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女3+男1編成の轟音ロックバンドecosystemがメジャーデビュー!
バンドの歴史から新曲『ジレンマ』制作秘話までを赤裸々に語った
1/28(土)北堀江club vijonワンマン目前インタビュー!!

 切れ味鋭いオルタナティヴ/エモーショナルな轟音にうごめく感情を装填し、熱量の高いライブで爆発させる女3+男1編成のロックバンド、ecosystem。関西を地盤に着実に活動を続けてきた4人が、昨年11月30日に人気TVアニメ『銀魂』のタイアップを獲得したシングル『ジレンマ』で、遂にメジャーデビューを果たした。誰もが抱える“ジレンマ”をテーマとした同曲の意外な制作秘話から、バンド結成のいきさつ、メンバーの脱退&加入、そして上京…ポップなメロディに潜む憂いと切なさを紐解く、1月28日(土)北堀江club vijonワンマンライブ目前インタビュー。フロントマンでありソングライターの壺坂恵(vo&g)に、バンドの歩んできたストーリーを赤裸々に語ってもらった。

壺坂(vo&g)+動画コメントのみ急遽荒井(g&key)も参加!(笑)

――まずは今回の『ジレンマ』がデビューシングルということで、率直な今の気持ち、メジャーデビューということに対して何か思うことはあります?

 
「まぁインディーズであれメジャーであれCDが売れへん時代なのは分かってるし、そんなことはどうでもよくて。でも、メジャーに行ったけどインディーズと変われへん、“え、メジャーやったん?”みたいな状況やったら行く意味はないと思ったんで、どのレコード会社にも“メジャー感のある感じで行きたい”というのは、実はめっちゃ強く言ってましたね。だから元々メジャーに行きたいと思ってたわけでも生き急いでるわけでもないけど、どうせ行くなら華やかにしてなって。タイアップもちゃんと決まって良かったなと思ってます」
 
――めっちゃ大人の意見(笑)。
 
「何て言うかな、自分のプライドみたいなもんですよ。デビューしたのに埋もれる感じは嫌と言ってたけど、自分たちが一番頑張らなあかんのも分かってたし。私はやっとスタートラインに立ったと思ってるけど、メンバーはアニメも好きやしタイアップも付いて“キャー!!”みたいな感じですけど(笑)」
 
――そもそも今のecosystemがどうやって出来上がっていったかを遡って聞きたいんですけど、結成のきっかけは?
 
「18~23歳まではスカバンドでトランペットをやってたんですけど、自分で作曲したいなぁと内心思ってて。ピアノもちょっと弾けるし、作曲も出来る気がしてたので、新しくバンドを組んでみようと思ったときに、友達に紹介されたのが後藤(b)と(空岡)由梨弥(ds)やって。まぁ割かし顔もカワイイなぁと思ったので、“入れへん?”みたいな(笑)。最初はコピーしながら遊びでやってたんですけど、そのスカバンドがメジャーが決まって、自分は金魚のフンみたいに付いて行ってただけやから、このまま一緒にメジャーに行ったらなんかちょっとちゃうわと思って辞めて。そこからecosystemを本格的にやり始めて、その後メンバーが1人辞めたりもしたんですけど、(荒井)要(g&key)にもそれで出会えたし、今はうまいこといってますね。要はギターもキーボードも出来て、音響とかエフェクターが好きで。自分は結構強い歌詞や轟音が好きやから、それで作ってしまうとちょっと暑苦しい曲になってしまう。そこをアンニュイな部分で埋めてくれるのが要やったので、ちょうどいい4人が集まったなって」
 
――アンニュイな部分を作ってくれるのが、メンバー唯一の男なんやね(笑)。
 
「はい。スネ毛も剃ってますし(笑)。香水も付けるしファッションもめっちゃ好きやし。だからよく“男っぽい女と、女っぽい男の子が来たね~”って言われる(笑)」
 
――作曲に関してはそれまで全然してなくて、ギターも弾けたわけじゃない。バンドの一員として曲には参加してきたけど、それだけでは飽き足らない何かをずっと感じてたんかな?
 
