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最新アルバム『Ashes To Ashes』ツアーファイナル目前!
バンドのスポークスマン・TORAが語った
活動休止を経て蘇った8ottoの復活劇 

 ドラムボーカルの4ピースという個性的な編成から繰り出される、グルーヴの利いたエモーショナルなサウンドスタイルは、洋邦の枠を超え多くのリスナーを魅了。From大阪to世界なロックチューンを武器に、音楽シーンにて独特の存在感を放ち続けるロックバンド・8otto。昨年突然の活動休止を宣言し、潜伏すること約10ヵ月…。今年の3月には2年半ぶりのオリジナルアルバム『Ashes To Ashes』をリリースし完全復活! 現在まさにツアーのクライマックスを迎えようとしている彼らに、バンドの破壊と再生の復活劇を直撃。バンドのスポークスマンであるTORA(b)にドロップアウトしかけていたバンドが息を吹き返し、自らを取り戻すに至ったストーリーを語ってもらった。

8otto・TORA(b)の動画コメントはコチラ!


――8ottoって傍から見たら順調に活動しているように見えたけど、昨年1月に活動を休止するという決断に至ったのは、いったいなぜだったのかをまずは聞きたいなと。

「3枚目の『HYPER, HYP8R, HYPER』」(’08)を出したときに、別にもめたわけではないんやけど、何ていうのかな…バンドの色を見せていくときに、プロモーションに大半の時間をかける意味があるのかなって話になったんです。今まではツアーの本数も少なかったし、1枚目2枚目と同じやり方をしても、面白くない。そしたら俺たちはやっぱりもっとライブを軸に、ライブで見せていきたいって。8ottoって名前だけは知ってるけどまだ聴いたことがないとか、そういう人たちにもっとライブ見てもらいたかったんで、アホほどツアーを廻ることにしたんです。でも、最初はよかったんですけど、それこそ毎日ライブして、ハイエースで四六時中顔を突き合わせて移動してっていう過酷なツアーを何ヵ月もやっていく中で、体力的にも精神的にも消耗し切って、最終的には俺が体調崩して4~5本ライブを飛ばしてしまったんですよ」

――うんうん。

「やっぱりひたすらアウトプットを続けるだけの日々で、いつの間にかインプットする時間も気力もなくなってしまってたんですよね。そこで俺が身体を壊したのがある種のきっかけになったかたちで、まぁちょっと休もうかって。俺の中では、さすがに1年近く休むとは思ってなかったけど、これだけ廻った後やからこそ、ちょっと間を置いてパワーを蓄えようと思っていた時期でもあったんで。とりあえずライブ活動は休止して、制作に入りますとは言ってたんですけど、実際のところは曲作りというよりはインプットの時期というか…例えば俺やったらDJを始めてみたりとかね。まぁ全然DJなんて呼べるもんじゃないんですけど(笑)、そういうのも1つの新しいアウトプットとしてもやってみて。それでまた音楽を聴いたりするのが楽しくなったというか…俺はこの1年間ぐらいが、バンドにとってのリハビリやったと思ってて。みんなそれぞれが曲も作りながらいろんなことをやってて、それこそメンバーとは1~2ヵ月会わなかったりもしたし、久しぶりに会うからすげぇ仲良いし(笑)、スタジオも楽しい。やっぱり8ottoって面白いよなって。あと、いろんなところとの契約が終了する時期でもあって、延長する選択肢もあったんですけど、せっかくリフレッシュ出来たし、自分らでやってみるのもいいかもねと。一応マネージメントは付けて手伝ってもらいながら、基本的には自分たちの考えで、あれしようこれしようとやっていこうと切り替えたというか」

――なるほどね。『HYPER, HYP8R, HYPER』をリリースして、ツアーも全国を廻れていたのとは裏腹に、バンドとしては本当は満身創痍だったわけね。

「俺はそうやったんじゃないかと思いますね。ひょっとしたら他のメンバーは今が絶好調やったのに!と思ってたかもしれないですけど(笑)。俺的には3枚目を作ったときに、もう出し切ったで俺ら、ちょっとネタないぞってくらいに思ってたから。次はどんな風にやったら面白いかとか、どういう音楽がやりたいかも正直わからんくなってたっていうのもあって。まぁ作れって言われたら作れるけど、自分らが“これカッコいい!”って思えるようなものが、次に作れる自信がなくなってきてたっていう」

