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菅田将暉主演の人気ドラマが待望の映画化!
豪華キャストが集結した映画『ミステリと言う勿れ』
でヒロインを演じた原菜乃華インタビュー

田村由美の同名漫画を基に、2022年にTVドラマ化され人気を博した『ミステリと言う勿れ』の劇場版が9月15日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開される。天然パーマがトレードマークで独自の価値観と持論で謎を解く大学生・久能整が、美術展を見に訪れた広島で遺産相続騒動に巻き込まれる様を描く。

ドラマシリーズを手がけた松山博昭が監督を務め、ドラマ版に続き菅田将暉が主演し、松下洸平、町田啓太、原菜乃華、萩原利久、柴咲コウらが共演する話題作だ。そんな本作の公開を前に、整を遺産相続騒動に巻き込む狩集汐路を演じた原菜乃華が作品について語った。

──髪の毛を30cm切って撮影に臨んだそうですね。原さんと言えば長い髪が印象的だったので驚きました。

衣装合わせの時に監督と相談して切ることにしました。短くなりすぎると大人っぽくなってしまう可能性もあるので、2段階に分けて切ったのですが、1回目は鎖骨の下ぐらいのミディアムロングの長さで、やはりボブの方が汐路に見えるんじゃないかという話になって、あの長さまで切りました。

──ボブに切るというのは覚悟が要りましたか?

物心ついた頃からずっとロングヘアだったので、切るなら役で切りたいと思っていました。人生初のボブが、大好きな「ミステリと言う勿れ」の狩集汐路という役ですごく嬉しかったですし、幸せなことだと思っています。未練は全くなかったです。

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──髪を切ったことで、より汐路への気持ちが入りましたか?

原作を読んでいても、汐路のビジュアルは髪型や目力の強さなどが印象的だったので、撮影に入る前にビジュアルから入れたのはやりやすかったです。

──汐路を演じるにあたって、特に意識したことはありましたか?

原作を読んで、すごく瞳が印象的だと感じました。真っすぐで純粋で、周りの大人たちをしっかり見ている地頭の良さも伝わってきて。その一方で陰が落ちる瞬間もあって。とにかく目力が強い印象があったので、撮影中は「目力!」と思っていました。汐路は自分の気持ちを口に出すようなタイプではなく、自分の気持ちがどうなっているのかわからないままに行動してしまう幼さもあるので、本当の気持ちは言葉じゃないところで表現できたらと思いながら演じていました。

──汐路を演じることが決まってどのように感じられましたか。

オーディションで決まった時は嬉しい気持ちはもちろんありましたが、それ以上に不安も感じていました。原作のファンも多いですし、私もドラマをひとりのファンとして見ていて、すごく好きだからこそ、自分が汐路の魅力や作品に込められた思いを正しく表現できるのだろうかというのはプレッシャーに感じていました。

──オーディションにはどのように臨まれたのでしょうか。

整くんと初めて出会う時と、自分の両親や家のことを説明するシーンの台本をいただいたので、原作の漫画を読んで照らし合わせながら、この時はこういう表情をしてるな、汐路は常日頃どういうことを思っているのかな、どういう意味でこの台詞を言ったのかな、と想像しながら台本に書き込んでオーディションに臨みました。

──『すずめの戸締まり』もオーディションでヒロイン役を射止めてらっしゃいますが、今までオーディションを受けられた中で、受かった時というのは手ごたえを感じるものなのでしょうか?

わからないですね(笑)。「手ごたえある!」と思った時ほど落ちちゃったりします。

──ちなみに、今回は手ごたえがあったのでしょうか。

手ごたえとかを感じている余裕がないぐらい必死だったのは覚えています。どうしても受かりたかったので。だからこそ、今の自分にできることはちゃんとできた、これで落ちても実力不足だし仕方ないと思えるまで、精一杯努めました。

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──『ミステリと言う勿れ』にどうしても出たいと思った理由は何だったのでしょうか。

ドラマをひとりのファンとして見ていて、大好きな作品になっていたからです。お芝居の面でも勉強させていただきましたし、物語自体も多角的なものの見方を教えてくれて、叱ってくれているような気持ちになることもあれば、すごく優しく背中をさすってくれているような感覚にもなって。見終わった時に周りの人と意見交換をしたくなるようなドラマだと思っていました。

──お芝居の面でどのようなことを学ばれたのでしょうか。

すごくアップの画が多くて、役者さんの細かい目の動き方や瞬きの回数、声の震え方に至るまで、細かいところまでお芝居で魅せているように感じました。素晴らしい役者さんが出ていらっしゃる作品だったから、私もいつかこの作品に出られるような、お芝居のしっかりした役者になっていきたいという目標になる作品でした。だからこそ、オーディションに受かりたいという気持ちは強かったです。

──本作は、言葉の裏の意味を考えさせられる物語だと感じました。脚本を初めて読んだ時はどのように感じられましたか?

