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嵐、AKB48、ももいろクローバーZ etc...
多くのヒットソングを手掛ける作家であり
シンガーソングライター・タダシンヤが東名阪ツアーに出発!
10/28(金)心斎橋JANUSワンマン直前インタビュー

 シンガーソングライターとしての活動の傍ら、’07年に作詞家/作曲家としての活動を開始。あの嵐の楽曲の数々を手掛け、作詞を手掛けた『風の向こうへ』は‘08年度シングル売り上げ1位を記録、そして翌’09年も『曇りのち、快晴』が再び年間1位を獲得するなど、ヒットソングを連発! ’10年5月には、AKB48の大ヒット曲『ポニーテールとシュシュ』の作曲も手掛け、他にもSKE48、ももいろクローバーZ、HOME MADE 家族、渡り廊下走り隊etcに次々と楽曲を提供するなど、作家としても時代を作り続けるタダシンヤ。多くの人々の心を掴む良質なメロディと歌詞の世界観はどこから生まれるのか? シンガーソングライター・タダシンヤとして、作家・多田慎也として、音楽シーンをサヴァイブする彼が生み出した初のシングル曲『優しいヒーロー』、そして10月28日(金)心斎橋JANUSを皮切りにスタートする東名阪ワンマンツアーを前にお届けする、等身大のインタビュー。

タダシンヤからの爽やか動画コメントはコチラ!

――タダさんは作家としても活動されているわけですけど、さかのぼってそもそも音楽を始めたきっかけは何だったんですか?
 

「まず最初はピアノをやってたっていうことですね。そこからピアノがちょっとつまんなくなってきて、ポップスがやりたくなってきて。高校生ぐらいの頃から曲を作り始めたのが出発点ですね」
 

――書こうと思って曲ってすぐ書けるもんだったんですか?
 

「そのとき…ちょっと好きな娘がいまして。曲を書いてその娘に聴かせる名目で呼び出せば、音楽室で、個室で、ふたりっきりになれる(笑)」
 

――音楽の動機特有の、あの感じですねぇ(笑)。
 

「今日も曲出来たよ~って(笑)」
 

――ズルい(笑)。まぁ会う理由が出来ますもんね。
 

「で、歌ってみてよとか、バンド組もうよとか、俺ピアノ弾くから!とか言って(笑)」
 

――アハハハハ!(笑) ちなみにその娘とはうまくいったんですか?
 

「それがうまくはいきませんでしたね~」
 

――そもそもアーティストとして活動していく中で作家としても活動するようになったのか、元々作家志望だったのかで言うと?
 

「最初はライブハウスで普通に歌ってたんですよ。そのときにとある関係者の方から“曲が良いから、とりあえず作曲もやってみないか?”と言われて。そもそも音楽にまつわる仕事は何でもやろうと思ってたんで、ピアノも頼まれれば弾いてたし、コーラスもやったし。とにかく何でもやってみようと思ってやってた中の1つの要素が回り回って、とあるアーティストさんにつながって、作家デビューというかたちになったんです。今度はそのことを認めて下さった方々がいて、シンガーソングライターとしてもデビューすることが出来た。ホントに歌ってきてよかったなって」
 

――まずは自分がシンガーソングライターとして名を馳せるまでは…みたいなこだわりはなくて、音楽に関することは何でもやってみようというところから始まってるんですね。HPのWorksの欄を見ても、それこそ嵐やAKB48の曲があったりと、まさに今の時代を作る仕事をしていると思うんですけど、やってみて分かったやり甲斐だったり難しさはありましたか?
 

「言ってみたら自分の部屋で作った曲が街で普通にかかってるわけじゃないですか? そのことを頭の中で整理するまでにまず時間がかかりましたね(笑)。“この曲どっかで聴いたことあんな~”と思ってたら自分のだ、とか(笑)。あとはやっぱり今までは自分だけで成立していた曲が、作詞は別の方だったり、逆に僕が詞だったり、アレンジが他の方だったり、プロジェクトの内容によって曲ってここまで変わるのかとか…音楽の“仕事”ってこういうことなんだなって。今はそれに魅せられているのもあります」
 

――街でかかってるのを聴いたときって、最初はどんな感覚でした?
 