――そう考えたら、ある種バンドを停められたのはよかったよね。状況としてそれができたことも含めて。

「そう! だから何よりホントに、俺は今バンドがすごくいい状態だと思っていて。やってて楽しいし、みんながこんなことやりたいあんなことやりたいって、いろんなことに挑戦しようと面白いアイデアを持ってきてるし。すごくよかったと思う」

――TORAとちゃんと話をしたのは、去年ぴあの『RUSH BALL』連載の取材で、DAWAさんと松屋町で…。

「冨紗屋でしょ? 確か五味(岳久)かなんかおったとき」

――そうそう! そのときのTORAの印象としては、“LOSTAGEはライブが出来てうらやましいな~俺もライブしたいのに!”っていう感じに見えたけど、そのときバンドはどういう状態だった?

「あのときは“ライブはしたいけど今のままじゃ多分すぐ前と同じことになっちゃう”っていう一番歯痒いとき(笑)。特にLOSTAGEとか仲の良いバンドがいいライブをしてたから…。休止して最初の頃はライブを観に行くことがすごく楽しかったんですよ。インプットにもなるし、こいつらこんなことなってんのか、めっちゃカッコいいやん! 今日は楽しかったなぁとか思えてたのが、もう途中からいいライブを観るのがムカついて。どうしたらいいかわからんけど、悔しい。なんなんコイツら、めっちゃよかったけどバリ腹立つわ!みたいな(笑)。俺らも絶対出来るはずやのに!って。でも、今動いたところで多分こんないい感じでは出来ないやろうし、でも動きたいし、そこは葛藤みたいな。ちょうどそんなときでしたね」

――そこから純粋にバンドとしてインプットの時期があって、いざもう一度エンジンかけようぜってなっていったのには、何かきっかけがあった?

「バンドの中でも一斉にエンジンがかかったとは俺は思ってなくて。レコーディングの日程を決めて、そのためのネタ出しの期間はあったんですけど、正直エンジンがかかってるメンバーもいれば、かかってないメンバーもおったし。全員がかかりだしたのは、やっぱりレコーディングが始まる1~2ヵ月前とかそれぐらいで。みんなが急に焦ったとかじゃないんですけど、そういう意味ではマネージメントを付けてて、逆に良かったのかなぁって」

――この時期にリリースしようっていう提案を持ちかけてくれるしね。

「そうそう。マイペースにするのはいいけど、そんなこと言ってたらいつまで経っても出来ないから、この日に出すって決めて、ということはここまでに作り終わって、ジャケットのデザインとかもあるでしょ!みたいな(笑)。そういう課題が次々とあって、みんながちょっとずつ勘を取り戻すじゃないけど、徐々に全員のエンジンがかかってきたような。だから、何かがきっかけかと言ったら、レコーディングがきっかけなんでしょうね」

――今はメジャー/インディーがどうこうではないとは思うけど、メジャーシーンに執着するというよりかは、自分たちが気持ちいい環境で活動していけるかどうかだと。

「もっと…もっと正直なこと言うと、今はそういう風に考えられてるんですよ。こういうスタンスで、それぞれが仕事もしつつ、8ottoを楽しんで、もちろん楽しんでるだけじゃダメなんで締めるとこは締めてやりますけど、何て言うか…音楽だけやっていたときとは生活は変わるじゃないですか。でも、俺はそのスタンスに敢えて持っていったというのがあって。音楽を楽しみながら出来る、そこが大事なのかなって。今はそう考えられるんですけど、正直その当時はどういうスタンスで活動したいとかは、俺はなかった。もう1回…なんか…初めて8ottoをやったときのウォーッ!っみたいな感覚で、バンドをやりたいと思っただけなんです。もっとドメジャーな方向に行った方がそういう状況になるんであれば、何とかしてでもそっちの道を選んでたかもしれないし、マネージメントも付けずにホンマに自分らだけでガチの自主みたいなやり方でいった方がそうなるなら、そうしてたかもしれない。今はその選んだ道が正しかったって思ってます」

――8ottoはこのまま終わるバンドじゃないっていうのは、メンバーみんなが思ってたってことやもんね。

「うん、絶対に思ってましたね」

――今まではマエノソノ(vo&ds)ありきの曲作りだったところが、今作ではみんなが意見を出し合って曲が生まれてきたりという側面があったということですけど、それについてはどう?

