑戦をしていたりもするんですけど、全部がシングルの表題曲になれると思ってるし、伝えたいことも全部詰め込んだので。本当に3曲全部を聴いて欲しいですね」
 

――4ヵ月でホントにバンドって変わるもんなんだなって思いました。
 

みつ「やっぱり“新しさ”って大事だと思うんですよね。環境を変えることは人生の中でも不安なことだと思うんですけど、実際にやってみると得るものが大きい。自分たちがそういう姿を見せられるようなバンドになりたいと思ってるので、バンド名にも感謝していますね」
 

――では、改めて2ndシングル『カレイドスコープ/cube』は自分にとってどういう1枚になったのをそれぞれ教えてください。
 

タクミ 「自信が付いた1枚ですね。そして、これから目指したい1枚でもあります。ギタリストとして生きていきたいので、そうなれるようにこれからも精進したいと思います」
 

みつ「過去を捨てたわけじゃなくて、過去を連れて未来を目指す1枚になっていると思います。続けていくことが大事だと気付かされたので、それを伝えたい1枚になりました」
 

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――それをダイレクトに感じられる機会が今年は多いんですよね。1月はイベントライブ、3月18日(日)には大阪RUIDOでのワンマンライブで関西に来られますし。
 

みつ「いや~本当に。発売日に大阪に居ましたからね。運命ですよね、これは」
 

タクミ 「運命です。だから大阪の人は運命だと思ってください(笑)」
 

――(笑)。そんな大阪をはじめとした関西のオーディエンスに、ν[NEU]についてより知ってもらうために、メンバーの意外な素顔を教えてもらえますか? 書ける範囲内で(笑)。
 

みつ「ドラムのЯeIはですね…意外と子供だったりします」
 

タクミ「一番子供かもしれません。あと、頑固だと思います」
 

みつ「負けず嫌いだよね(笑)。ドラマーってどちらかと言うと後ろでバンドを支えるイメージなんですけど、彼は“ドラムが後ろっていう固定概念はいらない”って(笑)。支えてやるけど、前にも出ると」
 

――だから、ライブのときのシンバルの位置がやたら高いんですね(笑)。
 

みつ&タクミ「(爆笑)」
 

――真偽のほどはライブに来て頂けると分かるかと(笑)。では、次はリーダーのヒィロさん。
 

みつ「美容オタクでマメで几帳面なんですけど、だらしないよね(笑)」
 

タクミ「あと、一番短気かもしれない(笑)」
 

みつ「音楽に自分の90%を詰め込むので、他を捨ててるというか(笑)。あと、最初は自分がしっかりしなきゃって思ってたと思うんですけど、最近は他のメンバーが成長して関係性がフラットになったので、多分、素を出してきましたね(笑)」
 

――すごい言われようですが(笑)、それだけ愛されているんでしょうね。では妖精こと(笑)華遊さんは。
 

みつ 「ああ見えて結構熱いというか、男らしい部分を持っています。あと、自分がいる場所は、外だろうがクルマだろうが事務所だろうが自分の部屋になる(笑)」
 

――アハハハ(笑)。ではタクミさんについて。
 

みつ「メンバーの中で一番マジメですね。常にギターを触ってるし、ひどいときには移動中でもギターを持っていないのに指を動かしているというか。意外なところは…釣り好き?」
 

タクミ 「好きなんですよ。基本海釣りですね。でも、虫を触れないので軍手してエサを付けてます(笑)」
 

みつ 「たまにスタッフさんに怒られるんですよ。日焼けしてくるんで(笑)。あと好き嫌いが多い。コーラが大好きで、米を食べるときも、ステージ中もコーラ」
 

――マジですか…。
 

タクミ 「コーラは常にご飯のお供にしていますね。コーラの素晴らしさを語れる自信はあります(笑)」
 

みつ 「うちのスタッフさんもタクミにはとりあえずコーラを渡しとけばいいと分かってるんで、みんなは水をもらっていても、タクミだけコーラ(笑)」
 

――じゃあ、ラストはみつさん。
 

タクミ 「ボーカリストとしての決断力だったり行動力だったり、僕にない部分を持っているので羨ましくもあります。一番意外なのは家族思いのところかな。あと、よく涙を流したり…そういうところは僕にはないので」
 

