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日本のギター界を代表するふたり、
荘村清志と福田進一の大阪公演が実現。
ザ・フェニックスホールで、待望のデュオ・コンサート

荘村清志と福田進一。日本のクラシックギターを代表するふたりが、4月2日(土)、大阪のザ・フェニックスホールでデュオ・コンサートを行う。音楽的な背景も演奏のスタイルも異なりながら、ともに日本のギター界を牽引してきた演奏家たちである。2005年以降は福田の主宰する、東京、白寿ホールのHakujuギター・フェスタで、定期的な共演を重ねてきたふたりだが、大阪での本格的な共演は初めて。関西のギター・ファンにとってはまさに待望のコンサートといえそうだ。Hakujuギター・フェスタでの成果は、昨年、1枚のCDに結実した。「DUO Shomura&Fukuda」と題されたそのCDには、お互いのギターで対話を交わすかのような、瑞々しいふたりの演奏が収められている。コンサートで彼らの演奏に触れる時、その響きは観客である私たちにも、何事かを親しく語りかけてくるに違いない。公演に先駆けて荘村・福田氏から届けられたメッセージを、ぜひお読みください。

ふたつの違った個性が融合する姿を見てほしい-荘村清志

■われわれは、30年来の呑み仲間でしたが、なかなか一緒に演奏する機会はありませんでした。12年前に福田さんからお声をかけていただいて、東京の白寿ホールでジョイント演奏会をしたのが正式な初共演でした。自分とはまた別な表現の素晴らしさに感動し、楽しませていただきました。現在、日本のギター界には、若くて優秀な人達がいっぱい育っているので楽しみです。彼らが音楽家として、より一層心の豊かなギタリストになる事を願います。一方で、ギターを弾く人たちの高齢化も進んでいるので、僕と福田さんでまだまだ頑張って若い人たちに声をかけていかないといけないこともあると思っています。自分にとって大切なのは、心を磨いて頂上のない山をひたすら登ること。ザ・フェニックスホールでは、ふたつの違った個性が融合する姿を、見ていただきたいです。


大阪での共演が実現することを、うれしく思います-福田進一
 
■荘村さんは、私が30歳でヨーロッパから帰国して以来、ずっと呑み友達、私にとって8歳年上の親しい先輩でした。初めて共演したのはそれから数年経った頃で、朝日放送のイベントであったと思います。ソルの『励まし Op.34』を演奏しました。さらに数年後に、美智子皇后陛下が主催された阪神淡路大震災被災者へのチャリティーコンサートでも共演しました。この2度のコンサートの後、ずっと共演の機会がなかったのですが、2005年の東京・白寿ホールでの私の企画に荘村さんをお誘いし、初めてふたりだけのリサイタルを持ったのです。それがきっかけとなって、毎夏の「Hakujuギター・フェスタ」が始まりました。以後、このフェスタも好評で、今年で11年目を迎えます。現在のギター界は、世界的に見て、技術的にも音楽的にも他のクラシックの楽器に肩を並べる水準に達したと思います。しかし、依然として一般の認知度は高くない…われわれがもっと良い演奏をして存在を広めていかねばと思っています。
 
 今回はザ・フェニックスホールという「日本で最も聴衆とコミュニケーションが取りやすいホール」での共演で、本当に楽しみにしています。プログラムには、古典期の作曲家ソルの「2人の友 Op.41」を初めて入れました。この曲はソルが親友でありライバルでもあった、アグアドとの二重奏のために書いた作品で、パート楽譜には通常の第1ギターと第2ギターではなく、お互いの名前が書かれているのです。というわけで、この作品を荘村さんと共演するのは何か特別な音楽になりそうでワクワクしています。さらに私の生まれた街、大阪での共演が実現することを嬉しく思います。


S&F240_480.jpgDUO Shomura&Fukuda 発売中
 
1.ニュー・シネマ・パラダイス (鈴木大介 編曲)
2.ファリャ:スペイン舞曲
      - オペラ「はかなき人生」より (E.プホール 編曲)
3.マイヤース:カヴァティーナ (鈴木大介 編曲)  
4.アルビノーニ:アダージョ (A.ラゴヤ 編曲)  
5.プーランク:エディット・ピアフを讃えて
        -「15の即興曲」より(福田進一 編曲)  
6.グラナドス:オリエンタル
        - 「スペイン舞曲集」より(荘村清志 編曲)  
7.ディアンス:ハクジュ・パルス  
8.ファジル・サイ:リキアの王女
9.久石譲:Shaking Anxiety and Dreamy Globe
10.ハーライン:星に願いを (江部賢一 編曲) 

荘村清志(ギター) 福田進一(ギター)
録音:2015年2月17-19日、白寿ホール
DENON COCQ-85265 ¥3,000+税



(2016年2月23日更新)


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荘村清志&福田進一
デュオ・コンサート

●4月2日(土)14:00
あいおいニッセイ同和損保
ザ・フェニックスホール
4,800円(全席指定) チケット発売中

【プログラム】

ルネサンス期の2つの小品〔作者不詳〕
ドゥリュリーの和音
ナイチンゲール
アダージョ
〔伝T.アルビノーニ~R.ジャゾット/A.ラゴヤ編〕
2人の友 作品41〔F.ソル〕
リキアの乙女〔F.サイ〕
ニュー・シネマ・パラダイス
〔E.モリコーネ/鈴木大介編〕
カヴァティーナ
〔S.マイヤーズ/鈴木大介編〕
アルハンブラの思い出
〔F.タレガ/J.サグレラス編〕
スペイン舞曲-オペラ「はかなき人生」より
〔M.ファリャ/E.プホール編
オリエンタル-「スペイン舞曲集」より
〔E.グラナドス/荘村清志編〕
エディット・ピアフを讃えて
-「15の即興曲」より
〔F.プーランク/福田進一編〕
Shaking anxiety and dreamy globe
〔久石譲〕
ハクジュ・ギター・フェスタ委嘱作品

【チケット申し込み・問い合わせ】

おおの音楽事務所
 TEL:06-6864-5775
 http://www.ohnoguitar.com
 豊中市服部元町1-13-6

ザ・フェニックスホール・チケットセンター
TEL:06-6363-7999
(月~金/10~17時)