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ホーム > インタビュー&レポート > カオスな現代社会に大いなる愛とひとさじの毒を盛る 闇と光、絶望と希望をぶち込んだシングル『Soupy World』 12/12(月)南堀江knaveにて大阪ワンマンを控える注目新人にして 話題のシンガーソングライター・小南泰葉にインタビュー!


カオスな現代社会に大いなる愛とひとさじの毒を盛る
闇と光、絶望と希望をぶち込んだシングル『Soupy World』
12/12(月)南堀江knaveにて大阪ワンマンを控える注目新人にして
話題のシンガーソングライター・小南泰葉にインタビュー!

 “藁人形売りの少女”の異名を持ち、特異な詞の世界と耳に残るメロディ、そして瞬時に聴く者の景色をガラリと変える鋭くも繊細な歌声で、ジワジワとその注目度を高めるシンガーソングライター、小南泰葉。この夏にはあの『FUJI ROCK FESTIVAL ’11』にも大抜擢(!!)の末出演。フジロッカーズに嬉しい衝撃をもたらした彼女が、12月12日(月)に2ndシングル『Soupy World』をリリースする。収録曲は、ハジメタル(ex.ミドリ)、中尾憲太郎(クリプトシティ、ex.NUMBER GIRL)ら豪腕メンバーと共に繰り出すポップでパンキッシュなおもちゃ箱サウンドに、闇と光、絶望と希望をぶち込んだ表題曲『Soupy World』、静と動のスリリングな疾走感で聴かせるカオスなロックチューン『ルポルタージュ精神病棟』の新曲2曲。カップリングは大阪地区のタワーレコードのバイヤーの投票により決定するという試みも行われた今作は、小南泰葉の世界観と可能性を存分に堪能出来る、中毒性の高い1枚だ。リリース日と同日の12月12日(月)には、南堀江knaveにて2度目の大阪ワンマン『アポロン○×○デュオニュソス ~Birthday of 12月12日』を控える彼女に、新作、ワンマン、上京、フジロックetc…この激動の1年を語ってもらった。

結構カンペ見てるぜ! 小南泰葉からの動画コメントはコチラ

――4月の大阪初ワンマン時に初のシングルの『藁人形売りの少女/世界同時多発ラブ仮病捏造バラード不法投棄』をリリースして、以降の2011年下半期をまずは振り返っていきたいなと。その後の大きなトピックで言うと、やっぱり『FUJI ROCK FESTIVAL』の初出演だったと思うんやけど。
 

「もうね、とにかくフジロックに出られたこと自体が奇跡。しかもステージが(GYPSY)AVALONだったので」
 

――新人の登竜門であるROOKIE A GO-GOではなく。
 

「ROOKIE(A GO-GO)をぶっ飛ばしてAVALONに…しかも星野源さんが大好きなんですけど、同じステージでお会いすることも出来て。同じステージにまさか立てるとは思ってなかったし。あとそれ以前に、夏フェスとかにもあんまり行ったことがなくて」
 

――そうなんや。
 

「とにかく人の多いところは嫌いなので。だからライブハウスとかでもギュウギュウだったらもう、お金払っててもサッと出ますから、私」
 

――マジで!?(笑)
 

「しんどいじゃないですか。フェスっていうハードな環境の中でも、さらに過酷なフジロック…ですよね」
 

――山奥でね、一番日常から別世界に行く感じやから。
 

「もうキャンプじゃないですか。すごいサバイバルだし、長靴持って行かないとダメなのも聞いてたけど、あそこまでぬかるんでるとは思ってなくて。足はハマるし抜けへんしグッチョグチョになるし、汗はすごいわ夜は寒いわ、なんか冷たいんだけど…と思ってたら、長靴にも穴が開いてた(笑)」
 

――マジか(笑)。
 

「実は大学生の頃に1回だけフェスに行ったことがあって。みんなでフェリーで行ったんですけど、もう二度と行かないって私は思った」
 

――アハハハハ!(笑)
 

「だから、やっぱりフェスは出る方がいいなぁと思って」
 

――なるほどね。それこそ実際にステージに立って、フジロックでライブしたときはどう思った? 泰葉の手応えや感覚的には。
 

「自分にとって、多分今までで一番お客さんが多かったライブだったと思います。見る景色も初めてだし、みんな服装も同じ感じの(アウトドアの)服を着てて、全然普通のライブとは違うんだなと思った。普段ライブハウスに行く人とかと年齢も違えば、聴いてる音楽も違うんだろうし。そういう人の前でライブをさせてもらう機会って、今まではなかなかないじゃないですか。もう地道に対バンで頑張ってとかだから。だから自分の中でもすごく勝負だったんです。でもあのね、フジロックのときにツイッターを見てたら、“ちょっと聴こえてきた声に惹かれてやって来たらすごく良かった”とか書いて頂いた方がいて…なんかそのツイートをずっと見てましたね。すごく嬉しかったです」
 

