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ホーム > インタビュー&レポート > 「どういう風にこの映画を受け止めてくださるのか興味津々です。 封切が待ち遠しくてワクワクしています」 映画『最高の人生の見つけ方』で18年ぶりの共演を果たした 吉永小百合、天海祐希による大阪会見レポート

「どういう風にこの映画を受け止めてくださるのか興味津々です。
封切が待ち遠しくてワクワクしています」
映画『最高の人生の見つけ方』で18年ぶりの共演を果たした
吉永小百合、天海祐希による大阪会見レポート

ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの名優が共演したハリウッドの同名映画を原案に映画化した感動の人間ドラマ『最高の人生の見つけ方』が、10月11日(金)より、大阪ステーションシティシネマほか全国で公開される。余命宣告を受けた正反対のふたりの女性の出会いと交流、そして“死ぬまでにやりたいこと”を実現していく珍道中を人間味たっぷりに描いている。『千年の恋・ひかる源氏物語』以来18年ぶりの共演を果たし、家族のことだけを考えて生きてきた主婦・幸枝に扮した吉永小百合と、一大ホテルチェーンを作り上げた女社長・マ子を演じた天海祐希の共演は必見だ。そんな本作の公開を前に、吉永小百合と天海祐希、そして吉永小百合演じる幸枝の夫に扮した前川清が、大阪で会見を行った。

それぞれに挨拶を促すと、吉永小百合は「最高の相棒・天海さんと素敵な旦那様・前川さんと、楽しく映画作りをしてまいりました。よろしくお願いいたします」、天海祐希は「自分にとって宝物のような映画になりました。是非多くの人にご覧いただきたいと思います」、前川清は「吉永さんと天海さんは素晴らしい女優さんなので、素晴らしい作品に仕上がっております。その中にちょっとだけ参加させていただきました。いろんな世代の方に見て頂きたいと思っております」と語り、会見が始まった。


まずは、吉永たっての希望で天海と前川が本作にキャスティングされたことから、その理由を吉永に聞いてみると「天海さんとのコンビは2001年の『千年の恋・ひかる源氏物語』が最初で最後だったんです。その時はほとんど言葉も交わすことができなくて、すごく残念だったので、天海さんとはいつかふたりでロードムービーをやりたいねという話をしていたんです。ですから、今回の映画はぴったりだと思って、忙しいスケジュールを縫って出ていただきました。前川さんはジムが同じで、遠くにいらっしゃると得も言われぬ風情があって、こんな方に旦那様の役をやって頂けたらどんなにいいだろうかと思っておりましたので、これも無理を言って出ていただきました」とのこと。吉永からのオファーを受けた感想を問われた天海は「吉永さんから、映画のお話でご指名を頂きましたと聞きまして、断るという選択肢はございませんでした(笑)。嬉しいなという気持ちでいっぱいで、是非やらせて下さいとお返事いたしました」と快諾したそう。一方、前川は「私はお断りさせていただきました(笑)。私は歌い手でございまして、サユリストという立場の自分もいますので。吉永さんからお声掛け頂けたことは非常に嬉しかったんですが、私は、役者ではありません。かえってご迷惑をおかけするんじゃないかと思いまして、お断りした次第です。それでも、迷惑をかけるかもしれませんが、吉永さんから声をかけて頂き、一生に一度あるかないかということなので、恥ずかしながら参加させていただきました」と、一旦は断るつもりだったものの心変わりしたよう。


