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土井コマキのシネマライフ


今回紹介するのは…
『しあわせのパン』

しあわせのパン
(C)『しあわせのパン』製作委員会

原田知世&大泉洋がお届けする、
北海道の自然に囲まれた
心地よいパンカフェの日々

【あらすじ】

東京から北海道の洞爺湖畔に移り住み、のんびりと小さなパンカフェを営む若い夫婦、りえさんと水縞くん。春夏秋冬、四季を感じながら暮らす彼らの日常と、日々カフェを訪れる様々な客人との交わりを通して家族、夫婦、幸せのあり方が温かい目線で描かれていく。オール北海道ロケで撮影され、北海道ブランドの食材や家具、食器なども多数登場するなど、北海道の魅力に溢れる作品になっている。どこまでも続く緑の草原、紺碧の湖、一面を埋め尽くす真っ白な雪。本当に、こんなカフェがどこかに存在してほしいと思ってしまう、心からくつろいで、安らぐことのできるカフェの雰囲気を原田と大泉のふたりが作り上げている。パンを分け合う人がいることの幸せ、地に足のついた暮らしをおくることの幸せ、閉じられた心が開くのを待っていてくれる人がいることの幸せ、季節の美味しい野菜が食べられる幸せ、出来立てのパンを食べられる幸せ、映画を観終わった後、実は自分のそばにもあるはずの、たくさんの幸せを見つめなおす作品だ。

【Movie Data】

●1月28日(土)より、大阪ステーションシティシネマほかにて公開

公式サイト
http://shiawase-pan.asmik-ace.co.jp/

「土井コマキのシネマライフ」一覧

コマキ's レビュー

シェアすることの素晴らしさを噛み締める、
じんわりと心に沁み渡る映画です。

りえさんと水縞くん夫婦が湖を見渡せる丘の上で経営する“カフェマーニ”。事情を抱えた3組の客人のエピソードが綴られます。北海道の豊かな食材で作られた食事が小さな奇跡を起こすんですが、私は特に老夫婦の話に心が震えました。「年老いてくると昨日出来たことが今日は出来ない」と“明日”に対して絶望している夫にとって、妻の「このパン、明日も食べたいなぁ」というひと言は、きっと希望の音色として響いたはずです。もちろん、全てが一気に解決することはないけれど、テーブルを一緒に囲むこと、ひとつのパンを一緒に食べること自体が温かい行為だし、そうすることで解ける何かもあるんですよね。そして一緒に笑うことと同じくらい、一緒に泣くことも良いことなのだと思えたし、シェアすることの素晴らしさを噛み締めました。エンディングに流れる矢野顕子with忌野清志郎「ひとつだけ」がまた暖かい余韻を残してくれるんですが、それもそのはず。この曲からインスピレーションを受けて生まれた映画なのだとか。「こころの扉ひらく鍵」が欲しいという歌。じんわりと心に沁み渡ります。


 

コマキは見た! その①

しあわせのパン

大泉洋さんに「理想の旦那さん」を演じてもらおうというテーマもあったそうですが、どうでしょう~!? 大泉さんといえば、いつもコメディタッチでドタバタやってる人というイメージですが、もの静かに奥さんを見守る旦那さん役は…? 可愛らしい衣装がどうも見慣れない感じでしたが、みなさんはどう思います?

コマキは見た! その②

しあわせのパン

劇中に登場するお豆の白パンや栗のデニッシュが食べたい! 北海道ブランドのインテリアもいい。あの木製さじでスープが飲みたい! 風景もいい。綺麗な青空かと思ったら、降り積もった雪景色も登場して驚きました。銀世界vs原田知世さんの透明対決は見どころです。あの空を見上げる横顔は絵になりすぎ!

 

コマキ's select 『しあわせのパン』に捧げる“5 Songs”


映画を観て、選びに選び抜いたコマキ的
『しあわせのパン』に捧げる5曲を発表!

①矢野顕子 with 忌野清志郎「ひとつだけ」

②原田知世「T'en va pas」

③高英男「雪の降る町を」

④松任谷由実「春風」

⑤ビューティフルハミングバード
「眠っているあいだに」

①文句なしの主題歌。
②「パパどうして行っちゃうの?」という歌。2つ目のエピソードの女の子のおかっぱヘアに捧げます。アンニュイ!
③雪を見るとどうしても脳裏に浮かぶこの曲。名曲です。泣けます。じっとこらえる冬。いつの日か、いつの日か春は来る…。老夫婦のエピソードに。
④くるりのカバー。いいことがあったら小銭を瓶に入れる「幸せ貯金」をしている、りえさんと水縞くん。そんな2人には、荒井由実的カバーのこちらが似合いそう。
⑤「眠っている間に月は欠けて満ちてゆく」というしっとりしみじみ良い曲。映画を見終わって“カフェマーニ”の月のロゴを見たらこの曲が浮かびました。きっと人生ってそうですよね?

 

次回更新は2月10日(金)予定!


(1月27日更新)


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