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「自分たちだけでは決して作り得ないサイクルがもう一回来ている」
結成41年にして第二の全盛期を迎えるPERSONZがいざなう
不思議の国の『WHAT A WONDER WONDERLAND』へ!
JILL(vo)インタビュー&動画コメント

 ’80年代後半~’90年代前半にかけ社会現象となった空前のバンドブーム前夜より、サバイブし続け41年。今年の3~5月には歴史的建造物を巡るアコースティックツアーを行ったかと思えば、6月には昨年から続いたアニバーサリーイヤーを締めくくるスペシャルライブを開催。その4日後には通算23枚目のアルバム『WHAT A WONDER WONDERLAND』をリリースするなど、名曲『DEAR FRIENDS』(’89)でブレイクし一時代を築いた全盛期をほうふつとさせる活躍ぶりを見せるPERSONZ。「みんな還暦を越えているから、“いつか”やろうという選択肢はない」と語るJILL(vo)は、バンドの溢れる創作意欲と自身のみなぎるバイタリティを道しるべに、今でもPERSONZという人生を謳歌している。現在は全国ツアー『PERSONZ-2025「WHAT A WONDER WONDER LAND TOUR」』の中盤戦、8月9日(土)には大阪・大阪国際交流センター 大ホールでのライブが控える。新作、ツアー、そして人の縁…これを読めばPERSONZの今が分かる、JILLインタビュー。



ここまで来たら41周年もアニバーサリーじゃん、みたいな(笑)


――まずは最近Yahoo!ニュースも騒がせた女子会(※)の話から(笑)。JILLさんの持ち前のボーダレスさやフットワークの軽さを感じる、何とも不思議なつながりでしたね。

(※)...JILLと打首獄門同好会のjunko(b)、マキシマム ザ ホルモンのナヲ(ドラムと女声と姉)、HEY-SMITHのかなす(tb)、好き好きロンちゃん=BRAHMAN/OAUのRONZI(ds)らが参加。

「'22年あたりにイベントに立て続けに出たときに皆さんと知り合って...そうしたらロンちゃんがPERSONZのファンだったんです(笑)。私たちがデビューした頃はまだ中学生ぐらいだろうけど、特にBRAHMANは震災以降ずっと東北をバックアップしていたから知っていたし、そのつながりでELLEGARDENとかにも会ったらみんないい人で」

――GLAYのHISASHI(g)さんも本田毅(g)さんからの影響を公言していたり、第一線のバンドマンたちからPERSONZへのリスペクトの声が聞こえてきますね。

「私たちの時代=バンドブームはお互い牽制し合っていたけど、今の若い人たちは仲良くて、ちゃんと支え合っているから偉いなって。気骨のあるバンドが"姉さん姉さん"って声を掛けてくれてね(笑)」

――今年の3~5月には歴史的建造物を巡るアコースティックツアー『PERSONZ「QUEST FOR TREASURE LAND」neo acoustic tour 2025』で全国を回りましたが、今年も趣深い会場で行われていましたね。

「本当にスタッフさんのおかげで、よくあそこまでの会場を14カ所も見つけてもらって。昨年、三味線JILL屋で行った岐阜の高山にネオアコでも行ってみたらソールドアウトになったり、福岡の能楽堂は初めてで、いろいろとしきたりも違うので舞台と客席を行き来できなかったり、足袋を履いたりもして。あと、北海道の札幌市時計台の2Fにライブができるホールがあって、そこでバンドがやったのは初めてじゃないかと。17時まで展示があるから1時間でセッティングしてライブをしたんだけど、ツアーも中盤以降で仕上がっていたからリハもそこまで必要がなくて。すごくいい響きだったし、皆さんとのコール&レスポンスもきれいで」

――長年そこにあり続けた場の持つ力を感じるんですね。

「コンサート会場やライブハウスは音を出すための設備があるけど、その場のアンビエントを生かすのがネオアコースティックなので。ただ、歴史的建造物はロックバンドがライブをするとなると断られることも多くて、さすがにドラムセットはフルでは使えないから工夫するんですけど、そういう壁を壊していきたい野望はあります。ロックバンド=うるさいわけではないし、私たちがやれたら、次にまた違うバンドもやれると思うので」

