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「小鳥のように自然に歌うのが理想」
コロラトゥーラソプラノ、田中彩子インタビュー

コロラトゥーラソプラノの田中彩子が10月22日(火・祝)、大阪・いずみホールで「田中彩子ソプラノ・リサイタル~ヴォカリーズ~」を開く。コロラトゥーラとは、高音を華やかな装飾音で彩る超絶技巧。「小鳥のように自然に歌うのが理想」という田中に話を聞いた。
 
リサイタルで歌う曲目は、9月25日(水)リリースのニューアルバム収録曲が中心。歌詞を伴わずに母音だけで歌う歌唱法「ヴォカリーズ」を前面に打ち出し、アルバムタイトルもストレートに『Vocalise(ヴォカリーズ)』だ。
 
広く親しまれるラフマニノフの作品に加え、バイオリンの難曲として知られるパガニーニの『カプリース』、メロディーラインの美しいバッハの鍵盤曲『ゴールドベルク変奏曲』、ドビュッシーのピアノ曲『月の光』など器楽曲もコロラトゥーラの技法を生かし、歌詞のない歌として聴かせる。「歌詞を表現するのが歌、という概念をはずし、声という音に集中して録音しました」
 
コロラトゥーラの曲といえば、オペラ『魔笛』や『ホフマン物語』が有名だが、「コロラトゥーラにはもっとさまざまな可能性があることを、リサイタルで聴いていただけたら」と話す。ピアノはCD、リサイタルとも山中惇史。
 
田中は京都府出身、10代でウィーンに留学。欧州の歌劇場などで活躍し、5年前に日本でデビューした。今年は雑誌『ニューズウイーク日本版』の「世界が尊敬する日本人100」に選ばれた。
 
いまもウィーンが拠点で、「日本で育った歳月とウィーンでの歳月が今年でちょうど半々」という。「ウィーンには、モーツァルトが住んだアパートや、マーラーが好んだタルトを出す店などがいまも残っています。大作曲家を仰ぎ見るだけの存在ではなく、ひとりの人間として感じることができ、演奏にも素直な感情が乗せられる。音楽家にとって宝箱のような街です」
 
豊かな自然が身近なのも魅力。森や公園が多く、静けさの中に小鳥のさえずりや、枯葉の舞い散る音が聞こえてくる。「小鳥のように歌いたい」という理想もこんな環境で育まれたのかもしれない。

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取材・文:佐藤千晴



(2019年9月11日更新)


Check

Release

3rd Album『Vocalise』 
2019年9月25日(水)発売 3000円(税別)
AVCL-25996
avex classics

《収録曲》
01. バッハ:ゴルトベルク変奏曲より アリア
02. バッハ:アリア「全地よ、神に向かいて歓呼せよ」
03. パガニーニ:カプリース第24番
04. パガニーニ/クライスラー:ラ・カンパネラ
05. モーツァルト:コンサート・アリア「やさしい春がもうほほ笑んで」
06. モーツァルト:「ああ、お母さん聞いて」による変奏曲(キラキラ星変奏曲)
07. R.シュトラウス:アモール
08. R.シュトラウス:私は花束を編みたかった
09. デラックァ:ヴィラネル(田園詩)
10. フォーレ:ヴォカリーズ・エチュード
11. ドビュッシー:月の光
12. ドビュッシー:星の夜
13. ラフマニノフ:ヴォカリーズ
14. L.ゴーティエ:秘密
15. ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番より アリア
16. バッハ:ゴルトベルク変奏曲より アリア・ダ・カーポ

Live

「田中彩子
ソプラノ・リサイタル 2019
~Vocalise~」

【宮崎公演】
▼10月14日(月・祝)
メディキット県民文化センター 演劇ホール

【愛知公演】
▼10月19日(土)三井住友海上しらかわホール

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:155-716
▼10月22日(火・祝) 13:00
いずみホール
S席-5800円 A席-4800円
[共演]山中惇史(p)
※未就学児童入場不可。
[問]リバティ・コンサーツ
■06-7732-8771

【北海道公演】
▼10月24日(木)
札幌コンサートホールKitara 小ホール

【東京公演】
▼10月28日(月)紀尾井ホール

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