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レーベルの移籍、映画への挑戦、結婚、事務所の設立…
濃厚な3年間の中で旨味を増したジャストサイズなグッドメロディ
ポップマイスター・スネオヘアーが初のセルフタイトル作を携え向かう
11/5(土)心斎橋JANUSワンマン直前インタビュー!

 日々に寄り添うドラマティックなポップソングを、ひたむきに、マイペースに、長きにわたり世に生み出し続けるポップマイスター、スネオヘアー。昨年は人気アニメ『荒川アンダー ザ ブリッジ』の一連のテーマ曲、初の映画主演を果たした『アブラクサスの祭』の公開と、長いキャリアにおいても刺激をたっぷりと吸収した1年となった。そして、今年8月には3年ぶりのオリジナルアルバムとなった、その名も『スネオヘアー』をリリース。スネオヘアーの核となるグッドメロディにこだわるからこそ生まれた呪縛すら自ら解放し、彼が新たに手に入れたふわりと身体を包み込むようなジャストサイズなメロディは、今まで以上にシンプルかつストレートに胸に突き刺さる。レーベルの移籍、映画への挑戦、結婚、事務所の設立…濃厚な3年間の中で、熟成していくワインのようにより旨味を増した彼のメロディの本質に迫る、11月5日(土)心斎橋JANUSワンマン直前インタビュー!

スネオヘアーの独特のムーディー動画はコチラ!

――今回のニューアルバム『スネオヘアー』の取材前にディスコグラフィを見てて、結構な作品数を出してるんだなって思ったんですよね。改めて見てみると壮観だなと。
 

「僕も今回の紙資料を見て、実は“おー”って思いました。続いていくことって他のことでもなかなかなくて。やっぱ嬉しいなと思いますね」
 

――僕がスネオさんを知ったのは、『フィルター/現在位置』(‘01)の頃だったと思うんですけど、僕このときのTシャツとか持ってましたよ。“Filter”Tシャツ。
 

「本当ですか!? でも、当時どこか地方で“Filter”っていう会社があったみたいで、そこから使うのやめてくれって言われて」
 

――マジっすか!?
 

「連絡があったらしいです(笑)」
 

――そんな、いちインディーズで活動してるアーティストに対して…。
 

「そうですよ。こんなにちっちゃくやってたのに、ちっちゃい会社が(笑)」
 

――(笑)。あの頃からもう10年経ってることを考えると、改めてスネオさんが活動を続けてきたキャリアが、実はもうかなり長いんだなって思いましたよね。そして、ここに来てアルバムがセルフタイトルというのにも、何かあるのかなとも思ったんですけど。
 

「ちょっとこだわりがあっての『スネオヘアー』と言うよりはもう、今ここからスタートっていう感じですね。全く別物っていうぐらい」
 

――セルフタイトルを付けるタイミングって、1stアルバムとかベスト盤とか、そういう節目のタイミングになると思うんですけど、今の話を聞いてるとまさにって感じですよね。
 

「確かに1stアルバムのような感覚だと思いますね」
 

――ここから新たなフェイズに入っていく気持ちになったのは3年ぶりのアルバムというのもあるとは思いますけど、具体的にきっかけが何かあったんですか?
 

「やっぱりレーベルが変わって1枚目っていうのは…今のレーベルでアルバムを出せるとは全然思ってなかったんで。そういう意味でも新しいスタッフィングで、環境の切り替わりとか変化があって…そういう気持ちはすごくありました」
 

――この3年間って、ただ制作期間が開いてるのとは違って、ベスト盤が出たりレーベルが変わったり、それこそ映画『アブラクサスの祭』(‘10)にも出たりと、めまぐるしくも濃い3年でしたよね。
 

