「第1回 絹谷幸二 天空美術館 キッズ絵画コンクール」
受賞作品決定!
梅田スカイビルにある「絹谷幸二 天空美術館」が、小中学生を対象に募集した「第1回 絹谷幸二 天空美術館 キッズ絵画コンクール」の受賞作品が決定。4月29日(金・祝)より、同美術館にて『キッズ絵画コンクール 優秀作品展』として一般公開されている。
「あなたの大切な人たち、自然、まち並み」というテーマで募集された今回のコンクールには、国内や海外から3009点の応募があり、その中から厳正な審査(審査委員長 絹谷幸二氏)により、絹谷幸二キッズ賞 グランプリ1点、部門(小学校低学年・小学校高学年・中学校)優秀賞3点、館長賞1点、佳作賞22点、入選13点が選ばれた。
受賞者へ審査委員長 絹谷幸二氏により表彰状が授与された
4月29日(土・祝)には、展覧会開幕に先立って各賞の表彰式が行われ、受賞された40人の中から32人が出席。関係者や同行の家族が見守る中、グランプリに選ばれた舛井勝秋さん(小学校4年生)をはじめ、一人ひとりが壇上に呼ばれ各賞の表彰状と賞品が贈られた。
館長賞は、「絹谷幸二 天空美術館」の堀内館長より表彰状授与
また、今回のコンクールの応募数の多さや全体レベルの高さに、当初募集時にはなかった特別賞が急きょ追加設定され、館長賞として伊藤ひかりさん(小学校6年生)の作品が選出された。
「まず応募された子どもたちの全体の絵のレベルの高さにびっくりしました。美術館を運営する積水ハウスとしても多様性をテーマに子どもたちの幸せそうな笑顔を描いた今回の作品に感動し、館長賞に選ばせていただきました」と、プレゼンターも務められた絹谷幸二 天空美術館館長 兼 積水ハウス代表取締役副会長執行役員の堀内容介氏。
審査委員長の絹谷幸二氏による講評
審査委員長 兼 絹谷幸二 天空美術館 名誉館長の絹谷幸二氏は「絵画は、動いているモノでもじっと見て、止めた状態で映す。そこには描いている人の心まで映る、眼で見ているのではなく、目の奥にある脳みそが見ているんですね。絵は上手くなくてもいいんです。むしろ下手な方がその人らしさが出ます。自分が感じたままをそのまま描けばいい。絵は心を映す鏡。絵を描くということは元気になる、心を弾ませるということです。そんな観点で、たくさんの作品の中から際立って素晴らしいと思った作品に、賞を贈らせていただきました」と講評。受賞した子どもたちだけでなく同席された保護者に向けても、子どもと一緒に絵を描くことを推奨されていた。
グランプリ、優秀賞、館長賞の各受賞者と、絹谷幸二氏、堀内館長による記念撮影
主な受賞者のコメント
【グランプリ】
『自然にやさしい風力発電』
舛井 勝秋さん(山口県・小学校4年生)
「グランプリと聞いてびっくりしました。この絵はおじいちゃんとおばあちゃんのところに行くときに、いつも気になっていた丘に上の風車を描きました。風車は近くで見たら思っていた以上に大きくてびっくり。これで電力を作っていることにも驚き、もっとみんなに知ってもらおうと描きました」
絹谷幸二氏は「気持ちのよい青空、草原の緑、柵にある赤など、とても色使いのバランスがよい作品です。CO2など自然や環境が問題になっている今、風車を見上げながら手を広げている作者の優しい思いが、作品に映り込んでいました」と絶賛。
舛井さんには表彰状と、賞品としてレンブラントのソフトパステル143色セット・図書カード5万円分が贈られた。
【優秀賞(小学校低学年の部)】
『おとうとと本をよんでいるお母さん』
池田 蒼征さん(広島県・小学校1年生)
「受賞を聞いてとてもうれしかったです。お気に入りの魚の図鑑をお母さんと弟が読んでいるところを描きました。また、以前図書館で借りただまし絵の絵を参考に、下の方に今自分が描いている絵と自分の手を入れました。魚と絵を描くのが好きなので、これからも海の生き物を描いていきたいです」
【優秀賞(小学校高学年の部)】
『お母さんと鳥と笑顔』
大倉 千寛さん(静岡県・小学校5年生)
「賞をいただいたことをお母さんから聞いてとてもうれしかったです。鳥たちが少しずついなくなっていることを知り、掛川花鳥園で見たカラフルな鳥をテーマに、大好きな母や鳥たち、花がみんな楽しそうに見えるように描きました」
【優秀賞(中学校の部)】
『帰り道』
遠藤 瑞己さん(東京都・中学校3年生)
「趣味で絵を描いていて、学校の美術室にコンクールの案内があったので応募したところ、優秀賞に選ばれてびっくりしました。今回の絵は、家族での旅行帰りのときの薄暗くて眠い感じを、前の車のバックライトの赤と青を印象的に表現しました。普段から風景などを描くことが好きなので、将来は美術関係の進路を考えています」
【館長賞】
『大切な物』
伊藤 ひかりさん(愛知県・小学校6年生)
「館長賞の連絡をいただき、すごくうれしかったです。小学3年生の頃から絵の教室に通っています。普段から生き物の絵を中心に描いていますが、この絵はいろんな生き物やいろいろな国の人たちが仲よくできればいいなと思って描きました」
優秀賞3名と館長賞には表彰状と、賞品としてダーウェントのパステルペンシル72色セット・図書カード3万円分が贈られた。
『優秀作品展』の特別会場には、今回受賞した40点が展示されている。子どもたちが描いた、のびのびとしたイメージと色彩を、原画ならではの迫力で間近に感じることができ、そのレベルの高さに圧倒されるはず。次世代を担う子どもたちの新しい感性や世界にふれてみてはいかが。6月27日(月)まで開催。
また、『優秀作品展』開催中には、絹谷幸二 文化勲章受章・開館5周年記念特別展『永遠にあたらしい!! 人類最古の壁画技法 アフレスコ』も同時開催。絹谷藝術の原点であり、今や同氏の代名詞でもある「アフレスコ」(イタリア語、英語:フレスコ)に焦点を当て、絹谷氏がイタリア留学中に制作したアフレスコ作品7点も初出品。人類最古の壁画技法である「アフレスコ」の真髄とともに、永遠の新しさを探求し続ける絹谷ワールドが楽しめる。こちらも併せてぜひ鑑賞を。
注)文中の学年はすべて作品応募当時
取材・文・撮影:滝野利喜雄
(2022年5月 9日更新)
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