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シーンの最前線を目撃せよ。
注目アーティスト16組が大阪梅田に大集結!
Black petrol、Redhair Rosy、Shu(ego apartment)が語る、
ライブサーキット『梅田界隈 THE CIRCUIT ’25』への期待

3月29日(土)、梅田のライブハウス3会場(梅田BananaHall、Zeela、BANGBOO)でサーキットイベント「たとえばボクが踊ったら presents『梅田界隈 THE CIRCUIT ’25』」が行われる。本イベントは「関西で魅力的なキモチいいフェスをしたい」をコンセプトに、2016年から数々の伝説を生み出してきた野外音楽フェス『たとえばボクが踊ったら、(以下、ボク踊)』のスピンオフ企画。サーキット形式では初開催となる。「浮遊感に酔いしれる、よりすぐりのジャンルレスな音楽が集結するライブサーキット」とあるように、若手からベテランまで、多様なルーツとジャンルをクロスオーバーさせつつ、独自の「キモチいい」音楽を鳴らすアーティスト16組が大集結する。早耳ファンならずとも、今チェックしたい注目のラインナップだ。イベント主催の夢番地・大野氏も「他にはない尖り気味のサーキット。来年再来年と繋げて大きくなればシーンも強くなる」と意気込む。

今回ぴあ関西版WEBでは、『梅田界隈』に出演する、7人組エクスペリメンタルジャズヒップホップバンド・Black petrolのSOMAOTA(vo)とtakaosoma(g)、2024年4月に活動を終了したthe McFaddinのメンバーによる新バンド・Redhair RosyのRyosei(vo)、音楽ユニット・ego apartmentのギターボーカルでソロプロジェクトを始動したShuの4名に、大野氏を交えて対談を実施。ジャンルは違えども、DIYで生み出す音楽と確固たる実力でシーンをざわつかせる、同世代の新進気鋭の3組。対談では音楽談義に熱が入り、イベント出演アーティストについてのトークも続々飛び出した。あまりに楽しそうで聞いているこちらも「そのバンド観たい!」とワクワクするほど。ぜひこの記事から、気になるアーティストを見つけてほしい。

Black petrol、Redhair Rosy、Shuの関係性


――3組は、世代的には同じぐらいですか?

takaosoma「僕が1996年生まれの28歳です」

Shu「俺、1998年」

SOMAOTA「ここ(ShuとOTA)が一緒だよね」

Ryosei「俺1995年。俺が1番年上だ」

――普段から交流は?

Ryosei「Black petrolはスタジオで会うよね」

takaosoma「Redhair Rosyと京都のスタジオが一緒で、会った時に喋ったり。あと『ボロフェスタ 2022』もメインのKBSホールで一緒だった。KBSホールはステージはデカいから、the McFaddinのVJがめちゃめちゃド派手やったんですよ。あれは良かったですね。ego apartment(以下、エゴアパ)はライブを初めて一緒にやった時、ドラムのないセットで真ん中にマイクが3本立ってて、すげえ面白いなと思って。音源を聴いた時も日本人のセンスじゃない感じがしました」

Ryosei「僕ら2024年4月末に、メンバーはそのままでバンド名がthe McFaddinからRedhair Rosyに変わってるんです。メンバーのVJのRyoma Matsumotoは、エゴアパのワンマンのVJやMVを手掛けてるんですよ」

Shu「僕はRyomaくんと繋がりがあって、Ryoseiくんと会うのは今日が初めてだけど、エゴアパの他のメンバーは会ってますね。あとギターのKeisho Maedaくんは心斎橋CONPASSの照明で働いてて、バンドでよくお世話になってます。Black petrolのSOMAくんは、僕らのスタジオに遊びに来てくれて」

SOMAOTA「ね。ワンマンも行きました。ライブ良かった~」

Shu「ありがとうございます」

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takaosoma

――お互いのバンドにはどんな印象を持っていますか?

SOMAOTA「俺は周りから"the McFaddinはBlack petrolとライバル"みたいに言われることがあって、勝手に意識してましたね」

takaosoma「初めて聞いた(笑)。そんなことあったんや」
SOMAOTA「何回か言われて、"ああ、そういう見え方なんだ"と。やってるジャンルは違うと思うけど、見え方的には近いのかなって。でもライブではめっちゃ明るい奴らなので、観てて笑顔になりますね」

――RyoseiさんはBlack petrolのことを意識されていましたか?