――うんうん。でも実際あのライブは、今まで観てきた泰葉のライブでも一番よかったなと思いました。
 

「ホントですか!?」
 

――多分みんな泰葉のこと知らなかったと思うけど、観た人は、“この娘誰!?”って帰ってから絶対に調べるに違いない、そういうステージだったなと。今までで一番の舞台で、今までで一番のライブをしたから、勝負強いな~と思ってました。
 

「あぁ~! ありがとうございます」
 

――ワンマンはね、一応泰葉を好きな人が集まってきてくれるから。
 

「そうですよね。目の前にいるみんなが味方っていうのと、私のことをほぼ全員知らないっていうのとは全然違いますもんね、聴いてる側も」
 

――もしかしたら泰葉はそういう場所の方が強いのかも。あの日のライブはホンマに神懸り的と言ってもいいくらいの光景やったなぁと。それにしてもフジロック出演は大きなトピックでしたね。
 

「やっぱり疑うじゃないですか? 自分はインディーやし、まだお客さんも全然呼ばれへん。でもフジロック出れます、しかもAVALONですって。もう訳が分からないじゃないですか。大抜擢ですよね」
 

――それに見事応えて。夏にはそのフジロックがあり、活動の拠点もいよいよ東京に移して。本格的に音楽に没頭する場所に行って、その環境の変化に関してはどう? ハジメタル(ex.ミドリ)、ならやん(楢原英介 from VOLA & THE ORIENTAL MACHINE)、キョンシー(吉澤響 from セカイイチ)とか、今までライブでいろいろと手伝ってくれていたサポートメンバーともすぐにコンタクトが取れるようになって、自分の創作的に何か変わった?
 

「うーんとね、メンバー的には何も変わらないです。みんな冷たいです」
 

――アハハハハ!(笑)
 

「遊んでくれるわけでもないし、リハ終わったらサックリ帰るし。一斉に散りますからね、みんな」
 

――“ちょっと呑みに行こうや”とかはなく、“それじゃあ”って(笑)。
 

「だから、“え、こんなもんなの?”って。“私としてはあなたたちしか友達がいないのよ?”って(笑)。だから最初はすごく寂しくって。一人暮らしも初めてだし、家賃の払い方から何からもう分かりませんっていう状態だったので。どこで曲を作っていいかも分からなくって」
 

――それは部屋の中での落ち着く場所っていうこと?
 

「そう。今までは実家に住んでて何時でもガンガン歌えてたわけですよ。あと、自分は猫を膝の上に乗せて作曲してたので、猫がいない作曲方法が分からなくて。膝の上に猫がいるから名曲が生まれると思ってたから。だからとりあえずスタジオに行きますよね。でもお金も続かなくなってくるし、最近は家で静か~に作曲をし始めました(笑)。(隣の人がうるさいときに壁を叩く)“ドーン”1回までは大丈夫だと思って。2回目の“ドーン”がきたら、やめてます(笑)」
 

――なるほどね(笑)。
 

「やっぱり自分の生活環境より、曲作りが出来る環境かどうかが一番心配だったので。環境が変わって曲が出来ませんとかだと終わりじゃないですか。だったら絶対田舎にいてた方がいいし。私、自然が大好きで都会が大っ嫌いなのに、勝負しに東京に行ってしまったから。今はようやく生活も落ち着いてきて、曲も作れるようになったので。あと、曲を1曲書いたら(ディレクターに)ケーキをおごってもらえるんですよ」
 

――馬の鼻先にニンジンぶら下げる方式 (笑)。
 

「そのケーキ食べたさに私、めっちゃめちゃ一生懸命曲書いてます(笑)」
 

――じゃあ慣れない環境で曲を作り始めたけど、今は少しずつ自分のペースを掴み始めてる感じやね。
 

「掴みました。私が今すごく心が平和なのは、自分が曲を書けているからですね」
 

――さっき膝の上に猫を乗せて曲を作るって言ってたけど、基本の曲作りのスタイルはギターを持って…。
 

「アコースティックギターを持ってあぐらをかいて、そのあぐらのくぼみに猫を乗せて、延々とメロディを作っていくっていう。だから、“スタジオでメンバーと音出してる内にメロディが浮かんで…”、とかは全くなくて、曲を作る環境は絶対に1人なんですね」
 