「いやもう、スカバンドのときはホンマに何にも考えてなかっただけの4年間で。自分が高校の頃にポストロックが流行って、そこでマイブラ(ッディ・ヴァレンタイン)とかムームとかに出会って、女の人でもあういうカッコいい音楽が出来るんやと思ったのが一番のきっかけで。だから初めはギャルバンを組みたかったんですよね。ギターも何となく弾ける気がしてたし」
 
――曲も書けるような気がした、ギターも弾けるような気がしたって、割と…。
 
「アバウト(笑)。でもecosystemをやり始めた頃は、このバンドで天下取ったるみたいなことは思ってなくて、全然遊びだと思ってたので。大学にも行ってたし、教師になろうと思ってたから」
 
――そうなんや!
 
「そうなんですけど、意外に周りから“いいやん”って言われたりするとね、だんだん調子に乗ってくるんで(笑)」
 
――それが本気に変わったタイミングとか、音楽でやっていくと思った瞬間はあった?
 
「由梨弥と後藤にも可能性を感じたし、自分も多分作曲センスあるなって、なんか思ってしまったんですよね(笑)。人間的にも楽しいメンバーだったし面白いことが出来るんじゃないかというのもあったし、女の娘でパンキッシュでカワイイバンドは世の中にいっぱいいるけど、“このジャンルで女ってイケるんちゃう?”って、漠然とビジョンが見えたんですよ。やり始めたら案の定いろんなところからお話があって、それをまぁまぁしくったんですけど(笑)、今につながってるのかなって」
 
――最初にメンバー2人を紹介してくれた人も、すごく鼻が利くよね。
 
「そうですね。今EGG BRAINってバンドやってます」
 
――そうなんや! 2人を引き合わせたらおもろいやろって思ったんかな。先ほど前メンバーが脱退して要くんが入った話がありましたけど、そこをもうちょっと詳しく聞きたいなと。
 
「“実家帰って就職するわ”、“うんうん、まぁしゃあないな”っていうやつです。4人で真剣にやりたかったけどその娘の人生やし、それを引き止めてまでやるのもね。要に関しては昔ちょっと対バンしたぐらいのつながりしかなかったんですけど、“誰かおらんかなぁ、うちのこの暑苦しい部分を中和してくれる人。そういえばスタイル良かったなぁ…背ぇ高かったなぁ…女っぽいよなぁ…エフェクター好きやったよなぁ…”って頭の中でずっと探してたら、要が浮かび上がってきて。一応ダメもとで連絡してみて、難波のサブウェイで待ち合わせして」
 
――近鉄難波駅のとこね(笑)。
 
「要は“僕、今日9時から会社なんで、あと1時間くらいなら話せます”とか言って、こっちは“まぁ率直に言うとバンドに入ってください”って言って。“えっ?”って(笑)」
 
――そりゃそうだ(笑)。スタジオに入って合わしたりもせず?
 
「何となくイケる気がするからって(笑)。もうみんなそれで集まってるんです。とりあえず“コレとコレとコレ、次のスタジオでやるんで覚えてきてください”って音源渡して。まぁ要は何にもやってこなかったんですけど(笑)。でも、合わせた感じでイケると思ったんで、“助っ人でもええから”ってそのままずっと一緒に活動してて。そしたらデビューも決まって、いざ契約のときに“要どうする?”“実は僕、やってみたい”って言ってくれたので」
 
――話を聞いてると、すごく直感に従う感じやね。
 
「要の場合は何となく前にいたバンド(=kacica)も知っていたので。後藤と由梨弥は…ホンマに何となく(笑)。でもフタ開けたらすごく素質があったので」
 
――そうやって今のメンバーが揃って。紅一点のバンドはまだ多いけど、逆はホンマに珍しいよね。
 
「う~ん、でも男1人って言うよりかは、ウチが男1人みたいなイメージですよね(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) この4人になって、これはイケるみたいな確信はあった?
 