Ryosei「僕はライバルというより、京都の同世代のバンド仲間やと思ってて。あえて言うならテクニックがすごいので、その辺はもうお手上げというか。1人ひとりがプロなので尊敬します」

Shu「エゴアパとBlack petrolは3年前に1回だけ対バンしたことがあって、the McFaddinとはなくて。でも"仲良くなりたいな~"と思いつつ、今日まであまり繋がりがなかった。僕はプロジェクトを1人でやるから、いろんな人が関わって作品のクオリティが高くなるのが羨ましいなと、2組を見て思ったりしました」

takaosoma「俺はまだShuくんのソロプロジェクトと、Redhair Rosyのライブを観れてないから、『梅田界隈』の当日に観たいなと思ってます」



それぞれの道のりと、現在地


――最近の活動についてですが、まずShuさんはego apartmentとして活動もされながら、昨年12月から本格的にソロ始動されました。昨年12月に『映画みたいに』、今年1月に『探し物』、2月に『JACKET』と3枚連続でシングルを出されて、今どんな感じですか?

Shu「本当はアルバムを考えたいけど、アルバムの質感を出すのが難しいなという段階です。アイコニックなテクスチャーのものを作りたいけど、まだ自分の中でわからない部分があるので、今は色んな曲作りにトライして、シングルをポンポン出してる感じですね」

――楽曲はコンスタントに作られているんですね。

Shu「3月にも1曲出て、その後も結構ハイペースで出していきます。始まったばかりのプロジェクトなので、今後どうやって見せていこうかなというのは、日々考えてるところです」

大野「Shuは『梅田界隈』が初ライブやね」

Shu「自分主体のバンドをやるのは6年ぶりぐらいなので、めちゃくちゃ緊張する」

――バンドメンバーは?

Shu「メンバーはドラムとベースが鋭児のTARO(ds)とHiroto(b)。ギターがilliomoteのMaiyaで、キーボードがjeanのSota Nakamuraの5人です」

――どういうふうに声をかけられたんですか。

Shu「友達がいいなと思ったので、東京で知り合った友達に声をかけました。僕自身、東京方面にも興味があるし、東京の人たちとも繋がりながら音楽をやりたいなと思っています。どんなライブになるのか、会場でどんな気持ちになるか楽しみですね」

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shu

――Redhair Rosyは、先ほどお話にもあったように、昨年4月にthe McFaddinに改名されて、今年1月1日には1st EP『turn red Ⅰ』をリリースされました。

Ryosei「改名した翌月から僕は北米に出てまして、この間帰ってきたんです。1月に『turn red Ⅰ』を出して、今は『Ⅱ』と『Ⅲ』を作ってるところ。まだ新人バンドのつもりです」

takaosoma「the McFaddinから今まで、トータルどのぐらいやってる?」

Ryosei「高校からだから、15年」

takaosoma「大先輩やんけ!」

Ryosei「(笑)」

――the McFaddinから地続きのものがありつつも、新しいものを作っている感覚ですか?

Ryosei「確かに地続きなんですけど、新しいバンドだというのは伝えたくて、友達のプロデューサーを入れたりして、意識して音楽を作ってますね」

大野「ちなみに当日、the McFaddinの曲はやるの?」

Ryosei「やらないです。the McFaddin時代を引きずりたくないので、まずは"Redhair Rosy"になって、動きながらthe McFaddinを忘れつつという感じですね」

――どのぐらい先のことまで考えてらっしゃるんですか?

Ryosei「3年計画を立ててるんですよ。2024~2027年ぐらいまでの計画をざっくり立てて、今のところ計画通りに進んでます」

――そしてBlack petrolは、メンバー7人が大阪・兵庫・京都・東京・福島と別々の土地に住みながら活動をされていて、今年1月29日には3rd EP『Insomniac Reveries』がリリースされました。ドキュメンタリー性の高い作品ということですね。

takaosoma「歌詞の内容はそうかもしれないですけど、どちらかと言うと制作過程をドキュメンタリーとしてるだけで。京都での学生生活から現在までを音楽にして、自分たちでレコーディングからミックスまでやって、アルバムとして出した感じです。僕の中では、過去から今までをパッケージにして、より次からもっと音楽に集中してやりたい気持ちがあって。そうするためには、今持ってる問題やライフヒストリーをちゃんと形にして出さなきゃいけないと思っていたので。福島県にいるONISAWA(vo)の仕事が忙しくて全然ライブができないんですけど、ONISAWAは"音楽好きやし、ラップはしたい"というので、彼が京都にいた頃の思い出を曲にしようというのが、EPの最初のキッカケでした」

――次に進むために1回区切りをつけると。

takaosoma「元カノの写真を燃やすみたいな感じです。僕は燃やせないですけど(笑)。今ちょっとすっきりしている状態ですね」

――もう次の作品に取りかかっているんですか?

takaosoma「僕は結構頑張ってます。ライフヒストリーを絡ませないで、単純に"カッコ良い、カッコ良くない"で曲作るの、めっちゃ楽しいんですよ」

――皆さんもその感覚ってわかります?