――その後は6月に、昨年から続いた結成40周年イヤーを締めくくる一夜限りのライブ『PERSONZ 40th Anniversary FINAL ONE NIGHT ONLY DREAM LAND』が、有楽町のヒューリックホール東京で開催されて。

「40周年の締めくくりだからか、今PERSONZが乗りに乗っているのが良かったのか、次の東京公演が9月でちょっと空くからなのか、なかなか埋まらなかったヒューリックホールがいっぱいになったのはすごくうれしかったですね。4月のネオアコの神田明神ホールは桜が満開の時期でいい思い出になっているし、6月のヒューリックホール東京は40年間ありがとうの締めだから一連の衣装も最後だったし、9月の東京国際フォーラム ホールCは新しいアルバムのツアーだから、同じ東京でも景色が全部違うので来てくれたのかなと」

――とはいえ、40周年を終えてゆっくりするのかと思ったら、ヒューリックホールの4日後にニューアルバム『WHAT A WONDER WONDERLAND』をリリースするという(笑)。

「アルバムの中に『HAPPY UNBIRTHDAY』(M-7)という曲があるけど、記念日は毎日あるもので、私たちにとっては今年の41周年も1回しかないものだから、ここまで来たら41周年もアニバーサリーじゃん、みたいな(笑)。だからアルバムを作ってツアーもやり続ける、というスタンスです」

――確かに、バンドが40年以上続いたら毎年が貴重とも言えますよね。前回のインタビュー時に、「すごくいい感じで曲ができていて、ヘタしたら40周年が終わるまでにもう一枚アルバムを作ることになるかも(笑)」と言っていましたが、ここでつながりましたね。

「予言ですね(笑)。ミュージシャンを長年やっていると、新曲を作る気力がだんだん薄れて、作ろうと思っても作れない状態になることもあるわけですよ。私たちも振り返ればそういう時期もあったけど、渡邉(貢・b)さんは去年の8月の『PERSONZ 東京タワー EXHIBITION』で曲を作り出してから、無制限に曲ができちゃうと言うので(笑)、だったらアルバムは出し続けた方がいいんじゃないかって」


東京タワーのイメージはやっぱり希望だと表現したかった


――最新アルバム『WHAT A WONDER WONDERLAND』のタイトルは、ルイ・アームストロングの『この素晴らしき世界(What a Wonderful World)』からもじったのかなと思ったら、収録曲の『東京タワーであいましょう』(M-6)のフレーズからひらめいたんですね。



「今年のツアータイトルを決めるときから、ネオアコースティックはトレジャーランド=『PERSONZ「QUEST FOR TREASURE LAND」neo acoustic tour 2025』、40周年のヒューリックはドリームランド=『PERSONZ 40th Anniversary FINAL ONE NIGHT ONLY DREAM LAND』、このアルバムツアーはワンダーランド=『PERSONZ-2025「WHAT A WONDER WONDER LAND TOUR」』にしようと思っていたんですよね」

――そもそも東京タワーとは、何がどう結びついてコラボすることになったんですか?

「昨年6~7月の『「40th FLOWERS」PERSONZ 40th Anniversary Tour 2024』のすぐ後に、東京タワーさんとご縁がありまして、"エキシビジョンをやりませんか?"という話になって。ちょうど40周年のツアー後だったから、写真や衣装、年表を飾るのがまず先にあったんだけど、それだけじゃつまらないよねと。そうしたらスタッフからちらっと、"渡邉さんの曲作り部屋を作るのはどうですか?"という意見が出て」

――ちらっと言った割には斬新なアイデア(笑)。

「渡邉さんもやる気になって会期中の2週間、真面目に通っていました(笑)。ギャラリーは無料だったからお客さんも見ていて、時折、"今は曲を作っているので声を掛けないでください"という札を立てながら、本当にそこで4~5曲作っていたので。曲作りって普段は一人でやるものだけど、ここではフリーな時間にお客さんと話せたのがすごく良かったと渡邉さんも言っていて。そういう気持ちも入った曲ができたんだろうなと思いました」

