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2013年ブレーク必至! 期待の新星・若手女優
『リトル・マエストラ』有村架純インタビュー

 過疎化が進む漁村で長きにわたって活動している村民アマチュア・オーケストラの危機を救うべく奔走する高校生の女の子の姿を描いた青春ドラマ『リトル・マエストラ』がシネ・ヌーヴォ、布施ラインシネマ、宝塚シネ・ピピアにて上映中。現在放送中の連続テレビ小説「あまちゃん」で、小泉今日子演じる春子の若き頃を演じ注目を集める有村架純がヒロインを演じる。そこで、来阪した有村架純にインタビューを行った。

 

――まず、芸能界に入ったきっかけから伺えますか?
 
「中学3年生の頃なんですが、同世代の方たちがテレビに出てお芝居していることが気になり、もし自分がお芝居していたらどういう風になってるんだろうと想像したりして注目して見ていました。それがきっかけです。それで、自分から履歴書を送ってオーディションを受けて今の事務所に入れていただきました。特に誰かに憧れてとかではなく、ただ単にお芝居に興味がわいて。それだけだったんです。」
 
――最初に『リトル・マエストラ』の脚本を読んでどう思われましたか?
 
「脚本を読んだ時は「これは、人情に熱い温かい映画になるだろうな」と思いました。それで、実際に仕上がった作品を観たら、わたしが想像していたものよりも、もっと優しさや温かさが溢れた作品になっていて、すごい良かったなと思っています。」
 
――有村さんが演じた美咲とはどんな女の子ですか?
 
「美咲は、大きく分けると3つの表情を持っている女の子だなと思いました。1つ目は、自分自身と葛藤してて、やりたいことがあるんだけどうまくいかないし、どうでもいいやってちょっと自暴自棄になってる美咲。2つ目は、天才少女指揮者と偽っている美咲。それで3つ目が、心が成長して変化し、元の姿に戻っていく美咲。そんな3つの表情を持った美咲を丁寧に演じていきたいなと思いました。」
 
――そんな美咲を演じる上で気をつけたことは?
 
「美咲って「本当はこうしたいのに…」「ああしたいのに…」という気持ちがきっと、どこかにずっとあったんだろうけど、うまく表現できない。そういう芯の部分はぶらさないように、美咲の不器用さを大切にしたいなと思い演じました。」
 
――指揮は難しかったですか?
 
「やっぱり音を聞き分けるのは、すごく難しかったです。指揮の方が早くて、それに合わせて音が鳴るように振らなければいけないんですけど、どうしても音に合わせてしまうんです。その多少のズレを出すのが難しかったです。」
 
――今回、指揮をするために、どんな準備をされたんですか?
 
「役が決まり撮影へ入るまでに準備期間が1ヶ月間くらいあって、専門の先生からは立ち方とか姿勢、小さく振る、大きく振るなどの指揮棒の振り方など、基礎から全部教えていただきました。ただ、直接教わることが出来たのが数日間しかなくて。後は全部、自主練でした。でも先生に「結局は、音楽もお芝居と一緒。表現するということは、気持ちがあって表現すればいいから」と言っていただいて、その言葉を聞いてからは、今まで遠くに感じていたクラシックにも少し近づけたような気がしました。それで、自分なりの威風堂々を作ればいいんだなと感じ、そこからは考え過ぎずに演じることが出来ました。」
 
――普段はどういう音楽がお好きなんですか?
 
「わたしは、aikoさんとかミスチルさんとか。わりとゆったりとした曲が好きです。」
 
――そうなんですか。今回は悩める女子高生という役でしたが、有村さんはどんな高校生活を送っていましたか?
 
「自分が先頭を切っていくよりはみんなについていく、引っ張ってもらっていたタイプでした。友達も地元にたくさんいるんですけど、放課後に公園で喋ったり、昼休みに廊下で20人くらいで鬼ごっこしたりとか(笑)。騒がしくやってました(笑)。あとはアルバイトもしてました。」
 
――どんなアルバイトしてたんですか?
 
「お蕎麦屋さんとお寿司屋さんのふたつを掛け持ちでやってました。本当に普通の女子高生だったと思います(笑)。」
 
――今20歳なんでしたっけ? 今回はベテラン俳優たちに囲まれていますが大変ではなかったですか?
 