――そして、歩いてたらフッとメロディが降りてきた、とかじゃなくて、曲を作ろうと思って作るタイプと。
 

「もっともっとストイックです。あそこの高級ケーキが食べたいから、この曲を今晩中に仕上げたら朝までに1個食べられるって計画を立てて、夜中の3時ぐらいにディレクターを叩き起こして、“曲が出来たから聴いて。今からケーキ食べに行こ”って呼び出して、朝方にケーキ食う、みたいな(笑)」
 

――ディレクターさん……じゃあ今は環境にも慣れて、すごくいい状況やね。
 

「はい。もう曲作りが楽しくて楽しくて仕方ないです」
 

――そして、12月12日(月)にはニューシングルの『Soupy World』が大阪地区限定のタワーレコード12店舗でリリースされると。今回は『Soupy World』に加えて、カップリングに関してはタワレコのバイヤーさんの投票により収録曲が決まるという面白い試みでしたが、やってみてどうでした?
 

「6曲の中から選んでもらったんですけど、ロックな曲、ひねくれた曲、気持ち悪い曲、分かりやすいバラードっていうカオスな中から1曲選んでもらって。選ばれるのがバラードかロックかによっても全然中身は変わってくると思うんですけど、やっぱり『Soupy World』があって、それに合う曲が良かったんで。私の中で内心“コレ!”っていう曲があるじゃないですか。でも開票していったら、結構自分の想いとは違うところで票があったりもして…。でも最終結果は、私も出したかった『ルポルタージュ精神病棟』が選ばれました!」
 

――目の前でCDを売れていく現場を見てる人たちが、どの曲を選ぶのかは興味深いよね。
 

「すごく興味深いですね。1票も入らなかった曲とかありますからね(笑)」
 

――マジで!? (笑) 最近、泰葉のサポートをしてくれたキャノン(菅野信昭 from FoZZtone)のバンド、FoZZtoneにインタビューして、購入者が収録曲を選べるオーダーメイドアルバムの話もして。
 

「FoZZtoneのあれを見てて、最初は“もうあんなことして~”と思ってたんですね(笑)。結局、関西の人に協力して欲しい、関西で『Soupy World』を売りたいっていうところでいろんな案があってこのかたちになったんですけど、まさか自分がやることになるとは全く思ってなかった」
 

――作品の内容に関わってくるもんね。
 

「ねぇ! そうなんですよ」
 

――FoZZtoneに話を聞いたときは、絶対に選ばれない曲が出てくる前提で作品を作ることに最初は抵抗があったけど、ある種の引き算をすることで作品が鋭くなったりいい方向に転がる経験を今までもしてきたから、思い切って委ねてみたって。今回は『ルポルタージュ精神病棟』が選ばれて、結果的に思惑通りだったとすれば良かったね(笑)。
 

「私はね、もうホントにね、ホッとしてます(笑)」
 

――まずタイトル曲の『Soupy World』は、どういう経緯で生まれた曲?
 

「『Soupy World』は、世の中に存在しているモノというモノ、人も想いも含めて全部ごちゃ混ぜにして、ひとつのスープにしてやろうっていう曲なんですね。私は自分の音楽にはすごく中毒性を求めてて。入りやすい音楽って抜けやすいから、最初の入口がすごく狭くて入りにくくても、どっぷりハマったらもうずっと聴き続けたいと思ってもらえるアーティストになりたい。だから作品を作るにしても、毒をひとさじ盛らないと絶対に終われないと思ってるんです。歌詞に“白痴”っていう言葉を使ってるんですけど、それも結構問題だったんですね。ラジオで流せませんみたいな。でも私は“かからなくてもいいから絶対に白痴でいきます”って言い切ってそのままになったんですけど(笑)。あと、自分の感情が結構カオスに、グッチャグチャになることがあるんですけど、カップリングの『ルポルタージュ精神病棟』は、まさにそういうときに作った曲で。“トリップ”って言葉が好きなんですけど、トリップ出来ることって世の中にたくさんあるじゃないですか。咳止めシロップ一気飲みとか(笑)」
 

――こらこら(笑)。
 

「日常生活でのバネがボンボン外れてるので、私(笑)。でも、ひとつ音楽っていうものが自分の中心にあるから、自分の中でのトリップ方法はやっぱり音楽でありたいんですね。この曲を作ったときにはもう、バンドのサウンドとかも全部見えてて。サポートメンバーのハジメタルは、この曲のレコーディングは一発OKだったんです。じゃあちょっと軽くやってみます“バババババーン”、みんなが“おぉ~”(拍手)でOK。メンバー1人1人の考え、空気が混ざり合って、すごくいいアレンジになってる。私の中では『Soupy(World)』と『ルポ(ルタージュ精神病棟)』はすごく関連してるし、どっちにも毒はしっかり盛り込んであるので、私の中での中毒性が絶対に消えない2曲入りになってます」
 

