インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > イギー・ポップ率いるストゥージズってみんな犬っぽい! 安田謙一&キングジョーが登壇した、 映画『ギミー・デンジャー』関西公開記念トークショーレポート

イギー・ポップ率いるストゥージズってみんな犬っぽい!
安田謙一&キングジョーが登壇した、
映画『ギミー・デンジャー』関西公開記念トークショーレポート

過激なライブパフォーマンスで、音楽シーンに多大な影響を及ぼした“ゴッドファーザー・オブ・パンク”ことイギー・ポップと、映画界の鬼才ジム・ジャームッシュがコラボしたドキュメンタリー『ギミー・デンジャー』が絶賛公開中。11日(水)、上映館であるシネ・リーブル梅田にて関西公開を記念したトークショーが行われ、ロック漫筆家の安田謙一さんとイラストレーターのキングジョーさんが登壇した。

本作は、イギー自ら、自身が率いるバンド“ストゥージズ”の撮影をジャームッシュにオファーした作品で、これまで語られることのなかった孤高のバンドの軌跡が明かされると言った内容。
 
上映後、自ら手持ちのスピーカーで『Shake Appeal』を出囃子として鳴らしながら登場した安田さんとジョーさんは、緩やかながら音楽愛と音楽知識あふれるトークを展開した。
 
お二人が、ストゥージズ関係でトークをするのは今回が3度目。1度目はストゥージズの2ndアルバム『ファンハウス』の7枚組みボックスセットが限定発売されたときに雑誌DIG(シンコー・ミュージック)の誌面で、2度目は『実演!淫力魔人/イギー&ザ・ストゥージズ』公開時に元町映画館で。安田さんは「3度目に決定版的作品でトークが出来ることがものすごく嬉しい」と挨拶した。
 
gimi_c.jpg
ジョーさんが「『実演!淫力魔人/イギー&ザ・ストゥージズ』の中でイギーが、『ロー・パワー』で奏でられる全員の楽器の音は、ペットショップで子犬たちがそれぞれ僕を見て僕を見てとキャンキャン鳴いているような音と言ってて」と話すと、それに対して安田さんが「その名言もそうだけどストゥージズってとにかく犬っぽい。イギーが帰ってくるまでギターのリフを弾き続けて待つとか。忠犬っぽいよね」と表現。
 
また「『NO FUN』という曲を初めて聴いたのはセックス・ピストルズか、町田町蔵のバンドINU(イヌ)のライブだったと思う」(安田さん)という話題でも“犬”が。
 
さらに「犬ネタと言えば…」とジョーさんから、「ロン・アシュトンって晩年は動物愛護みたいなこともしてて捨て犬とかの世話してたらロン・アシュトンの家に犬を捨てに来る人がいたらしくて。亡くなってからはロン・アシュトン・ファウンデーションっていうのがあってホームページには迷彩のジャケットに垂れサングラスのロンが犬猫の方を向いてギター弾いてる写真が。“I wanna be your dog”て書いたTシャツの販売もしてるんですよ」と、またもや飛び出した“犬”ネタに会場は爆笑となった。
 
安田さんは「やっぱり自分の中に犬がいたんやね。ほんとにみんな犬っぽい。ジェームズ・ウィリアムソンなんて毛並みのいい大型犬みたい。ソニーの技術部門の副社長っていう超エリートからストゥージズに帰ってくるってすごい。そういう意図で作ったわけではないと思うけど後半の作りがたたみ込むような展開で面白い」と話し、ジョーさんが「イギーの名言“音楽は人生で、人生は商売じゃない”に繋がっていきますよね。ジェームズ・ウィリアムソンは顔つきも立派で上司にしたいギタリストナンバー1」と笑顔で語った。
 
レイトショー後のトークということで時間を気にしながらの短いトークではあったが、“犬ネタ”だけではもちろんなく、『NO FUN』を『NO PUN』にして歌ったサンハウスの菊(柴山俊之)さんの話や、「盛り上がってるライブを会場の外から録音したような音質のブートもたくさんある」という話、イギーのペットは犬じゃなくて大きな鳥(インスタグラム)!という話など、盛りだくさんだった。
 
最後は、現在同じく公開中の『パターソン』(ジム・ジャームッシュ監督)もPRして大盛況のトークイベントは終了した。
 
gimi_b.jpg



(2017年10月12日更新)


Check

Movie Data

©2016 Low Mind Films Inc/©Byron Newman/©Danny Fields_Gillian McCain/©Joel Brodsky/©Low Mind Films

『ギミー・デンジャー』

▼シネ・リーブル梅田ほかにて上映中

【公式サイト】
http://movie-gimmedanger.com/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/172980/


登壇者 Profile

安田謙一

62年神戸生まれ。ロック漫筆家。著作に「ピントがボケる音」、「なんとかとなんとかがいたなんとかズ」、「神戸、書いてどうなるのか」など。


キングジョー

68年高松生まれ。DJ、画家。