ホーム > 劇団 石塚朱莉 > 第4回 宮澤エマさん(前編)

 

 

 

Profile

宮澤エマ(写真右)
みやざわえま●東京都出身。カリフォルニア州 オクシデンタル大学卒業。祖父は第78代内閣総理大臣 宮澤喜一。2013年、ブロードウェイミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング ~それでも僕らは前へ進む~』でミュージカルデビュー。以降、ミュージカル『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト ~』(2014年・2016年)、『Endless SHOCK』(2015年)、『ラ・マンチャの男』(2015年)などに出演。2017年4月から始まるミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』では、田舎で暮らす貴族の娘、フィービーを演じる。

公式サイト
http://ogipro.com/talent/miyazawa/


石塚朱莉(写真左)
いしづかあかり●1997年7月11日生まれ、千葉県出身。ニックネームはあんちゅ。NMB48チームBII。趣味は映画鑑賞。2016年夏、悪い芝居の『メロメロたち』で初舞台、初主演を果たす。2017年4月には同じく悪い芝居『罠々』に出演決定!

公式サイト
http://www.nmb48.com/

Stage

ミュージカル
『紳士のための愛と殺人の手引き』

【大阪公演】
Pコード:454-167
▼5月4日(木・祝)12:00
▼5月5日(金・祝)12:00 (★)
▼5月6日(土)12:00/17:00
▼5月7日(日) 12:00
(★)=アフタートークショー開催(登壇者:ウエンツ瑛士、柿澤勇人、シルビア・グラブ、宮澤エマ)

梅田芸術劇場メインホール

S席-13500円
A席-9000円
B席-5000円
1階前方注釈付S席-13500円

S席ファミリーチケット
S席(一般1名+U25 1名)引換券-20500円
S席(一般1名+U25 2名)引換券-27500円
S席(一般2名+U25 1名)引換券-34000円
S席(一般2名+U25 2名)引換券-41000円
※U25=25歳以下。

S席/英國屋特製 公演オリジナル紅茶セット付-13500円(5/5(金・祝)12:00公演、6(土)12:00公演/17:00公演のみ)

[脚本・歌詞]ロバート・L・フリードマン
[音楽歌詞]スティーブン・ルトバク
[原作]ロイ・ホーニマン
[翻訳]徐 賀世子
[訳詞]高橋亜子
[日本版演出]寺﨑秀臣
[出演]
第8代ハイハースト伯爵/ダイスクイス・ファミリー=市村正親
モンティ=ウエンツ瑛士/柿澤勇人(Wキャスト)
シベラ=シルビア・グラブ
フィービー=宮澤エマ
ミス・シングル=春風ひとみ 他
※未就学児童は入場不可。出演者変更に伴う払戻し不可。
[問]梅田芸術劇場メインホール
[TEL]06-6377-3800
梅田芸術劇場
http://www.umegei.com/schedule/595/

★他、東京、福岡、愛知公演あり
公式サイト
http://www.tohostage.com/gentleman/

 

ぴあ関西版WEB
宮澤エマインタビュー

http://kansai.pia.co.jp/interview/stage/
2017-03/miyazawaema.html

石塚朱莉、悪い芝居『罠々』に出演!

チケット発売中 Pコード:456-371
悪い芝居vol.19『罠々』

[作・演出]山崎彬
[音楽]岡田太郎
[出演]渡邊りょう/山崎彬/野村麻衣/植田順平/中西柚貴/北岸淳生/畑中華香/長南洸生/東直輝
川人早貴/松尾佑一郎(以上、悪い芝居)

石塚朱莉(NMB48)/緒方晋(The Stone Age)

【大阪公演】
▼4月8日(土)18:00
▼4月9日(日)13:00/18:00
▼4月10日(月)19:00
▼4月12日(水)19:00
▼4月13日(木)14:00/19:00
▼4月14日(金)19:00
▼4月15日(土)13:00/18:00
▼4月16日(日)13:00
HEP HALL
※4/11(火)=休演

【東京公演】
▼4月18日(火)19:00
▼4月19日(水)19:00
▼4月20日(木)14:00/19:00
▼4月21日(金)19:00
▼4月22日(土)13:00/18:00
▼4月23日(日)13:00
東京芸術劇場シアターウエスト

[前売]
一般-3900円
U25-3000円
高校生以下-2000円

[悪友割]
一般-3500円/人
U25-2500円/人
高校生以下-1000円/人

※U25(25歳以下)・高校生以下は、要証明。
※当日券は前売料金+500円。
※悪友割 … 3人以上1組割引。事前予約のみ。枚数限定。

特設サイト
http://waruishibai.jp/wannawana

チケット情報はこちら

2016年7月、京都の劇団・悪い芝居の『メロメロたち』に出演し、女優として初舞台を踏んだNMB48の石塚朱莉さん。役者としての第一歩を踏み出したばかりの彼女が、さらなる高みを目指すべく、脚本家や演出家など演劇界の諸先輩方に「演劇のいろは」をお聞きします!