――タワレコのバイヤーによる投票という試みを今回はしてるけど、結果、作品としてはちゃんと自分が出そうと思ったかたちで出せると。
 

「そう。私の中で今回は絶対にバラードとかじゃなかったので、ホントに良かったですね。多分コレね、違う曲が選ばれてたら、一悶着ありましたね(笑)」
 

――(笑)。前作の『藁人形売りの少女/世界同時多発ラブ仮病捏造バラード不法投棄』があって、今作が聴いてもらう人にどういう風に届くかは興味深いね。
 

「前作よりは手に取りやすい作品になったと思います。前のジャケットは、ホントに“イッちゃったね~”ってぐらいイッちゃったので(笑)」
 

――あれはあれで世界観をスッゴイ的確に現してるけどね(笑)。
 

「やっぱりリリースしてみて初めて、“こういうのを気持ち悪いって思う人がいるんだ”って分かったりする(笑)。私はすごくヘンなものが好きなので、よく分かんないんですよね。みんなが何をいいと思うのか。ただ1つ言えるのは、今私が一番出したい曲だったってこと。『藁人形売りの少女/世界同時多発ラブ仮病捏造バラード不法投棄』はちゃんととんがってるし、小南泰葉の初めましての紹介のCDだったけど、『Soupy World』はより突き抜けられたと思ってます」
 

――前作で知ってもらった人がいて、フジロックで誰やあの娘って思った人がいて、2年連続の『MINAMI WHEEL』をチェックしてくれた人がいて…泰葉が気になる存在になっていた人たちにとっては、すごくいい刺激を提供出来る1枚になって。12月12日(月)南堀江knaveでの2回目の大阪ワンマンに関してはどう? 『アポロン○×○ディオニュソス ~Birthday of 12月12日』というタイトルが付けられていますが。
 

「アポロンとディオニュソスは神様の名前なんです。アポロンは温かくて母親的な感じで、ディオニュソスがお酒大好きな奇想天外な神様で。私は自分自身はディオニュソスだと思ってて、小南泰葉は形容するときにその言葉をよく使うんですけど、アポロンとディオニュソスは相対照の神様なんです。自分の曲で例えると『ルポ(ルタージュ精神病棟)』とかがディオニュソスで、『HOME』(未収録曲)とかがアポロンですね」
 

――なるほど。
 

「自分はどっちも絶対に持ってるんです。でも両極端をひとつには出来ないから、じゃあもうどっちもやっちゃおうっていうことで、そのときそのときに作りたい曲を気にせず作ってるんですけど。ワンマンにしても、2人の神様がいるんだから2部構成にしたらいいじゃないかってことで、見た目も変えて衣装チェンジとかもあるんですけど。衣装はマジョラムっていうアクセサリーとかを作る娘にお願いしていて、前回のワンマンとは全然違う感じに仕上がると思います」
 

――言ってしまえば、そういう二面性をつないているのが小南泰葉の音楽ってことで。まさにというタイトル。
 

「あと、東京でのワンマンが10月11日で自分の誕生日だったんですけど、12月12日(月)は私の友達の誕生日だったので、“Birthday of 12月12日”。東京・大阪で誕生日を2回祝おうっていうことで、この日にこだわったんです」
 

――なるほどね。この日付はライブでも披露しているあの曲…。
 

「はい。『12月12日』っていう曲があって」
 

――あの曲もすごい。名曲。
 

「すごく大切な曲」
 

――聴いてて迫り来るものがあるから。そういう予備知識がなくてもね。
 

「あの曲はベースはアポロンなんですけど、ディオニュソスの神も曲の中に存在してる。だから、ただの生ぬるいポップスじゃないんです。もう1年間ずーっとライブでやり続けてる曲なので、この曲もいずれいいかたちで残したいと思ってます」
 

――ライブの日付やタイトルに関わってくる重要な曲がどんなものなのかは、当日にぜひ確かめてもらえればと。2011年はこの大阪ワンマンがひとつの締めくくりだと思うけど、泰葉にとって今年はどんな1年でした?
 

