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主演・大泉洋、長尾謙杜、松本若菜、
北村一輝、柄本明、堤真一、入江悠監督登壇!
大泉節炸裂の『室町無頼』製作発表会見レポート

自らの力で時代を切り拓いた「無頼」たちを描いた、垣根涼介によるアクション・エンタテインメント『室町無頼』。歴史に残された史料は少ないが、「無頼」たちは確かに実在し、腐りきった政治と世の中を叩き直そうと、命がけの戦いに挑んだ彼らを描いた映画『室町無頼』の製作発表会見が、2月11日(祝・日)に行われた。

主演の大泉洋をはじめ、長尾謙杜、松本若菜、北村一輝、柄本明、堤真一、そして監督・脚本を務めた入江悠の7名が登壇。日本を代表する錚々たる顔ぶれがステージ上に揃い、映画のタイトルが発表された。タイトルは『室町無頼』。書道家・武田双雲が書いた『室町無頼』という文字がデザインされた掛け軸を主演の大泉が手にした。

そんな本作で大泉が演じるのは、己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぎ、密かに倒幕と世直しの野望を抱く無頼漢で剣の達人・蓮田兵衛(はすだ ひょうえ)。共演の堤が演じるのは、幕府から京の治安維持と取り締まりを任される悪党一味の首領で兵衛とは腐れ縁でもある骨川道賢(ほねかわ どうけん)。長尾が演じるのは、天涯孤独の身で、自己流の棒術で生計を立てた極貧生活を送るも兵衛に出会い行動を共にする才蔵(さいぞう)。

北村が演じるのは、困窮している民を横目に贅沢な暮らしを送る有力大名の名和好臣(なわ よしおみ)。柄本が演じるのは、一見ヨボヨボだが、棒術の達人で兵衛と才蔵の師匠の唐崎(からさき)の老人。そして、松本が演じるのは、かつては道賢、今は兵衛の想い人である高級遊女の芳王子(ほおうじ)。

まずは、大泉が「僕が演じた蓮田兵衛という人物は史実でも1行だけしか名前が出てこない男ですが、この蓮田兵衛を中心に時代を変えていこうと思った人々の熱い物語でございます。素晴らしい映画が完成して、これから観ていただくのが楽しみです」、 堤が「本格的な骨太の時代劇で、迫力も素晴らしい。僕が演じた骨川道賢は実際に存在した人物ですが、記録にはあまり残されていません。想像力をかきたてて、楽しく洋ちゃんと頑張りました」、長尾が「僕はこの作品でアクションなど沢山の新しいことに挑戦しました。そして、人としても成長できたと感じております」と挨拶。

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続けて、柄本が「時代劇が大好きです。時代劇は日本の宝だと思っております。時代劇と言えば、京都。東映の太秦撮影所にいられて本当に幸せでした。絶対にヒットさせなければいけません」、松本が「かなり寒かったんですが、寒さを微塵も感じさせないような素晴らしい演者の皆様と入江監督と一緒に作り上げました」、北村が「皆さんがアウトローでヒーローで、骨太な良い映画です。その中でも本当に憎たらしい悪役がいるんですが、「まさかこの役じゃないだろうな?」と思ってました(笑)」と挨拶。

監督は「この原作小説を読んだのが8年前で。そこから室町時代について調べて脚本を書きました。コロナ禍を挟んでもこの企画がずっと続いたのは、大泉洋さんと堤真一さんが一緒にやりたいとずっと思ってくださったからだと思います。僕にとっても東映の時代劇はすごく特別なもので、しかも京都で撮影できて本当に光栄でした」と本作に込めた熱い思いを語り、会見は始まった。

監督の熱い思いが込められた本作の脚本を読んだ時の思いを聞かれると大泉は「読み終わった時の痛快さ、気持ちよさみたいなものは大きかったんですが、脚本のト書きを読むと、「どうやって撮るの?」って。スケールが凄いから。もう少しCGでやればいいのに、人力でやってて。今の時代で言うと贅沢なやり方ですよね。もうちょっと工夫ないのかと思うくらい(笑)」とスケールの大きさを大泉節で語って笑わせた。