「2週間くらいの撮影期間で毎日一緒にいたんですが、最初はやっぱり緊張しました。でも、極寒の石川県での撮影だったので、本当に寒くて、空き時間はストーブの周りをみんなで囲む機会が多かったんです。そのおかげでみなさんといろんな話をすることが出来ました。前田吟さんも蟹江敬三さんも、共通の話題がたくさんあったので年の差を感じずにお話ができて楽しかったです。吟さんは健康に詳しくて、いろんな知識を教えてもらったり。篠井(英介)さんも筒井(真理子)さんもすごく優しくて温かい方です。」
 
――釈由美子さんと一緒のシーンが多かったと思いますが。
 
「釈さんは、ハッキリとした性格の方で、どちらかというと男っぽくてカッコイイんです。でもイメージ通りの可愛らしいところや仕草もあって、カッコイイと可愛いを兼ね備えた方だなって思いました。」
 
――上遠野太洸(かとおのたいこう)さんとはどういうお話を?
 
「唯一同い年だった上遠野くんは、デビューの時期がほぼ一緒だったので、お互い将来的にはいろんな作品に出ていろんな活躍が出来る役者になっていきたいねというような話をしました。そんな仕事の話から他愛もない話、夢などいろんなことを話しました。ふたりともお芝居が好きで、ふたりとも負けず嫌いなんですよ。今まで、同世代の人との共演がほとんどなかったので、初めてそういう話が出来て本当に新鮮でした。」
 
――では、映画のみどころを教えていただけますか?
 
「登場人物それぞれのキャラクターがいろんな思いを抱えて生きているんですが、いろんな悩みがあっても前向きにエネルギッシュでイキイキと生きている姿というのは見ていても元気がもらえるし、まだまだやれるんじゃないかとか、まだまだ可能性あるんじゃないかということを、きっとどの世代の方々でも共感してもらえる部分があると思います。そういったそれぞれのキャラクターに注目して観てもらえれば嬉しいなと思います。後は、威風堂々を奏でる場面や指揮の部分も。」
 
――指揮は頑張ったところですもんね。
 
「はい(笑)。見どころは本当にいっぱいあります。」
 
――では少し「あまちゃん」について伺ってもいいでしょうか? 出演はオーディションで決まったんですか?
 
「はい。オーディションを受けさせてもらい、見てくださった監督さんやプロデューサーさんが「(若き)春子役には君しかいない」とおっしゃってくださって。わたしって地味で昭和顔だと自分では思っていて、もしかしたらそれが合ってたのかなと思います。でも何よりも、その「春子役は君しかいない」と選んでくださったことをすごく嬉しく思います。その期待に答えたいという特別な思いが「あまちゃん」にはあります。」
 
――1日15分なんでまだホームにいる有村さんしか見ていない(取材時はまだ第1週目だった)ですが。
 
「少しづつですが、いろいろ描いていただいてるので今後も登場しますよ!」
 
――楽しみです! これからどんな女優になりたいですか?
 
「もっともっと追求していける女優さんになっていきたいなと思います。役について言うと、この子はどういった子なんだろう。こうかな? ああかな? いや、もしかしたらこうかもしれない、ああかもしれないと、想像を膨らますことだったり。お芝居に関しても、ここはもっとこう出来るんじゃないか、ああ出来るんじゃないかと考えたい。ずっと同じところに居るわけにはいかないなぁと思うので。写真撮影や取材にしても、今回まではコレが出来たけど、次は何が出来るだろうとか。そういった意味で追求していける女優さんになっていけたらなと思っています。」
 



(2013年4月11日更新)


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Profile

ありむらかすみ●1993年生まれ、兵庫県伊丹市出身。2010年に『ハガネの女』で連続ドラマ初出演を果たし、『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』、『11 人もいる!』、『ハガネの女 season2』、『クローバー』、『つるかめ助産院~南の島から~』などさまざまな TV ドラマで活躍する。映画は『阪急電車~片道 15分の奇跡~』、初主演『ギャルバサラ~戦国時代は圏外です~』『劇場版 SPEC~天~』など。2013 年 4 月からは連続テレビ小説『あまちゃん』に出演。将来が期待される若手女優。

Movie Data


(C)2012「リトル・マエストラ」製作委員会

『リトル・マエストラ』

●シネ・ヌーヴォ、布施ラインシネマ、
宝塚シネ・ピピアにて上映中

【公式サイト】
http://www.little-maestra.jp/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/161127/

【STORY】日本海に面した港町、志賀町福浦には数十年続くアマチュア楽団“福浦漁火オーケストラ“があった。しかし、指揮者の吉川が急死したことから楽団は危機に。そこで急きょ、孫娘の高校生、美咲が呼び寄せられる。村民たちは救世主が現われたと大喜びするが……。