「いろいろありましたね…プライベートの方もいろいろありましたね(笑)、えぇ」
 

――ですよね(笑)。映画『アブラクサスの祭』の主演とかも結構ビックリしましたもん。どういうきっかけでそうなったのかなって。
 

「昔、新垣結衣ちゃんの映画『恋するマドリ』(‘07)のサントラを僕がやらせてもらって、その映画のプロデューサーが今回僕が出させてもらった映画のプロデューサーだったんです。当時音楽のことでよくコミュニケーションを取ってて、なんかそこで僕の人となりも分かってもらったみたいで。今回の映画は役者さんに演じさせるんじゃなくて、ミュージシャンでちゃんと音楽が出来る人を探してたところに、あぁアイツがいたって名前が挙がったというか」
 

――今まで別に演技をやってたわけじゃないんですよね? 学生時代演劇を少々とか?
 

「実は音楽をやる前に、ちょっと舞台やりたいなって思った時期が3年ぐらいあったんですよ。ただもう全く台詞が言えない。決まったことが言えないっていうのと(笑)、立ってろって言われてもじっとしてらんないみたいな(笑)。もう根本的に向かなかったんですよ。滑舌が悪いとかそういうのでも(笑)、本当に不毛な3年間があるんですけど。そういう主役をやるような感じでは全然…」
 

――今回は演技をやる方向に自分の気持ちが向いたわけですけど、それには何かあったんですか?
 

「まずは映画自体がもう、ミュージックムービーとカテゴリーしてもいいぐらい音楽的要素が入ってるのと、あとはやっぱりお話がとっても…主人公に影があって…答えが出るようなお話じゃないところが、すごくいいなと思ったんですよね」
 

――ずっと音楽畑で活動してきて、演技の世界は近しいようでやっぱり違う世界だと思うんですけど、映画で得た経験が自分の音楽にフィードバックするものってありました?
 

「向き合い方ですかね。それこそ本当に音楽とはやり方や関わり方が違ったりする。映画の現場での向き合い方を見ていて、自分もより貪欲にこだわったモノづくりを、音楽でもやりたいっていう気持ちに改めてなったんですよね」
 

――それで言うとその精神というかスピリットは、このアルバムを作る上でも絶対に反映されてきてますよね。
 

「もう出てると思いますね。今回の映画で大友良英さんっていう音響系の方と出会えて。ジョン・ゾーンの即興のための楽曲で『COBRA』っていうのがあるんですけど、チェロとかいろんなジャンルの人がいて、指揮者がサインを出して演奏していくっていう。そういうのを体験させてもらったりして、頭を柔らかく出来たというか、本当に音を出せて楽しいみたいなところにまた戻れたのがすごくあるんですよね」
 

――それこそキャリアを重ねてきて、またそんなフレッシュな感覚に戻れるのはなかなかないですよね。
 

「でも、結局やってみると、やっぱりいいメロディで歌ってみたい気持ちが強くて…。逆に言うと難解じゃなくてストレートなもの、分かりやすいものっていうことにすごく縛られちゃってたところもあったんだなって」
 

――なるほど
 

「そうすると理路整然とお話の筋が通ってて、そこに対してメッセージをグッと注入して、メロディもこうでなければとか、どこかで頭が硬くなってたというか。でもその縛りにもそろそろ飽きてきたし、作ってても全然盛り上がらない。じゃあちょっと1回それを解き放とうと思ってやってみたら、やっぱり自然と、鼻歌のように、いいメロディが自然と出てきた。それは今までとはまた全く別の、とってもポップなものだったりするんですけど。現代音楽とか音響をやられてる方とは出てくる表現は違うんですけど(笑)、細かい分子としては入ってきてるような気がします」
 

――自分から出てくるものの根本は別に変わってないけど、ある種そのアプローチの仕方が変わったというか。それによって自由になった感じですね。
 

「そうですね。だから、自分としてはすごく新鮮で新しいアルバムだと思ってます。でもそれは、これまでにない新素材を提示して、“おぉ、すごい発明だ!”みたいなことではなくて、依然としてあるものなんですけど、それの見せ方・出し方をシンプルに組み立てる、隙間をいっぱい作るとか、そういうところで、新鮮に盛り上がれる感じなんですよね」
 