「ありましたね。やっぱりエンタテインメントやから、ライブを観て楽しいと思ってもらわなあかんし、パッて4人並んだ見栄えもいいなと。要は音の面でもちゃんと埋めてくれたし、ピアノ専科で大学にも行ってたから、これからもっといろんなことが出来る可能性もめっちゃ感じたし。あと、今までは後藤と由梨弥の面倒もウチが見てたのが、そういうメンタル面でも要はちょっと年上やからうまいこと処理してくれるというか」
 
――あとの2人はどうなんかな?
 
「あの娘らのいいところは、ecosystemの一番のファンなんですよ。『ジレンマ』が出たときも、後藤なんかリリース初日にカラオケに行って10回ぐらい歌ってきたりとか(笑)、ウチの書いてきた歌詞を見てずっとニヤニヤしてたり。変な立ち位置なんですけど、ecosystemでありながら一番のファンなんですよ。初めはもっとベーシストらしく、もっとドラマーらしくと思ってたけど、最近はウチが主でおって、賛同してくれる一番のファンが側にいると心強いかなと。で、音楽面では要がサポートしてくれるバランスで、今のecosystemは成り立ってる」
 
――楽曲的にも要くんが入ってから変わった?
 
「変わった。今までは、ベースもドラムもキーボードもフレーズは全部私が作ってきて、“コレやって”っていうワンマンバンドやったんですけど、それがなくなってきたというか。自分の作る幅も広がったし、やっぱり要は面白いアイディアを持ってくる。機材マニアやから音色の話しとかを聞いててもスゲーって思うし」
 
――前メンバーの脱退が引き金となった要くんの加入は、バンドにとっては結果いい転機になったんやね。
 
「なりましたね。あと、この『ジレンマ』が出来たのって、とある人(=ecosystemの関西エリア担当イベンター)のおかげなんですよ。で、その前メンバーが脱退した原因も実は彼で(笑)」
 
――マジか(笑)。
 
「実はね。この話はどこにも言ってないんですけど。元々は別の人が担当やったんですけど、その人が会社を辞めるということで、引継ぎで後任の彼のイベントに出なあかんかったんですよ、そのときに…」
 
――ってコレはなかなかの関西音楽業界ディープ話やな~(笑)。
 
「打ち上げで隣の席になって、“ecosystemって最近どうなの?”っていう話になって。“僕、率直に言いますけど、バンドやめた方がいいと思います”って言われて、ウチはもう“ハァ!?”ってなって(笑)。“メグちゃんにやる気があるのは分かってるけどそれも中途半端だと思うし、他のメンバーを見てたら何がしたいのか分からない。ああいうのは辞めた方が、辞めさせた方がいいと思います。そうじゃないとバンドに未来はないと思います”って。でも…それはずっと分かってたんですよ。それをずーっと包み隠してやってきた自分も分かってたし。その当時…今でもよくお世話になってる北堀江のclub vijonの事務所で、泣きながらソロになろうか真剣に迷ったりもして。でも店長さんに励まされて、“ハンカチの法則じゃないけど、メグが突き進んだら遅かれ早かれ残りの3点が全員着いてくるんやで”って言われて必死にやってきた部分があったから、“何も知らんくせに、何の過程も知らんくせに分かった風なことを言うなよ!”って、その場で大喧嘩になったんですよ。“僕は素直に思ったことを言っただけや”“もうお前とは絶対仕事せぇへん”って言い合って、帰り道にふっとこの曲が出来たんです。チャリンコこぎながら(笑)。その2週間後ぐらいにワンマンライブがあって、その1週間前に彼女は辞めていきました」
 
――すごいね~激動やね~。
 
「激動でした。でも、やっぱりウチもそのときに考えたし、彼女にその話をしたわけじゃないんですけど、その空気が伝わってしまったんがかわいそうやったけど。あと、元々腰痛持ちでその手術もせなあかんのも重なって、結果無理やったなって。その担当は喧嘩したときは“クソボケ!”と思ってましたけど(笑)、今では飲み友達でもあるし仕事も一緒にやってるんで、感謝してます」
 
――なるほどね…。そうやって生まれた今回の『ジレンマ』って、多分誰しもが仕事をしてても、何をしてても、“俺は、私は、ホントはこんなもんじゃねぇ”と思うのもしかり、何かしらそういうジレンマを抱えてる。人生に絶対付きまとってくるテーマやからね。
 
「そうですね。小っちゃい大きいにしろ。でもみんなやっぱり“こうなりたい自分”っていうのは少なからずあると思うんで、こう…毒のある方に行って欲しいなぁっていう気持ちで書きましたね」
 
――毒のある方に?
 
