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ジャケットの隅々にまで想いを張り巡らせた
1stアルバム『FUTURES』が堂々完成!
ファンタジックで人肌なSEBASTIAN Xの音楽の魅力に迫る

 ライブでも音源でも、音楽のおもちゃ箱的オリジナルサウンド上を縦横無尽に駆け巡る、永原真夏(vo)の圧倒的な歌声や表現力で観る者を魅了するSEBASTIAN X。10月5日にリリースされた1stフルアルバム『FUTURES』も、彼女のこだわりと世界観をメンバー&スタッフが一丸となって隅々にまで染み渡らせた作品だ。今作の歌詞ブックレットを手間は掛かるが独特の味がある活版印刷にしたいというアイデアも彼女発信だったわけだが、そこから掘り下げていくことで、なぜ彼女がバンドをひとりで牽引していくのか、そして、メンバー3人との信頼関係を知ることが出来た。他のバンドでは類を見ない(!?)独特の楽曲制作のスタイル、そして、ひとりを信用し、メンバー3人に託し、また聴く人ひとりひとりへと丁寧に伝えようとするミュージシャンシップ。バンドという名の完全なる運命共同体のケミストリーが感じられるインタビュー。

和気あいあいの仲良し動画コメントはコチラ!

永原(vo)「実は、今回のアルバムのインタビューを4人で受けるのは、関西では初めてなんですよ!」
 

――ひとりと4人とだと、インタビューは違う感じになりますか?
 

永原「内容は変わってきますね。私はサウンドについて多くは語れないから精神論になりますし」
 

飯田(b)「今回は(永原が)ひとりでやってるから、雑誌とかが発売されてから読んで“いいこと言ってんじゃん!”みたいな(笑)」
 

工藤(key)「それで初めて知ることもあるしね」
 

――初めて知るような内容というと、今回、ブックレットを活版印刷された内容とかもそうですよね。
 

沖山(ds)「何となく風合いが良いんだろうなっていうくらいで、活版印刷にした詳しいいきさつとかは知らなかったですから」
 

飯田「まなっちゃん(=永原真夏)のアイデアで進めていたので、どういう効果をもたらすかは実際は分からなくて…どうなるのかな?って想ってたから、インタビューを読んで一気に納得しましたね。もしかしたら俺、(普通の印刷と活版印刷の)違いが分からないかもと思ってましたけど、出来上がったものを見てみたら一目瞭然でしたね」
 

永原「詩集が好きで、毎回読むたびにすげぇいいフォントだな~と思ってたらデータじゃなくて(笑)。それで、活版印刷というものを初めて知りましたね」
 

――実際に活版印刷を体験してみて、いかがでしたか?
 

永原 「凄まじかったですよ。とんでもないことをやっているんだなと…。例えばPCは誰にでも使えるように出来てるじゃないですか。でも、活版印刷は職人さんのものだから、職人さんにしか分からないんですよ。何か聞いても、“やれたらやる”としか言わないし。不透明なことが多いから、信じてるぞ~!って感じでしたね(笑)」
 

――ブックレットがホッチキスで留められてないのも驚きました。
 

永原「活版印刷には、ホッチキスが合わないんですよ。いろんな活版の可能性もあるなと思いましたね」
 

工藤「気持ちがこもってる感じがするしね」
 

永原 「とにかく、自分の信念を曲げたくなかったんです。私の信念と職人さんの信念とで、最初は探り合いでした」
 

――結果、良い出逢いになってますよね。作品の内容自体もお伺いしたいんですが、今作にテーマはありましたか?
 

飯田「結局、作ってるときはテーマを意識してなくて」
 

永原 「制作していく中でそこはかとなくメッセージはあって、でも、みんなには伝えずにいて…」
 

飯田 「自由に解釈みたいな感じだよね」
 

永原「理解してくれてると思ってるから、理解していないアレンジが3人から上がってきたら、ブチギレします(笑)」
 

――(笑)。まずは、ひとりで曲を作られるんですよね?
 

永原 「そうですね。で、今回は特に“ひとりの人に歌いかける”ということを意識したんです。例えばライブだと、何十人であろうと何千人だろうと、メンバー4人対その人数じゃないんですよね。ひとりずつに届けるという意識がないといけない。ラジオに出たときに“誰かひとりに話しかけるようにしなさい”とアドバイスをもらったんですけど、これって歌もそうじゃないかなと思ったんですよね。だから、レコーディングでは集中するために、歌録りのときはブースにはメンバーもスタッフも入れなかったですね。何か濁るのが嫌だったんです。自分の考えを頼りにしました」
 

――例えば、濁らせないという考えを持ったときって、全部ひとりでやりたいと思う人もいると思うんですよ。でも、あくまでバンドとしてそれを作り上げようとしているのが凄いなって思ったんですよ。
 

永原 「ストレートな感情をメンバーに託すのは苦痛でもあったりしますけど、だからって、自分ひとりで再現しちゃうのは救いがないなって思うんです。誰かと繋がりたいんですよ」
 

沖山「あと、楽器が出来ないもんね(笑)」
 

永原「うん(笑)。鼻歌と手拍子で作りますから」
 

――えっ? それをメンバーが音にしていくの!?
 

