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ホーム > インタビュー&レポート > 「大雨の中で撮影した安土城跡でのシーンは、 作ろうと思っても作れない情景になったのでは」(要潤) 『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』 要潤、夏帆インタビュー

「大雨の中で撮影した安土城跡でのシーンは、
作ろうと思っても作れない情景になったのでは」(要潤)
『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』
要潤、夏帆インタビュー

 NHK総合で2008年に放送されて以来、シーズンを重ねるごとにファンを増やし続けてきたドキュメンタリー風歴史教養番組「タイムスクープハンター」。タイムスクープ社に所属する未来のジャーナリスト沢嶋らがタイムワープ技術を使い、あらゆる時代を行き来、その時代の人々の営みを映像で記録しアーカイブとして残していくという今までにない新しい設定が話題のテレビシリーズだ。時代劇とフェイクドキュメンタリーを合わせた斬新な映像と、知られざる歴史を学ぶことが出来る内容の濃さが話題を呼び、有名人の中でも“TSH(タイムスクープハンター)好き”を公言する人が多数いるという。

 そんな話題の同テレビ番組を映画化した『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』が、大阪ステーションシティシネマほかにて、8月31日(土)より公開される。劇場版では、織田信長が天下統一の拠点として築城するも、謎の焼失をとげた安土城の“最後の1日”を沢嶋が徹底取材するエピソードを主軸に、異なる複数の時代/場所を行き来しながら、シリーズ史上最大のドラマが描かれる。そこで、主人公のタイムスクープハンター・沢嶋雄一に扮する要潤と新米タイムスクープハンター・細野ヒカリに扮する夏帆にインタビューを行った。

――テレビで人気を博しているシリーズですが、映画化に対する今のお気持ちは?

 

要潤(以下、要):映画化は当初から視野に入れていたので「いよいよ来たな!」という感じですね。テレビシリーズを見ていただいているファンの方々の「映画で観たい」という声にお答えすることが出来て、とても気合が入りました。脚本の構成がテレビシリーズとは違いますし、複数の時代を行き来するというストーリー展開には僕自身も観て引き込まれました。今までは沢嶋の主観のカメラアングルしかなかったんですが、今回はカメラアングルもいろいろあり、劇場版ならではの「TSH」が楽しめると思います。

 

――夏帆さんは映画版からの参加ですが、テレビシリーズはご存知でしたか?

 

夏帆:はい。時代劇とSFとドキュメンタリーの要素がありながらドラマとして成立していて、尚且つ勉強にもなる。こんなドラマは他に見たことがないので「なんだ!? この番組は」と思っていました。歴史が好きな人はモチロンですが、あまり歴史に興味がない人でもすごく見易いですよね。それが映画化されると聞いた時は「どんな風になるのかな?」と想像がつかなくて…。でも、そういう感情も含めて、好奇心があって今回参加させていただこうと思いました。

 

――もともと歴史はお好きでしたか?

 

夏帆:歴史の授業は好きでした。でも、特に詳しいというわけではないです。

 

要:僕はどちらかと言うと苦手でした。ただ、この作品に関わったことで「何年に何が起こりました」ということだけでなくルーツに触れることが出来て歴史に興味がわきましたね。以前、かつら職人の回を放送したことがあるんですが、今の時代にも繋がる事柄のルーツを知るのは楽しいですね。

 

夏帆:歴史的に有名な人を紹介する番組はあるかもしれないけど、こういうことを伝える番組って今までなかったですよね。

 

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要:歴史と言えば、やっぱり杏ちゃんの知識はすごいです。だからタイムスクープ社の本部で働いているという役は、かなりリアルですね(笑)。彼女は待ち時間もずっと歴史の本を読んでますから。

 

――今回、初めてパートナーを連れての任務でしたが。

 

要:今までは本部にいる杏ちゃんと現場にいる僕のやりとりしかありませんでしたが、今回はバディ的な感じで夏帆ちゃんがいてくれて、すごく新鮮で楽しかったですね。

 

――初共演でお互いの印象は? 現場はどんな雰囲気でしたか?

 

要:共演する前から夏帆さんの演技が好きでしたし、本当に素晴らしかったです。『ケータイ刑事』の頃から、ずっと見ていましたから(笑)。この現場にもすぐに馴染んでいましたし、さすがだなと思いましたね。

 

夏帆:要さんは、いちスタッフみたいな存在になっていて、この作品を愛していらっしゃるのが伝わってくる現場でした。皆さんのこの作品に対する情熱を現場で常にひしひしと肌で感じて、わたしは、それに負けないように頑張ろう! と思って演じていました。

 

要:確かにだんだん“いちスタッフ”みたいな感覚になっちゃいました。この現場は愛に溢れています。学生時代を思い出してください。みんなで文化祭に何かモノを作ろうとしたら、それぞれが好きなことを一生懸命やるじゃないですか? その感覚に近くて、役者、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイクなどが好きなことを一生懸命にやる。立場は違ってもこの作品に対する愛情はみんな一緒です。そんな僕らの愛を少しでも感じてもらえたらいいなと思います。この作品に関わっているメンバーの生み出す愛情は、奇跡のコラボレーションと言っても過言ではないと僕は思っています。

 

夏帆:そんな個々から出る愛情溢れるアイデアを監督が現場で全部まとめて作品にされて凄いと思いました。長い期間やっているからこその信頼関係がそこにはあって、そんな現場に参加できて良かったと思っています。

 

――監督はハプニングに期待してリハーサルをしないと以前伺ったのですが、撮影はどんな様子でしたか?

