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「ふたりのデコボコ感を楽しんでほしい」(田中)
「亀山時代に培ってきた感覚が呼び覚まされた」(川原)
『相棒シリーズ X DAY』川原和久、田中圭インタビュー

 人気ドラマ『相棒』のスピンオフ映画で、捜査一課の伊丹刑事とサイバー犯罪対策課の岩月の新しいコンビを主人公にした最新作『相棒シリーズ X DAY』が3月23日(土)より、梅田ブルク7ほかにて公開に。サイバー犯罪対策課がマークしてきた男が死体で発見される事件が発生し、伊丹と岩月が時にいがみ合いつつも課の違いを超えて真相を追いかけていく。水谷豊や及川光博らおなじみの“相棒”メンバーも出演する本作で、テレビシリーズから長年に渡って伊丹を演じてきた川原和久と、伊丹とコンビを組むことになった岩月を演じた田中圭が公開を前に来阪、インタビューに答えてくれた。

――川原さんは相棒が始まった当初の『土曜ワイド劇場』枠の頃から出演されていてシリーズ開始以来、初めての主役ですね。伊丹刑事は人気キャラクターでもありますがご自身と似ている部分はありますか?

 
川原和久(以下、川原):主役ということに関しては特に気負いはなかったです。テンションが上がったわけでもないですし。人気シリーズなので下手うつと大変なことになるんじゃないかという不安も少しはありましたが、今はいい作品が出来たという自信もあります。人それぞれ正義感にも違いはあるでしょうけど一般的な正義感があるというところと、感情をうまく人に伝えるのが下手なところが僕自身と伊丹刑事は似ていると思います。
 
――分かる気がします(笑)。また主役でもテンションが上がらないのも伊丹刑事っぽい(笑)!
 
川原:僕の場合「美味しい!」や「やったー!」などの感情を出すのが得意じゃなくて、それを照れ隠しで遠まわしに嫌味っぽく言って感謝を伝えたりするんですけど、通じないみたいです(笑)。
 
──ははは(笑)。一方、田中さんが演じた岩月は新キャラクターですが、どのように役作りされましたか?
 

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田中圭(以下、田中):川原さんが10年以上かけて愛し続けて作り上げてきた伊丹刑事と対立するわけですから、色々考えて岩月くんを演じる上でいくつかの決め事を作りました。刑事なんだけど、自分は刑事じゃなくてあくまで専門捜査官だと思うことと服装と動作。後は現場で感じたままありのまま演じようと。
 
――服装というのは?
 
田中:岩月くんは現場に出る気が元々ないと思うので、それを表すようなスーツを着ている。いつもはサイバー犯罪対策課にいるから、室内ではいいんだけど太陽の下に晒されるとなんか浮く感じで。走ることに向いてなくて動きにくかったり。具体的に言うと外で汗をかくことなく移動もタクシーを使いそうなイメージ。そういうことを考えると素材感にしてもあまり外に適応してないだろうなと思ったんです。現場に出る刑事さんばかりに囲まれてる中で違和感を出したくてこだわりました。
 
――衣装として用意されたものではなく田中さん自身からアイデアを出したということですか?
 
田中:はい。ナマイキかもしれませんが(笑)、そういったスーツを揃えていただきました。
 
――では、岩月のキャラクターとしてはいかがですか?
 
田中:分かりやすいナマイキなやつなんですよね。最初はそういう印象で、最終的には相棒として認めてもらう。観ている方もふたりのデコボコ感を楽しんでほしいので、嫌なやつではなくナマイキと思ってもらうために色々考えました。伊丹刑事と話す時も、実際はしないけどポケットに手を突っ込んで話すような気持ちで演じたり。あと、伊丹刑事に対してだんだん尊敬する気持ちも生まれてくるんだけど、ラストシーンまでは一切笑わないと決めて演技しました。そういった細かいことだけを決めて後は現場でという感じでした。
 
――ナマイキな相棒、岩月を前に伊丹刑事はどう思われたんでしょう?
 

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川原:眠っていた感覚が呼び覚まされた感じです。亀山時代に培ってきた感情が久々に色濃く出ましたね。
 
――伊丹刑事ファンにはたまらないですね。また、伊丹刑事は今回映画の中で全速力で走るシーンが印象的でしたがあのシーンのために体力づくりとかされました?
 