――そういう話を聞いていたら、ある種別世界ではあったんですけど、音楽に返ってくるものが多かった現場ですね。まぁ現場というか、出会いというか。
 

「出会いはまさにそうですね。監督も自分で楽器をプレイしたりすることは一切なかったみたいなんですけどすごいヘヴイリスナーで、あんまり自分が触れることのないような音楽をいっぱい聴いてた人で。今回のサントラは大友さんがやられてるんで、その中でいろいろCDも借りたりやり取りもしたり。最後にライブシーンがあるんですけど、実際にPAも立てて、その音で本当に一発で撮って、そのまま映画の本チャンで使っちゃえみたいな。それも映画の世界だとあんまりないことみたいで。いろんな出会いがあって、新鮮で、広がって。もう嬉しい出会いばかりでしたね」
 

――この3年間が、人生経験然り、改めて音楽的な自分の幅を広げることにつながったとしたら、すごく大事な時間でしたね。
 

「そうですね、本当に。あの…いろいろありました(笑)」
 

――(笑)。そういった時間を経て今作に取り掛かったわけですけど、具体的にいつから作業に入ったんですか?
 

「去年の段階で、来年の夏ぐらいにはアルバムを出したいねっていう話をしていて、曲はデッサンみたいに録りためてたんですよ。それを持って、今年の5月ぐらいにベースとドラムと僕で合宿に入って。そこで詰めたものを東京に帰ってレコーディングした感じです」
 

――久々にフルアルバムを作るにあたり、コンセプトとまではいかなくとも何か見えていた画はあったんですか?
 

「やっぱりシンプルなものですよね。アレンジにしてもそうですし、とにかくダビングを減らそうっていう感じで。あとは、よりポップにしていくために間引くというか、リズムとコードとメロディがあれば、基本それでいいんじゃないかって。なので、本当にエレキギターのダビングとかもしてないですし。ストリングスを入れてもらったんですけど、最初はもう大スペクタルって言うか、すごくリッチに広く録ってもらったのに、本当に申し訳ないんですけど、ガチッてワイズも狭めたりとかして(笑)。とにかく基本の向き合い方としては、“ビート感とそこに乗っかっていくメロディ”という組み立て方をして。音を重ねてよりレンジの広いものをイメージさせるというよりは、隙間を作ることで季節が変わっても別のことを感じられるというか…長く聴けるものにしたいなって。“シンプル”が今またすごく新鮮に感じてるんです。パーカッションだけでアレンジしちゃうとかも、なんか新鮮で盛り上がるんですよね。地味なんですけどね(笑)」
 

――逆にシンプルな音で説得力を持たせようと思ったら、その難しさもあると思うんです。本当にメロディや詞の良さが問われる感じになると思うんですけど。
 

「基本はアコギ1本と歌だけで成立するぐらいのものでいいと思うし、それで成立しないものをやろうとすると、まずポップではないというか。メロディと言葉の引っ掛かりとかの立体感は、本来ギターで補うところをノリの部分で一緒に補ったりもして。あとはやっぱりビートを聴きたいんですよね。だからその辺のボトムがしっかりしてるかどうか。でも、例えばハットがいきなり裏になるとか、そういうこともサラっとはやってるんです。いつもそうなんですけど、プリプロと曲作りが一緒になってるから、メンバーにはそれを聴いてもらって、より良いものがあればよろしくみたいな感じで合宿もやって…自然だし作る工程としても非常にシンプルですね。“じゃ次あの曲をやろう”、“あ~いいね、面白い”“うわ~コレダサいね、面白い”とか言って(笑)」
 

――なんかスネオさん自身がすごく解放されたアルバムですね(笑)。
 

「子供ですね(笑)。子供って面白いからやるわけじゃないですか。そういう風に出来てるのが今また楽しいというか、大人なのに子供みたいな。なんか柔らかく出来たと思います」
 

