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オダギリジョー×チャン・ドンゴンW主演! 
数奇な運命を辿ったふたりの東洋人を描く感動巨編
『マイウェイ 12,000キロの真実』
オダギリジョー、チャン・ドンゴンら来場会見レポート

 『シュリ』や『ブラザーフッド』のカン・ジェギュ監督が、オダギリジョ-とチャン・ドンゴンという、日本と韓国を代表するスター俳優をW主演で迎え、7年ぶりに撮り上げた感動巨編『マイウェイ 12,000キロの真実』が1月14日(土)より梅田ブルク7ほかにて公開される。第2次世界大戦期、時代に翻弄されたふたりの兵士の宿命と友情を、朝鮮半島からヨーロッパをまたにかけた壮大なスケールで描き出す。特に、ラストを飾るノルマンディー上陸作戦での戦闘シーンは圧巻のひと言に尽きる。本作の公開に先立ち、宿命のライバルであり、親友でもある、日本人の長谷川辰雄と朝鮮人のキム・ジュンシクを演じたオダギリジョーとチャン・ドンゴン、そしてカン・ジェギュ監督が来阪し、会見を行った。

 

オダギリジョー:この映画は、カン・ジェギュ監督が7年ぶりに撮った大作です。日本では珍しいタイプの映画ですし、滅多にないぐらいスケールの大きな作品です。ぜひ期待してください。

 

チャン・ドンゴン:映画を紹介するために大阪に来たのは初めてです。この映画は9ヵ月もの撮影期間をかけて、多くの人々の努力によって作られた映画です。どうぞ皆さん、たくさんの声援と愛情をよろしくお願いいたします。

 

監督:私は、大阪に来るまで7年かかりました(笑)。『ブラザーフッド』の時も大阪に来たのですが、大阪は私の生まれた街に似ているので、大阪にはすごく親しみを持っていますし、故郷に帰ってきたような感覚です。たくさんのスタッフ、俳優とともに渾身の力を注ぎこんで作った作品を観ていただけることを嬉しく思っていますし、とても興奮しています。

 

 このように、3人が口々に映画のスケールの大きさを語る挨拶で会見は始まった。本作の魅力は、3人が口にした圧倒的なスケールとともに、国の垣根を超えて完成した点。というのも本作は、25億円という韓国映画最大スケールの製作費を投入し、ロケハンには地球一週分の移動を費やして撮影され、俳優陣も日本人と韓国人はもちろん、様々な国の人々が出演している。監督が、そんな壮大なスケールで撮影された本作を作ろうと思ったきっかけは、ノルマンディー上陸作戦後、アメリカ軍に捕らえられたドイツ軍の捕虜の中に東洋人がいたことを示す1枚の写真だったそう。

 

監督:東洋人が連合軍の捕虜としてノルマンディーにいた写真を見て、私は衝撃を受け、心が動かされました。東洋人がどのようにして連合軍の捕虜となり、ノルマンディーで写真に映ったのか、どんな旅路を経てここまでたどり着いたのか、その疑問と興味がこの映画の出発点になりました。この映画を作るにあたり、人はなぜ戦争をするのかという本質的なことに考えを巡らせました。そして、人種や国境を越えた意思疎通ができていないために、争いが起こるのではないだろうかと考えました。お互いを分かり合えれば、戦争もなくなるだろうし、より美しく生きることができるんじゃないかと思ったんです。この映画では、日本と韓国のふたりの若者の物語が軸となっていますが、本質を突き詰めていけば、人間どおしの意思疎通、そして人間愛を描きたかったんです。そういった本質的な問題が克服されれば、戦争もなくなり平和な世の中になるんじゃないかという日頃の私の思いを表現したいと思って作りました。

 

 確かに、監督が語るとおり、本作では日本人や韓国人について語っているのではなく、環境によって立場が逆転することで現れる人間の本性を描くとともに、生きるか死ぬかという極限状態の中で国籍や立場を超えた、人間としての生き方が描かれている。そんな本作を見事に演出したカン・ジェギュ監督について俳優のふたりは、どのように感じたのだろうか。

 

オダギリジョー:僕は今まで単館系、いわゆるインディーズ系と言われる作品に出演していたので、こういう大きな作品は初めてでした。インディーズ系の映画は監督の個性を感じるというか、その監督にしか作ることができない作品が多いと思いますし、僕はそれがインディーズ系映画の醍醐味だと感じていました。一方、メジャー系作品は老若男女全ての人にわかりやすく作るもので、あまり監督の個性が出ないと思っていました。それが理由で僕は、メジャー系作品に出演しなかったんですが、初めてカン・ジェギュ監督とお仕事をさせていただいて、200人、300人ものスタッフをまとめ上げる力や、壮大なスケール感や迫力を構築する編集の力など、インディーズ系の監督とは全く違う才能がメジャー系の作品には必要なんだと気づかせてくれましたし、監督が僕に新しい映画の見方を与えてくれました。

 