ドラマを見ていても感じていましたが、整くんの立ち位置は常に第三者なんですよね。「僕はこう思います」と言いますが、押し付けることもしないし、説教くさくもなくて。「そういう考え方もあるよね、確かに」と素直に心の奥にすっと入り込んでくるような不思議な感じの作品だと感じました。

──なるほど。

作品に込められたメッセージをダイレクトに全部を受け止めることができる作品はなかなかないと思うんです。そこがすごく素敵だし、他の作品にない魅力だと脚本を読んで改めて感じました。『ミステリと言う勿れ』の魅力は、整くんの言葉や佇まい、キャラクターそのものなんだと思いました。

──汐路の父親を演じた滝藤賢一さんとの共演シーンはありませんでしたが、どのように父親への気持ちを作って演じられたのでしょうか。

監督に回想シーンの映像を見せてもらっていました。汐路の感情が高ぶるシーンの前に、まず映像を見せてもらって、滝藤さんの声を聞いてから、お父さんのことを思い出すシーンを撮っていました。一番気持ちが入りやすい環境を皆さんが協力して作ってくださったので、本当にありがたかったです。特に、滝藤さんの「幸せになれるからね」という言葉に胸が熱くなって涙がこぼれたので、滝藤さんのお芝居に助けていただきました。

──町田啓太さんや柴咲コウさん、萩原利久ら狩集家の一族を演じた方々との共演はいかがでしたか。

皆さんとは争い合っている役柄で、劇中ではピリついているんですが、控室では皆さん優しくて、穏やかな現場でした。高速しりとりゲームや動物の生態に関するクイズを出してもらって待ち時間を過ごしていたので、すごく楽しかったです。

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──撮影時の苦労はありましたか?

撮影期間が去年の12月末から2月だったのですが、狩集家が集まるシーンを撮った場所は、暖房が効かなくて。外は吹雪いていたのでベンチコートを着て、カイロをたくさん貼って乗り切りました。寒くなると口が回らなくなるので、菅田さんと一緒に口を動かす練習をしていました(笑)。

──菅田さんは特に台詞が長いですもんね。

それでも全然噛んでらっしゃらないですし、NGみたいなのも全然ないので、本当にすごいというか素晴らしい役者さんだと思いました。間近でお芝居を見て勉強させていただけたので、すごく充実した撮影期間でした。

──整くんを演じている菅田さんを見てどのように感じられましたか。

「整くんだ」と思いましたし、整くんと菅田さんは似ていると感じました。すごく知識が豊富で、お話を聞いているだけですごく楽しくて、いろんな発見があって、ラジオを聴いているような感覚でした。現場での立ち居振る舞いも、周囲に目を配っていらっしゃる姿を見て、おこがましいですが、私もいつかこんな風に現場を盛り上げられる素晴らしい役者になっていけたらと思いました。

──原作では、まだほかに汐路が登場する回がありますが、もし仮にドラマ化、映画化されるとしたら...?

もちろん出たいです!大きくなってしまう前に(笑)。身長はもう止まっているんですが、最近「大人っぽくなったね」と言われることが増えちゃって。またお菓子をいっぱい食べてふっくらさせるので(笑)。

──やはり汐路を演じてらっしゃる時はふっくらしてらっしゃったんですね。

役に寄せて太ったわけではないんです。原作でも汐路はぷっくりしていて頬っぺたが赤くて可愛らしいですし、幼さを重視しないといけない役柄だったので、現場で欲望のままにひたすら食べてましたね。役だからではなく、普通に原菜乃華個人として制御することなく食べていました。役だしいいかなって(笑)。終わってから瘦せました(笑)。

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取材・文/華崎陽子




(2023年9月14日更新)


Check

Movie Data



(C)田村由美/小学館 (C)2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社

『ミステリと言う勿れ』

▼9月15日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開
出演:菅田将暉
松下洸平  町田啓太  原菜乃華  萩原利久
鈴木保奈美  滝藤賢一  でんでん  野間口徹
松坂慶子  松嶋菜々子
伊藤沙莉  尾上松也 ・ 筒井道隆  永山瑛太
角野卓造  段田安則  柴咲コウ
原作:田村由美「ミステリと言う勿れ」(小学館「月刊フラワーズ」連載中)
監督:松山博昭
脚本:相沢友子

【公式サイト】
https://not-mystery-movie.jp/

【ぴあアプリ】
https://lp.p.pia.jp/event/movie/264951/index.html


Profile

原 菜乃華

はら・なのか●2003年8月26日生まれ、東京都出身。2009年、芸能界入り。2016年、TVドラマ「朝が来る」で12歳にして出産シーンを演じ注目を集める。2017年、『はらはらなのか。』の主役に抜擢され、自身と同じ名の原ナノカ役で注目を集める。その後の主な出演作に『罪の声』(2020)、『胸が鳴るのは君のせい』(2021)がある。2022年には、大ヒットを記録した新海誠監督作『すずめの戸締まり』でヒロインの鈴芽役をオーディションで勝ち取った。その他の出演作に、大河ドラマ「どうする家康」、「波よ聞いてくれ」、「こむぎの満腹記」などがある。