「俺は正直そんなに曲が書ける人間じゃないので、やっぱりマエノソノに任せるところが大きいんですけど、そこでどこか遠慮というか…あんまりこの曲好きじゃないなぁと思いながらも、ひとりでやってるわけじゃないからなぁとかいう葛藤はもちろんあって。でも今回の『Ashes To Ashes』に関しては、もうホンマに嫌なときは絶対嫌!って言いましたね。この曲のこのパートは嫌や、別にアルバムに入れてもいいけど、ライブで弾かへんからなっていうくらい、言いました(笑)。別にわがままって思われてもいい。それくらい4人が意見を出し合って、全員が本当に気持ちいいと思う音しか出したくないし、そういうライブしかしたくないと思ってたから。そこでまた妥協して、まぁいいけど…みたいにやってたら、変にストレスが溜まったり、考え込んでしまって、また同じことになるような気がして。“この曲はこうじゃないとやだ! でもオレはこうじゃないとやだ! じゃあどうすんねん? どっちが折れんねん?”みたいな(笑)。また、“まぁいいか”になるんやったら、この曲はナシってぐらい言い合ってたから」

――意見をそこまで戦わせられるようになったのは、バンドとしてはひとつ進歩やね。

「10年くらいいっしょにやってるのに、お前ら1年目のバンドかよ!って思われるかもしれないですけど(笑)。まぁそこまでバンドの状態が落ちてたというか、よくわからん感じにはなってたと思うんで。だから、俺は本当に決心してそこは言ったというか。もう嫌やでって。お前ら3人がこの曲をどうしてもやりたいって言ったら別にやってもいいけど、俺はベース弾かへんと」

――(笑)。

「別の奴に頼んでくれ。俺は弾かない。この曲のクレジットには俺の名前載せるなっていうくらい、拒否するところは拒否して。これは絶対イヤ! これは絶対やりたい!…って、自分が曲書いてるわけじゃないくせに(笑)」

――ホンマに(笑)。そう考えたら、熱が全然違うね。逆にそこまでこだわれたのも大きいというか。

「前作の『HYPER, HYP8R, HYPER』」のときってやっぱり流れで作ってて、自分では折れてないつもりだったけど、でもどこか折れてたと思うし。そういう意味で言うと、今回は1曲1曲に対してのモチベーションがみんな高かったし、出来上がったものには満足してますね」

――復帰第1作目として今回のアルバムを作るときに、最初にテーマだったり目標はあった?

「実は僕個人の目標は『Ashes To Ashes』ではクリア出来てないんです。もっと変わりたかったです、本当は。やっぱりバンドが変わるタイミングってここしかないじゃないですか。でも何て言うのかな…第1期じゃないですけど、ちょうど1周して、今までの8ottoの集大成みたいなものは出来たから、逆にこれでケリつけて、次にもっといろんなことが出来るんちゃうかなとも思ってます。ひょっとしたら次はドラムが全部打ち込みかもしれないし、全曲アコースティックかもしれへんし、1分台のハードコアかもしれへん。でも本当は、俺はこの復活アルバムでそれぐらいのことがやりたかった。まぁそこまではいかなかったですけどね」

――逆に言えばそれが出来る、スタート地点を作ったっていうことやね。

「そうそう、そんな感じですかね。あと、リリースしてから嬉しかったのは、聴いてくれた人たちが、これは“This Is 8otto”やなっていう曲を良いと言ってくれて。何だか安心したのもあるし、間違ってなかったんやって再確認出来たというか。これが8ottoだ!っていう土台が、本当に出来たというか」

