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ホーム > インタビュー&レポート > 「エンドロールで絶対帰っちゃダメだよ(笑)。 僕の曲も聞いてもらいたいですが、 それだけでなくアニメーションの内容的にもね。」 『ベルセルク 黄金時代篇Ⅲ 降臨』 エンディングテーマを歌う、川畑 要(CHEMISTRY)インタビュー

「エンドロールで絶対帰っちゃダメだよ(笑)。
僕の曲も聞いてもらいたいですが、
それだけでなくアニメーションの内容的にもね。」
『ベルセルク 黄金時代篇Ⅲ 降臨』
エンディングテーマを歌う、川畑 要(CHEMISTRY)インタビュー

 日本のみならず海外でも絶大な人気を誇る三浦建太郎によるダークファンタジーの完全映像化プロジェクト“ベルセルク・サーガプロジェクト“第3弾にして黄金時代編の完結編『ベルセルク 黄金時代篇Ⅲ 降臨』が2月1日(金)より、梅田ブルク7ほかにて公開。主人公のガッツは修行を終え、もはや無敵ともいえる力を手に入れていた。そして、彼は仲間と共にグリフィスが幽閉されている“再生の塔”から難なく、グリフィス奪還に成功する。しかし激しい拷問を受け、変わり果てた姿のグリフィスを前に誰もが言葉を失ってしまう…。長きに渡るコミック連載の中でも、最も衝撃的なシーンと言える“蝕”をスクリーンで完全再現。エロスとバイオレンスが入り乱れる究極のシークエンスに圧倒されるだろう。そこで、本作の大ファンであり、エンディングテーマを歌う川畑 要(CHEMISTRY)にインタビューを行った。

 

――まず、映画を観られた感想からお伺いできますか?
 
「漫画から入っていたので、内容はもちろん知っていたんですけど、いざこの『ベルセルク 黄金時代篇Ⅲ 降臨』を観た時はやはり衝撃でしたね。戦闘シーンはもちろん、ここまで内容が濃くて深みのあるアニメーション映画はあまりないんじゃないかなと思いましたね。」
 
――原作の漫画を読み始めたきっかけは?
 
「僕の兄が『デビルマン』とかダークな漫画が好きなんです。映画版も全部観てますし、たしか『ベルセルク』の漫画も持ってたと思います。たぶん兄の影響がきっかけだと思います。」
 
――では、エンディングテーマのオファーが来た時のお気持ちは?
 
「もともと『ベルセルク』は大好きだったので、ものすごい嬉しかったですね。去年ソロデビューしたので、これから“自分の道”を進んでいくという思いもあって重なる部分があったので良かったです。」
 
――曲のタイトル「breakthrough」の意味は前進、進歩という意味ですね。ということは、これもソロデビューに向けての言葉なんですね。
 
「「breakthrough」というのはソロツアーのタイトルでもあり、実は一昨年から温めていた曲のタイトルでもあるんです。そこに『ベルセルク』のお話をいただいたので、いろいろ作ってはみたんですけど、この曲が合うんじゃないかなと思って聞いてもらいました。そこから世界観を寄せたり、壮大なものにしたりして生まれ変わっていきました。」
 
――男らしさ、壮大さが『ベルセルク』にとても合っていましたが、具体的にはどういうところをアレンジしたんですか?
 
「内容や男らしさという部分は変えてないんです。もともとの曲が、女性のイメージが全く出てこないような男道を潜り抜けていくような内容で。言葉で言うと“剣先(きっさき)”や“そびえる”“尊い”などを入れて『ベルセルク』が見え隠れするようなものにしました。」
 
――戦いというのがイメージされますもんね。そういえば、格闘技がお好きと伺ったんですが。
 
「そうなんです。好きなんです。まさに、この「breakthrough」という曲は、総合格闘技をやっている後輩が引退する時に作った曲なんですよ。一緒に行こうぜ! まだまだ次の道もある! という思いで書いて。だからこの曲が筋肉や戦いをイメージする方向に行ってくれたんで、すごく不思議であり、ありがたい思いです。しかも、その格闘家の後輩が『ベルセルク』が大好きで毎回、映画も観に行ってるんですよ。このエンディングテーマの話をしたら「まじっすか!」と叫んですごい喜んでくれました(笑)。」
 
――お兄さんも後輩も川畑さんご本人も『ベルセルク』ファンなんですね。
 
「でも、兄には今回のエンディングテーマについては話してなくて。何も知らないはずなんで、映画館で驚くと思います(笑)。ここまで来たら黙ってようと思って(笑)。」
 
――ハハハ(笑)。驚くでしょうね。映画本編終了後のエンドロールの後に、川畑さんの曲が流れて、そこには書き下ろしのアニメーションが描かれていますよね。
 
「僕も観てて贅沢な思いがしました。だからエンドロールで絶対帰っちゃダメだよと言いたいですね(笑)。僕の曲も聞いてもらいたいですが、それだけでなくアニメーションの内容的にもね。」
 