Ryosei「俺も曲を作るのがただ好きなので、わかります。ライブはやらないと食えへんし、楽しいからするけど、ほんまはずっと家にいて、できるだけ曲を作ってたい。結果カッコ良いかカッコ良くないかはさておき、曲を作ってる時が好きですね」

SOMAOTA「わかるな~。レコーディングして良いテイク録れた時が1番幸せです」

Shu「僕も同じで、ずっとスタジオにいたいんですけど、ライブで演奏した時に楽しくできる曲の方が、気持ちも入るしクオリティも高くなる。ずっと1人で曲を作ってるから、初めてライブで合わせた時に"映える曲か映えない曲か"を感じにくい部分があって。そういう感覚はライブをこなして身につくものかなと思ってます」

takaosoma「わかる」

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『ボク踊』らしく、他にはない切り口でサーキットイベントをやりたい


――大野さんは今回、なぜこの3組に声をかけたんですか。

大野「僕、『たとえばボクが踊ったら、』というイベントを大阪でやってるんですけど、いつかサーキットをやろうという計画は前からあって、やるなら他にない切り口がいいなと思ってて。この3組にも早い段階......多分2年ぐらい前に相談したと思うんですよ。ここを軸に今のシーンを拾っていって、『ボク踊』としての提案ができればいいなと」

――なるほど。軸の中にこの3組がいたと。

大野「普通にいました。だから思い描いていたイメージ通りになってるんですよね。もちろんこれから広げていかないといけないけど」

――声をかけられた時は嬉しかったですか。

Ryosei「もちろん」

大野「Redhair Rosyはthe McFaddin時代に僕のイベントに出てもらって。ライブがめちゃくちゃカッコ良くて、すぐにその場で構想を話したことを覚えてます。まさか名前が変わると思ってなかったから、"変わってもぜひやりましょうよ"って話もしたり」

Ryosei「だから『梅田界隈』が新バンドとしての1番最初のオファーやったかもしれないです。僕ら、会場はBANGBOOですよね?」

大野「そう。BANGBOOにはLEDディスプレイの設備があるから、VJを使うRedhair Rosyとどんぐりずはここでと決めてます」

Ryosei「BANGBOOは新しいライブハウス(昨年8月にオープン)でまだ行ったことないけど、めっちゃ映えるんじゃないかな。Redhair Rosyで都市型大阪フェスはまだ出れてないので、皆に印象付けられたらなとすごく意気込んでます」

――Shuさんは?

大野「エゴアパは僕の弟がマネジメントをやってるもんですから。デビュー前からずっと聴かせてもらってて、"めちゃめちゃカッコええ"って話をずっとしてたので、自然な形で誘いました」

Shu「バンドでも『ボク踊』に出してもらいましたし、大野さんのイベントは全部盛り上がってるし、"やったー!"って感じで、もう嬉しかったです」

――Black petrolはどうですか?

SOMAOTA「2022年に『T.B.O presents #梅田界隈 ver0626』でどんぐりずとSATTU CREWと鋭児と一緒に呼んでくれた時、終わり際に大野さんが"2~3年後やな"と言ったんですよ。"2~3年後にもっとデカい形で呼ぶから、しっかり準備してて"と。俺はその言葉が印象に残ってて。あの時は1番手で、"やってみろ"みたいなチャレンジャー枠で呼んでくれてたと思うんですけど、それが形になった感じがしてすごく感慨深いですね」



オルタナあり、ヒップホップあり、インストあり、歌モノあり。
関西でこのラインナップはアツい!


――サーキットイベントに対してのイメージは、どんなものですか?