――バンドが活動を休止させるのは勇気がいることだし、逆に言うとその後出てくるものがショボかったらやっぱりカッコ悪いから、ある種のプレッシャーもあるし。その辺を自分たちでちゃんとケリがつけられたのはよかったよね。タイミングとか環境も含めて、8ottoは第2期を迎える準備が出来たけど、バンドによってはこれを機になくなってしまうパターンももちろんあったと思うし。

「確かにその心配はめっちゃありました。そう言えば8ottoっていたな~みたいな(笑)。でもどこかで、それでもいいかなと俺は思ってましたね。そうなってたとしてもまた、バンドを始めた頃のあの感覚を取り戻せるならそれもいいか!って。インプットさえしたら、また絶対にそう出来る自信もあったから。結果がどうであれ、なったらなったでしょうがないってくらいに思ってたのは事実かもしれない」

――今回のタイトルの『Ashes To Ashes』は、動画コメントでも超言いづらそうな…そら噛むやろっていう(笑)。

「あっし、あっしゅず…(笑)」

――(笑)。普段よく見る言葉ではないけど、これはTORAのアイデアということで。このタイトルはどこから?

「忘れられてもしょうがないとは言いつつ、やっぱり帰ってくるときは派手に復活したいじゃないですか(笑)。帰ってきたぜ~みたいな感じでいきたかったから、そういう意味の言葉もずっと考えたりしてて。今回俺がジャケットとかのアートワークのアイデアを出してたんですけど、今までずっと使ってきた8ottoのロゴだって、なくしちゃってもいいと思ってたんです。それぐらい別のバンドに生まれ変わりたいという意味で、ロゴを燃やしたいって言ったんですよ。それは面白いよなって、まずロゴを燃やしたジャケットが出来上がってきて。タイトルのことを話してるときに、燃えると言えばやっぱ灰だよねってマネージメントの人が言ってくれて、『Ashes To Ashes』が生まれたんです。デヴィッド・ボウイの(同タイトルの)曲もあるし、確かに復活・再生っていう意味もあるし、いいねって」

――なるほどね。

「今までって“今回のアルバムはこういう感じです”みたいなニュアンスで、何となく付けてた気がするんです。でも今回は、もうちょっと外に向けて“俺たちは今こういうモードなんだぜ!”って、わかってもらえるタイトルとジャケットにしたかった。だから、結構気に入ってますね」

――やっぱり今作を聴いてもっと知られるべきバンドやと思ったし、なんとかこのアルバムを1人でも多くの人に聴いてもらいたいなって思う。8ottoの底力を見たじゃないけど、やっぱりこのバンドはすげえんだなって。

「でしょ?(笑) 頑張ってるんですから!」

――やっぱり物マネじゃなくて、自分たちの音をアウトプット出来てるバンドやなって。

「まぁ良くも悪くも何やってももう、こんな感じにはなると思うんです。さっき言ったみたいに、打ち込みをしようがアコースティックでやろうが、8ottoやなっていう音になる」

――そして今回、ライブの復活にあたったのが、昨年10月のLOSTAGEの企画イベント『生活』で。俺も観に行ったけど、あのイベントでいざね、久々に4人でライブをやったときはどう思った?

「いや~めちゃめちゃ楽しかったです! でもめちゃくちゃ緊張したし、めちゃくちゃテンポ早かったです(笑)」

――アハハハ!(笑)

「みんな興奮するから、早えなぁって思いながら(笑)。でもなんて言うのかな…僕らのライブって、ぶっちゃけ演奏が上手いバンドでもないし、衝動任せなバンドだし、興奮してウォー!って叫んだ後のドラムがめちゃめちゃ早かったり、歌ってるときは急に遅くなったりっていうのがあるんですけど(笑)。それがこう…バンドのダメな時期というか、休止直前とかは、“お前ちゃんとやれよ! 今の音グチャグチャやんけ!”とか“こんなライブやってたらあかんで”とか思ってた。でも、復活して久しぶりのライブでは、心のどこかで俺はもっと苦労せず、気持ちよく演奏出来るかなと思ってたら、思いのほか大変やったんですよ(苦笑)。やっぱりみんなヘタクソやし、1年近くライブやってなかったからテンポ感も違うし、グルーヴも違うし、すげえ難しかったけど…それが楽しかったんです! “うわ~この苦労してる感じ、懐かしいなぁ!”みたいな(笑)。“そうやったそうやった、俺らってこんな大変なバンドやったわ”って。ホンマにあっという間に終わったし、何か覚えてるかって言ったら、面白かったとしか覚えてない」

――今はアルバムツアーも久々に廻っていて。それはどうですか?