――本来はクローズドなアルバム制作の合間にちょくちょくいい風が入ってくるから、またそれが刺激になって。

「あと、途中で藤田(勉・ds)くんもギャラリーに行って、デモ作りの段階でのドラムワークのプログラミングを皆さんに公開したり、その後に本田くんが行ってギターを弾いて、最後に私が行って、"歌詞はどうしよう?"とか言いながら歌う、公開デモ作りみたいなこともやって。そういうのもお客さんは見ていて面白いですよね」

――エキシビジョン=展示というイメージですけど全く違いますね。これなら毎日行きたくなる。

「実際、毎日来ている人もいたし、お客さんと一緒に作っている感じも出るから。エキシビジョンが終わって、デモの中からまず一曲まとめてみたのが『東京タワーであいましょう』で、それを12月末に配信した時点では、前作『40th FLOWERS』('24)みたいにこうやって配信を重ねていってアルバムを作るのかな...と思ったら、年を越したら一気にレコーディングに入って。ネオアコツアーが始まった3月中も少し録ったかな」

――ただ、『東京タワーであいましょう』はかなりシンボリックかつリアルなモチーフなので、ワンダーランドと冠されたファンタジックなアルバムにハマるのかなと思ったら、むしろこの曲から作品が始まっているからなのか、違和感なく溶け込んでいて驚きました。

「でも、東京タワーを歌にするのはすごく難しかったです。東京タワーをモチーフにした歌は過去にもあるけど、何を訴えるのかがとても大切で。私は東京生まれ東京育ちだから分かるけど、東京タワーは戦後の復興の象徴だと知らない人もいるし、'58年に何もなかったところに建って、'64年の東京オリンピックでは日本はまだ頑張れるんだと世界に誇示したことも含めて、日本人にはそういうパワーがあることもちゃんと曲の中に入れたかった。現実的にはいろいろ困難もあるけど、東京タワーのイメージはやっぱり希望だと表現したかったので歌詞は随分書き直して、最終的にデモとはだいぶ変わっていましたね」

――そういう話を聞いていたら、東京タワーはパワースポットなのかもしれないと思いますね。そこに動くパワースポットであるJILLさんが来たから、より化学反応が生まれたのかも(笑)。

「ね(笑)。20年ぶりにMVを撮るときも協力してくれて、あんなアイコンとコラボすることになるなんて!」


かけらの中に物語があるんだよというのが、PERSONZの作り方なので


――『東京タワーであいましょう』という象徴的な一曲から、どうやって制作を進めていったんですか?

「ワンダーランドというキーワードは元々あったけど、そこからアルバムに派生するとき、渡邉さんに1曲目はインストにしてほしいと伝えたら、本当にワンダーランドに入っていくようなストーリーが見える『ADVENTURE』(M-1)を作ってくれたので、全体的に歌詞もその雰囲気に合わせていくという、いいキャッチボールができたなって」

――『不思議の国のアリス』のような世界観が始まるのが『ADVENTURE』で一発で分かりますもんね。

「昨年、『40th FLOWERS』で花を咲かせた後、皆さんをどこに連れて行こうかなと思ったとき、不思議の国っていいなと思って。ジョニー・デップの映画『アリス・イン・ワンダーランド』('10)もインパクトがあって、アヴリル・ラヴィーンが歌っていた劇中歌『アリス』('10)も好きでよく聴いていたから、それをPERSONZで形作れないかなと。アルバムの最後にろうそくを吹き消す音を入れたりしたのもワクワクしたし」

――表題曲とも言える『WONDERLAND』(M-2)は中盤に楽器隊3人の見せ場もあって、ライブで映えそうです。

「渡邉さんも私も常にライブを想定してアルバムを作っているから、それが大きいかな。例えば、ライブのSEは『ADVENTURE』なんだろうなと分かっていても、いざ目覚まし時計が鳴ってチクタク音がしたらドキドキするでしょ? それが狙いでもあるし」