「うん。楽な道に進む方もあるけど、それやったら辛くてもちゃんと自分のやりたい方向に一歩進んでみる。そこで落とし穴に落ちたとしても、ゆくゆくはそれでも良かったって思えるんじゃないかなぁというか」
 
――でもみんなやっぱり傷つくのは嫌やし、受け流したら日々の些細なこととして降り積もるけど大ダメージは受けへんで済むところで、その毒のある方に飛び込むのは、結構勇気もアクションもいるよね。
 
「そうですね。まぁ会社に入るのもそうやし、バンドを辞めるのもそうやし。これは性格もあるんですけど、“まぁいっか”ではないけど、これもいい方向に向かってんねやろうなぁって考えるんです。基本ポジティブですね」
 
――それにしても、傷付こうが何しようが、バンドを前進させるエネルギーがホンマにスゴいよね。それを駆り立てるものは何なんやろう?
 
「う~ん…何でしょうね? それは聞かれたことなかったな…」
 
――自分の音楽がいいと思ってるから聴いて欲しいのか、有名になりたいのか、人によってそれぞれやと思うけど。
 
「あ、全部です(笑)」
 
――そりゃまぁね(笑)。けどそれは結果付いてくるものであって、ホントのホントはそうではないはず。
 
「多分ね、バンドをやり始めたきっかけは、作曲が好きな自分に気付いたんですよ。モノを作ることが好きなんです。だからこう、吐き出していきたいじゃないけど、ずっと作り続けていきたいみたいのはありますね」
 
――なるほど。
 
「ホロちゃん(=『ジレンマ』のジャケットを飾るフクロウ)もそうやし、絵を描くこともそうやし。もっといろんなもの吸収して面白い展開になっていったら、“自分にはこういう幅もあったんや”って気付けるし」
 
――自分の作るもので自分を知るというかね。その中でもやっぱり音楽が中心にある?
 
「今は中心です。今はね」
 
――今は(笑)。
 
「今は作曲が楽しい。自分は何にでも好奇心旺盛やと思うんですよ。何かを“したい!”と思ったらせな気が済まへんから。でもちょっと病気なんです。最近はもう好きなこと以外頭に入らない。昨日教えてもらった道を、今日はもう覚えてない。何回も説明されたのに覚えられない。でも好きなことはすぐ覚えるんですよね。だから病気なんです。好きなことしかやっちゃいけない病」
 
――それ都合いい病気やな~(笑)。
 
「そうでしょ?(笑)」
 
――やらなあかんこととやりたいことは違うもんね。でも、やりたいことをやるためにもエネルギーがいる。
 
「恥ずかしがりやったし、人前に出るのもすごい嫌やったし、司会とかを頼まれても絶対にやらへんかったけど、ライブを観ててもやっぱり向こう側におりたいっていうのはなんかあったんですよね。音大に行ったときには教師になろうと思ってたんですけど、そのときも、PA、音楽専門学校、美大と迷って。でも、果たして裏方になりたいのか?って考えたら全然なりたくないわって。だったらって、教師になるために音大を選んで」
 
――でもやっぱり、そうでは済まなかった。
 
「そうですね。そうでは済まなかったですね。でも、ecosystemを初めるときはホンマにこんなに成長するバンドやとは思ってなかったんで」
 
――だって曲も“書けるような気がする”っていう状況で始まったわけやもんね(笑)。
 
「そうですね(笑)。しかもギターも弾かれへんのに何言うてんねんって(笑)」
 
――それでもそれを何とかしてきたわけやもんね、その表現を形にするために。今ではここまでたどり着いて。今回の『ジレンマ』もそうやけど、そういう感情の高ぶりが曲になることが多いんかな?
 