飯田 「よく(その作り方は)珍しがられますね。でも別に面倒ではないですし、それをもらったときは、いつも“ウォ!”って思うし」
 

工藤「そうそう。だから、真夏にも“ウォ!”返しをしたいんだよね」
 

永原「だから楽しみなんですよ。出来あがると魔法みたいだなって。今回は特に自分ひとりでは出来なかったので、タイトルも『FUTURE』でなく“S”をつけたんですよ」
 

――だから、このバンドはワンマンバンドではないんですよね。ちゃんとバンドなんですよね。
 

永原 「そうですよ! メンバーが私をワンマンキャラにして、上手く利用しているんですよ(笑)」
 

工藤「そんなことないよ! 真夏はフロントマンですから(笑)」
 

――いやぁ、いいバンドですね。11月20日(日)十三Fandagoでは、東京カランコロンを迎えた自主企画ツーマンも控えていますので、そちらも楽しみですね。本日はありがとうございました!

 


取材・文 鈴木淳史




(2011年11月 9日更新)


Check

Release

ジャケットもこだわりの仕様!
待望の1stフルアルバムが誕生

Album
『FUTURES』
発売中 2300円
we are /HIPLAND MUSIC
RDCA-1019
※歌詞ブックレットは、珍しい昔ながらの印刷技術“活版印刷”(活字を組み合わせて作った版で印刷する技術)による仕様。活字レイアウト作業や印刷作業の行程もメンバーも立ち会いのもと行なわれたこだわりの仕様!

<収録曲>
01. ROSE GARDEN,BABY BLUE
02. スピカ
03. 光のたてがみ(Album ver.)
04. 日向の国のユカ
05. FORTUNE RIVER
06. Sleeping Poor Anthem
07. 恐竜と踊ろう
08. おまじない
09. TYPHOON
10. 愛の跡地
11. F.U.T.U.R.E.
12. ロングロングジャーニー

Profile

セバスチャン・エックス…写真左より沖山良太(ds)、永原真夏(vo)、飯田裕(b)、工藤歩(key)。’08年2月結成。同年6月に初ライブ、8月には完全自主制作盤『LIFE VS LIFE』を発表。’09年には初の全国流通盤となる1stミニアルバム『ワンダフル・ワールド』を、’10年には2nd ミニアルバム『僕らのファンタジー』をリリース。’11年1月に初の配信限定シングル『光のたてがみ』を発表し、10月発売の『FUTURES』が初のフルアルバムとなる。永原の圧倒的な存在感と歌声と、そこに追随する3人のファンタスティックなサウンドで注目を集める。

SEBASTIAN X オフィシャルサイト
http://sebastianx.info/

SEBASTIAN X Twitter
http://twitter.com/sebastianx_jp


Live

自主企画2マンツアーの後は
東京でファイナルワンマン!

SEBASTIAN X presents
『タンタララン in NAGOYA 2011』
チケット発売中 Pコード149-164
▼11月18日(金) 19:30
池下CLUB UPSET
オールスタンディング2500円
[共演]オワリカラ
ジェイルハウス■052(936)6041
※未就学児童は入場不可。

大阪公演は完売目前!
東京カランコロンと2マン

SEBASTIAN X presents
『タンタララン in OSAKA 2011』

チケット発売中 Pコード149-278
▼11月20日(日) 18:30
十三Fandango
オールスタンディング2500円
[ゲスト]東京カランコロン
GREENS■06(6882)1224
※未就学児童は入場不可。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


SEBASTIAN X presents
『タンタララン in SENDAI 2011』
チケット発売中 Pコード149-026
▼11月25日(金) 19:00
仙台PARK SQUARE
オールスタンディング2300円
[共演]東京カランコロン
G・I・P■022(222)9999
※未就学児童は入場不可。


SEBASTIAN Xワンマンライブ
「俺たちFUTURES!」
チケット発売中 Pコード148-927
▼12月8日(木) 19:30
渋谷CLUB QUATTRO
オールスタンディング2800円
ディスクガレージ■03(5436)9600
※未就学児童は入場不可。