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初日満足度ぶっちぎりのナンバーワン(東京公開時)
大阪市住吉区にある公立小学校の取り組みを映す
傑作ドキュメンタリーが、いよいよ関西で公開に!
『みんなの学校』真鍋俊永監督インタビュー

 普通の公立小学校でありながら、発達障がいなど特別支援教育が必要とされている児童や、他校で不登校を繰り返したような問題児もわけ隔てなく同じ教室で日々学び、互いの違いを理解し合う教育に取り組む、大阪市立南住吉大空小学校を1年間に渡り追い続け、第68回文化庁芸術祭大賞(テレビ・ドキュメンタリー部門)を受賞した話題のドキュメンタリー『みんなの学校』が、3月7日(土)より第七藝術劇場にて公開される。そこで、本作を手がけた真鍋俊永監督に話を訊いた。
 
「実は、最初は妻の企画で2010年の暮れから翌年3月にかけて取材したものを、ニュース番組の中の特集として10分放送したんです。その後は妻から引き継ぐ形で1時間~1時間半ぐらいのドキュメンタリー番組を想定して、1年間小学校の取材をしました」と本作を撮った経緯を話す真鍋監督。
 
 本作では問題児だけでなく教師らも四苦八苦しながら一緒に成長していく様が映し出されている。「こんなに自由に撮らせてくれる学校なんてまずないですから、最初の3ヶ月で手応えがありました。その段階で映像を発表することもできましたが、それに対する周囲の声で取材の位置づけが変わってしまうのも嫌だったので、気にしないようにしていました」 今までにも、府立高校の退学者問題などを報道した経験を持つ真鍋監督は、同校のオープンな教育方針にも感激しつつ撮影を続ける。
 
 1年間で撮った素材は膨大な量になったがその後、編集をして47分の番組に。そこから文化庁芸術祭への出品が決まり、75分バージョンを制作。それが見事、大賞を受賞した。もともと映画化も視野に入れていた真鍋監督は、そこから106分の劇場上映バージョンを制作する。同じ場面でも編集を繰り返したことで「段階別にシーンの解釈も、そこに対する理解も自分の中で変わっていきました。校長先生の言葉も、最初は表面上の言葉としてしか受け止めれていなかったかもしれません。その言葉の意味をちゃんと受け止められたのは、初めて聞いてから2年ぐらい経ってから。自分自身の受け止め方も変化しているんです」と語る。
 
 映画の中で同校の校長は「ややこしい子が来ると周りが伸びるからいい」というようなことを言っている。それについて真鍋監督は「他校では問題児扱いされているような子が入ってくることで、他の児童や先生も成長する。それが人を育てていくことになる。それってもう哲学ですよね」と笑い、続けて「教室を分けることで子どもたちが落ち着いて勉強できて良いと考える親御さんもいるでしょう。でも、僕は大空小学校の方が好きですね」と話す。
 
 本当に学校で身に着けるべきことは何なのか。真鍋監督は「授業を成立したいだけなら、問題児がいると邪魔かもしれません。大空小学校は自分で判断する力をつけることを目指している学校なのかもしれないですよね」と分析。校長は映画の中で「目的と手段を間違ったらあかん。子どもにとって一番良いことは何かを考えると、自ずと対応は決まる」とも言う。「その時その時の状況で自分が良いと思うこと行動に移す。社会でもそういうことはありますよね。“ルールはルール”のマニュアル対応ではなく、今その場でこの子達のために何が良いことなのかを考える。大人は、子どもたちのけんかの原因は何だったのかは聞くけどそこでジャッジをしない。とにかく考えさせるのです」
 
 映画を観れば、こんな素晴らしい学校が実在することに驚く人も多いだろう。しかもそれが大阪にあるということが関西人にとっては誇らしいことと思えるはず。真鍋監督は「大空小学校はあくまでも公立小学校ですから、この映画を証拠に大空小学校のような学校を作るヒントはあると思います。マニュアル化はできないけど、映画を観て“使ってほしい”です。どんどん使っていってもらえるような映画だと信じています」と、これから映画を観る方々へメッセージを贈った。



(2015年3月 5日更新)


Check
真鍋俊永 Profile(公式より)
まなべ・としなが●1969年徳島県生まれ。1991年関西テレビ入社。14年間、報道カメラマンとして阪神大震災などのニュース取材やドキュメンタリー撮影を担当。2005年報道部へ移り、大阪府政キャップ、整理デスクなどを担当。撮影した主な作品「人生はこれからだ~93歳の高校生」(96)、「透明な祝祭~社会学者・宮台真司と歩く思春期の闇」(97)、「神戸六甲に吹く風は~阪神大震災から5年」(00)、「パンダと異人館とホームレス」(02)、「遥かなるアテネ 五輪選考に挑んだ彼女たちの闘い」(04)など。「みんなの学校」はテレビドキュメンタリーとしても映画としても初演出の作品。

Movie Data

©関西テレビ放送

『みんなの学校』

●3月7日(土)より、第七藝術劇場
 4月18日(土)より、
 神戸アートビレッジセンター
 順次、京都シネマにて公開

【公式サイト】
http://minna-movie.com/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/166536/

Event Data

トークショー決定!

3月7日(土)12:10の回 
「『みんなの学校』ができるまで」
ゲスト:真鍋俊永監督/大窪秋弘(撮影)
司会:関純子(アナウンサー)

3月7日(土)14:30の回 
「保坂展人さんと観る『みんなの学校』」
ゲスト:真鍋俊永監督/大窪秋弘(撮影)
スカイプ中継:保坂展人(世田谷区長)
司会:関純子(アナウンサー)

※トークショーへの参加は、当日、第七藝術劇場にて本作をご鑑賞の方に限ります。
※会場は同ビル5F・シアターセブン。
※詳細は劇場にお問合せください。