そんな大規模な撮影について大泉は「本当に大規模で、とんでもない広さのオープンセットで一揆の撮影をした」と振り返り、「監督の「カット!」の声が聞こえないんです(笑)」と嘆き節。「聞こえないから、端の方にいるエキストラさんなんてずっと一揆してる(笑)。僕と堤さんも相当離れていたところで撮影しているので、会話なんて「聞こえるわけないだろ!」って感じでしたね(笑)」とぼやき、「「なんだこの世界感は?」と思っていたら入江監督は『マッドマックス』を観てたんだもんね⁉そんなの観てたらあかんわと思いましたよ。それ目指してるの⁉って(笑)」とさらにぼやいていた。

堤も「洋ちゃんも言っているようにかなり叫びましたね。叫んでるけど聞こえない。飢饉で埃っぽさを出すために巨大な扇風機で、はったい粉を飛ばすんだけど、口の中がじゃりじゃりになるんです。隣の人の声もほとんど聞こえないくらいの扇風機でした」と言えば、大泉も「本当にセリフが聞こえないんですよ。だから勘で喋るんですよ、「今言ったな?」って読唇術で(笑)」と笑わせると、北村は「規模が大き過ぎて、遠くにいるから挨拶も聞こえなくて。皆さんすごい寒い日もぼろ雑巾みたいな衣装で風にあたって。僕は風も当たらない環境で。本当に映画って大変だなって思ってました。皆さんヒーローなのにボロボロで(笑)。流石だなと思いました」と振り返っていた。

すると監督は「本当に人の数がすごくて、コロナ禍でこの企画を実現させるのが難しかったんですが、 エキストラさんが京都以外の関東からも参加していただいて、もう何千人って方が参加してくださったので、その人たちには改めてお礼を申し上げたいくらいです」と感謝の思いを述べていた。

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また、アクションや殺陣のシーンについて聞かれると大泉は「もう50歳ですから。久しぶりにアクションをやるので教えてもらおうと思ったら、アクションの先生が体育会系の方で、初日から素振りで100回振らされまして。このままいくと初日から大怪我しそうだったのでじわじわ減らしました(笑)」と、アクションにもひと苦労だった様子。堤も「台本上ではあまりなかったのに、撮影所に入ってから洋ちゃんと一騎打ちで、馬から降りて戦うことになってしまって。僕、今年還暦ですよ。腰が痛くて痛くて。撮影日以外は接骨院行くかマッサージ行ってました」と振り返った。

一方、「初めてのアクションだった」という長尾は、「刀を振る時代劇だと思って台本を読んでみると、刀じゃくなて棒なんだ!と驚いた」と言い、「アクションの先生から、初日はまず100本振るところを、棒術だったので色んな振り方があって、500本ぐらいに増やされて泣きそうになりながらやりました(笑)」と苦労を語ると、大泉は「長尾くんのアクションは本当にすごいです。この映画はほとんど長尾くんの成長の物語なんです。東映は大泉さんの映画って言うけど、長尾君の映画ですよ!実際そうじゃない⁉俺はそう思っているよ。途中から腹立ってきてね(笑)。最初なんて長尾くんって分からないくらい汚いんだけど、どんどんカッコよくなってきて」とぼやきが止まらなかった。

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最後に、大泉が「近年ここまでのスケールで撮られている映画はそうないかと思います。蓮田兵衛もそうですが、ここで描かれている人々は皆、必死に時代を変えようとした人物ばかりです。男たちはカッコよくて、女性たちは美しくて、どこか今の時代にも通ずる映画になっていると思います。完成しましたら是非観ていただいて、何か自分でもアクションを起こしたくなる映画です。どうか映画『室町無頼』をよろしくお願いいたします」と作品をPRし、会見は終了した。




(2024年2月13日更新)


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Movie Data

(C)2025『室町無頼』製作委員会

『室町無頼』

▼2025年1月17日(金)より、全国にて公開
出演:大泉 洋
長尾謙杜 松本若菜 北村一輝
柄本 明
堤 真一
原作:垣根涼介『室町無頼』(新潮文庫刊)
監督・脚本:入江悠

【公式サイト】
https://muromachi-outsiders.jp/