 

要:脚本から大きく離れることはないですが、台詞は少し変わることもあります。監督が言う「ハプニングを撮りたい」というのは、役者それぞれが考えて持ってきた演技プランの「今日はコレをやるぞ」という顔ではない表情を撮りたいということだと思います。待ち時間に役者さん同士が何気なく喋っている姿や、ひとりでぼぉーっと空を見ている顔をこっそり撮っていたりするんですよ。

 

――監督はどんな演出をされるのですか?

 

夏帆:監督から指示みたいなものはあまりなく、ずっと褒めてくださっていました。「今のサイコーだよ」とか(笑)。

 

要:テレビシリーズの時からそうですね。何も言わないで「そのままでサイコーです」と。逆に余計なお芝居をすると「お芝居しなくていいですから、そのままでいてください」と言うんです。

 

夏帆:最初は戸惑いましたけど、作ってはいけないということなんですよね。「わたし、こんなので大丈夫でしょうか」と確認したら「イイよイイよ」って(笑)。前半では、戸惑っている感じがそのまま映ってしまっていますが、それが役柄的には良かったようです。

 

――滋賀県で撮影されていましたが、印象に残っていることはありますか?

 

要:大雨の中で撮影した安土城跡でのシーンは、作ろうと思っても作れない情景になったのではと思います。すごく大きな台風が直撃した日で、大雨と風で木がすごく揺れているのが映画にもばっちり映っています。また、嵐が去って雲から太陽が出てくるカットも、もちろん台本にはないですが、より情景が深く描けているのではないかなと思いますね。

 

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夏帆:確かに台風の中での撮影はとても印象に残っています。立っていられないくらいの風でしたし、まさか撮影を決行するとは思いませんでした(笑)。でも出来上がった映画を観たら、そのシーンは本当に圧巻であの時に撮影できて良かったなと思いました。

 

――では、ご自身がもしタイムワープ出来たら行ってみたい時代は?

 

要:僕は恐竜の時代に行きたいですね。それでひとり目の人類に密着取材してみたいです。アダムとイブなのかな? 「今日はアダムさんとイブさんにインタビューします」ってやりたいですね(笑)。

 

夏帆:わたしも恐竜見てみたいなぁ。写真が残っていない時代に行ってみたいですね。

 

要:今回は安土城でしたけど、全国各地にそれぞれ歴史はあります。地元の人たちもここで何が起きたというようなことは知っていても、その時庶民の方々は何をしていたのかまではやっぱり分からない。「タイムスクープハンター」の目標としては全国各地を取り上げたいなということです。それが出来るコンテンツですからね。

 

――もしも、劇場版パート2、パート3が出来たら?

 

要:みなさんがおっしゃるのは80年代のバブルの時代。記憶に残っている時代を描くのも面白いかなと思いますね。ジュリアナ東京の最後の1日とか(笑)。

 

夏帆:あの時代に沢嶋さんがこのスーツ姿でいるのは想像するだけで面白いですね(笑)。

 

――では最後に、ずばり! 劇場版タイムスクープハンターの見どころは?

 

要:見どころは全部ですが、あえて言うならやっぱり台風の日に撮った安土城のシーンですね。史実でもあの日は雨だったと残っています。それが偶然にもリンクしたのは神様が味方をしてくれたようで、撮るべき日に撮れたのかなと思っています。

 

夏帆:全部見どころですが、あえて言うなら、わたしがセーラー服を着ているところでしょうか(笑)。

 

要:なんと言ってもセーラー服でしょ!

 

夏帆:いやいや。それは冗談ですけど(笑)。アクションもすごいですし、小さな小道具みたいなものも登場して面白いですよ。

 

要:本当に今までにない日本映画だと思います。今までのテレビシリーズにメインで登場された方々が映画版にもチラっと登場しているので、その方々を見つけるのもファンの方には面白い見方かもしれません。劇場版ならではのストーリーにご期待ください!

 

要・夏帆:よろしくお願いします!




(2013年8月26日更新)


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Movie Data




(C)2013 TSH Film Partners

『劇場版タイムスクープハンター
安土城 最後の1日』

●8月31日(土)より、
大阪ステーションシティシネマほかにて公開

監督:中尾浩之
出演:要潤/夏帆/杏/時任三郎/
上島竜兵/小島聖/カンニング竹山/
山中崇/吉家章人/嶋田久作/宇津井健

【公式サイト】
http://timescoop.jp/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/160849/

Event Data

舞台挨拶決定!

【日時】9/1(日)
9:50の回上映後、12:10の回上映前
【会場】なんばパークスシネマ
【料金】1000円!
【登壇者(予定)】
要潤/夏帆/時任三郎/中尾浩之監督
※チケットはすでに劇場にて発売中!