――そうですよね。また、それとは違いますが、今回のミュージックビデオは初めて海外で撮られたとか。
 
「アレンジしていただいた曲が、自分でも驚くぐらいものすごく壮大になっていて、これをどういったミュージックビデオにしようかと考えたんです。それで、贅沢な話なんですが、荒野や砂漠など、ある程度の世界観の想像は出来ていて、日本では画に限界があるんじゃないかと思ってしまって。それを監督に話したら「オーストラリアにこういう所がある」と伺って「じゃ、行きますか」と(笑)。その代わり1泊の弾丸で行きました。到着した日に夜まで撮って、2,3時間寝て、朝から動いて撮って帰りました。満足できる画が撮れて、そこにプラスCGを加えて。近未来ファイターのようなイメージのミュージックビデオに仕上がっています。内容は、僕の物語が次へと繋がるような意味深な内容で終わらせてるんですけど、次の『ベルセルク』ともまたご一緒できたらいいなと実は思ってます(笑)。」
 
――本当に『ベルセルク』がお好きなんですね(笑)。お気に入りのキャラクターはいますか?
 
「ジュドーですね。ピピンも好きなんですけどね。今回の映画にも出てきますけど彼いいですよね。たぶんキャスカのこと好きだったんだろうな。観ててこいつすごいカッコイイと思いました。自分の思いは内に仕舞い込んで、それぞれの立場の背中を押すという強さというか。すごく憧れますね。」
 
――では、この映画の中の好きな場面は?
 
「エグイ場面なんですけど、ガッツがキャスカを助ける場面が大好きですね。あの場面は、観てて自分の腕にも力が入りました。」
 
――今も続いている漫画ですが読んでらっしゃるんですか?
 
「読んでても、どこまで行っちゃうんだろ? どうなっちゃうんだろって状況なんです。“蝕”から大変なことになってるじゃないですか。ガッツはグリフィスに近づいてるのか、それとも遠ざかっているのか。たまに近づくシーンもあるけど、手の届かない場所にいるし。このふたりはどうなってしまうんだろう。そこから目が離せないですね。どんどんダークファンタジーになっていって、これからも楽しみです。」
 
――漫画もどんどん広がって変化していってるんですね。川畑さんは、ASAYANでのオーディションから12年ほど経ちますが、音楽との関わり方に変化はありますか?
 
「やっぱりデビュー当時は歌を歌いたいだけで、そこで自分を表現することしか考えれてなかったと思います。今はこうして『ベルセルク』など、話から膨らませて、歌だけではなくて自分が歌詞の世界観だとか曲の感触だとか全体図を見れるようになってきたというところがありますね。“歌が好き”だったのが、歌ももちろん好きですがどんどん“音楽が好き”になってきていると年々感じますね。」
 
――では、そんな川畑さんの音楽を愛するファンの方々へメッセージをお願いします。
 
「僕の「breakthrough」という曲は『ベルセルク 黄金時代篇Ⅲ 降臨』という映画があってこそ生きた曲だと思っています。すごく壮大なロッカバラードのような力強い内容になっているので『ベルセルク』を観たことがない方も是非、この歌をきっかけに観てほしいなと思います。ふたつがひとつになる瞬間を感じてもらえたら嬉しいです。」
 



(2013年1月30日更新)


Check

2013.1.30 Release

DFCL-1971~2/¥1,800(tax in)

「breakthrough/Let’s Say I Do」

初回盤A[CD+DVD]
Disc1(CD)
M-1. breakthrough
M-2. Let's Say I Do
M-3. 「白い恋人達」(桑田佳祐カバー)
Disc2(DVD)
・「Let’s Say I Do」MV本編、メイキング
・2012年10月に地元亀有で行なわれたソロデビュー記念イベントのダイジェスト映像

DFCL-1973~4/¥1,800(tax in)

「breakthrough/Let’s Say I Do」

初回盤B[CD+DVD]
Disc1(CD)
M-1. breakthrough
M-2. Let's Say I Do
M-3. 「白い恋人達」(桑田佳祐カバー)
Disc2(DVD)
「縦列駐車マスターへの道」
「breakthrough!嫌いな物を克服せよ!」

DFCL-1975/¥1,300(tax in)

「breakthrough/Let’s Say I Do」

通常盤[CD]
Disc1(CD)
M-1. breakthrough
M-2. Let's Say I Do
M-3. 「白い恋人達」(桑田佳祐カバー)
M-4. breakthrough(Original Instrumental)
M-5. Let's Say I Do(Original Instrumental)

Movie Data




(C)三浦建太郎(スタジオ我画)・白泉社/BERSERK FILM PARTNERS

『ベルセルク 黄金時代篇Ⅲ 降臨』

●2月1日(金)より、梅田ブルク7ほかにて公開

【公式サイト】
http://www.berserkfilm.com/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/158185/