――JILLさん自らMVを編集した『MOMENTS』(M-3)も、今作において大事な曲だと思うんですけど。



「バンドとか同級生もそうだけど、"あのときってこうだったよね?"と友達に話すと、"違うよ、こうだったじゃん"って言われたりして、自分の記憶が書き換えられていることが多くて。それをすり合わせて最終的に、"結局、こうだったのか"という思い出になる。だから、一人の思い出はMOMENTだけど、みんなと共有するとMOMENTSになる。同時に、自分の人生は自分で作っているわけだから、その主役は自分である。そんな自分が古い映画館に入って、今までの人生をフィルムのように見るわけです。その後またTo be continued...で何をしていくか。私の人生をスライドショーにしたら分かりやすいかなと思ったんですけど、導入のCGだけ自分で作ることはできないから映像素材を買って(笑)、組み合わせて一本のMVにしました。全部スマホのアプリで作っているんですよ」

――JILLさんはPERSONZの生き字引というか、デモとか写真とかあらゆるものを整理して保管しているところが、こういうときにも生きてきますよね。

「メンバーに渡すとなくしちゃうからね(笑)。私たちがインディーズから独立するまでいた事務所は、PERSONZがちょっとでも雑誌に載っていたら切り抜きをしてくれていて。それも全部引き取っていたから、昨年の東京タワーのエキシビジョンでその門外不出のファイルを公開したら、毎日読みに来る人がいるんですよ。そういうアーカイブを今でも持っているのは宝じゃないですか。切り抜かれたページには他のバンドも載っているから、貧相な衣装を着た聖飢魔IIのデーモン閣下(vo)が逆立ちしている記事とかもあるわけ(笑)。面白いよね」

――続く『THAT'S MY TREASURE』(M-4)はネオアコツアー『PERSONZ「QUEST FOR TREASURE LAND」neo acoustic tour 2025』ともリンクしたタイトルで、制作時からこの一年の流れをトータルで考えていたのが分かりますね。あと、今作で個人的に好きだなと思った曲は『BLUE ROSE』(M-5)で。

「同じミドルテンポでも『MOMENTS』とは違ってウェットというか...歌詞は以前『QUEEN OF ROCK』('15)でも書いたんだけど、時代が流れてもまだまだ女性が物を言えないことも多いし、その中で頑張って世の中を変えようという人たちもいる。少しオブラートには包んでいるけど、ちょっと政治的な意味合いも含めて書きました。タイトルの『BLUE ROSE』=青いバラ(サントリーフラワーズ)を作れたのは奇跡と言われていて、あり得ない、絶対にできないことを可能にするというモチーフを掲げて、これから世界を動かせるぐらいの女性が出てきますようにと願って」

――最後の『HAPPY UNBIRTHDAY』は、『不思議の国のアリス』内の「誕生日じゃない日おめでとう」というセリフでもあります。アルバムを締めくくるにふさわしいピアノが美しい楽曲です。

「私の場合はそこを逆転させて、自分の誕生日や記念日を祝うことはあるけど、絶対に毎日が誰かの記念日だから、今日こそそれを祝おうと。だからあなたも今日を記念日にできるはずという、ポジティブな歌ですね」

――このアルバムを聴いている間は、つかの間の夢を見る。それが終わったとき、この曲が最後にあることで安心して現実に戻っていける感じがします。

「子守唄みたいになっているのかもね。『不思議の国のアリス』自体、昔からの言い伝えが入っていて子どもが理解するのは難しいぐらいのおとぎ話だから、大人になってその辺を理解できたのも面白いし、歌詞を書いた後にエピソードとしてこういう話をするのが好きなんですよね。さっきの『BLUE ROSE』もそうだけど、歌は説明を書いていくものではないから、かけらがあるわけ。最初から最後まで物語を書く人もいるけど、そういうかけらの中に物語があるんだよというのが、PERSONZの作り方なので」