みつ「普段はあんまり泣かないんですけど、バンドのときだけは本当に…泣くつもりはないんですけどね(苦笑)」
 

タクミ 「全部のライブでキレイに泣いているよね?(笑) 自分は泣けないですから。なので僕の中ではカリスマです。そういう感受性豊かな人は表現者であるべき人種だと思うんで」
 

――それでは最後に、今年の目標と読者へのメッセージをお願いします。
 

タクミ「春のワンマンツアーが5ヵ所であって、初日は僕の地元である仙台であるんですけど、ワンマンは2度目なんで仙台に限らず、全会場ソールドアウトさせたいなと。あと個人的な目標は、やっぱりもっとギターを評価されるようになりたいですね。上手い下手というよりは、“あの音やニュアンスをどうやって出しているんだろう?”とか、誰にも持っていないものを評価されるようになりたい。そうなれるよう頑張ろうかなと。読者の皆さんへは…これからは僕の時代です(笑)」
 

みつ 「急にデカくいきすぎだろ(笑)」
 

――では最後にみつさん、お願いします。
 

みつ「やるからには1人でも多くの人に観てもらいたいし、観にきた人全員に伝わるライブをするつもりです。目標としては、V系のシーンはもちろんですけど、V系を知らないお客さんを巻き込みたいんですよね。オレも元々はV系を全く知らない人間だったので、そういう人間がやってる音楽だからこそ通じる部分があると思うんですよ。キッカケになれるようなバンド、アーティストになりたいです!」



Text by 金子裕希

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(2012年1月23日更新)


Check

Release

デジタルからギターサウンドへ
軽やかに変化を遂げた2ndシングル

Single
『カレイドスコープ/cube』
【初回生産限定盤A[CD+DVD]】
発売中 1890円
EMI MUSIC JAPAN
TOCT-40367

[DVD内容]
01. カレイドスコープ MUSIC VIDEO
02. MUSIC VIDEO MAKING

【初回生産限定盤B[CD+DVD]】
発売中 1890円
EMI MUSIC JAPAN
TOCT-40368

[DVD内容]
01. cube MUSIC VIDEO
02. 2011.9.2 LIVE AT AKASAKA BLITZ
  SPECIAL EDIT Ver.

<収録曲>
01. カレイドスコープ
02. cube

【通常盤[CD]】
発売中 1260円
TOCT-45047

<収録曲>
01. カレイドスコープ
02. cube
03. Lily(Bonus Track)

【ALL TYPE封入特典】
SPRING ONEMAN TOUR 2012
バックステージご招待抽選券

Profile

ニュー…写真左よりヒィロ(b)、華遊(g)、ЯeI(ds)、タクミ(g)、みつ(vo)。’09年に現在の編成となり、’11年7月にリリースしたシングル『RED EMOTION ~希望~』でメジャーデビューを果たしたヴィジュアル系ロックバンド。同年12月には、テレビ朝日系バラエティ『Oh!どや顔サミット』のエンディングテーマ『カレイドスコープ』、ライブで披露され人気の高かった『cube』をパッケージした両A面2ndシングル『カレイドスコープ/cube』をリリース。3月14日(水)には待望のメジャー1stアルバム『Restless』を発売予定。

ν[NEU] オフィシャルサイト
http://n-e-u.jp/


Live

チケットは早くも残り僅か!
大阪ワンマンライブが3月に

『SPRING ONEMAN TOUR 2012』
チケット発売中 Pコード151-597
▼3月18日(日)18:00
大阪RUIDO
オールスタンディング3500円
キョードーインフォメーション■06(7732)8888
※3歳以上は有料。

チケットの購入はコチラ!
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