「夢のようでしたね。こんなことがホントにあるのかって。多くの人が聴くであろうことが前もって予想も出来たんで大丈夫なのかな!?っていう」
 

――担当するアーティストの規模によっては、それが大きなプレッシャーにもなりますもんね。
 

「ありましたね、正直。もう1回曲の構成を見直したりして。もうCDになってるからどうしようもないのに(笑)」
 

――逆にシンガーソングライターとしても並行して活動するがゆえの葛藤みたいなものはありますか? 時には自分の意図とは違うオーダーに応えなきゃいけなかったり、最終的なジャッジは別の人間が行うわけですけど。
 

「まず、タダシンヤ“らしさ”を認めてオーダーしてくれてること自体が嬉しいじゃないですか? 最初はその“らしさ”を認めてもらうことに必死だったのに対して、今は相手の求めることに、オーダーに応えることの面白さに気付きつつあるところですね。ホントにまだ勉強中なんで」
 

――そういった作家活動が、シンガーソングライターとしての自分にもたらしてくれるものはありますか?
 

「今まではやっぱり自分の内側から外側に向かう矢印しかなかったんですけど、作詞作曲の仕事をすることによって、街中で流れること…自分が意識しないところでも音楽がふと耳に入ってくる経験をしたことによって、音楽をちゃんと客観視出来るようになりましたね。自分の歌ってる曲も、一歩退いて外から聴いてみようとか、街で突然聴いたらどう感じるのかとか、そういうことが少し意識出来るようになってきたんで。作詞作曲の仕事で得た経験は、ホントに今自分の財産になってる気がします」
 

――そんな中で生まれたNHK『みんなのうた』にも選ばれた初のシングル曲『優しいヒーロー』は、どういった経緯を経て作られた曲だったんですか?
 

「今回の曲のテーマは“お父さん”なんですけど、選考にテーマも縛りもあったわけでもなくて」
 

――ただ『みんなのうた』という世界観だけがあると。
 

「そうです。ただ、元々僕の描く世界観と『みんなのうた』は重なる部分が多かったので、だったら思い切って自分らしさをもっと出してみようと。ホントに直感的に思い付いたテーマがたまたまお父さんのことで、『優しいヒーロー』という曲になったんです」
 

――でも、言ってみればポップスで“お父さん”をテーマにするのは王道ではないじゃないですか? そのテーマが振って沸いてきたのがなかなか興味深いなと思ったんですけど。
 

「とは言え、今までは家族というものをあんまりテーマにはしない作風だったんですけど、最近は電車に乗ってても親子連れに目がいったり、今どんなことを思ってるのかな?って考えたりする時間が増えてきたのがきっかけとしてはありますね」
 

――今回の『優しいヒーロー』の目線って、ある種自分自身がお父さんになってもおかしくない年齢に差し掛かってきたからこそ分かるお父さんのスゴさ、みたいなものはやっぱありますよね。
 

「ありますね~。自分の理想の父親像を曲に詰め込んだのはありますね」
 

――実際のお父さんとはちょっと違うんですか?
 

「実際は…ちょっと違いますねぇ(笑)」
 

(一同笑)
 

――ちなみにどんなお父さんなんですか?(笑)
 

「歌の主人公はスーツですけど、うちの父は作業着系の仕事で。それはそれでもちろんカッコいい部分はあるんですけど、その父をまんま描いたというよりは、そのいい部分だけを曲に引っ張ってきて」
 

――ある種みんなが想像を共有しやすいサラリーマン像を描くっていうのはありますもんね。自分がまだ高校生ぐらいだと、しかも音楽の仕事に憧れるような人間だと、“サラリーマンなんて普通過ぎる!”とか思いがちですけど、歳を重ねていくと、子供を大学に行かせたり家を建てたりとか…そのスゴさと覚悟に気付かされますもんね。親の偉大さみたいなものに。
 

「そうですよね。よく辛いこともあったのに続けてくれたなって」
 

――作っていく中で自分にも照らし合わせるっていうね。この曲の反響はどんな感じで返ってきてるんですか?
 