――自分が音楽を続けてきた中で信頼出来るミュージシャンとの出会いがあって、そういう仲間が集まってという積み重ねがあって、今はすごくいい環境でかたちに出来たかもしれないですね。
 

「それはありますね。作業の中での共通言語みたいものがあって、抽象的なことを言っても“スネオくん分かった、こういう感じね”って伝わる。あと、過去に書いてきた楽曲で、“ありゃねぇな、もう恥ずかしくて歌えない”っていう曲はないんです。当時から何年か経ってそういう風に感じちゃう曲は書きたくないなと思ってたし。よく“1周した”みたいな言い方がありますけど、もう1周してんのか、戻ってんのか、高速で動いてて止まってるように見えてるのかは分かんないんですけど(笑)、これまでの経験があって、まぁ年齢とかもあって、今こういう感じでいられるのはあると思いますね。よく、民生さんとかを見てて、“いいな~民生さんとこ”みたいな感じでずっと言ってたんですよ。でも最初からそういう境地だったわけでもやっぱないんだろうし。若いときにしか出来ない青春な感覚で音楽を刻んでいくのもいいとは思うんですけど、今は全部が全部“楽しい”とか“幸せ”っていうことだけを切り取って音楽をやることには興味がないんで。サウンドとしてもリリースの仕方としても取り組み方としても、よりナチュラルで自然に…そろそろ40だし、そういう意味でもちょっと落ち着いて、そういう作り方が出来てもいいんじゃないかなって。それが実際に今回やれたので、すごく嬉しいっすね」
 

――今言ってた話がまさにというか、6畳ワンルームでもないし、かと言って豪邸でもない、こじんまりしてますけど一戸建てですとか、いい感じの広さのリビングルームですみたいな、ジャストサイズでライフサイズな音が鳴ってるのが、やっぱり安心感にもなってますよね。それこそ、『家庭に入ろう』(M-5)とか『団欒』(M-6)とかは、ある種の新境地じゃないですけど、まさに今だからな曲じゃないですか?
 

「『家庭に入ろう』とかはまさにそうですね(笑)」
 

――詞も曲も自由だな~と思いましたもん。このコーラスって、あの…。
 

「奥さんです(笑)」
 

――例の(笑)。
 

「歌詞を一緒に考えたりっていうか、足してもらったりもしてるんですけど」
 

――本当にいい空気が流れてるアルバムになりましたよね。あと、リリースは夏だったのに、この着込んだアー写とジャケットは何なんですか?っていうところなんですけど(笑)。
 

「いやもうこれは、先ほどおっしゃってたサイズ感って言うんですかね。あとはシーンにおけるスネオヘアーの立ち位置はどういうところなんだろう?って、呑んでるときとかによく話したりするんですけど、自分にとってはこういう感じかなって。キャンプってワイワイみんなで楽しんでやるようなところを“1人かよ!”みたいな(笑)。でも、屋内ではないじゃないですか? こもってはないけど、1人みたいな(笑)」
 

――アウトドアでキャンプしてるポジティブなエネルギーがあるけど、それを1人でやってる“らしさ”があるっていうね(笑)。ここまでキャンプの準備して1人で出かけてる人は、絶対楽しんでますからね(笑)。
 

「確信的ですね(笑)」
 

――そういう意味ではセルフタイトルでこのジャケットって、もうコレしかないっていうアルバムですよね。
 

「ありがとうごさいます」
 

――今回は出来上がったときもちょっとした達成感があったんじゃないですか?
 