「そうですね。ウチ、もう思ったら即言ってしまうし、完全に衝動型で。大人やから包み隠すことも出来るようになったんですけど(笑)、全部がつながってると思います」
 
――でもホンマはね、その衝動を行動に移すのが一番難しいんですよね。だから、それが意図的だとしてもそうじゃなかったとしても、GO出来るのもひとつの才能というか。『ジレンマ』は、何かが出来ない足りない気持ちがない混ぜになって生まれたのに、それでデビューすることになるとは面白いもんですね。
 
「そうですね。音楽業界を想像したときに多分これからいらんもんも見るし、いらん大人も絡んでくるし、そういうのも分かっているけど、やっぱり勝ち取って大きな舞台に立ちたい。だからこの曲を書いて突き進みたいなぁと」
 
――取材にあたってブログをちょっとさかのぼって読んでみたんですけど、レコーディングですごく気に入ってる曲のサビを変えたエピソードが書いてあって。
 
「この曲です、ハイ。“取り乱して/今夜眠れない”の部分はそのときに書いたんですけど、メロディを変えたんですよね。もうちょっと暗い感じやったんですけど、レコーディング中に急に変えようっていう話になって。自分でもひと化けするなとは内心思ってたんですけど、それを隠してた部分もちょっとありましたね、もうこれでいいやろみたいな(笑)。メンバーも気に入ってくれてたし、自分の中での固定してるメロディも歌詞もあったし、“今から変えるん? あと1日しかないけど”みたいな。でも、そのときも“やったれ”精神ですよ」
 
――チームとしてもどこかで、何かが変わりそうな予感があったんやろうね。
 
「“3時間ください”って篭らしてもらって、歌詞を整理してメロディも考え直して録ってみたら、やっぱり良くて。でも、めっちゃキーが高いんですよ。サビでもひとつ高くなって。“このキーいくか~もう血管切れてもいっか”って」
 
――でもその提案を成功に導けたのは、今まで培ってきた自分たちの地力や、今のバンドの勢いがあったからで。あと『ジレンマ』のレコーディングが行われた河口湖って、最近閉鎖されてしまったあの?
 
「そうです。しかも最後の最後やったと思います」
 
――日本の音楽を生み出してきた名スタジオで最後に録れたという意味でも、すごく貴重な経験が出来ましたね。
 
「貴重でしたね~。あと、プロデューサーもやっぱりすごいなと思ったし、レコード会社の人も尊敬する部分がいっぱいあって、どうしても自分が小っちゃくなって虚しくなって、ギターもあんま上手くないんで、だんだん縮こまってくるんですよ。レコーディングはそれに打ち勝つ試練やと思ってます。ウチはレコーディング、う~んう~ん…あんま好きちゃうかな(小声)」
 
――(笑)。カップリングに関してはどうですか?
 
「『妄想キセイ』(M-3)はホンマに歌まで全部、みんなで“いっせーのーで”で録って」
 
――確かにリフといい勢いやバンドの躍動感が出てるもんね。あとこの3曲の構成で、『夜の街』(M-2)の存在にはすごく意味があるというか。
 
「そうなんですよ。3曲全部が人の持ってる何かしらの感情みたいなものだと思ってて。『夜の街』は、DAWAさん(FLAKE RECORDS)とかえりっさ(GRIKO)とか、友達みんなの顔を思い浮かべながら書いた曲なんです。この曲を書いた頃は何かするってなったら毎回、上京とか東京が頭をよぎったので。これから大阪を離れることになる…一時期でもね。頑張っていかなあかんっていうのもあったんで、そのことを考えていたらこの曲が出来た。大阪城公園で作ったんですけど」
 
――そして、東京に勝負しに行くと。
 
「チームが向こうにおるから仕事が早いし、もう内容詰めて駆け上がりたかったんで。勝負はデビューして1年やと思ってるから。気持ちも新たにメジャーデビューしてタイアップも付けてもらった以上、ヘマしたらあかん自分のプライドもある。要なんかもう、全然収入が伴ってない家賃のところに暮らすし(笑)。ちょっと頑張ってきます」
 