Ryosei「めっちゃ祭り感ある」

takaosoma「2019年にYOKOYUREとモッティさんが梅田でやってたライブサーキットイベント『GROOVYROOMS』が、俺の原体験かも。大学生の時に大阪のR&Bソウル寄りのイベントを見て、"なんかいいな、こういうの出たいな"と思って頑張ってたところがあって。そこから今『梅田界隈』というサーキットができて。時の流れをめっちゃ感じるキャスティングやなと思いましたね」

SOMAOTA「ブッキングを受けてメンツを見た時に、東京の都市型フェスティバル『SYNCHRONICITY』を思い出しました、シンクロもオルタナティブミュージックをメインに扱っていて、どんぐりずとかTRIPPYHOUSINGSは今年のシンクロにも出演が決まってますよね
僕も去年シンクロに行ったんですけど、実はすごい悔しい思いをして。東京は裾野が広いから、オルタナと言っても渋谷であれだけ会場を押さえてフェスができるぐらいの音楽シーンがあるけど、関西にはなぁ・・・と思って。なので、今回のイベントはすごく嬉しい。しかも関西圏に留まらず名古屋のQOOPIEも呼んでるのすごいですね。俺、QOOPIEめっちゃ好きで(笑)。後は、インストバンドのTestaもちゃんと呼んでる。Testaもヤバいです」

大野「QOOPIEとTestaと登山部experimentが、インストなんですよ」

Shu「サーキットでインストが出るの、あんまないですよね」

大野「今回は3組入れてる。俺が好きなだけやけど」

――大野さんは、オファーするアーティストのライブは絶対観に行かれるんですよね。

大野「行く行く。TRIPPYHOUSINGは『ボク踊』にも出てもらってたyonawoのメンバーがいるので、"出てよ"って直接連絡して。QOOPIEは名古屋に観に行きましたよ。めちゃくちゃ良くて、速攻楽屋に行って繋がった感じです」

SOMAOTA「アツいな」

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SOMAOTA

――韻シストのようなベテランも、皆さんのような若手も幅広く出られますね。

takaosoma「僕らも"若手?"と言っていいくらいの年齢になってきましたけど」

SOMAOTA「でもDoonaとかはやっぱり1個下の世代だなって感じ。jeanとかも若いんだけど」

takaosoma「S.A.R.も若いけど、若手の雰囲気じゃないですもんね」

SOMAOTA「S.A.R.は個人的に今1番ライブが好きなバンド。普通にお客さんとして観に行きます」

takaosoma「僕もこの間brkfstblendとの『T.B.O presents #長堀界隈 ver1208』観に行きました」

Shu「カッコ良いねんな~」

Ryosei「S.A.R.はバンド組みたての時、下北沢THREEでやってて。演奏がめっちゃ上手くて食らって、"とんでもないバンドやな"と思ってたら、"交通費どうやって請求するん?"みたいな相談をされて(笑)」

takaosoma「S.A.R.は6人組で俺らとそんなに変わらないけど、音の引き算がめっちゃ上手いんですよね。メンバー全員が弾いてるけど、あまり圧がない。ちゃんとドラムの音が1番大きくて、だけどうるさすぎないバランスで聴きやすくて。あとMCが嘘みたいに下手なんです。あれがめっちゃ良い。本当に音楽にストイックな集団。ユニークなのが、『梅田界隈』のフライヤーを見てもらったらわかるんですけど、アー写は全然関係ない一般人が最前にいるんですよ」

――え?......あ! マスク姿の男性が横切ってますね(笑)。

takaosoma「適当に撮った写真の中でこれが1番良かったからって。そういうのも含めて大好きです。あと僕、登山部experimentが気になるんですよね」

大野「ヤバいよ。スーパー登山部のインストバージョンでマリンバが入ってる。ずっと聴いていたい音楽」

takaosoma「ドローン系ですか?」

大野「明るめで気持ち良い感じ。スーパー登山部と登山部experimentは基本セットが同じやから、繋げてやろうかなと考えてる」

――タイムテーブルはどうなりそうでしょうか。

大野「今頭抱えてる。好きなアーティストばかりやから全部観れるようにしようと思ったけど、物理的に無理なことが発覚して。だから持ち時間を比較的長めにして、少しでも観れるようにしようかなと」