「ホントにね、人生が変わった1年でした。あの…コレどうでもいい話かもしれないですけど、音楽でお金をもらう、周りのスタッフが増えるっていうことがどういうことかを考えたら、すごく音楽につながりました。曲作り、1曲に対する接し方、歌詞の置き方ひとつにしても考え方が全然変わりましたね。責任感を必ず音楽で返さないとダメじゃないですか。自分の仕事って何だろう、なぜお金をもらってるんだろう、どうやったらそれを返せるだろうって思うから。そういう責任感が、この歳にしてやっと付きました。自分が背負っているもの、守らないといけないものってそんなになかったんですけど、すごく大切な人がたくさん増えた年でしたね。いなくなったり死んで哀しくなるのは親と友達だけだと思ってたんですけど、今は全くそうは思わない。この1年間で周りの状況がとにかく変わって…人生イチからやり直しの年になりました」
 

――うんうん。生まれ変わるというか、ここからまた始まるというか。
 

「すっごい人生の岐路でした。いろんな選択をね、してきました。前に進めば進むほど、いろんな屍をね、踏んできたなと思います。これからもどんどん踏んでいかなきゃいけないし。 あと…今年はとにかく曲を作る年だと思っていたから、もうずっと曲を書き続けてました」
 

――曲を書くことが、ときに苦痛になったりすることはある?
 

「今はないですね。曲を生むのはすっごく苦しいですけど、それって音楽をやってることに対してしんどい思いをするわけじゃないですか。これだけの感動をステージで与えてもらえるんだから、私生活がどんだけ凄まじいものであっても我慢出来る」
 

――いや~でもホンマに、以前取材した頃より全然フワフワしてないね(笑)。
 

「フワフワ!?(笑) フワフワしてましたか?」
 

――今は地に足がしっかり着いてる感じかな。覚悟が出来てる。
 

「私は恵まれてます。運もすごくある。ただ、老後は諦めてます(笑)」
 

――何じゃそら(笑)。
 

「今にたどり着けたここ2年間ぐらいは、絶対に振り返ったらあかん2年間やと思ってて。だからまた2年後に考え方が変わればいいと思ってます。2年後に老後のことを考えたらいいや(笑)」
 

――来年もまた面白くなりそうですな。どうなるんだろうなコレ(笑)。まずは年末の大阪ワンマンですね。
 

「はい! まずはそこですね」
 

――この1年間積み重ねてきた濃い経験が、ステージで報われたらいいね。それでは12月12日(月)南堀江knaveでまた会いましょうということで。
 

「はい! ありがとうございました!」



Text by 奥“ボウイ”昌史




(2011年12月 8日更新)


Check

Release

新曲C/Wはバイヤー自らセレクト!
大阪地区のタワーレコード限定発売

Single
『Soupy World』
12月12日(月)発売
500円
秘密結社Y人Y
YYY-888

<収録曲>
1. Soupy World
2. ルポルタージュ精神病棟

Profile

こみなみ・やすは…10代より音楽活動を始め、その奇才を潜ませながら、挫折、蒸発、引きこもり、音楽活動を中断。’08年より活動を再開すると、その世界観に早耳のリスナーが次々と引き込まれ、瞬く間に話題を集める。’10年には1stミニアルバム『UNHAPPY BIRTHDAY』を発表。さらには関西最大のライブサーキット『MINAMI WHEEL 2010』に出演し、入場規制がかかるほどの反響を巻き起こした。関西を地盤に東京でも精力的にライブ活動を続け、’11年4月9日には南堀江knaveにて初のワンマンライブ『時計仕掛けのざくろ』を開催。同日より会場限定でシングル『藁人形売りの少女/世界同時多発ラブ仮病捏造バラード不法投棄』のリリースを開始。続く東京でのワンマンライブも成功を収め、夏には『FUJI ROCK FESTIVAL '11』に出演。10月には2年連続となる『MINAMI WHEEL 2011』、2度目の東京ワンマンを経て、12月12日(月)に2ndシングル『Soupy World』を大阪地区のタワーレコード12店舗で発売。同時に南堀江knaveにて2度目の大阪ワンマン『アポロン○×○デュオニュソス ~Birthday of 12月12日』を開催する。

小南泰葉 オフィシャルサイト
http://kominamiyasuha.jp/


Live

名曲の題材にもなった運命の日に
大阪で2度目のワンマンライブ!

『アポロン○×○デュオニュソス
 ~Birthday of 12月12日』
チケット発売中 Pコード153-103
▼12月12日(月)19:30
南堀江knave
前売2500円
南堀江knave■06(6535)0691

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チケット情報はこちら

Special!!

今年4月の訪問時に話題を呼んだ
伝説の(!?)ぴあ関西潜入記!