ホーム > インタビュー&レポート > 『江戸の青空』シリーズ第2弾がいよいよ大阪上陸! 本作で舞台初出演にして初主演となる歌舞伎役者 坂東巳之助と、本シリーズ仕掛け人の松尾貴史による 製作会見レポート&巳之助単独インタビュー!
(2011年11月24日更新)
発売中
Pコード:413-706(公演日前日まで販売)
●11月26日(土)13:00/18:00
●11月27日(日) 18:00
シアターBRAVA!
全席指定-6800円
[劇作・脚本]千葉雅子
[演出]G2
[出演]坂東巳之助/植本潤/松永玲子/戸次重幸/朝倉あき/吉野圭吾/柳家花緑/松尾貴史
※11/26(土)18:00公演は、公演終了後アフタートークあり。出演者未定。
[問]梅田芸術劇場[TEL]06-6377-3888
※未就学児童は入場不可。
江戸時代、白木屋の奉公人の徳三郎は主人の一人娘、おせつと将来の約束を交わした…つもりであったが、どうやらそれは勘違い? 町の風呂屋では「おせつが結納するらしい」と噂話で持ちきりだ。それを聞いた徳三郎、所詮は叶わぬ恋かと思わずカッとなり、刀屋へ飛び込み「2人ほど切れるのを売ってくれ!」。穏やかではない徳三郎に刀屋の主人は「事情を聞こうじゃないか」と耳を傾ける。そして徳三郎はそれまでの経緯を切々と語り始める…。花のお江戸を舞台にうら若き男と女が繰り広げる惚れた晴れたの恋物語。周りはなにやら奇妙な人間ばかりで、徳三郎は振りまわされる一方で。果たしてこの恋、成就するのか!? それは見てのお楽しみ。
江戸落語のエッセンスを紡ぎ、一つの物語に仕立てている「江戸の青空 弐 ~惚れた晴れたの八百八町~」。ここで、今回、登場する江戸落語を紹介しよう。
「おせつ徳三郎」
前半の花見小僧と後半の刀屋のエッセンスが冒頭から登場。大店の娘おせつと奉公人徳三郎がいい仲になっていると聞きつけた主人だが、ふたりの花見に同行した小僧からその様子を聞きだそうにも簡単には口を開かない。そこで少しずつ餌を与えて誘導すると、小僧はいとも簡単に口を割ってすべてを話してしまう。カンカンに怒った主人は徳三郎に暇を出す。暇を出された徳三郎はおじさんの家へと預けられる。その間におせつが婿をとり婚礼を挙げると知って刀屋へ…。そのうちおせつが婚礼の席から逃げ出したと聞いた徳三郎。両国の橋の上で手と手を取り合い「南無妙法蓮華経」と川に飛び込むが…。
「宮戸川」
将棋に夢中になって父親に締め出しを食らった半七。隣家のお花も帰宅が遅いと母親から閉め出しを食らっていた。仕方なしに半七は叔父の家へと泊めてもらいに向かうのだが、お花も行くあてがないとついてくる。そして叔父の家。早合点で思い込みが激しいと有名な叔父だけに、ふたりがいい仲だと勘違い。布団は1組しか用意されず、ふたりは帯で仕切りを作って小さくなって寝るのだが…。
「紙入れ」
今夜は主人が帰らないからとお得意先の奥さんに誘われた新吉。旦那には世話になっているけれど、奥さんにも随分ひいきにしてもらっているから断るわけにはいかないと弱り果てるも留守宅にあがり込んで酒を飲み、床をのべてもらったその矢先、主人が急に帰ってくる。何とかその場を切り抜けたものの、旦那からもらった紙入れをうっかり床に置き忘れた。しかもその中には奥さんからの手紙も入っている。絶体絶命、覚悟を決めて翌朝、新吉は主人の元へ行くのだが、どうにも気づいてない様子。それを確かめたくて新吉は夕べのことを「知り合いの話」として話し出す。
「駒長」
借金ばっかりを背負っているが呑気な亭主の長兵衛は、借金取りの丈八が女房のお駒に惚れているに違いないと考えて、ひとつ芝居を打って出る。お駒に「丈八に惚れている」という手紙を書かせ、わざと落とさせる。それを長兵衛が拾い上げ、丈八が来た頃を見計らって夫婦喧嘩を。間男の証拠、ここにあり!と丈八に手紙を見せて懐の金をそっくり巻き上げる算段だ。嫌がるお駒を相手に芝居の稽古をつけていたところ案の定、丈八がやってくるのだが、お駒が予期せぬ行動に打って出て…。
「三年目」
病床に伏せている女房は、夫が後添いを取ることが気がかりで臨終できないという。それを聞いた夫、「生涯独身で通す。もしも後妻をとるような時には、婚礼の晩に幽霊になってでてきたらいい」と約束。それを聞いた女房は息を引き取る。やがて時は経ち、夫のもとへ再婚の話がちらほら。断りきれずにとうとう後妻をとり、婚礼を挙げるのだが、先妻の幽霊は待てど暮らせど出てこない。「バカにしてやがらぁ」と夫は新しい妻をかわいがることに決めた。そして再婚から三年、先妻の墓参りへ行った晩、ついに先妻の幽霊が現れる。
「唐茄子屋」
吉原通いが過ぎて勘当された若旦那、威勢良く飛び出したもののやがて行くあてを失い吾妻橋で身投げをしようとしたそのとき、偶然通りがかった叔父さんに止められる。そして翌朝、叔父から天秤かついで唐茄子を売りに行けと言われた若旦那は、通りすがりの人に助けられながらも何とか売りさばき、残すところあつ2つとなった。売り声の掛け声を練習しながら歩いているうち、とある長屋で質素なおかみさんに声をかけられる。聞けば亭主から送金がなくここ2日ばかり何も食べていないと言う。幼い子どももいるおかみさんを気の毒に思った若旦那は唐茄子どころか自分の弁当、売り上げ金まで渡して叔父の家へと帰ってくる。ことの顛末を最後まで聞いた叔父は不審に思い、若旦那をおかみさんのもとへ案内させるが長屋は大騒動。若旦那が渡した金は大家に取られ、おかみさんは首をくくったというのだ。怒った若旦那は大家のところへ殴りこみに行くのだが…。
松尾貴史
まつおたかし●1960年生まれ、兵庫県出身。大阪芸術大学卒業後、デビュー。テレビ、ラジオはもとより、映画、舞台、声優、エッセイ、はたまた折り顔など幅広い分野で活躍中。テレビ番組『情報ライブ ミヤネ屋』(YTV)、『住人十色』(MBS)、『モーニングバード!』(EX)などに出演中。京都造形芸術大学芸術学部にて映画学科客員教授も務める。
坂東巳之助
ばんどうみのすけ●1989年、十代目坂東三津五郎の長男として出生。1991年、歌舞伎座『八代目坂東三津五郎十七回忌追善狂言』の『傀儡師』の唐子で守田光寿を名乗り初お目見得。1995年、歌舞伎座『蘭平物狂』の繁蔵と『寿靫猿』の小猿で二台目坂東巳之助を襲名し、初舞台。2009年にはテレビドラマデビュー、2010年には映画『桜田門外ノ変』(佐藤純彌監督作)で映画デビューを果たした。