「“お父さんに日頃の感謝をこのCDをプレゼントし現しました”みたいな嬉しいメッセージももらうんですけど、意外に多かったのが、“この曲を聴いて旦那を大事にしようと思いました”っていう(笑)。あ、そういう聴き方もあるんだって(笑)」
 

――“お父さん”というテーマはポップスとしては突飛なものにも見えるけど、人には誰しも父がいて、夫がいて…というところで言えば、実は普遍的なテーマだったのかもしれませんね。でもこういったところに目線を向けられるのは、逆に作家ではなくアーティストとしての曲だからという面白さもありますよね。そもそも、曲はどうやって作るんですか? よく作るぞとピアノの前に座るタイプと、散歩してたらフッと降りてきた、みたいなタイプとに分かれると思うんですけど。
 

「僕は作ろうと思って作るタイプですね。もちろん思い付くこともありますけど、思い付くとすれば一定の動作をしてるときが多いですね。例えば走ってるときとか…トントントンと一定のリズムがあるから、それに乗って出てくるときがある。でも、基本的には作詞作曲のお仕事をやらせてもらってるのもあって、事前に決まりごとがある場合も結構多いので。それを元にして、僕の場合はそのイメージに近い映像をなるべく思い描いたりとかしますね。例えば好きな映画のシーンからコンセプトに会うものを探して一時停止して、それをずっと眺めながらキーボードの前にずっと座ってる。で、イメージがちゃんと出来たら書き始める。そういう書き方が多いですね」
 

――『優しいヒーロー』が出来上がったときはどう思いました?
 

「たまにあるんですけど、自分で書いてて“ウッ”と(泣きそうに)なることがあるんです。その感覚があった曲だったんで、これはイケるなと。僕はいつも自分なりのサインにしてるんですけど…背筋にちょっと戦慄みたいなものが走る曲が、きっといい曲なんです。そこにちょっとこだわっているところはあります。ちゃんとゾクッとするかどうかっていう」
 

――この曲に関してはちゃんとそれがあったと。
 

「ありましたね~」
 

――逆にない曲もあるんですか?(笑)
 

「ない曲も、あります(笑)」
 

――アハハハハ!(笑) 最近ライブとかを観てても、メジャーだインディーだとか、どこの事務所だとかどこのレコード会社の新人で今業界的にキテるとか言われてても、結局ライブを観たときに鳥肌が立つかどうかかなって。自分の頭の中のいろんな理論や条件を吹っ飛ばすじゃないですか? 理屈抜きで身体が反応してしまってますもんね。
 

「仕事なのでホントは何とか論理立てていきたいんですけど、難しいですよね。感覚にはなかなか勝てない」
 

――音楽という非常に感覚的なもの仕事にするというのは、ある種面白いですよね。
 

「そうですよね~」
 

――10月28日(金)には心斎橋JANUSでワンマンライブもありますが、ツアーに向けては何かありますか?
 

「まずいろんな場所でライブが出来ること、全国各地を廻れることが一番嬉しいことで。イベントとかだといつもとんぼ帰りですしね。大阪に来たのにちっともブラブラ出来なくて、ライブの思い出が浜中湖のパーキングエリアとかになるんですよ(笑)」
 

――アハハハハ!(笑)
 

「でもね、ツアーに出たときって、ちゃんとその土地その土地を好きになって帰って来れてるんですよ。それって何でかな?って考えたら、そこで会えた“人”なんですよね。場所だけを好きになるんじゃなくて、そこにいてくれた人、会えた人を好きになる経験がツアーでは出来る。それを今回もまた楽しみに来たいなと」
 

――それはその言葉をもらったお客さんたちもすごく嬉しいと思います。大阪のお客さんの印象ってあります?
 

「大阪はどっちかと言うと目が厳しい土地だと思うんですけど、“本気で頑張ったら応援してやる”っていう気概があるような…客席がそう見えますね。“本気を見せてごらん”って。だからこっちも本気でぶつかっていくみたいなところはあります」
 

――振り返ってみて、ここまで活動してきて、音楽をやめようかなとか思ったことってあるんですか?
 

「すごくありますね…多分人より多いと思う」
 

――そうなんですか? 話してたらそんな風に感じないのに。
 

「結局、好きなんでやめないのは分かってるんですけど、それが分かっていながらやめたいと思う(笑)」
 

――(笑)。どういったときにそう思うんですか?
 