「まぁ自分で言うのもなんですけど、すごくいい状態だと思います。めちゃくちゃ楽しいし、今言ったような、“うわーヘタクソやな!”っていうのがもう楽しかったりするし(笑)。前のツアーのときとかは、“今の演奏、よくなかったよね?”みたいな」

――なんで標準語になるんやろね(笑)。

「(笑)。ライブ中とかでもみんな難しい顔になって。それはそれでストイックな感じで別に嫌いじゃないんですけど、今回はそういう意味で“今グダっちゃったよね?”っていうのが、嫌な感じにならないというか。もちろん、グルーヴをちゃんと探して修正する作業はするけど、お客さんと“今、僕らなんか変な感じになりましたよね?(笑)”っていっしょに楽しめるというか。全部いい方向にいってる感じがするんですよ。休んでた期間にインプットはいっぱいしたから、曲の魅せ方とかもじっくり考えてるし。前作のツアーは本数が多くて、セットリストにしても本番の直前にこれとこれとこれって決めたりして」

――そうなんや!

「前もって決めるのはここは派手にジャカジャカ終わろうかっていう程度。MCの場所も決めず、疲れたら入れようみたいな。本数が多過ぎたんで、逆にそういう感じじゃないとやってけないくらいの雰囲気やったんですよね。今はもちろんもっと廻りたいのはあるけど、本数を減らしたことによって、そういうセットリストに対しても、曲と曲のつなぎ目1つにしても、もう少しショーアップ出来てる感覚が自分らにもあるから。こんなに長い間バンドやってるくせに、ショーアップする楽しみを今ようやくわかってきて(笑)。一方で、相談せずにいきなり曲の途中でメンバー同士で仕掛けてきたりもして、すごく刺激的やし。俺らはすごく楽しんでやってます!」

――ホンマにバンドの第二次成長(性徴)やな(笑)。

「ホンマにそんな感じ! 楽しく出来てるし」

――蘇ったね、ちゃんと。

「それぞれ考えることはあるやろうし、今が別に最強の状態かっていったら、いやいやもっといけるよ!って思うけど、そう思える時点でいい状態なんかなって思うし。でも、この状態をキープしようとは全然思ってなくて。もっといこうぜ、失敗したって笑うだけやろって、そういうスタンスで出来る現状にもなってるし」

――今、8ottoは関西にいて、LOSTAGEとかもそうやけど、ある程度のキャリアを重ねてきたバンドが、これからは自分たちでやるのか、レーベルに任せるのかとか、いろんな手段があって。音楽業界全体が変わってきて、メジャーデビューしてドーン!って売れるかどうかだけじゃない音楽との付き合い方がある。まあラクな世界ではないんやけど、いい音楽を鳴らしているバンドが、状況に屈して音楽を辞めるんじゃなくて、そういう生き方も出来るようになってきてる土壌は、ちょっとずつあって…特に関西にいるバンドがそういうことが出来てきてるのが面白いなと。

「勝手に自分で変な使命を帯びてるって思うんですけど、もっと関西を盛り上げたいんですよ。せっかく大阪に住んで音楽やってるんやし、“もっと出来るでしょ!?”みたいな。そういう意味でもFLAKE RECORDSとか、ARTYARDとか、Pangeaとか、そういう仲間といっしょに、何か仕掛けていきたいなとは思ってますね」