また、京都での撮影時のエピソードについて聞かれると、吉永は「河原をふたりで歩くシーンがあるんですが、もしかしたら、天海さんまた背が高くなられたんじゃないかなと思いました(笑)」とコメント。すかさず天海は、「小百合さん、あれは少しヒールのある靴を履いていたからです(笑)。京都では大きなパフェを食べたり、派手な着物を着て歩いたり、京都の雰囲気が力不足な私を随分押し上げてくれたような気がしています」と京都の撮影を楽しんでいたよう。さらに、劇中では日本だけでなく海外へも旅に出るシーンがあることから、実際にふたりで行きたい場所について聞かれると、吉永は「天海さんはどちらかと言うとインドア派で、私はアウトドア派なので、もしかしたらもめるかもしれないんですが、私はハワイなどに行って、のんびりと美味しいものをいただいて、太陽の光を浴びていたいです」と屈託のないコメント。それを受けた天海は「ハワイのような自然の素敵な場所へ行って、吉永さんは太陽の下で泳いでいただいて、私はホテルの部屋でお待ちしています(笑)」と清々しく答えていた。

そして、余命宣告をされた専業主婦の幸枝とホテルチェーンの女社長・マ子が“死ぬまでにやりたいこと”をやる旅に出る本作での役作りについて聞かれると、天海は「今回は、余命宣告をされているということと、1代でホテルチェーンを作り上げた女性ということは忘れずに自分の中心において、吉永さんとのお芝居や他の方とのシチュエーションを楽しんで、その場で出来上がるものを大事にしておりました。死生感は、誰でも迎えることですし、(私が演じた)マ子さんのように、ここまでパワフルに残りの時間を使えるかどうかわかりませんが、出来ればたくさんの方達にきちんとありがとうございましたと言って、すっといなくなりたいなと思いました」と語っていた。吉永も「私は、家庭のことだけを考えている主婦の役というのを今まであまりやっていなかったので、全力で向き合いたいなと思いました。(天海さん演じる)マ子さんに出会ってからは、弾けたいなというふうに考えて演じました。余命を宣告されたら、私はどうなってしまうんだろうと考えてみたんですが、多分とても動揺してしまうでしょうし、今回この役をやったことで、自分のやりたいことを見つけてそれを精一杯やっていこうと思うようになりました」と、それぞれ本作に出演したことで変化した部分もあったようだ。

さらに、あまり演技経験のない前川に演技をした感想を聞いてみると、前川は開口一番「(レギュラー出演している)“ちちんぷいぷい”の方が全然楽です(笑)」と返し、「おふたりに比べたら少ない台詞でしたが、私の場合は、どういう風に演技をするかというよりも、とにかく台詞を間違わないことが大事でした。実は、どういう風に出来上がっているのかもまだ観ることができない自分がいます。役作りというよりは、3度ほど間違えてしまいましたけれども、とにかく間違えないように、それだけでございました」と、台詞に苦労しながらも真摯に演技と向き合っていたようだった。

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最後に、天海が「立場と年齢の違うふたりの女性が余命宣告をされて出会って、そこから自分らしさや、本当にしたいことがなんだったのかを、12歳の少女のやりたいことリストを経て、本当の自分に辿り着く物語です。先ほども申しましたが、この作品は私にとって宝物のような映画になりました。女性同士で見に来る方が多いのかなと思っていたら、この前の試写会では、奥様に連れられているご主人がすごく多かったんです。そういう見方もあるんだと思って、客席を見て微笑ましく思っていましたので、是非、奥様方、ご主人を引きずって映画館に足をお運びください」、吉永が「この作品は、このところ私がやっていなかったちょっとポップな映画になっていて、こういう映画の作り方もあるんだと、出演した私も面白がっております。こういうタイプの映画を、私ぐらいの歳の方、また若い方がどういう風に受け止めてくださるのか、とても興味津々なので早く封切りにならないかなと思ってワクワクしています」と挨拶し、会見は終了した。

 

文/華崎陽子




(2019年10月 1日更新)


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Movie Data

(C) 2019「最高の人生の見つけ方」製作委員会

『最高の人生の見つけ方』

▼10月11日(金)より、大阪ステーションシティシネマほか全国で公開
出演:吉永小百合、天海祐希、ムロツヨシ
満島ひかり、鈴木梨央、駒木根隆介
ももいろクローバーZ、賀来賢人、前川清
監督:犬童一心
主題歌:竹内まりや「旅のつづき」

【公式サイト】
http://saikonojinsei.com/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/178274/