私たちが道先案内人として皆さんを不思議の国へお連れするので
安心してライブに来ていただければ



――そしてDISC 2には、3~5月に開催した『PERSONZ「QUEST FOR TREASURE LAND」neo acoustic tour 2025』からセレクトした曲が収録されています。これを聴けばネオアコがどんなものなのかが如実に伝わりますね。



「ネオアコースティックツアーは3回目なんですけど、前回まで藤田くんはパッドを叩いていたので、半ばエレクトリックだったんですよ。でも今回は、もっとアクティブにやりたいから普通のドラムとブラシを使おうと。そうすると渡邉さんが、"じゃあ俺はアップライトベースを弾こうかな"と言い出して...今までは"あれは違う楽器だから絶対弾けない"と言っていたのに、密かに練習していたみたいです(笑)。そういうわけで今までの2回とは機材が変わるからアレンジもし直して、全然違うネオアコをやろうと。『硝子の涙』(DISC 2:M-6)は、ピアノメインだったのをバンドでアレンジし直したとき、今回のネオアコのコンセプトに一番近いイメージでできて、『MIDNIGHT TEENAGE SHUFFLE』(DISC 2:M-1)も、アップライトベースが導入されたからジャズテイストにしようとか、『東京タワーであいましょう』(DISC 2:M-7)は、アコースティックでも持ち味が出ることに自分たちも驚きました」



――原曲と聴き比べる楽しさがあるDISC 2ですね。しかも、円盤化されるライブ音源って半年~1年前の公演とかになりがちなのが、リリース直前までやっていたツアーのテイクというのは、本当にとれたてで。

「ニューアルバムには絶対にライブでやる新曲を入れたかったけど、そればっかりで10曲はちょっと重い。そこで曲数を少なくしてみようというところから始まって、リリースがちょうどネオアコをやり終えた後だから、だったらプラスでそのライブ音源を入れようと。ある程度キャリアがないとこういう音源を一発録りはできないし、録音はツアーも随分こなれてきたところでの東京・神田明神ホールだったから良かったです。独特なアンビエントもあったし、お客さんの声も入っていて。2DAYSやった2日目を収録しています」

――7月から始まった『PERSONZ-2025「WHAT A WONDER WONDER LAND TOUR」』は、コロナ禍の'20年にやろうとしていたホールツアーがようやく実現したということで、41年やってきていまだにこの規模のホールツアーができるのはすごいなと思います。

「今はデビュー当時の勢いを感じるぐらいの歯車の回り方で、バンドの状態もいいけど、お客さんの方も一緒に回っているような...デビュー当時もバンドブームに引き上げられて、自分たちだけでは決して作り得ないサイクルがあったけど、そういうものがもう一回来ているような気がします」

――ホールツアー後には、新たに『PERSONZ-2025「HELLO HELLO HELLO初沖縄であいましょう」』も発表されましたが、PERSONZ初の沖縄公演です。

「行こう行こうと思いながら条件がそろわなかったんですけど、そこも歯車がいい具合に回ってついに行けることになりました。ネオアコ、40周年の記念ライブ、ホールツアー、そこに沖縄が加わって...最近はライブが起爆剤になっているのを自分たちでも感じるんです。ライブをやらなければ人は来ないし、アルバムを作らなければ聴かれることはない。みんな還暦を越えているから、"いつか"やろうという選択肢はない。だから周年も毎年(笑)」

――ラジオ出演時には、来年は47都道府県ツアーに行っちゃおうかとまで言っていましたけど、全県ツアーは若いバンドでも一回やったら疲弊するほどなのに、PERSONZは健在過ぎます(笑)。

「ネオアコも3年やってきて形が見えてきたし、場所によっていろいろな見せ方ができる今だからこそ、47都道府県ツアーも可能かもしれない。高山に行ったときも思いましたけど、初めての場所に行くのは冒険なんだけど、行けばシンパがいてくれる。まだ3県ぐらいライブができていない県があるので、まずはそこを制覇したいよね」

