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新作『The First Cut is The Sweetest』を携え5月にワンマン&
6月にイベントでザ・ビートモーターズが大阪来襲!!
現在進行形で進化するライブ&作品への想いを語るインタビュー

 ‘09年夏ミニアルバム『気楽にやろうぜ』をリリース以降、シンプルで叙情的でソウルフルな、ぶっとい日本語ロックンロールを持ち味に活動を続けるザ・ビートモーターズ。去年春のミニアルバム『素晴らしいね』を挟み、今年3月には1stフルアルバム『The First Cut is The Sweetest』が遂にリリースされた。ボーカル・秋葉の圧倒的なシャウトが響き渡りつつも、今まで以上に音楽的に幅のある作品となった今作。また、ライブの現場で先輩バンドに揉まれてることも、サウンドの厚みが増している理由となっているという。

――初フルアルバム『The First Cut is The Sweetest』が実に素晴らしかったんですが、やはり普段からライブの本数をこなしてることが、今作に繋がってるような気がして。その辺を今日は結構深く聞けたらと思っています。3月に、神戸太陽と虎でキングブラザーズ、京都磔磔でD.W.ニコルズとの対バンをそれぞれ観させてもらったんですが、両方共のライブでビートモの味がスゴく出せてるなと感じたんですよ。
 

秋葉(vo&g)「(両方とも)良いライブでしたね。キングとニコルズ、全然タイプが違うバンドなんで、それぞれセットリストややり方を変えたんです。(ビートモ)らしいとこ残しつつ、今はやろうとしていて。特にキングは昔から知ってる(先輩)バンドで、カッコいいじゃないですか。自分たちにプレッシャーをかけて、挑みましたね」
 

――ライブ中に秋葉くんがドラを叩いてましたけど、ジャンプしながら叩いてるときに秋葉くん、天井で頭を打ったじゃないですか。一瞬倒れたんだけど、その後も血流しながら叩いてて…あれはとてつもない気迫と心意気が伝わってきて、本当に感動しました。
 

秋葉 「頭打ってから、声もより出るようになって(笑)。あの日は病院にも行きましたけど、いい感じにできました」
 

ジョニー(b)「怒髪天やフラカン、SCOOBIE DOとかと2マンをやらしてもらって、今までは出番が先だったのに、後でやらせてもらうことも増えてきたんですよね。キングが先にライブをして、プレッシャーをもらってからの、僕らの出番でしたからね。ビビるし恐れ多い感じはありましたけど、やる以上は関係ないですし。いいライブをしないといけないですし、やってやれないことはないですからね」
 

秋葉 「反応を気にしてたら、キリがないですから。来た人にいいものを見せたい。敢えて気にし過ぎないというか…役目を果たすじゃないですけど」
 

――先にやっても後にやっても、先輩バンドと対バンした意義を感じるし、役目を果たすというか…やることやった感はスゴくしてましたね。さっきも話したけど、あのドラ、スゴくインパクトがあるね(笑)。
 

秋葉 「デカくて迫力ありますから(笑)。去年のカウントダウンライブで用意してもらって、ドラムの鹿野が叩くはずだったんです。原始気的な躍動感がありますからね」
 

ジョニー 「鹿野が叩く用だったのが、秋葉が先に叩いちゃって」
 

秋葉 「叩かずにいられなくて(笑)」

 ――いい話だね(笑)。何かスゴく伸び伸びした感じが伝わってきます。

ジョニー 「自由度が増しましたね」
 

――そうそう、お客さんの期待をしっかり受けて応えるというか、巻き込んでいくというか。よりパワーを感じますよね、最近のライブでは。
 

秋葉 「照れとか心配事を無くして、みんなの視線や期待を負いたいというか、引き寄せるというか…そう思ったんですよね、昨年末くらいから。お客さんに対して怖いとか距離を置こうとしてたのを、近いところで触れたいというか。フレンドリーとはまた違うんですけど、“どうですか!”と観せてあげるスタンスでいたいなと。その方が可能性広がりますし、ちゃんと観せて楽しませたくて」
 

ジョニー 「いろいろな人のライブを観て記憶に残るのって、音楽的なアベレージの高さだけでなく、そのときにしかないパフォーマンスだったりして。“勝手にどうぞ楽しんでください”ではないなと」
 

――秋葉くんがライブ中に喋るようになったのも、そういうところですよね。
 

秋葉 「意図的に喋るようにしています。修行ですね。歌を歌っている以上は、きらびやかなカリスマとも勝負して負けないくらいじゃないと嫌だなと思いますね。自分は何をする人なのかを、意識的に考えるようになりました」
 

ジョニー 「最近のライブを録音したものを、後で自分たちで聴いたりするじゃないですか。そしたらライブならではの熱量も自然と伝わってくるし。空気を支配している感じというか」
 

秋葉 「そういうことって頭でわかっていても、実感することで本当にそうなんだとわかるので。気を抜くと命取りになるなと」
 

――ライブの現場ならではの熱量やパワーって本当にあって、先ほど名前が出てきたライブバンドの諸先輩方って、ひとつひとつのライブに命を賭けてることが伝わってくるじゃないですか。今日いいライブができなかったら、それが広まって、人が来なくなって、おまんま食えなくなるくらいの意気込みというか。
 

