大阪のエキストラには脱帽!?
『プリンセス トヨトミ』会見レポート

　『鴨川ホルモー』の原作者、万城目学の直木賞候補となったベストセラー小説に基づいたユーモラスなファンタジー『プリンセス トヨトミ』が5月28日(土)よりＴＯＨＯシネマズ梅田ほかで公開される。400年前の大阪で起こった出来事が現代に引き起こす、奇想天外な大騒動が描かれる。公開に先立ち、堤真一、綾瀬はるか、岡田将生、中井貴一ら主要キャストと鈴木雅之監督が来阪し、会見を行った。
 

　大阪を訪れた会計監査委員会の副長、松平を演じた堤真一、そして、その松平の補佐役で、天性の勘や嗅覚で功績をあげる調査官、鳥居に扮した綾瀬はるか、日仏ハーフの新人調査官、旭ゲーンズブールを演じた岡田将生、そしてお好み焼き屋・太閤の主人であり大阪国総理大臣・真田に扮した中井貴一らは、昨年の夏に大阪を中心に関西で撮影を行っていた。まずは、今回、凱旋帰国(!?)を果たした、キャストと監督の挨拶から始まった。
 

堤：去年の暑い暑い夏の中撮影した作品です。大阪を舞台にしたエンタテインメント作品はなかなかないと思いますし、日本中どこが入らなくても大阪がまず入ってもらわないと話にならないので、皆さんのご協力が全てです。よろしくお願いします。
 

綾瀬：大阪の皆さんが協力してくださらなければ、できなかった作品だと思います。現実とおとぎ話をミックスしたような、想像を膨らませられる夢のあるエンタテインメントになっています。
 

中井：絶対あり得ないような話なんですが、この作品には、大阪が独立している可能性があると思わせるようなパワーがあるんです。先ほど堤くんが言ったように、この映画が大阪で当たらなければ他で当たらないです。裏を返せば、当たらなければ大阪のせいです(笑)。
 

監督：この『プリンセス トヨトミ』は、去年の夏に大阪で撮影していたので、こうやって大阪に帰ってくることができて感無量です。この作品は豪華なキャストとともに、大阪の皆さんに協力していただいて、大阪のパワーをいただきながら完成できました。今日初めて大阪の方に観ていただくので、東京で観ていただくよりも緊張しています。厳しい意見がないといいな、と (笑)。大阪の皆さんと一緒に作った感覚がすごくあるだけに、余計に反応が恐いです(笑)。
 

　キャストや監督が語るように、暑い中行われた大阪での撮影の中でも、5000人ものエキストラを動員した大阪府庁で行われたクライマックスシーンの撮影は、別格だったようだ。
 

堤：この映画には、5000人の方が集まってくださった大阪府庁の撮影をはじめ、たくさんのエキストラさんたちが出演してくださってるんですが、まぁ普通はエキストラの方ってなかなか積極的になんてできないんですよ。でも、今回はすごかったです。ほかの場所だと撮り終えられなかったんじゃないかと思うんですが、そのおかげで無事に撮影できました。やはり、大阪の方は芸人魂持ってるな、と(笑)。撮影に関してはすごく助けていただきましたね。
 

中井：5000人の方が府庁に集まってくださった撮影の日は、朝9時までの完徹での撮影で、その中で500人の方が僕と堤くんの完徹の撮影に付き合っていただいたんです。そうしたら、1カット終わるたびに皆さんが拍手してくださって。東京でも、最初の頃は拍手が起こっても最後の方はまず起こらないんです。でも、今回は朝の9時まで拍手をしていただいたんです。衣装も自前なんですが、落語家やタイガースのユニホームを着た人もいて、それぞれ皆さんが役作りをして撮影に挑んでるんですよね。恐るべき大阪だと感じました。
 

　最後に、中井が演じた「大阪国総理大臣に自分がなったら？」という質問をＭＣが投げかけるとー
 

堤：赤字だらけの大阪市をなんとかしたいですね(笑)。
 

綾瀬：パスポートを作りますね(笑)。
 

岡田：僕は侵略して、周りの県をどんどん大阪にしていきます(笑)。
 

　と爆笑の連続だった。特に綾瀬には、堤が「冴えてきたね(笑)」とつっこみ、中井が途中で「ちょっと綾瀬くんの調子がいまいちみたいで(笑)」と笑いを誘うなど、終始キャスト陣は息の合った掛け合いをみせていた。豪華キャスト陣が声を揃えて称える大阪のエキストラの方々の活躍ぶりにも注目してほしい本作。新世界や道頓堀、通天閣に大阪城、空堀商店街など大阪になじみのあるスポットが随所に登場する大阪発のエンタテインメント大作だ。

（2011年5月25日更新）