――夢が広がりますね。まだまだPERSONZの冒険は続いていく。

「関西は京都や神戸はネオアコ、大阪はフルコンサートで行くけど、前はいろんな事情で2~3年空いちゃうこともあって。だけど今は毎年行くことが重要だと思っているので、嫌がっても来ますよ(笑)。次の大阪公演=8月9日(土)大阪・大阪国際交流センター 大ホールは、ツアーが始まって1カ月経って、一番熟しているタイミングじゃない? セットリストは皆さんが知っている定番の曲はもちろん、ワンダーランドという新しい世界観とマッチする旧曲も選んでいます。例えば、『オズの魔法使い』や『眠れる森の美女』もそうだけど、PERSONZにはおとぎ話をモチーフにした曲がかなりあるので、そういう曲たちがうまく合致して一つの世界観になった楽しいコンサートになると思います。衣装も自分でデザインして、私たちが道先案内人として皆さんを不思議の国へお連れするので、安心してライブに来ていただければ。多分ディズニーランドのキャストより派手だから(笑)」

――それは見てのお楽しみですね(笑)。本日はありがとうございました!

Text by 奥"ボウイ"昌史




(2025年7月22日更新)


Check

Movie

大阪万博について思わぬエピソードも
JILL(vo)からの動画コメント!

Release

1年ぶり23枚目のアルバムは
新曲とライブ音源の豪華2枚組!

 
Album
『WHAT A WONDER WONDERLAND』
【完全生産限定豪華盤】
※コンテンツDLカード+41周年記念Tシャツ+直筆サイン入りポストカード入り
発売中 14300円
バップ
VPCP-87210S~XL
※VAP STORE限定

<コンテンツDLカード内容>
・東京タワーであいましょう MVデータ
・東京タワーであいましょう MVメイキング
 動画&スペシャルインタビュー
・『「QUEST FOR TREASURE LAND」
 neo acoustic tour 2025』
 ダイジェスト動画&スペシャルインタビュー
・未公開映像『DREAMERS(neo acoustic
 tour.ver )』スタジオセッション動画

<DISC 1収録曲>
01. ADVENTURE
02. WONDERLAND
03. MOMENTS
04. THAT'S MY TREASURE
05. BLUE ROSE
06. 東京タワーであいましょう
07. HAPPY UNBIRTHDAY

<DISC 2収録曲>
『「QUEST FOR TREASURE LAND」
 neo acoustic tour 2025』
20250406 LIVE AT KANDAMYOUJIN
01. MIDNIGHT TEENAGE SHUFFLE
02. FLOWER OF LOVE
03. RIVER
04. MAGIC MOMENTS
05. SING ALONG FOREVER
 ~そばにいるよ~
06. 硝子の涙
07. 東京タワーであいましょう
08. DREAMERS
09. DEAR FRIENDS
10. MAY BE CRAZEE -I LOVE YOU-

【通常盤】
発売中 4400円
バップ
VPCC-87211

<DISC 1収録曲>
同上

<DISC 2収録曲>
同上

Profile

パーソンズ…写真左より、渡邉貢(b)、JILL(vo)、本田毅(g)、藤田勉(ds)。’84年結成。’87年、1stアルバム『PERSONZ』でメジャーデビュー。’89年にドラマ『ママハハ・ブギ』の主題歌に『DEAR FRIENDS』が起用されると、そのポップでメロディアスなサウンドが爆発的に日本中に伝わり、同曲が収録された3rdアルバム『NO MORE TEARS』はオリコンアルバムチャート初登場2位に、続く4thアルバム『DREAMERS ONLY』は1位を獲得した。’92年に本田が脱退するが、’02年には10年ぶりに復帰。現在はオリジナルメンバーで活動している。’15年には約24年ぶりとなる日本武道館ライブを成功させる。’22年より歴史建造物を巡る『neo acoustic tour』をスタートさせ現在も進行中。’24年には結成40周年に迎え、6月には9年ぶり22枚目となるフルアルバム『40th FLOWERS』をリリース、アニバーサリーツアーを全カ所ソールドアウトさせた。8月には初の試みとして『PERSONZ 東京タワー EXHIBITION』を開催。’25年6月には、40周年を締めくくる一夜限りのライブ『PERSONZ 40th Anniversary FINAL ONE NIGHT ONLY DREAM LAND』を東京・ヒューリックホール東京で行い、6月11日に23thアルバム『WHAT A WONDER WONDERLAND』をリリースした。

