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家族の大切さや温かさを再認識する、
2匹のくろねこに癒されるほんわかムービー
『くろねこルーシー』主演・塚地武雅インタビュー

 山本耕史主演で“日本一、黒猫に横切られるツイてない男”とくろねこの赤ちゃん日常を描いた人気TVドラマを、山本耕史演じる鴨志田陽の父親・賢を主人公にして映画化した『くろねこルーシー』が、10月6日(土)より梅田ブルク7ほかにて公開される。お笑い芸人ドランクドラゴンの塚地武雅が、妻と別居中で、迷信ばかり信じてビクビクしながら生活している占い師、鴨志田賢を演じ、ひょんなことから保護したくろねこ2匹との交流がほのぼと描かれる。2匹のくろねこ、ルーとシーを演じる全国から選りすぐった黒猫の赤ちゃん兄弟に癒されること間違いなしのほんわかムービーだ。本作の公開にあたり、主演を務めた塚地武雅が来阪した。

 

 塚地といえば、森田芳光監督作『間宮兄弟』や『ハンサム★スーツ』など、映画をはじめドラマでも俳優としての評価が高いことで知られているが、本作は初の単独主演作。まずは、主演映画の話を聞いた時の思いを聞いてみるとー

 

塚地武雅(以下、塚地):今までは、佐々木さんや谷原さんがいらっしゃって、W主演のようなかたちでやらせてもらっていたので、初めての単独主演と言われていたんですが、ふたを開けてみたらくろねこ2匹とのトリプル主演みたいなものですよ(笑)。主演は猫ちゃんたちなので、結局僕は脇を固めただけでしたね(笑)。

 

 と、あくまでも猫の補佐的な役割だったと語る塚地。一方で、そんな猫との共演については?

 

塚地:僕は、猫を飼ったことも犬を飼ったこともなかったので、嫌いじゃないけど、どう扱っていいのか最初はわからなかったんです。他の人がしていることを見て、とりあえず頭を撫でたり、顎をくすぐったりしていました。僕は人見知りもするんですが、猫見知りもしましたね(笑)。最初は、猫ちゃんたちも僕の抱き方が悪いのか、みゃーみゃー鳴いていたんですが、この映画を撮っていくのと同じペースで仲良くなっていきました。だから、最初の方の忌み嫌われている感じは、めっちゃリアルだと思います(笑)。猫ちゃんたちも、最初は全く僕の傍に寄ってこなかったんですが、途中からは膝の上に乗ってくれるようになりました。それでも、さっきまで仲良く遊んでいたのに、他の人のところに行ってしまって、“なんやねん”と思っていたら、さっと横に戻ってきたりして、これが猫の魅力なんだと実感しました。クランクアップする時は猫を飼おうかと思ったんですが、これで猫を飼ったら、僕は終わると思ってやめました(笑)。

 

 最初は猫たちに戸惑いながらも、撮影が進むにつれ、打ち解けていったようだが、本作で塚地が演じた鴨志田賢は、不器用で人とうまく接することができず、気の小さい占い師という役どころ。役作りはどのようにしていったのだろうか。

 

塚地:あまりにも鴨志田というキャラクターが僕に似ているので、役作りなんて一切してないです。うだつのあがらない感じや自信のなさそうな感じ、それでいて頑固なところなんて、鴨志田の気持ちがわかりすぎて、“なんでこいつはこんなんなんやろ”と思うことが一切なかったです。だから、台本を読んでいても“わかる、わかる”という感覚で、こいつは僕と違うな~ということは一切なかったので、役作りの必要がなかったですね。

 

 本作では、役作りの必要がなかったと語る塚地だが、大河ドラマ「平清盛」に出演するなど、やはり役者としての評価は高い。役者という仕事について、塚地はどのように考えているのだろうか。

 

塚地:台本を読んで台詞を覚えるという作業はありますが、基本的には全く普段の仕事と変わりませんね。自分に似たような役をいただけているから助かっているんだと思います。無理する役はまわってきませんし、大抵モテないダメ野郎で、バラエティの立ち位置と同じなんですよね。これで僕が、かっこいいモテ男の役を演じることになったら戸惑うとは思いますが…(笑)。

 

 役者や芸人という仕事柄、女優との共演も多いと思われるが、本作では塚地演じる鴨志田の別居中の妻を安めぐみが、鴨志田の働く商業施設のペットショップ店員を大政絢が演じるなど、豪華女優陣が名を連ねている。女優との共演については?

 

塚地:最初にこの映画の話をいただいた時に、主演で、さらに夫婦役を演じると聞いて、主演だったら、映画やドラマでカップルを演じてそのままプライベートでもカップルになるパターンもあるな、と思ったんです。それで相手役を聞いたら安ちゃんで、その頃から(結婚された)東さんとの交際報道が出ていたので、正直がっかりしましたね(笑)。でも、安ちゃんとはバラエティやドラマを一緒にやっていたので、緊張することなくできたので、すごく楽でした。だいたい、僕は共演者の方と緊張して話ができなくて、打ち上げでようやく打ち解けるような感じだったのが、今回は最初から打ち解けていたので、撮影もすごく楽でした。

 

 と、最後は女優とのロマンスが夢と消えた話で終わったが、塚地にとってはすごく居心地のいい撮影現場だったことが伝わってきた。というのも、2匹のくろねこによって癒しを与えてもらえる映画であることはもちろんだが、映画からは本当に和やかな雰囲気が伝わってくるからだ。塚地演じる鴨志田の占いがくろねこ2匹によって人気を呼んだことで、自信をつけ、別居中の妻と息子との関係も変化していく姿をいつの間にか応援している自分に気付く、家族の大切さや温かさを再認識するほんわかムービーだ。

 

(取材・文:華崎陽子)




(2012年10月 6日更新)


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Movie Data




(C)2012「くろねこルーシー」製作委員会

『くろねこルーシー』

●10月6日(土)より、
梅田ブルク7ほかにて公開

【公式サイト】
http://www.kuroneko-lucy.info/movie/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/158436/