今回ご登場いただいたのは、女優としてはもちろん、情報番組のコメンテーターなどでも活躍されている才色兼備の宮澤エマさん。2013年に宮本亜門演出のブロードウェイミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング~それでも僕らは前へ進む~』で舞台デビューして以来、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』や『ラ・マンチャの男』などに出演し、注目を集めています。現在は4月8日(土)に東京公演、そして5月4日(木・祝)に大阪公演が開幕するミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』に向けて稽古に励む宮澤さん。歌への向き合い方、役作りや体調管理の方法など、一つひとつ丁寧に答えてくれました!

 

新しい自分と出会うこと

石塚

私、お芝居を好きになったきっかけが、先輩が出ていたミュージカルなんです。初めて観てすごく感動して、そこから舞台に興味を持ち始めたんですが、宮澤さんが女優を目指すきっかけは何だったんですか?

宮澤

小さい頃からお芝居や歌が大好きで、演劇部にも入っていたんですね。ミュージカルは観るばかりで、まさか自分が出られるとは思っていなかったんですけど、あるとき、宮本亜門さんからオーディションのお話を頂いたんです。そこで、実際に舞台に立って、お客様との掛け合いにすごく喜びを感じて、これからも舞台に挑戦したいなと思ったんです。

石塚

そうなんですね! 私、その最初に観たミュージカルが、宮本亜門さん演出の『愛の唄を歌おう』だったんです。宮本さんの演出を受けられていかがでしたか?

宮澤

すごく厳しく、でも愛を持って指導して頂きました。最初は求められていることと自分がやっていることの何が違うのかが分からなくて、悔しくて泣くこともありましたよ(笑)。でも最後まで諦めずに“違う! もっとこうだよ!”って言って下さったので、私も闘争心を掻き立てられて。初日が開いて、“これだよ、僕が観たかったのは!”と言って下さったときは、すごく嬉しかったですね。

石塚

すごい…、愛であふれてますね! 宮本さんがおっしゃった言葉で、今も大事にされていることはありますか?

宮澤

“僕はエマの変われる力を信じてキャスティングしたんだよ”っておっしゃって下さったんですね。ほとんどのキャストが20代で、みんながこの舞台を通して変われるか、変わりたいか、変わる準備ができているかというのをすごく問われていたんです。それぞれのキャリアやスキルを一回全部捨てて、役のために変わることを求めてらっしゃったので、自分でも“変われた!”って思えたのは、すごく自信になりました。今でも、初めて挑むような役に対しては、どれくらい変われるかということを大事にしたいなと思ってやっていますね。

石塚

“自分にもこんな役ができるんだ!”って。

宮澤

そうそう。それって、ちょっとどこかで無理をしないと出てこないんですよね。普段の自分のテンションとか、自分が知っていることとか、心地いい範囲の中からだと出てこなくて。自分の中にあるとも知らないものを引き出すためには、凝り固まってちゃいけないんだなっていうのを学びました。

 

役への近づけ方

石塚

そういう考えで挑んだら、自分とはギャップがある役でも入っていけるのかな…。例えば、言葉は悪いですけど、人をたくさん殺す役だとしたら、自分は人も殺したことがないのに…。

宮澤

うん、そうであってほしい(笑)。

石塚

(笑)。まったく理解できないじゃないですか。それをどう探っていけばいいのかなっていうのがあって。

宮澤

私も毎回悩みますし、役者をやっている限りは一生悩むことなのかなと思うんです。インタビューで役と共通するところや共感するところをよく聞かれるのですが、共感できるかはあまり大事じゃないと思っているんですね。それよりも、一つの作品の中で、何人もの人を殺めていくのには、どういう理由があって、この作品は何を伝えたいんだろうということを考えながら役を探っていくと、役に近づけるんじゃないかな~と思うんです。

石塚

似せるんじゃなくて、理解をしてあげる…。

宮澤

そうですね。今、稽古中の『紳士のための愛と殺人の手引き』というミュージカルは、ウエンツ(瑛士)さんと柿澤(勇人)さんが演じるモンティという人物が8回、人を殺すんですよ。それって、その都度、殺す気持ちを追いかけていくととても大変だと思うんですけど、私なら、なんで8回も殺さなきゃいけないんだろうとか、殺すことによってこの役がどう変わっていくんだろうって、その人の環境を自分なりに考えて見つけていくことを大事にするかなと思いますね。