PERSONZ オフィシャルサイト
https://personz.net/

Live

現在全国ツアー中!
8月には大阪公演が開催へ

 
『PERSONZ-2025「WHAT A WONDER
 WONDER LAND TOUR」』

【熊本公演】
▼7月4日(金)熊本城ホール シビックホール(多目的ホール)
【福岡公演】
▼7月6日(日)福岡市民ホール 中ホール
【広島公演】
▼7月11日(金)広島JMSアステールプラザ
大ホール
【高知公演】
▼7月13日(日)高知市文化プラザかるぽーと 四国銀行ホール
【岩手公演】
▼7月18日(金)トーサイクラシックホール岩手 中ホ-ル
【宮城公演】
▼7月20日(日)・21日(月・祝)仙台PIT

【愛知公演】
▼8月8日(金)COMTEC PORTBASE
 

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中
※販売期間中はインターネット販売のみ。
▼8月9日(土)17:00
大阪国際交流センター 大ホール
S席8500円 S席高校生以下1000円
A席4000円 A席高校生以下1000円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
(https://www.sound-c.co.jp)
※小学生以上有料。未就学児童は座席が必要な場合は有料。

チケット情報はこちら

 
【長野公演】
▼8月22日(金)ホクト文化ホール 中ホール
【石川公演】
▼8月23日(土)金沢市文化ホール
【新潟公演】
▼8月29日(金)新潟市民芸術文化会館 劇場
【群馬公演】
▼8月30日(土)高崎市文化会館
【北海道公演】
▼9月5日(金)Zepp Sapporo
【東京公演】
▼9月12日(金)東京国際フォーラム ホールC


『PERSONZ-2025「HELLO HELLO HELLO
 初沖縄であいましょう」』

【沖縄公演】
▼10月4日(土)・5日(日)テンブスホール


『PERSONZ Billboard Live 2025』

Pick Up!!

【大阪公演】

一般発売8月22日(金)
▼10月30日(木)17:30/20:30
ビルボードライブ大阪
BOXシート20300円
S指定席9600円 R指定席8500円
カジュアルシート8000円(ドリンク付)
ビルボードライブ大阪■06(6342)7722
※未就学児童入店不可。18歳未満・高校生は成人の同伴にて入店可。

 

Column1

「今が最強だと思っています」
PERSONZ結成40周年!
話題のアニバーサリーイヤーから
新曲『FLOWER OF LOVE』
『DEAR YOU』…音楽人生後半の
生き方をJILL(vo)が語る('24)

Column2

「夢を持ってもいいと証明したい」
結成30周年を締め括る
フィナーレは運命の6/26(金)
マイナス地点から再びたどり着いた
24年ぶりの日本武道館!
PERSONZインタビュー('15)

Recommend!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「またもJILLさんにパワーをもらってしまった。この記事を書き上げて最初に思ったのがこれ。PERSONZがぴあ関西版WEBに登場したのは’15年’24年、’25年と、前回が9年ぶりだったのが今回は1年ぶり。これだけでもバンドが近年どれだけ充実した活動をしているかが分かります。41年やってきてさらに動員が増えるってどういうこと!? しかも今後は全県ツアーまでたくらんでいるって頼もし過ぎます。そんな姿は何かと後ろ向きになりがちな世の中に、ファンのみならず後進のバンドや僕らみたいに、PERSONZの背中を見てきた人間にまたも勇気を与えてくれます。いまだにそう思わせてくれる偉大で優しいバンドの全国ツアーで、あなたもぜひ力をもらってください! “ライブをやらなければ人は来ないし、アルバムを作らなければ聴かれることはない”。インタビュー中にさらっとそう言ってのけたJILLさん、やっぱりハンパなくカッケーわ!」