――そういう空気ってやっぱり、ここ1~2年やと思うしね。今までみんなバラバラに活動してたのが…。

「うん、今それを言ってもらえて、すごくよかった!って思ったんですよ。それこそ休止中は、今までやったらライブでいろんなところに行けてたのに、行けなくなったじゃないですか。人と会う機会も減るっていうときに、Twitterっていうツールを見つけて。東京の人たちってTwitterを見てても何かあったらすぐに集まるし、誰かが飲んでたらみんな合流して、そこで面白い企画が生まれて、それをすぐに実行して…動きもいいし集まりもいいし、あるバンドが頭1つ飛び抜けてすごいとかじゃなくて、そういうシーン/界隈でガッと盛り上がってて。DAWAさん(FLAKE RECORDS店長)とLOSTAGEの五味(vo&b)と、単純にそれを見てて楽しそうやなって話になって。とりあえずTwitter上だけでもいいから俺らも楽しそうって思わせるために、実際は盛り上がってなくてもいいから盛り上がってる風にやってみようぜ!と(笑)。俺ら今すげー盛り上がってるんだぜ、関西ってすごいんだぜって感じで、それが実になってきたら何かやろうって。それがLOSTAGEのイベント『生活』だったり、DAWAさんがやってるFLAKE RECORDSのデスモンド・アンド・ザ・チュチュスのツアーだったり。そういう意味でもまぁこの1、2年で、とりあえず盛り上がってる風から(笑)、実際にちょっとは盛り上がってきて、少しずつフィードバックは出来てるかなと思うんで。これからもこのスタンスは崩さず、何か面白そうやなぁと思えるようなことを、バンド単体でもそうやし、仲間と仕掛けていけたらな。関西って面白いってなったら、結果バンドにも繋がるし」

――まずは6月26日(日)の心斎橋アメリカ村Pangeaでのツアーファイナルにも、勝手知ったる仲間とお客さんが集まって、盛大なお祭りになればいいよね。今年再びバンドが動き出して、今後8ottoとして、TORAとして、目指すところがあれば教えて欲しいなと。

「8ottoとしては、とりあえず今年中にもう1枚、何か面白いかたちでリリース出来たらなぁと。そこに向けてバンドはツアーや曲作りをしっかりしつつ、他のイベントとかもやってね。それが目標じゃないけど、せっかくガッチリ動き出したので、もうずっと転がっていくぞと。そこは停まらずやっていきたいですね。あと個人的にはせっかく休止中にやってたインプットの作業がまた出来るような環境を確保するというか。前までは8ottoがあって、4人がいるって感じだったんですよ。でも今は、マエノソノが弾き語りをやるもよし、別ユニットをやるもよし。ロンゲがハードロックとかヘヴィメタルをやるもよし、ハゲがHIP HOPやりたいんやったらやってくださいみたいな(笑)」

――コラコラ(笑)。

「バンドに上手くフィードバック出来るなら、ちゃんと8ottoに持って帰ってきて、そこでバンドが面白くなるんだったらそれでいいよっていう。ちょっとずつそれが出来るようになってきたんじゃないかな。個人の活動で言うと、自分名義のものも作ってもいいと思うし、ひょっとして歌ってみてもいいかもと思ったりもするし。今はまだそこまで具体的に思い付かないけど、いろいろやっていこうかなと思ってます。あとはやっぱりジャケットだったり写真だったりをディレクション出来たのはすごく面白かったし。そういう動きを8ottoだけじゃなく若いバンドとかでもやらせてもらえたら、単純に面白そうやし」

――“8ottoのTORA”というよりかは、“8ottoにTORAがいる”っていうね。メンバーそれぞれがピンでも魅力のある人間でありアーティストであれば、バンドも強くなるもんね。

「昔からそれを言われてたのになかなか難しくて。最近は何となくその意味がわかってきたかなぁと思うんで。目標と言ったらあれですけど、そういうスタンスでやっていきたいですね」

――ツアーファイナルのPangeaの後も、初の『FUJI ROCK FESTIVAL』やビーディ・アイとのツアーとか、今年はトピックも多いしね。とりあえずまずはPangeaで再会ということで。今日はありがとうございました!

