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土井コマキのシネマライフ


今回紹介するのは…
『おとなのけんか』

おとなのけんか

トニー賞受賞の舞台劇を
ロマン・ポランスキー監督が映画化!
おとな4人が巻き起こす壮絶な口喧嘩

【あらすじ】

トニー賞演劇部門で作品賞、演出賞、主演女優賞を受賞した舞台劇を、『戦場のピアニスト』のロマン・ポランスキー監督が映画化。子ども同士のけんかをきっかけに、話し合いの機会を持った2組の親たちが本性をむき出しにしていく様が痛烈なタッチで描かれる。2組の夫婦を演じる、ジョディ・フォスターとジョン・C・ライリー、ケイト・ウィンスレットとクリストフ・ワルツという演技派俳優4人による壮絶な口喧嘩は圧巻。最初はお互いに平和的に、穏便に話を終わらせるつもりだったのが、本音を言い合ううちにやがて、夫婦間の問題やお互いへの不満までもが露わに。その口喧嘩の最中にも鳴る携帯に出続ける電話魔の夫への不満や子育てや仕事での悩みなど、4人が抱える様々な問題が露呈され、不満をぶつけ合い、最後には上等のスコッチを飲みはじめたことで酔いつぶれ、混乱状態に陥っていく様に思わず笑ってしまうシニカルなコメディだ。

【Movie Data】

●大阪ステーションシティシネマほかにて上映中

公式サイト
http://www.otonanokenka.jp/

「土井コマキのシネマライフ」一覧

コマキ's レビュー

相手がコロコロ変わる会話が絶品!
夫婦喧嘩の特効薬にもなる(!?)『おとなのけんか』

この映画のことを思い出すと我が家の小競り合いを連想して、苛立ちました。だから、パートナーに腹をたてている時には見ない方がいいかも(笑)。それぐらいリアル! 子どもの喧嘩の和解のために集まった2組の夫婦。歯に衣着せまくりの会話がなんともいえません。「冷静に」と自分に言い聞かせてる感じが丸見え。なんだか虫が合わないんですよね。私は、ジョディ・フォスタータイプの人が苦手でした。たかだか子どものけんかに法律用語を使わなくてもいいのに、いちいち難しい言葉を使うんです。腹が立ってるからだろうけど、相手の気持ちを逆なでするだけですよね。そのせいでセンスの良い家具や母親ゆずりのレシピなど彼女の素敵な部分が全部鼻につくんです。そういう相手には、ふとしたことで堪忍袋の緒はプチッと切れてしまうもの。だって「相手にも非があると分かっているだろうし、ここは私から謝っておこう」と謝ってやってるのに! 子ども×子どもの喧嘩が発端なのに、夫婦×夫婦、女×女、男×男とか、相手がコロコロ変わる会話が面白い! これを見てどこの家も一緒なんだと思えたら諦めもつくかもですね。実は夫婦喧嘩の特効薬なのかも!?


 

コマキは見た! その①

おとなのけんか

キッチンが機能的で、収納も上手。収納やストックに飲食店みたいなルールがありそうな感じ。細かく見てみたいな。実際、セットにはめちゃくちゃこだわったらしいです。実際に料理もできるほどのレベルだったとか。ジョディ・フォスターの人物像とキッチンがぴったりです。私は、一緒にキッチンには立ちたくないですが(笑)。

コマキは見た! その②

おとなのけんか

同じく細かく見たいのは、ケイト・ウィンスレットのカバンの中。このカバンの中がめちゃくちゃなんです! 化粧ポーチ使ってないんじゃないかな。でも、これがまたいかにもで面白い。ちらっとしか映らないベッドルームやバスルームも細かく見せて欲しいほど、人物像に合わせたセットの作り込み度に感服です!

 

コマキ's select 『おとなのけんか』に捧げる“5 Songs”


映画を観て、選びに選び抜いたコマキ的
『おとなのけんか』に捧げる5曲を発表!

①donkey vegetable voxxx!!!
「FIGHT FOR YOUR RIGHT」

②カセットコンロス「アドバイス」

③THE DEKITS「SUPERDUPERFOLK」

④Enigma「Return To Innocence」

⑤くるり「春風」

①はBeastie Boysのおもちゃみたいな可愛いカバーで、映画の中の「激しいのになんだか滑稽な口喧嘩」みたいな面白さがあります。
②③は超ご陽気。みんなで酔っぱらって歌って踊れば場は収まるかも。それもまた大人な解決法だったりして!? 
それでもダメだったら④でも聴いて深呼吸して心を大きく穏やかに…。
とはいいつつ、そもそも夫婦喧嘩をしたら、⑤のような幸せでうららかな歌を聴いて、結婚をしたころの気持ちを思い出したいものです。

 

次回更新は3月23日(金)予定!


(3月9日更新)


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