「ありましたね~もう。でも、疲れましたね(笑)」
 

――あれ? 疲れた?(笑)
 

「割とスケジュールがキツくて、最後のマスタリングも夜中の12時ぐらいから始めて4曲落として…。もっと早く、儀式みたいに聴きたかったっすね(苦笑)。スタジオ行って、“コーヒー入れました”“じゃあ聴きましょうか”みたいな。でも、またアルバムが出せるんだっていう達成感は本当にありましたね。しかも、とっても今の感じのいいものが出来たなぁ、嬉しいなぁっていうのは、もうヒシヒシとキました。映画以降の“これから自分の音楽はどうしていくんだ?”みたいなところからの気持ちが、全部詰まってる感じがして」
 

――あとやっぱり、なんだかんだ言ってちゃんとメジャーで出せてるのも、すごいことだと思います。途切れずにコンスタントに作品を残しながら、音楽を楽しみながら、ちゃんとそういう状況を保ててるのは、現役のアーティストからしてもすごく希望になるというか。民生さんとかもそうですけど、音楽を楽しそうにやってて出てくる音がスゴいっていう人が前を走ってたら、音楽を諦めてしまいそうになることがあっても、“もしかしてこういう風になれる可能性が少しでもあるなら、もうちょっと頑張ろう”とか“続けてみよう”って思うと思うんですよね。
 

「言われることは多くなりましたね。Galileo Galileiとか」
 

――若い! そして、そう思うの早い(笑)。
 

「Base Ball Bearの小出君とかも人づてに聞いたり。でも、好きとか言ってもう飛び越えていっちゃってるじゃねぇか!と(笑)。“いや~その立ち位置すごくうらやましいです”“いやいやもう全然、俺そっちの方がいいよ、換えてくれよ”みたいな(笑)」
 

――自由に音楽をやれる時代にはなってきましたけど、だからこ音楽で食べていくことや、活動を成立させていく難しさとかもありますけど、今回、マネージメントとして自身の事務所を立ち上げたのはどうでしたか? 今後活動していく上でひとつの覚悟にもなってくると思うんですけど。
 

「分かりやすいとは思いますね。結局、大きいマネージメントにいても、そこにシンパがいないとひとつの駒でしかなくなって、ただ所属してるだけになっちゃうんで。それよりは今みたいに何にもなくても、本当にスネオヘアーをやろうっていうところの方が、ある意味大きい。あと、今後シーンで本当にビジネスが出来るかどうか…受け取り側にはこれからもいい音楽を聴いていきたいならパッケージを買ってもらわないといけないのもありますし、発信する側もより購買意欲を高める楽曲やいい作品を出していかなきゃいけない。メーカーもとっくの前からそれは分かってるけど、どんどんシーンがダウンサイジングされて、なかなかそこに重きを置けないしそれぞれに時間も割けなくなってきて、より即効性が求められてきてる。じゃあそういう中で自分に何が出来るのか? どうやっていくのかを考えたら、やっぱり受け取ってもらえるところに届ける、発信し続けるっていうことだけなので。“い続ける”っていうことは、すごく難しくてすごく大事な目標だと思ってます。そういう意味では、やっぱり全ての流れが分かりやすく見えた方がいいんですよね。今は本当に分かりやすくて、もう全部やったものでしかない。その中でどうしようかなーって考えてたところに、今のレーベルに声をかけてもらったので、それもとっても嬉しかった。それも“好きだ”っていう気持ちのところで声をかけてもらったので。本当に出会えて良かったですね。次のリリースはどこから出せるか分からないですけど(笑)」
 

――アハハハハ!(爆笑) まぁでもそうですよね。時代は変わっていってますし、でもやめてしまったらそこで終わっちゃいますから。今までやってきたからこそ、スネオヘアーを好きでいてくれるお客さんがいたり、業界の中にフォロアーもいたり、一緒に音を作ってくれるミュージシャンだったりとか制作環境にも活きてくる。どんどんワインが美味しくなっていくように、続けることでやっぱり熟成していくものありますよね。
 

「そうですね。あと1作を出す意味合いとか重みを、自分自身がすごく感じてますね。最初にインディーズ盤がCDになったときの、あの“うわ~すごいな”っていうあの感じ。それが今はすごくあります。“ホント嬉しいな~”って」
 

――音楽に形がなくなっていってる時代だからこそ、ね。今後はこのアルバムを出して、進んでいきたいビジョンみたいなものはありますか?
 