SOMAOTA「でも3会場全部近いですよね。走って2分とかで行けますよ」

大野「そうそう。多分全部回っても10分かからない。他のサーキットに比べたら相当近隣でやれるから、行きやすいんちゃうかな」



『梅田界隈』を盛り上げるために、ベストを尽くす


――読者の方もそうだと思うんですが、皆さんのお話を聞いて、観たいアーティストが増えました。

大野「自分たちのバンド以外で、"これはマジで絶対に観たい"というアーティストを2つ聞いておきたいな」

SOMAOTA「僕は1個目がQOOPIE。『SUMMER SONIC 2023』の3次予選で俺らの1個前だったんですけど、本当にカッコ良くて」

takaosoma「俺らの出番の後、QOOPIEのメンバーが"めっちゃカッコ良かったです"と言ってくれて」

SOMAOTA「逆に"お前らもカッコ良かったよ!"って。QOOPIEはそれ以来なので、観れるのが楽しみです。もう1個はTRIPPYHOUSINGですね。Skaaiくんはラッパーとして意識しているので、絶対に観たいです」

Ryosei「僕は、メンバーのKeishoがスーパー登山部を"ヤバいよ"と言ってたのでマストチェックなのと、S.A.R.は昔対バンしたと思うんですけど、ちょっと記憶が怪しいので、ほんまかどうか確かめるという意味で必ず観たい。韻シストも高校大学と聴きまくってたので、めちゃくちゃ楽しみです」

Shu「僕は、1つは登山部experiment。山を登るのが好きなので、そのバイブスを感じれるのかな。山で音楽を作るんですか?」

大野「山でライブをする。去年のツアーファイナルは長野の白馬山荘でやって、メンバーもお客さんも歩いて12時間かかる」

全員「うわ~!」

大野「機材は自分らで背負って運ぶけど、無理なものはクラウドファンディングでヘリで運んで。その山荘のライブ映像がすごく綺麗で。登山の疲れとボーカルのHinaちゃんの声の美しさで、聴きながら全員号泣するという」

takaosoma「苦楽を共にしてますもんね」

大野「元々登山好きな奴が集まってるバンドやから。今は登山チームというか、対バンした相手に声かけてメンバーが増えていって、山頂でセッションした動画をYouTubeに上げたりしてる」

Shu「それは僕やりたいな。市街地で観れる貴重なチャンスだと思うので、観に行きます。あとTRIPPYHOUSING。力が抜けてるけど、どっしり重いビート感と余裕感がカッコ良い。Skaaiはラップが上手いけど、ラップをやる前は歌を歌ってたみたいで、歌もめっちゃ上手くて色気あるんですよね」

大野「大阪でライブはほぼやってないはずやしね。ちなみにJairo(YAMORI+John-T)は、ヒューマンビートボックスの世界大会1位になった2人。これヤバいよ」

Shu「気になりますね」

――takaoさんはいかがですか?

takaosoma「Testaは、多分演奏力で言ったら、このサーキットに出てる人の中で1番高いんちゃうかなと思うんですよ。曲の構成がめちゃくちゃ複雑やけど、音源やMVではしっかり演奏してるんですよね。ライブではどうするんやろう。すごく気になってます」

大野「おもろいよね。あんな変拍子できる人、なかなかおらんからな。めちゃくちゃ踊りにくい踊りで最高やね」

takaosoma「もう1組は韻シスト。僕は夜に制作や人生に行き詰まって不安になったら、コンビニで酒を買ってきて友達に電話するんですけど、その時の標的がTAKU(g)さんなんですよ(笑)。迷惑をかけ続けてる謝罪がてら、観に行かないとと思ってます(笑)」

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Ryosei

――最後に『梅田界隈』への意気込みをお願いします。

Ryosei「ベストを尽くす、としか言いようがないです。"僕らのステージを観に来てくれたら必ず楽しませます。時間の無駄には絶対ならないです"という気持ちで挑みます」

――ちなみにセトリはどのタイミングで決めるんですか?

Ryosei「僕はライブの前日~2日前にやるスタジオリハで決めます。今日話を聞いて、知らないバンドばかりだけどかなり観たくなりましたし、僕らはがっつり歌モノで逆に目立てるかなと思ったので、今日の会話もセトリに反映しようかな。ある意味ちょっと浮いてやろうという気持ちが芽生えてきました」

Shu「僕は初ライブで、いろんな人に観てもらえることがまず嬉しいので、頑張りたいですね。セットリストはまだ圧倒的に持ち曲が少ないので、持ってる曲を全部やる感じです。バンドメンバーも、何でもできる人たちで信頼はしっかりあるし、そんなに気張らずに良さを出せたらいいなと思ってます」

SOMAOTA「最近Black petrolをやってて、脂が乗ってるというか手応えを感じることが多いので、もっと観てほしいです。僕も"来てくれたら後悔させない"という気持ちもあるんですけど、今のこのノリを見てほしい。もちろん楽しくやるけど、完成度も結構高いと思うので、"今"を観てほしいですね~」

――最新EPの曲も?