川原:撮影の直前まで舞台公演をしていたので、ある程度のストレッチはクリア出来ていたんですが、どうも走ることに自信が持てなくて、大阪公演で訪れていたシアタードラマシティの客席を上がったり下がったり、直角に曲がってみたり一応気にして運動をしていました。それで東京に戻って3公演くらいした翌日がその全速力で走るシーンの撮影だったんです。メリハリをつけて走るんであれば体への負担も少しは軽くなるんですが、まっすぐな道200メートルくらいを7、8本走らされて…。もうリバース寸前でしたよ(笑)。撮影後は、プロデューサーが「タクシー出しますから」と心配してくれて、お水とか胃薬とか渡されてタクシーで帰らせてもらうほど辛かった(笑)。
 
――それはかなりきついですね。田中さんはその撮影を見ておられたんですか?
 
田中:僕は試写で初めて観たんですが、あのシーンすごくカッコいいですよね。グッときました。「いやいや、相手、車やん!」というツッコミを入れてもおかしくないシーンかもしれないですけど(笑)、走る意味や走ってる伊丹刑事の気持ちがこちらに伝わってくるからそういう風に思わないんですよね。
 
――今回が初共演ですが、スムーズに打ち解けられましたか?
 
川原:僕は感情表現が下手だし、人見知りだから撮影の終わり間際まで自然な会話があんまりなかったんだよね。すごく気にはしてるし、遠まわしにスタッフに伝えたりすることはあったんだけど直接本人には話せなかったり(笑)。どうしても話さなくてはいけない芝居のことなんかは伝えますけど、それ以外はほとんど…。撮影が終わってキャンペーンに入ってようやく話せるようになったんです。
 
――川原さんがそんな感じでしたら新しい現場で田中さんは不安じゃありませんでした(笑)?
 
田中:(捜査一課の三浦信輔役)大谷(亮介)さんから、川原さんが人見知りだというのは事前に聞いていました。最初はおっかない方じゃないかなとかお芝居に対してすごくこだわりを持っていて、いっぱいダメだしされたらどうしようとか心配もありましたけど、一番最初にお会いした時にすごく優しそうな印象で想像と違ったんですよね。その後の川原さんをそばで見てて大谷さんからの情報は間違いでなかったなと思っていましたが、お芝居で岩月くんと伊丹刑事がきちっとコミュニケーションが取れていたので良かったと思います。
 
川原:いくら人見知りとは言え、いい大人なんだから挨拶ぐらいはしますよ(笑)。にこやかに「よろしくお願いします」と言えますし(笑)。とにかく芝居を大事にしていたので「昨日何してた?」とかプライベートの話はしなくても良かったんです。
 
――お互いの印象とこれからの伊丹刑事と岩月について
 
田中:川原さんは大人で真面目。現場での気の使い方だったり、尊敬する部分がたくさんあって、すごく頼りになるんです。『相棒シーズン11』(テレビドラマ)にも先日、出演させていただいたんですが、その時に川原さんがいるだけで僕自身も安心するし、岩月くんとしても伊丹刑事がいると「またいるんですか!」とか言いつつも少し安心している。映画の中で尊敬が生まれて認めているんですよね。『相棒シリーズ X DAY』でのふたりは初対面なのでお互いけん制し合ってるところはあると思うんですけど、もし可能であれば伊丹刑事と岩月くんで子どものようないがみ合いを演じてみたいですね。
 
川原:きっと面白い化学変化があるでしょうね。自分では分からないんですが本作を観たスタッフが口々に「いい相棒だった」と言ってくれるんです。お世辞を言わない作り手たちがそう言ってくれてるので信じていいと思っています。確かに掛け合いが気持ち良かったし、いろんな芝居はうまく成立したなと思ってて。また機会があればこのコンビで面白いものが出来るといいなと思います。



(2013年3月21日更新)


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Movie Data




(C)2013「相棒シリーズ X DAY」パートナーズ

『相棒シリーズ X DAY』

●3月23日(土)より、梅田ブルク7ほかにて公開

【公式サイト】
http://www.aibou-xday.jp/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/160376/

Event Data

舞台挨拶決定!

【日時】3/24(日)
11:10の回上映後/13:45の回上映前

【会場】梅田ブルク7
【料金】全席指定2000円

【登壇者(予定)】田中圭/川原和久

【日時】3/24(日)13:45の回上映後

【会場】T・ジョイ京都
【料金】全席指定2000円

【登壇者(予定)】田中圭/川原和久

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