「シンプルなホラー作品というより人間ドラマの要素が大きくて、結末は知っていても改めて観ると、考えさせられることがたくさんありました」『絶叫学級』川口春奈インタビュー - インタビュー＆レポート

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「シンプルなホラー作品というより人間ドラマの要素が大きくて、
結末は知っていても改めて観ると、
考えさせられることがたくさんありました」
『絶叫学級』川口春奈インタビュー

　少女まんが誌「りぼん」で連載中のいしかわえみの人気ホラー漫画を映画化した『絶叫学級』がTOHOシネマズ梅田ほかにて上映中。12年前に亡くなった少女が“黄泉”となって出現すると噂される私立女子校を舞台に、ホラーの恐怖と、人間の中に潜む“ちょっとした悪”をファンタジーのテイストを交えて描く。川口春奈、広瀬アリス、松岡茉優、波瑠、山本美月ら注目の若手キャストが顔を揃えたことでも注目されている作品だ。そこで、舞台挨拶のため来阪した主演の川口春奈にインタビューを行った。

――ホラー作品を観るのは好きですか？

「好きです。日本の作品も好きですが、海外の映画も好きかもしれないです。『REC／レック』とか。手持ちカメラで撮っていて、びっくりさせられるような感じの映画が好きです」

――そうなんですか！　この映画はホラーと言っても人間の内面部分のドラマでもありますが、みんなが知らない川口さんの内面(素顔)を教えていただけませんか？

「なんでしょうね(笑)。「もっと静かでおとなしくて清楚な感じかと思っていた」とよく言われます。わたしは普通だと思ってるんですけど、実はその逆みたいです(笑)」

――ハハハ(笑)！　この原作の漫画は読まれましたか？

「撮影が終わってから読みました」

――漫画と出来上がった作品を観ての感想は？

「漫画から映画になって、人がお芝居をしている分、もちろん情景がリアルだし、怖さがより伝わるんじゃないかなと思いました。シンプルなホラー作品というより人間ドラマの要素が大きくて、結末は知っていても改めて観ると、考えさせられることがたくさんありました」

――どんなことを考えさせられましたか？

「自分はどんな人間でどういうことを望んでいるのか、これからどうなっていきたいのか、自分よりも大事なものはあるのかとか。友達との付き合い方も、もっと大事に思わないといけないなと改めて思いました」

――この映画を観た友達の反応は？

「女の子は「分かるよね」という感じでしたが、男の子は「女って怖いな」と言っていて。そこが面白いなと思いました(笑)」

――この映画で描かれる女の子ならではの部分に共感出来ますか？

「はい。“可愛くなりたい”という気持ちも分かるし、友達よりも自分の欲が出てきてしまう感覚も分かる気もします。ここまで欲が強いのはすごいキャラクターだなと思うのですが、こういう女子特有の感じは、女の人なら年齢関係なく共感してもらえる部分でもあるんじゃないかと思います」

――女性ばかりの現場だったと思いますが、撮影で印象的だったシーンは？

「朝から晩まで暗幕を張っていた撮影があって、何時なのかがずっと分からずお腹がすき続けていました(笑)。それと、埃っぽかったのでみんながのどを痛めそうになったり。そのシーンはリハから大変だったのでいつの間にか感覚がなくなってきて…。そんな大変だったなという思い出がたくさんありますが、限られた時間の中で精一杯演じることが出来たと思います」

――限られた時間とはどんなスケジュールだったのですか？

「スケジュールは本当にハードでした。撮影期間は1週間くらいです。もう、そのときの記憶があまりないんです(笑)。そんな過密な状況の中で撮影できたのもいい経験になったと思います」

――では、加奈役を演じる上で難しかったところ、気をつけたところは？

「周りに流されてどんどん気持ちが変わっていくんですが、それに自分は気づいていない。表情もそうだけど、制服の丈やメイクもちょっとづつ変わっていっているんです。それがちゃんと伝わるかなとか。表情がちょっとだけきつくなっていったり、言葉遣いが荒くなっていったり、最初と最後では加奈が全くの別人になっているのでそれを表現するのが難しかったです。なかなか掴めなくて、ここだけは分からないというようなシーンもありましたが、監督やスタッフの方に相談したり助けてもらって撮影しました」

――これからはどんな役を演じたいですか？　また、どんな女優さんを目指していますか？

「いろんなキャラクターに挑戦していきたいなと思っています。それで、作品によって全く違う顔が出来て、全く違う印象を持たれるような女優さんになりたいなと思います」

（2013年6月18日更新）

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川口春奈
かわぐち・はるな●1995年、長崎県生まれ。 2007年に雑誌「nicola」の第11回モデルオーディションでグランプリを獲得し、芸能界デビュー。その後多数のドラマや映画、CMに出演。主な出演作に「桜蘭高校ホスト部」、「GTO」、映画「もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」などがある。また、7月クールドラマ「天魔さんがゆく」にも出演。