石塚

そうなんですね~。私は、殺す気持ちになることばかりに集中していたから苦しかったのかもしれないです。

宮澤

アプローチの仕方はいっぱいあるから、そうやって作り込んでいく人もいると思うんです。でも、ちょっと遠い目線から見てみると、今まで“全然分からないわ、この人”って思っていたことが、この人はこういう生い立ちで、こういう風にひどい目にあってきたから、ここでこういう事を言っているんだなとか、そういう風に、ちょっとだけこっちから近寄ってあげると見えてくるものがあるのかな~って。

石塚

ありがとうございます! 今お稽古している舞台があるので、やってみたいと思います。

宮澤

ぜひぜひ! まだまだ私も分からないことだらけなんですけどね。

 

センターで歌うときの気持ち

石塚

ミュージカルで、後ろにアンサンブルの方がたくさんいて、センターで気持ち良さそうに歌っていらっしゃる姿を観たとき、いつも「うわ~!」って興奮して鳥肌が立つんですけど、実際、気持ちいいものですか?(笑)

宮澤

う~ん、私はまだいっぱいいっぱいで、気持ちいいと思えるほど余裕があったことがないかもしれないです。あと、そこまで大ナンバーで後ろでみんなが踊っているような状況って今までそんなにないんですよ。先日まで出演していた『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』では、ソロで歌うシーンがあって、最初は0番(センター)で歌えて気持ちいいものなのかなとか、“0番で歌わせてもらえる!”って思ったんですけど、いざ立ってみるとすごく心細かったですね。

石塚

意外にも心細いんですね。

宮澤

もしかしたら、後ろに人がいっぱいいたらまた違う気持ちになったのかもしれないんですけどね。真っ暗になって、お客様もほとんど見えないから、宇宙で一人ぼっちで歌っているみたいな気分にもなって(笑)。そういう雰囲気の曲でもあったんですけど、歌い上げて拍手が聞こえてきた瞬間に、“こんなにたくさんの方が聴いてくれていたんだ!”ってハッとしたり、終演後に出待ちされている方から“歌に勇気づけられました”っていうコメントをたくさん頂いたんです。そういうときに、0番で歌わせてもらえることは改めてすごいことだな~と思うんですけど、次の日にはまた緊張したり、心細くなるんです(笑)。

石塚

あ~! じゃあ気持ちいい!ってわけではないんですね(笑)

宮澤

う~ん、今はあんまりないかも。

石塚

すごく堂々と歌われている映像を拝見したので、そんなことないと思っていました。

宮澤

いやいや、心臓がバンビなので、鼓動がバクバク鳴ってますよ(笑)。

 

歌の中での感情表現

石塚

ミュージカルの場合、1曲の中でも感情が変わっていくじゃないですか。そういうのってどう表現されているのかなって思うんです。

宮澤

ミュージカルは曲が全部やってくれる部分もあって。心細いところから始まったけど、曲の終わりには解放されているとか。オーケストラが入っていると特に、自然と連れて行ってくれたりするんですよ。あと、歌詞をセリフだと思って一言一言大事に歌うと、自然と感情が生まれてくるんです。難しいけど、ピッチも全部合ってうまく歌えて、言葉も大事にすると、大きな感動が生まれるんじゃないかなって思います。

石塚

化学反応が起きるというか。

宮澤

そうですね。たぶんアイドルの方は、頂いた曲のテーマに沿って顔も作って、歌もカメラ目線で!って、やらなきゃいけないことがたくさんあると思うんですけど、感情表現という意味では、ミュージカルの歌は緻密に計算して作られているので、難しく考えなくてもきっとできると思います。

石塚

じゃあ、演技の部分と歌の部分ってそんなに差はないんですね。

宮澤

私は差がないようにやりたいと思っていて、喋っていた延長線上で、気付いたら歌になっていたくらいにしたいですし、ここは歌だから、ここはお芝居だからということは考えないですね。あとは会話のシーンで歌がいきなり始まったりしますが、それはお芝居だと思ってやると、お客様もたぶん違和感なく観て頂けるんじゃないかなと思います。

石塚

なるほど~。今度もし歌うときには、歌詞はセリフのようにって心がけます。ミュージカルって難しいけど奥が深いというか…。

宮澤

私もまだまだ、曲が難しいとそっちにばかり意識がいっちゃって。“あまり言葉を大事にできなかったな~”と思うときもあるんですよ。歌詞は情報でもあるので、一曲の間に何かが起きているのに、お客様が“え?何を言ってるの?”みたいになると、すごくストレスにもなっちゃうので、もちろん音程は外さないことは大前提ですが、ちゃんとお客様に歌詞を伝えることが、シンプルだけど大事なのかなって思います。

 

第4回(後編)は4月中旬更新予定です。

 

取材:石塚朱莉(NMB48)
撮影:奥田晃介(松鹿舎)
文:黒石悦子
企画:葛原孝幸
企画・構成:岩本和子
取材協力:梅田芸術劇場


 

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