――うんうん。でも2011年は振り返ればすごく激動の1年で。デビューしたことももちろんですけど、遠征中に2度も事故に遭ったり…よう生きてたというか、ホンマに不幸中の幸いというか。
 
「警察の人も、“よう生きてたな!”って開口一番言ってたもん!(笑) でも、デビュー決まった、タイアップ決まった、あぁ死ぬんや、そりゃまぁしゃあないな、と思った(笑)」
 
――でも神様が生かしてくれて、やりなさいと。音楽をね。ここからいよいよ始まっていくecosystemの目標というか、目指すところはありますか?
 
「大きい場所でやりたいし有名になりたいし売れたい。そんなんはもうどのバンドもそうやと思うんですけど(笑)。まぁウチはベイサイドジェニー(‘06年に閉店した大阪港のライブハウス)で、もう1回やりたいですね。高校のときに通ってて、あの静かな街並みとキレイな感じ、行くまでのワクワク感。着いたら横に観覧車がバーンってあって…。今ってアメ村にはライブハウスが多過ぎて埋もれてたり、それこそ東京にはいっぱいあって。ライブにわざわざ行くっていう感覚。あのベイサイドジェニーの空気って、あそこにしかないなって。“将来どこでやりたい?”と聞かれたら、間違いなく“ベイサイドジェニーです”と答えますね」
 
――それこそ何かの記念のときに、一夜限りでも出来たら面白いよね。今まで話を聞いてきて思うけど、ある種のプロデューサー的な目線もすごくあるね。私は曲を作って歌うことだけしか出来ませんっていう人ではない。モノの言い方とか目の配り方が。
 
「なんかそれよく言われます」
 
――衝動をちゃんと行動に移せる自分と、今どう動くことがベストなのかジャッジする冷静な自分が共存してる。あと、ecosystemっていうバンド名は“生態系”からきていると。
 
「はい。小っちゃいことも何に関しても全部つながってるので、ひとつのことに対して優しく出来たり思いやりが持てたら、全部が回っていい世の中なるんじゃないかみたいな意味で付けたんです。自主企画も『誘導線キルナ』っていう名前で。音楽って1人じゃ出来ないんでね」
 
――そして、1月28日(日)にはその大好きな北堀江club vijonで、ワンマンライブ『誘導線キルナ☆スペシャル ~チャブ or DIE~』もあります。
 
「映像も流そうと思ってるし、普段ライブ中に喋るのが私だけなので、ワンマンではメンバーにもこういう一面があるよって見せられたらって。とは言え、ライブはやっぱり観てもらわないと。口では説明出来ないのでね。あと、おとといCDショップに行ったら、J-PUNKのところにecosystemが置かれてたので、パンク精神見せたいなと(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) まずは1.28からecosystemを知らしめていきますか。本日はありがとうございました!
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2012年1月24日更新)


Check

Release

人気アニメ『銀魂』主題歌に抜擢!
記念すべきデビューシングル

Single
『ジレンマ』
発売中 1223円
SME Records
SECL-1033

<収録曲>
1. ジレンマ
2. 夜の街
3. 妄想キセイ

Profile

エコシステム…写真左より空岡由梨弥(ds)、荒井要(g&key)、壺坂恵(vo&g)、後藤葉子(b)。’07年に大阪で結成。’10年、キーボーディストの脱退に伴い、サポートメンバーとして荒井が参加、’11年に正式メンバーとなり現在の編成に。同年11月30日に、人気TVアニメ『銀魂』主題歌となったシングル『ジレンマ』でメジャーデビュー。バンド名のecosystemは生態系の意。

ecosystem オフィシャルサイト
http://www.ecosystem-web.net/


Live

メンバーも愛する大阪のホームで
ワンマンライブが間もなく開催!

『ecosystem presents
 誘導線キルナ☆スペシャル
 ~チャブ or DIE~』
チケット発売中 Pコード157-565
▼1月28日(土)18:00
北堀江club vijon
オールスタンディング2000円
夢番地■06(6341)3525

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら