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土井コマキのシネマライフ


今回紹介するのは…『永遠の僕たち』

永遠の僕たち

ガス・ヴァン・サント監督による
不思議な絆で結ばれた3人の
絶妙なコラボレーションが
生み出した珠玉の青春映画

【あらすじ】

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』や『ミルク』で知られるガス・ヴァン・サント監督が新人脚本家ジェイソン・ルーの戯曲を映像化。不治の病に冒された余命3ヶ月の少女・アナベルと、臨死体験をしたことで死に取り憑かれた青年・イーノックの切ない恋が描かれる。主演の『アリス・イン・ワンダーランド』のアリス役ミア・ワシコウスカ演じるアナベルと、デニス・ホッパーの息子ヘンリー・ホッパー扮するイーノック、そして物語のキーパーソンとなる、イーノックの友人で戦死した特攻隊員の幽霊・ヒロシ役を演じた加瀬亮ら3人の瑞々しいコラボレーションは絶妙。『小さな恋のメロディ』を彷彿させるようなアナベルとイーノックの初々しい恋と、死にむかっていくアナベルの切なさ、そして死を経験しているヒロシが語る死への思い。それらが見事に調和され、かみしめるようなラストシーンへと繋がっていく。

【Movie Data】

●TOHOシネマズ梅田ほかにて上映中

公式サイト
http://www.eien-bokutachi.jp/

「土井コマキのシネマライフ」一覧

コマキ's レビュー

数年経てば、ミュージシャンの“影響を受けた映画”になること間違いなし!
すごい映画に出会ってしまいました!

主人公・イーノックが履いている黒のハイカットスニーカーとイーノックを囲む白いチョークライン、「Two of us」のメロディ…。なんともノスタルジック! きゅんとするオープニングで完全にノックアウトされました。主な登場人物は、事故で両親を亡くし、自分も臨死を体験した少年イーノック、余命3ヶ月の少女アナベル、幽霊のヒロシ。イーノックはヒロシ以外とは言葉も交わさず、見ず知らずの人の告別式に勝手に参列するという悪趣味なことを毎日繰り返していて、表情も乏しく顔色も悪いです。それに、イーノックの目に映る町並みもなんだか陰気で寒々しい。そんなイーノックがアナベルと出会い、心を通わせるにつれ、イーノックの目には、澄んだ空気に木々の色づきが鮮やかに映りはじめます。死ぬってどういうこと? 何のために生きるのか? 人を愛するって? そればかり考えていると歩いていけないけど、きっとしっかり考えることも必要なこと。イーノックもアナベルと向かい合い“死”をちゃんと体験したことで、両親の“死”を、やっと受け入れることができたのかもしれません。最後の1分はきっと号泣します。


 

コマキは見た! その①

永遠の僕たち

アナベルのファッションが可愛い! 全部古着!? おじさんっぽいコート×ゆるめデニム×丸いハット、ヒョウ柄コート×白いワンピ×赤い手袋とか、マネしたいスタイルだらけ。ベリーショートも超キュート! ハロウィンの時に着ていた着物も超かわいい。銘仙を選ぶなんて分かってるな~。

コマキは見た! その②

永遠の僕たち

とてもナチュラルに存在している幽霊役の加瀬くん、やっぱり素敵です。加瀬くんが自然だから、絶妙なファンタジー感があるんです。イーノックとアナベルのふたりを優しく見つめる眼差しもグー。加瀬マニア的にはラスト近くのドレスアップバージョンとその時の笑顔もチャーミングで見どころ。

 

コマキ's select 『永遠の僕たち』に捧げる“5 Songs”


映画を観て、選びに選び抜いたコマキ的
『永遠の僕たち』 に捧げる5曲を発表!

①The Beatles「Two of Us」

②サニーデイサービス「白い恋人」

③コトリンゴ「渚」

④andymori「青い空」

⑤不可思議/wonderboy「生きる」

ノックアウトされたオープニングに流れる①。こんなに素敵な曲だったっけ?って再発見。まさに映画と音楽とのマリアージュですね。相乗効果がある音楽の使われ方が私は大好きです。
②③は抜群にロマンチックだけどそこはかとなく哀しい、イーノックとアナベルの2人の恋に捧げます。
④この映画を見て真っ先に頭に浮かんだのが実はこれ。彼らは若さゆえの考え事に真っ向から向かい合っている音楽ばかりです。
⑤谷川俊太郎の詩をラップで。不可思議/wonderboy君のポエトリーリーディングを聴いたご本人も使用を快諾したとか。

 

次回更新は1月13日(金)予定!


(12月28日更新)


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