 

Text by 奥“ボウイ”昌史 




(2011年6月24日更新)


Check

Release

衝撃の復活作=最高傑作!
世界照準のロックアルバム誕生

Album
『Ashes To Ashes』
発売中 2415円
LIVELY UP
DDCB-14014

<収録曲>
01.You Just Not Only One
02.Generation 888
03.Hand Clap MF
04.Brush Up
05.A.O.
06.Ready or Not
07.NY Flow
08.Respect
09.手のなる方へ

Profile

オットー…写真左上より時計回りにマエノソノ マサキ(vo&ds)、リョウ(g)、ヨシムラ セイエイ(g)、TORA(b)。前身バンドを経て、’04年8月に現メンバーにて関西を拠点に活動を開始。同年11月、N.Y.にてザ・ストロークスのエンジニアであったヨシオカ・トシカズと出会い、彼の全面プロデュースにより’06年、1stアルバム『we do viberation』を発表。その後は多数のロックフェスに出演し、’07年に2ndアルバム『Real』でメジャーデビュー。’08年には3rdアルバム『HYPER, HYP8R, HYPER』をリリースするものの、’10年に入り突然の活動休止を発表。約10ヵ月の充電期間を経て、秋にはライブ活動を再開。年末には韓国でのイベントに出演し、’11年3月9日にリリースの4thアルバム『Ashes To Ashes』にて本格的な復活を果たした。

8otto オフィシャルサイト
http://8otto.jp/


Live

ファイナル後はビーディ・アイと共演
そして、初のフジロック参戦も決定!

 
『“Ashes To Ashes”tour 2011』
▼6月26日(日) 18:00
LIVE HOUSE Pangea
オールスタンディング2500円
LIVE HOUSE Pangea■06(4708)0061

『FLAKE RECORDS PRESENTS
“TONE FLAKES Vol.27”
Coming re:Action In OSAKA』
▼7月10日(日) 18:30
LIVE HOUSE Pangea
スタンディング2700円
[出]BACK DROP BOMB/8otto
[DJ]DAWA
SMASH WEST■06(6535)5569

『FUJI ROCK FESTIVAL ’11』
チケット発売中 Pコード138-393
▼7月29日(金) 11:00
苗場スキー場
7月29日券16800円 
7月29日券+キャンプ19800円
(キャンプサイト券は1名分/開催期間中有効)
[出]コールドプレイ/アフリカン・ヘッド・チャージ/アマドゥ&マリアム/アークティック・モンキーズ/ベラキス/ビッグ・オーディオ・ダイナマイト/CSS/DAD MOM GOD/DAMAGE/ダレン・エマーソン/ディアフーフ/DJヘル/DJ.ジム/DJ NOBU/DJ Yogurt/ドン・レッツ/DORIAN/FIGHT FOR RIGHTS 「Mestizo Fiesta Party」/フォー・テット/グリフ・リース/ジェイミー・エックス・エックス/ジャン・モンティ/ジミー・イート・ワールド/ジョアンナ・ピーコック/カイザー・チーフス/毛皮のマリーズ/リー“スクラッチ”ペリー・ウィズ・マッド・プロフェッサー/LITTLE TEMPO/マヌー・チャオ・ラ・ヴェンチュラ/モ DJ/NATSUMEN/ノア・アンド・ザ・ウェール/オブリント・パス/大橋トリオ/8otto/Polar Chalors/プロトカルチャー/ロン・セクスミス/SAKEROCK/サム・ムーア/サブトラクト/SHERBETS/シスターズ・オブ・マーシー/ソウル・フラワー・ユニオン/サニーデイ・サービス/システム7/☆Taku Takahashi/The Birthday/ザ・ミドル・イースト/ザ・ニュー・マスターサウンズ/ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハート/ザ・ヴァクシーンズ/ウォッシュト・アウト/ワイドスプレッド・パニック/他
※必ずオフィシャルHPの注意事項を確認の上ご購入下さい。小学生以下は保護者同伴に限り無料。出演者は都合により変更の可能性あり。雨天決行。他に通し券(Pコード:782-965)・駐車券(3000円/1日分)もあり。駐車券は必ず入場券と同時購入。駐車券は1日1台につき1枚必要。駐車券とのセット購入の場合はにて受付。駐車券・キャンプサイト券のみでの購入不可。

FUJI ROCK FESTIVAL official website
http://www.fujirockfestival.com/

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『BEADY EYE JAPAN TOUR 2011』
一般発売7月16日(土)
Pコード142-122
▼9月8日(木) 19:00
Zepp Osaka
1Fスタンディング6500円
[出]ビーディ・アイ
[共]8otto
SMASH WEST■06(6535)5569
※5/6(金)の振替公演。

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