ジョニー 「(怒髪天の)増子さんなんて、姿を見てるだけで、無言でそういうのが伝わってくるんですよ。ライブの大事さは体感しています。理屈でわかってても、体験しないと違います。今まで行ったことのなかった県でも、“人数少ないけど、まぁいっか”とはならないですよね」
 

――その数少ない人たちを、どう虜にするかってことですもんね。
 

秋葉 「その場にいた人を軽視していましたよね。甘えてたんでしょうね。観てる人が少なくても、バーンとやれば次に繋がるわけですから。そういう発想がジワジワとわかってきました」
 

――ライブで感じたものは、絶対音源にも反映されていくでしょうね。
 

秋葉「ライブの心境の変化とアルバム作りというのは、セットだと思いますね。次回にも活かしていきたいですし」
 

――ボーカリストとしての圧倒的な存在感を最近のライブでは感じるんですよね。だから今回の『The First Cut is The Sweetest』はもちろん、以降のアルバムでも、より秋葉くんが3人を引っ張っていく凄みも出てくるのではと期待しているんです。
 

秋葉 「私も意見は言っていますけど、多数決を取ったり曖昧にしてるところもあるんですよね。そういう曖昧な、ぼやけた良さというのもあるんですけど、自分がもっと言っていく良さも最近は感じていますね」
 

ジョニー 「意見は違って当たり前だし、だから面白いわけで。次のアルバム作りは、今まで以上により明確な意志でやってみたいです」
 

秋葉 「どういう風にしたいのかという提示を、よりシャープに私自身が(メンバーやスタッフに)したいなと。そういう立場だと思うし、そうなりたいですね。自分のエゴを通すのは難しいですし、反発もあるかもですが、押し切った方がバンドとして良いんじゃないかと今は思います。今までは一歩退いて自分を押し殺す部分があったのかなと。半端にやるのであれば、押し切った提示をしたいなと」
 

ジョニー 「秋葉がエゴを通してきた場合、“そりゃないよ!”というスタンスではつまらなくて、それをメンバーが面白がって聞けないといけないなと思います。それがバンド活動の極意かなと」
 

秋葉 「そのときに、一番いいヴァイブスを出している人に乗っかっていくべきですから。私は曲を作っているので、一番そのような機会があるのではと思います」
 

――いやぁ、頼もしいです。現在展開中のツアーでは、5月14日(土)十三Fandangoでワンマンライブが、そして翌月の6月19日(日)には、大阪城音楽堂で『想う壺音泉!』に出演が決まっています。本当にこれからのビートモのライブと音源を楽しみに待っていますよ。ありがとうございました!
 

 

Text by 鈴木淳史




(2011年4月25日更新)


Check

Release

FM802ヘビロ『ちくちくちく』を含む       記念すべき初のフルアルバムが到着

Album
『The First Cut is The Sweetest』
発売中 2400円
SMALLER RECORDINGS
XQIY-1104

<収録曲>
01.メリーゴーランド
02.ちくちくちく
03.ボーイフレンド
04.あのこにキッス
05.車なのさ
06.塀
07.あのこのでんわ
08.ガールフレンド
09.恋をしている
10.スマイルをおくれよ
11.ドライブ天国
12.自由マン
13.恋がしたい

Profile

ザ・ビートモーターズ…写真左より木村哲朗(g)、秋葉正志(vo&g)、鹿野隆広(ds)、ジョニー柳川(b)。明治大学のサークルでの出会いをきっかけに、秋葉と同郷である鹿野を誘い結成、都内のライブハウスを転々としながら活動。その後、大学を留年、卒業、就職するものの1年で退職、秋葉は神田のライブバーでアルバイトするなど、細々と活動を継続。’09年にミニアルバム『気楽にやろうぜ』をリリース。精力的なライブ活動がじわじわと話題になり、同年には『SUMMER SONIC 2009』等のロックフェスに出演。’10年には2ndミニアルバム『素晴らしいね』をリリース。さらに『ARABAKI ROCK FEST.10』『ROCK IN JAPAN FES』『OTODAMA’10』など、この年も各地のフェスでのパフォーマンスは大盛況に終わる。そして今年3月2日には、これまでの集大成となる1st フルアルバム『The First Cut is The Sweetest』を発表。ギミックもうんちくも押し付けがましさもないキャッチーさを併せ持つサウンドと、咆哮とも言える秋葉のボーカル。“シンプル”という本来の意味を実証する稀有なロックバンド。

ザ・ビートモーターズ オフィシャルサイト
http://www.thebeatmotors.com/


Live

大阪にてレコ発ワンマンライブ&              DJ 土井コマキ主宰のイベント出演!

『ザ・ビートモーターズ 1st FULL ALBUM
「The First Cut is The Sweetest」
発売記念「自由マン大接近ツアー」』
チケット発売中 Pコード129-282
▼5月14日(土) 18:00
Fandango
スタンディング2800円
清水音泉■06(6357)3666
※小学生以上は有料、未就学児童は入場不可。

『FM802「MIDNIGHT GARAGE」
10th ANNIVERSARY 想う壺音泉!』
一般発売4月24日(土) Pコード135-417
▼6月19日(日) 13:30
大阪城音楽堂
自由席3150円
[出]KING BROTHERS/ザ・ビートモーターズ
/PERIDOTS/星野源/LOSTAGE/他
[司]土井コマキ
清水音泉■06(6357)3666
※雨天決行・荒天中止。中学生以上は有料、小学生以下は無料。