「さらに突っ込んでよりシンプルにいきたいですね。それは自然とかオーガニックとかエコな方向じゃなくて、ものすごくアコースティックな、それこそ電気を使わない楽器ばっかりでものすごく激しい曲をやるとか(笑)。四つ打ちの人力テクノとかって、笑っちゃうけどすっげぇ盛り上がるんですよね。もうそういう方向にどんどんどんどん、家内制手工業というか、しゃかりきな“人力感”というか」
 

――別に機械がやってもいいんだけど、人力でやることの必死さというか面白さというかね。なんか違いますもんね。何なんでしょうね?
 

「違う違う(笑)。人力でまた出来ちゃってるってのが笑えると思う」
 

――すげぇな人間って(笑)。今回のアルバムを引っ提げたツアーもあるわけですけど、11月5日(金)には心斎橋JANUSでワンマンライブもあります。ツアーも楽しみに待ってますので。本日はありがとうございました!
 

「ありがとうございました~!」



Text by 奥“ボウイ”昌史
 




(2011年10月31日更新)


Check

Release

シンプル&ポップを極めた
3年ぶりのオリジナルアルバム

Album
『スネオヘアー』
【初回限定盤DVD付】
発売中 3300円
キングレコード
KICS-91690

※DVD収録内容:
『期待ハズレの空模様』PV
 (監督:入江悠)
『逆様ブリッジ』『赤いコート』PV
 (監督:須藤カンジ)

【通常盤】
発売中 3000円
キングレコード
KICS-1690

<収録曲>
01. 期待ハズレの空模様
02. 笑顔の数
03. 逆様ブリッジ
04. 空想します
05. 家庭に入ろう
06. 団欒
07. シャボン
08. 赤いコート
09. 眠りにつく頃
10. 秘密
11. さらり
12. いいでしょ

Profile

スネオヘアー…新潟県長岡市出身の渡辺健二によるソロプロジェクト。’02年にメジャーデビュー以降、6枚のアルバムを発表してきた傍ら、YUKI、新垣結衣、坂本真綾らへの楽曲提供やサウンドプロデュース、サントラ/CM音楽の制作や映画出演などでも幅広く活躍。その独特の存在感は音楽界のみに留まらず、各界のクリエイターや俳優・タレントからも注目を集める。’10年には『聖☆おにいさん』作者の中村光によるTVアニメ『荒川アンダー ザ ブリッジ』主題歌『逆様ブリッジ』を含むミニアルバム、そして『荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ』エンディング曲『赤いコート』を含むミニアルバムをリリース。さらに自身の音楽活動に加え、他アーティストへの楽曲提供、映画『アブラクサスの祭』初主演と幅広いフィールドへと活躍の場を広げる。’11年8月24日には実に3年ぶりとなるオリジナルアルバム『スネオヘアー』を、そして同26日には僧侶役で初主演を務めた映画『アブラクサスの祭』のDVDを発売。10月より『TOUR 2011「スネオツアー」』がスタート。

スネオヘアー オフィシャルサイト
http://www.suneohair.net/


Live

アルバムを引っ提げた
全国ツアーを現在展開中!

待望の大阪ワンマンが
間もなく開催へ!

『TOUR 2011「スネオツアー」』

【大阪公演】
チケット発売中 Pコード147-971
▼11月5日(土) 19:00
心斎橋JANUS
自由3800円
清水音泉■06(6357)3666
※小学生以上は有料、
未就学児童は入場不可。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


【名古屋公演】
チケット発売中 Pコード147-669
▼11月6日(日) 18:00
エレクトリック・レディ・ランド
前売4000円
ジェイルハウス■052(936)6041

【新潟公演】
チケット発売中 Pコード148-344
▼11月16日(水) 19:00
GOLDEN PIGS RED
スタンディング4000円
キョードー北陸チケットセンター
■025(245)5100
※未就学児童は入場不可。

【東京公演】
チケット発売中 Pコード147-463
▼11月24日(木) 19:00
Shibuya O-EAST
スタンディング4000円
フリップサイド■03(3466)1100