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「ポップだけどトゲがある作品!」
日常にくたびれてしまった大人の女性に贈る
エスケープ・ラブ・コメディ『わたしのハワイの歩きかた』
榮倉奈々インタビュー

 仕事を頑張ってもなかなか認めてもらえない、ダメな男とばかりくっついてしまう、周りにいる友達は同情してくれたり励ましてくれたりはするけど、自分はちゃっかりウマいことやっている女ばかり…。そんな日常にくたびれてしまった大人の女性に贈るエスケープ・ラブ・コメディ『わたしのハワイの歩きかた』が、6月14日(土)より梅田ブルク7ほかにて公開される。公開を前に来阪した主人公みのり役の榮倉奈々にインタビューを行った。

――ハワイ挙式をする友人に二次会の仕切りを任されたことをきっかけに、取材と称してハワイへ飛び、遊んで、飲んで、恋をする。映画を拝見して、とても楽しいお話だと思いましたが、最初に脚本を読んだときはどう思われましたか?

とても斬新な作品だなと思いました。純愛やミステリー、ヒーローものの様な分かりやすい枠から外れていて、ポップだけどトゲがある作品だと感じました。脚本を読ませていただいて、こんな素敵な映画なら、是非参加したいと思いました。

 

――登場人物はみんな個性が際立っていますが、榮倉さんが演じたみのりというキャラクターについてはどのようにお考えでしたか?

仕事や恋で抱えている悩みは等身大ですし、不器用さやダメなところもきちんと描くことで彼女の良さが引き立っているなと思いました。遠回りしているようだけど、周りをきちんと見ることができている人。どこか、身近にいる友達の人生の一部を聞いているような感覚で、応援したくなる人だなと思いながら演じていました。もともと前田監督からのキャラクター設定がとても細かくあり、描き方が繊細だから、個性的ではありますが普遍的で魅力的なキャラクターになったのかなと思います。

 

――細かなキャラクター設定というのは前田監督とディスカッションされたんですか?

撮影に入る前にA4サイズの紙に監督から見た、みのりのキャラクターやシーンの流れを書いてくださっていたんです。それに、撮影時間がどうしても限られているので、リハーサルにはとても時間をかけました。なので、キャラクターに関する意思疎通はしっかりと固めてから撮影に入りました。

 

――確かにハワイでの撮影ということで時間は限られますよね。日本での撮影とハワイでの撮影で違いはありましたか?

休みもありましたが、撮影時間が限られているので常にみんなが走りまわっていました。ドタバタした映画なのでそれが良かったとも言えるんですが、そこはやっぱり大変でした。でも、お茶場というキャストやスタッフが飲んだり食べたりする場所があるんですが、それがハワイは豪華でした。朝ごはんだけでも何種類も並んでいて。食に対してのストレスがないことが幸せで、自分にとって撮影に大きく影響したと思います。

 

――さすがハワイ!という感じですね。今回改めて感じたハワイの魅力はありましたか?

お仕事で行く機会も多い場所なので今までも好きでしたが、今回は1ヵ月半くらい滞在しました。日常に馴染むハワイを初めて体験出来たことがすごく良かったです。朝起きてカーテンを開けたら、ハワイの陽が入って、波の音が聞こえる。湿度もほとんどなくて。ただ、ハワイの自然を感じるだけで満たされる感覚が贅沢だなと思いました。ハワイに住んでいらっしゃる方々が本当に羨ましいです。

 

――みのりは日常から脱出したくてハワイへと飛び出しますが、榮倉さんがみのりの立場なら同じように脱出したと思いますか?

わたしの場合、ありがたいことに、仕事での小さな悩みを相談できて「わたしも昔は(そういうこと)あった」と背中を押してくれる先輩が何人かいるんです。その先輩方も、いろんなことを乗り越えて20年30年、役者というお仕事をされている。脱出するのもいいとは思いますが、わたしは続けることのすごさを尊敬しています。自分で限度を決めるのも嫌だし、続けたからこそ出る答えを知りたい。ご縁があって始めたことだからこそ、出来るかぎり続けていきたいと思っています。

 

――悩みを話せる相手の存在は大きいですよね。この映画で言うと、高梨臨さん演じる茜とハワイで出会い、意気投合。ふたりの会話のリズムの良さが印象的でした。

監督からも「ふたりの会話のリズムを良くしたい」と言われていました。なので、リハーサルもかなりしましたし、何度も撮り直すこともありました。みのり目線で言えば、茜に会うまでは、高学歴、高身長、高収入が全てみたいな女性や、合コンして、影で悪口言って…という、女子社会の裏側みたいな世界にいたから、すごく新鮮だったんでしょうね。そんな中にいながらも、みのりの性格も開けた人だったから、茜と波長が合ったのは自然な流れだったんだろうなと思います。

 

――前田監督の印象はいかがでしたか?

(前田監督の前作)『婚前特急』を観たときに、「主演の吉高(由里子)さんが自由に動いていてすごく可愛らしいな」と思ったので、人の気持ちの流れを一番に尊重している監督さんなのかなと思っていたんですが、わたしが実際にお会いした印象では、撮影期間が短いからというのもあったと思いますが、前田監督の中で確固たるものがあり、どちらかと言うと“熱意100”な印象の方でした。

 

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――“熱意100”ですか(笑)!

お酒を飲むシーンでは撮影前に少し実際にお酒を飲んで「リラックス感を出してほしい」というようなことを言われました。観る側からするとちょっとした差なのでしょうが、“熱意100”で“こだわり100”な方なのです。だからこそ、わたしもついて行きたいと思いましたし、わたしも“熱意100”で頑張ろうと思わせてくれました。それで、試写後には「よく出来たー!」と“熱意100”な長文のメールをくださいました(笑)。もうホントに燃えていますね! 10年くらい経て、自分ももっと成長した頃にもう一度お会いできたらいいなと思います。

 

――竹内まりやさんが歌うエンディング曲も素敵ですね。

そうですね。登場人物それぞれが新しい人生を歩んでいくことを連想させる、気持ちがいい曲ですよね。この映画みたいに、爽やかに終わる映画って、やっぱりいいなと改めて思いました。是非、たくさんの方々に観ていただいきたいです。よろしくお願いいたします!




(2014年6月11日更新)


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Movie Data




©「わたしのハワイの歩きかた」製作委員会

『わたしのハワイの歩きかた』

●6月14日(土)より、
 梅田ブルク7ほかにて公開

出演:榮倉奈々 高梨臨 
   瀬戸康史 加瀬 亮
   宇野祥平 中村ゆり 池松壮亮 
   上原美佐 吉永淳 佐藤みゆき 
   安田顕 鶴見辰吾
監督:前田弘二
脚本:高田亮  
主題歌:竹内まりや(編曲:山下達郎)
    「アロハ式恋愛指南」
    (ワーナーミュージック・ジャパン)

【公式サイト】
http://www.watashinohawaii.com/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/163730/