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5月15日、TV放映も決定!関西のクラシックファンが喝采を贈った
4.22大阪国際フェスティバル「大阪4大オーケストラの響演」
その熱狂の1夜をレポート!

 2015年4月22日。この夜は、関西のクラシックファンにとって忘れ難い一夜となった。先立つ18日に、アルベルト・ゼッダの指揮によるロッシーニ「ランスへの旅」で幕を開けた大阪国際フェスティバル。その興奮冷めやらぬうちに、大阪に拠点を置く4つのオーケストラがフェスティバルホールで一堂に会し、それぞれを率いる4人の指揮者、藤岡幸夫、飯森範親、外山雄三、井上道義とともに、彼らが「今、一番届けたい」という音楽を演奏したのである。チケットは完売。全国のクラシックのコンサートを見ても、こうした企画は例がない。「大阪4大オーケストラの響演」は、「オーケストラの《響宴》」と呼ぶにふさわしい華やかなステージだった。

 

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 午後6時半、4人の指揮者のオープニングトークに続いて、先陣を切ったのが藤岡幸夫率いる関西フィルハーモニー管弦楽団。曲は黛敏郎のバレエ音楽「BUGAKU」(舞楽)である。和楽器を一切使わず、オーケストラだけで日本古来の雅楽の舞を再現するこの作品で、藤岡と関西フィルはオーケストラの多彩な可能性を思う存分、引き出して見せた。音とリズムの目くるめく変容を経て、最高潮で迎えるコーダ。客席にはすでに汗ばむほどの高揚が押し寄せている。


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 続いてステージに上がった飯森範親と日本センチュリー交響楽団は、サン=サーンスの交響曲第3番 ハ短調「オルガン付き」を演奏。オルガンの壮麗な響きを伴いながら印象的な旋律が幾たびも回帰するこの曲を、彼らは持ち前の高いアンサンブル能力で聴かせた。のみならず第2部の終結近く、フーガは高みへと駆け上るような熱気と集中力をはらみ、観客は情熱に溢れる飯森の指揮によって、オーケストラを聴き、そして観る醍醐味に酔った。


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 20分の休憩を挟み登場したのは、日本の演奏史とともに歩んだ名指揮者、外山雄三と大阪交響楽団。外山は来年度よりこの楽団に「ミュージック・アドバイザー」として就任が決定している。曲はストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」。外山の老練なタクトは “熱度”の方向で語られることの多いこのオーケストラから、標準的な二管編成の特質を活かした明晰な響きを引き出し、彼らの音楽の多様さを明らかにしてみせた。神秘的な曲の輪郭を際立たせる印象的なハープの音色。83歳の外山が、若いオーケストラと創り上げる音楽の瑞々しさは、この夜一番の驚きであったかも知れない。
 

inoue610.jpg 最後に登場したのが、井上道義率いる大阪フィルハーモニー交響楽団。昨年、定期演奏会の拠点をフェスティバルホールに移した彼らは、ホールの響かせ方に一日の長がある。16型の大編成はタクトを持たない井上の自在な指揮を軽やかに受け止め、弾けるような勢いでベートーヴェンの交響曲第7番を演奏した。色彩感に満ちた「舞踏の神化」はホール全体に響き渡り、祝祭の空間を華やかに染め上げてゆく。思わず体が揺れ動くような熱狂とスピード。そして彼らが最後の音を出し終えた時、フェスティバルホールは、この日、すでに何回目かの万雷の拍手に包まれた。
 
 井上道義は3人の指揮者をステージに呼び戻し、健闘を讃えた。3時間におよび、技と情熱を尽くし合った指揮者とオーケストラたちに再び熱い拍手が届けられた。個性豊かな4つのオーケストラが、大阪にあること。この日、会場を埋め尽くした観客は、そのことの素晴らしさを深く感じ取ったに違いない。この夜の演奏はカメラに収められ、5月15日(金)に放映される。録画予約をお忘れなく。

【取材・文:逢坂聖也(ぴあ)/写真提供:朝日新聞文化財団】
 



(2015年5月 7日更新)


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 大阪国際フェスティバル
「大阪4大オーケストラの響演」

【TV放映予定】

5月15日(金)深夜25時34分〜
関西地区、6チャンネルABCテレビ


【出演&プログラム】

藤岡幸夫(指揮)
関西フィルハーモニー管弦楽団
黛敏郎:バレエ音楽《BUGAKU(舞楽)》

飯森範親(指揮)
日本センチュリー交響楽団
サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調
        作品78「オルガン付き」

外山雄三(指揮)
大阪交響楽団
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《火の鳥》
          (1919版)

井上道義(指揮)
大阪フィルハーモニー交響楽団
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92


【開催・収録】

2015年4月22日
フェスティバルホール(大阪市・中之島)