「一番は曲が出来ない…出来ても満足がいかないというか納得がいかないというか、それこそ背筋に戦慄が走らない。自分が好きな曲を作れないときが一番辛いですね。多分出来てる曲自体のクオリティはそんなに変わりはないんですよ。そういうときは、感動する力を付けたいから映画を観たりとか、しばらく会ってなかった友達と飲みに行ったりとかするようにはしてますね」
 

――最後に。今後の目標や理想のアーティスト像はありますか?
 

「長い時間みんなの心に残る曲をもっとたくさん書いていきたい。それこそ大げさに言えば、時代を象徴するような曲に関われたら…それはどういうかたちでもいいと思うんですけど、そういった曲に関わっていくのが目標ですね」



Text by 奥“ボウイ”昌史




(2011年10月25日更新)


Check

Release

6~7月度NHK『みんなのうた』
として愛された“お父さん”の歌

Single
『優しいヒーロー』
発売中 1200円
HIGH KICK Records
XQIG-1006

01.優しいヒーロー
02.DAYS
03.あしたのうた
04.優しいヒーロー(Instrumental)

『優しいヒーロー』をはじめ
代表曲を収録した初のベストアルバム

Best Album
『BEST ~Omnibus1~』
11月16日(水)発売
3500円
HIGH KICK Records
XQIG-1007

<収録曲>
【Disc-1】
01.優しいヒーロー 
02.ツナガレ
03.サヨナラ花火
04.ハレルヤ
05.Yesterday
06.アイタクナッタ
07.ダレカガダレカニ
08.Tokyo Calling
09.タイヨウジャンクション
10.手紙
11.Tokyo Fiction
12.情熱+
13.ドアノックダイアリー
14.DAYS
15.Forever Girl
16.カケラ〜missing piece〜

【Disc-2】
01.ダレカガダレカニ(弾き語り Ver.)
02..ツナガレ(弾き語り Ver.)

Profile

タダシンヤ…多田慎也として作詞家/作曲家としても活動中のシンガーソングライター。幼少期よりピアノを習い始め、10代の頃より作詞、作曲を始める。’07年、作曲家デビュー。以来、嵐 、渡り廊下走り隊、ユンナ、HOME MADE家族などの作詞、作曲に多数関わるようになる。 ‘09年12月には、アルバム『Tokyo Calling』でシンガーソングライターとしてCDデビュー。収録曲『ツナガレ』がTOKYO FMのパワープレイに選出されるなど、FM各局で大量オンエアされ反響を呼ぶ。以降、立て続けに2枚のアルバムをリリース。’10年5月にはAKB48の大ヒットシングル『ポニーテールとシュシュ』の作曲も担当。’11年6~7月にはNHK『みんなのうた』で自身初のシングル曲となる『優しいヒーロー』がオンエアに。キラキラとしながらもどこか切ないメロディと歌詞を、ノスタルジックな声で聴かせる楽曲は、世代を越え広がり始めている。

タダシンヤ オフィシャルサイト
http://www.tadashinya.com/pc.html


Live

10月には東名阪ワンマンツアー
11月には2マンと連続来阪!

待望の大阪ワンマンが
間もなく開催へ!

『Shinya Express presents
「Station Tour #3
~Omnibus 1~」』

【大阪公演】
チケット発売中 Pコード143-204
▼10月28日(金) 19:00
心斎橋JANUS
自由4000円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※未就学児童は入場不可。

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【名古屋公演】
チケット発売中 Pコード142-936
▼10月29日(土)18:00
ell.FITS ALL
自由4000円
サンデーフォークプロモーション■052(320)9100
※未就学児童は入場不可。

【東京公演】
チケット発売中 Pコード142-916
▼11月5日(土) 18:00
duo MUSIC EXCHANGE
自由4000円
HIGH KICK ENTERTAINMENT■03(5766)5434
※未就学児童は入場不可。


『drip words』
一般発売10月29日(土)
Pコード154-564
▼11月30日(水) 19:30
南堀江knave
前売2500円
[出演]タダシンヤ/松室政哉
南堀江knave■06(6535)0691

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