夏休みの自由研究は、楽しく聴けるクラシックで!
「堅苦しいクラシックのお勉強じゃなく、でも曲にまつわるいろんなことをお話するので夏休みの自由研究にもできる。そんなコンサートです」。
関西フィル首席指揮者・藤岡幸夫がそう話すのは、夏休み恒例「親子定期演奏会」。「夏休み自由研究はこれで決まり!!」という企画の第3弾として8月6日(土)ザ・シンフォニーホールにて行われる。
ロマン派の音楽と美術の組み合わせがテーマ。
「ロマン派の、とても華やかな管弦楽曲を楽しんでもらいます。そこにモネとかミレーとかミュシャとか、作曲家の国や時代と関係のある絵を組み合わせて紹介する。舞台上に絵も映し出すので、楽しく聴いていただけると思います」。
楽しさは大事だが、「クラシック」には強くこだわっている。
「最近は僕も子供のためのコンサートでアニメの音楽を入れたりするんだけど、このコンサートに関しては、ひたすらクラシックの王道で勝負してどれだけいけるか。でも堅苦しくなく! 僕は若い頃に日本フィルの夏休みコンサートをずいぶんやらせてもらったので、これはかなりその影響を受けてるんだけど、その夏休みコンサートで《運命》全曲を聴かせたことがあったんですね。でも、《運命》全曲を聴いて喜ぶ子は、たぶんほっといてもクラシックが好きになると思うんですよ(笑)。きちんと高尚な雰囲気も感じてほしいんだけど、絶対に堅っ苦しくはしたくない」。
関西フィルの指揮者になって23年(2000年から正指揮者、2007年から首席指揮者)。
「僕は、こういうコンサートこそオーケストラの首席指揮者、常任指揮者がやらなきゃダメだと思っているので、先頭に立ってやり続けてます。関西フィルの将来のためにやってる部分もありますからね。関西フィルの音、そして日本で最初にできたクラシック専用のコンサートホールであるザ・シンフォニーホールの音を、子供たちにぜひ一度体験しておいてほしいんです」。
来場者には、そのまま学校に提出可能な「クラシック研究シート」も配付される。ちなみに藤岡自身の自由研究は、やはり音楽だった。「ピアノとかチェロとかトランペットとか、練習して発表してました。一生懸命楽譜を書いてた記憶もあるな。作曲もどきみたいな」。そういう音楽少年の育成を目指すかどうかはともかく、まずは一度、藤岡と関西フィルの親子定期を体験してみてはいかがだろう。子供にも大人にも、彼らが必ず何かを与えてくれるはずだ。
(宮本明)
(2022年7月25日更新)
Check