チャン・ドンゴン:実は、『ブラザーフッド』の撮影後、もう戦争映画には出演しないと思っていました。そんな中で、今回また戦争映画に出演することを決めた大きな理由には、カン・ジェギュ監督への大きな信頼がありました。『マイウェイ 12,000キロの真実』は、脚本が出来上がる前にシノプシスを拝見させていただいたのですが、その当時はまだ監督は決まっていませんでした。しかし、いくら考えてもこの作品を監督できるのはカン・ジェギュ監督しかいないと思っていました。ですから、作品自体はすごく気に入っていたのですが、戦争映画へ出演するというプレッシャーもあって、出演を決めるまでには至っていなかったのですが、カン・ジェギュ監督が監督されるのであれば、僕も快く出演しますと話しました。そうすると、しばらくしてカン・ジェギュ監督が監督されることを聞いたので、嬉しかったです。

 

 と、ふたりとも圧倒的な信頼の思いをカン・ジェギュ監督には抱いていたようだ。では一方、オダギリジョーとチャン・ドンゴンという日韓を代表する俳優ふたりは、お互いについてどのように感じていたのだろうか。

 

オダギリジョー:ドンゴン氏は、韓国を代表するスターですから、僕には身分不相応というか、ドンゴン氏と芝居をすること自体がちょっと恐れ多いという感じはありました。そして、ドンゴン氏のことを知っていくと、誠実で、真面目で、思いやりがあって、本当に素晴らしい人間性を持っている方で、スターと呼ばれる理由がすぐにわかりました。きっと世の中には偽者のスターも多くいると思うんですが、ドンゴン氏からは本物のスター性を感じるというか、数分でもインタビューする時間があれば彼の人間性が十分伝わってくるんじゃないでしょうか。

 

チャン・ドンゴン:あまりにもオダギリジョーさんが僕のことを誉めてくださるので、これからもいい人のふりを続けなければいけないというプレッシャーを感じてしまいました(笑)。オダギリさんとはこの映画で初めてご一緒させていただいたのですが、以前からオダギリさんが出演している作品は観ていました。オダギリさんという俳優に対して、観客のひとりとして好奇心を持っていましたし、一度オダギリさんとは一緒に仕事がしたいと思っていました。そんな中、今回ご一緒できることになって非常に喜びました。ですが実は、オダギリさんに対して、内気で、神経質で、あまり周りの人とうまくなじめない性格の人ではないかという若干の先入観を持っていたので少し心配していました(笑)。ところが、撮影に入る前に2週間ほど軍事訓練のようなものを受けた時に初めてオダギリさんとお会いして、一緒に過ごしていくとすぐに親しくなりました。そして撮影が進んでいくうちに、自分の先入観が間違っていたことに気づきました。オダギリさんは、柔軟性のある方で、ユーモアの感覚も優れていて、センスもあって、本当に思いやりのある方だということがすぐわかりました。また、映画の中でのオダギリさんと僕の演技がほとんど日本語だったので、僕が現場で最も頼りにしていたのがオダギリさんでした。僕が台詞を発して台詞が聞き取れたか確認してもらったり、イントネーションがおかしくないか聞いてもらったり、本当に頼りにしていたので、より心を開いて親しくなれたと思います。

 

 お互いにお互いを絶賛するふたりの言葉からは、撮影期間の充実ぶりが伺えた。そんなふたりのお互いに対する思いを受けて、監督がふたりへの思いを語ってくれた。

 

監督:私は、以前からオダギリジョーさんという俳優がすごく好きで、日本を代表する最高の俳優だと思っていました。そして同時に、チャン・ドンゴンは韓国最高の俳優であると考えていました。それは、私の個人的な好みというよりは非常に客観的な評価だと思います。そのふたりを迎えて『マイウェイ 12,000キロの真実』を撮りましたが、ふたりが長谷川辰雄とキム・ジュンシクという人物を見事に演じきってくれたので、素晴らしい仕上がりになったと思っていますし、様々な美しいショットをこの映画で描くことができたと思います。そして、撮影中は監督として映画を撮りながらゾクゾクするような興奮におそわれました。それは、今まで映画を撮りながら感じたことのない、とても特別な感情でした。このように日本と韓国を代表する、本当に素敵な俳優たちが全力を投じて渾身の演技をみせてくれたことを心から嬉しく思いますし、監督として感動しました。

 

 朝鮮半島から極寒のロシア、そしてヨーロッパの果てノルマンディーへと、どこまでも過酷な旅を共にしたことで、反発し合うライバル同士だった長谷川辰雄とキム・ジュンシクが、オダギリジョーとチャン・ドンゴンが撮影中に親交を深めたように、好敵手から戦友、そして親友になっていく壮大な物語を、ダイナミックな戦闘シーンを交えて描き出した『マイウェイ 12,000キロの真実』。最後にカン・ジェギュ監督が語ってくれたように、演技派俳優ふたりの演技にゾクゾクするような興奮を覚えるとともに、カン・ジェギュ監督にしか撮ることができなかった、今までに見たことのない圧倒的なスケールの戦闘シーンに目を見張る感動巨編の登場だ。




(2012年1月11日更新)


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Movie Data



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『マイウェイ 12,000キロの真実』

●1月14日(土)より、梅田ブルク7ほかにて公開

【公式サイト】
http://www.myway-movie.com/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/156086/


Ticket Data

1月15日(日)に舞台挨拶が決定!

【日時】1月15日(日)  10:00の回上映後
【劇場】梅田ブルク7
【登壇者】オダギリジョー(予定)
【料金】全席指定2000円
【Pコード】559-090

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【日時】1月15日(日)  11:00の回上映後
【劇場】なんばパークスシネマ
【登壇者】 オダギリジョー(予定)
【料金】全席指定2000円
【Pコード】559-091

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