SOMAOTA「やります。是非現場で爆音で聴いてアガってほしいな」

takaosoma「こういうライブの時って、静かなお客さんが多いと思うんですよ。でも声を出したいけど出せない人たちもいると思ってて。そういう人が楽しめる場所を作れるぐらい、盛り上げたいです。皆スマホで撮ったりする時代やし、色々あると思うんですよ。でも僕が知ってる好きなライブは、お客さんが1番ノリが良くて楽しそう。『梅田界隈』を盛り上げるために、そういう空気も作り出せるよう心がけます」

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Text by ERI KUBOTA
Photo by 長井桃子




(2025年3月17日更新)


Check

Release

Black petrol
3rd EP『Insomniac Reveries』配信リリース中!

《収録曲》
01. Dilatancy
02. Howlin' collective
03. Capital, sweat
04. Kamogawa in my day

Redhair Rosy
1st EP『turn red I』配信リリース中!

《収録曲》
01. 2 feet for shoes
02. Rush
03. Kirua
04. Parkengo
05. Lonely

Shu
3rd SG『JACKET』配信リリース中!

《収録曲》
01. JACKET

Profile

Black petrol

Contemporary JAZZ、Rare Groove、Progressive Rock等、辺境の音楽をHIPHOPの感性で再解釈した 『ナードでハード』な音楽集団。 リーダーのtakaosomaがホームレスとしての路上生活で体感したアスファルトの冷たさ、人肌の温かさをバイリンガルラッパーとしてHIPHOPシーンで評価されるSOMAOTA、ドキュメンタリー作家としても活動するONISAWAが詩的なラップに落とし込む、「リアル」でありながら高度に洗練された世界観を確立している。2023年に『SUMMER SONIC』、翌2024年には『FUJI ROCK FESTIVALʼ24』にも出演を果たした。

オフィシャルサイト
https://blackpetrolmanage.wixsite.com/home


Redhair Rosy

the McFaddin活動終了後、同メンバーで活動を開始。⽭盾を歌うロックバンド。さまざまな楽曲、映像、アートワークをALL DIYで制作している。1st EP「turn red Ⅰ」はポップスの名の中を⾃由に泳ぐ傑作。リードトラックの「2 feeet for shoes」から「Lonely」まで自由であり矛盾ばかりだ。

オフィシャルサイト
https://redhairrosy.com/


Shu

1998年大阪出身。2020年にego apartment(エゴアパートメント)を結成。2022年には初のフルアルバム「EGO APARTMENT」をリリースし、『日本国内第15回 CDショップ大賞 2023』にノミネート。2024年には2枚目のフルアルバム「ku ru i」をリリース。showmore、Klang Rulerの客演や、FM802のジングル作成等を行う中、ソロ名義”Shu”(シュウ)として2024年12月に始動!

オフィシャルサイト
https://bio.to/Shuu?fbclid=PAZXh0bgNhZW0CMTEAAaY1yoLsuh59xd6zcnotb8qgd37TkynxDl3L0VTskbibhOZm4ZcTPyKesq8_aem_u0VTdb4vvcjPG84VpcYidA


Live

たとえばボクが踊ったら presents
『梅田界隈 THE CIRCUIT ’25』

チケット発売中 Pコード:287-596

▼3月29日(土) 14:00
梅田BananaHall/梅田Zeela/梅田BANGBOO
全自由-5000円(ドリンク代別途要)
U-20(全自由)-3500円(20歳以下対象、ドリンク代別途要)

[出演]BESPER/Black petrol/どんぐりず/Doona/韻シスト/Jairo(YAMORI+John-T)/jean/リベラル a.k.a 岩間俊樹(SANABAGUN.)/QOOPIE/Redhair Rosy/S.A.R./Shu/スーパー登山部/Testa/登山部experiment/TRIPPYHOUSING

※小学生以下は保護者同伴に限り入場無料(保護者様1名につき1名まで)。Zeelaにあるリストバンド交換所にお越しください(13:30~交換開始予定)。開場・開演時間は変更となる可能性がございます。アーティストのキャンセルや変更等による料金の払戻しはございません。

[問]夢番地■06-6341-3525

チケット情報はこちら


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