物語と絵とピアノで贈る3歳からのコンサート。
仲道郁代の『不思議ボール』
ザ・シンフォニーホールで開催
子供たちが人生で「音楽」を楽しむ、その素敵な第1歩をプレゼントしたい。ピアニストの仲道郁代がそんな気持ちで手がけるコンサート、「仲道郁代の特別ピアノ・コンサート『不思議ボール』」が8月3日(土)、ザ・シンフォニーホールで開催される。でもこの変わったタイトル『不思議ボール』っていったい?公演に先駆けて、ザ・シンフォニーホールを訪れた仲道郁代が語ってくれた。
「はい、このコンサートは南河内万歳一座の内藤裕敬さんが書き下ろしてくれた物語を、現代作曲家の田中カレンさんの音楽に乗せて私のピアノと語りで聴いていただく、という演奏会なんです。スクリーンには絵本作家の長谷川義史さんの絵が映し出されて心の中にいろんなことを語りかけてきてくれます。3歳の子供さんから入場できるコンサートなので、ぜひ親子で楽しんでいただきたいですね」
『不思議ボール』は2000年の『星のどうぶつたち』そして2004年から11年まで続いた『光のこどもたち』に続く第3弾。子供たちに語りかけるコンサート、という発想は、一児の母である仲道の体験にあるという。
「娘が幼稚園に入った時、彼女や同じ年頃の子供たちを見ていて思ったんです。なんて素直に、いろんなことに興味を持つんだ、この人たちはって。だったら音楽でも、お話でもこの時期にほんとに素晴らしいものをたくさん体験させてあげられればいいんだけど、コンサートホールって6歳にならないと入れないところがほとんどなんですよ。だったらそれより前の年齢の子供たちにも楽しんで聴いてもらえるコンサートを作って、そしてコンサートホールでぜひ生のピアノの音に触れてもらおう、そう思ったことがきっかけです」
コンサートは2部に分かれている。第1部が「ワクワク音楽物語『不思議ボール』」、そして第2部が「宝石箱のようなピアノ・リサイタル」。仲道郁代の鮮やかなピアノと柔らかなトークをたっぷりと味わうことができる。
「ピアノとお話ばかりではなくて、今回は『音を見てみよう』とか『音楽の景色を見る三択クイズ』とか…説明ではなく、理屈ではなくより五感で受け取ることの出来る趣向を凝らしています。子供さんたちにはザ・シンフォニーホールという、普段とは少し違った大人の雰囲気(笑)の中でクラシックを楽しんでいただけると思いますよ」。
仲道さん、ところで『不思議ボール』って?
「はい。とある街のごみ置き場からボールが出てきて、そのボールにいろんなことが起きるんです。野球をするには大きくて、サッカーをするには小さいボール。だけどこのまあるい物体は、みんなの大切な何か、なんですね。だから子供たちはそれを大事に守って…。私がこのお話で演奏する曲は、田中カレンさんの「こどものためのピアノ曲集『地球』」という作品集からのものです。その中には『海』や『生命の水』というタイトルの作品があって私には地球への愛情や畏敬の思い、環境の大切さ、みたいなものが描かれているように思うんですが…ヒントになりましたか?(笑)」
(2013年7月11日更新)
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