木村拓哉、綾瀬はるか、大友啓史監督が撮影の中心地・京都に凱旋！
『レジェンド＆バタフライ』京都プレミア会見＆舞台挨拶レポート

和装で登場した木村と綾瀬。まずは、公開目前、和装での京都凱旋について木村は「劇中衣装を全て着付けてくださったスタッフが今日も僕に着付けてくださいました。この着物も今日、この日のためだけに作られた着物です。作品を体現して、この羽織に袖を通すと感情的になりそうなものをご用意いただいたので、嬉しい場なのですが、少しだけ感傷にひたっています」と感慨深げに語った。

そして、公開直前に名古屋から福岡、大阪、京都と3日間かけての宣伝活動について木村は「非常に濃厚な時間を過ごした」と言い、「SNS上で大友監督が信じられないぐらい全国を飛び回っていたことを知っていたので、ようやくご一緒できました。昨日の夜は監督と公開後の話で盛り上がった」と明かし、内容をMCに問われると「公開した後で、観てくださった方と共に過ごせる時間を設けられたら」と希望を語っていた。

すると大友監督も「上映後の舞台挨拶に登壇すると、観た方の熱量を感じる」と言いながらも「同時に、まだ出てこなくていいよ。余韻に浸らせてくれ」という思いも感じるそう。木村も「一瞬、来てくれたんだと喜んでくださるんですが、あの余韻を散らかさないでほしい、と感じる」と重ね、それでも「観終わった後に前後左右、気持ちが動かされる作品として観ていただけたんだと肌で感じて非常に嬉しかった」と喜びを語っていた。それを受けて綾瀬も「皆さんが全国を駆け回っているのを見ていて、早く参戦したいと思っていました。お疲れ様でした！」と声をかけていた。

また、時代劇についての思いを聞かれると木村は「観客の方に時代劇をどのくらい必要としてくださるのかシビアな部分はあると思いますが、皆さんに楽しんでもらえるものをしっかり作れば観てもらえるはず」と熱い思いを語っていた。フリーになって1作目の『るろうに剣心』京都で撮影した監督は「50年後か１００年後に、新しい時代劇の芽があったと思ってもらえるように先人たちに負けないように作りました。京都は映画の始まりの地ですし、このタイミングで木村拓哉さんと綾瀬はるかさんが揃ったのも奇跡です。新しい令和の時代劇を作ったつもり」と熱弁をふるっていた。

さらに、木村と綾瀬にお互いにさすがと思う部分を聞かれると、木村は「皆さんの前では柔らかい雰囲気ですが、いざ刀を持たせて監督の「よーいはい」という言葉がかかった時の動きの早さとクオリティはさすがです」と手放しで絶賛、綾瀬は「圧倒的な存在感です。エネルギーの強さに引っ張られながら撮影に臨んでいました」と語っていた。

続いて、サプライズの舞台挨拶では、本編が終わると同時に木村と綾瀬による前説が流れ、ふたりの「今からスペシャルイベント開始します」という言葉で場内のボルテージが最高潮になったところで3人が登場。大きな拍手で迎えられていた。

信長にとっての濃姫の存在について木村は「出会いは最悪でしたが、濃姫がいてくれるおかげで(信長は)生きる意味が見いだせていた。帰らなければいけないという思いだけで立ちはだかる相手を切り倒していたと思う。愛という大きな気もちが根底にある。信長にとって濃姫は非常に大きい存在です」と静かな熱情とともに語り、濃姫にとっての信長の存在について綾瀬は「最初はうつけ者として見ていたけれど、信頼を寄せるようになって、天下統一を共に目指す同士のような存在になり、時を重ねて自分よりも大切な存在になった。濃姫を強くもさせたし弱くもさせた、片割れのようなとても大きな存在だったと思います」と、互いに掛け替えのない存在であることを真摯に語っていた。

最後に、監督が「映画はいろんなチームが総合力で勝負するものですが、観てくださる方がいないと成立しません。皆さんは大友組の観客部でチームの一員です。多くの方に伝えていただければ光栄です」、綾瀬が「少しでも皆さんの胸に心動かすものを届けられていたらいいなと思います。気に入っていただけたら、またぜひ劇場に来てください」、木村が「撮影現場からたくさんのスタッフに支えられて、共演者とともに監督のもと作り上げた作品。公開日までは僕らの作った映画ですが、公開日をもって皆さんのものになります。受け取り方は人それぞれですが、できるだけ優しく抱きしめてほしい」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。

取材・文／華崎陽子

（2023年1月23日更新）