ホーム > インタビュー&レポート > アニメの祭典『MBSアニメフェス2025』 DAY2は『東リべ』『水星の魔女』『ダンダダン』に加え 『進撃の巨人』『ONE PIECE』のシークレット参戦で「伝説回」に
『東京リベンジャーズ』新祐樹と福西勝也がよみがえらせた名場面DAY2はいきなりサプライズLIVEで幕を開けた。2023年放送『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』のオープニングテーマ「ソングオブザデッド」を歌ったKANA-BOONによるパフォーマンスだ。ボーカル&ギターの谷口鮪が間奏時「よっしゃいくぞ」と掛け声を口にすると、総立ちの観客のペンライトも激しく揺れ、終盤には<ディストピア to ソング・オブ・ザ・デッド!>というコールで盛り上がった。
続いて「2017年7月4日、俺の26年の人生は突然終わった」という、アニメファンにはおなじみのプロローグが聞こえてくる。声の主はもちろん、『東京リベンジャーズ』の主人公である花垣武道だ。同役を担当する新はキャラクターと同様の特攻服姿で現れ、「8・3抗争編」序盤のキヨマサとのバトルを再現。さらにそこにドラケンこと龍宮寺堅役の福西勝也が参戦。瀕死の状態のドラケンを背負うタケミチの名場面などが演じられた。
また「正面の敵だけ見てろ、相棒」と颯爽とやってきたのは、松野千冬役の狩野翔。そこに高らかに笑う赤い特攻服の稀咲鉄太役・森久保祥太郎が登壇すると、会場中が大騒ぎに。タケミチの足に銃弾を撃ち込む冷酷な稀咲の演技を見せるなどし、シリアスな空気が漂った。同場面では、痛みにもだえるタケミチの姿を、新が迫真の演技で表現したところも強烈なインパクトがあった。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』一行が"神戸観光"
「こういう平和な世界もあるんだな」2作品目は『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。まずSeason2のオープニングテーマ「slash」を担当したyamaが、青い照明とペンライトの中で演奏。『水星の魔女』の壮大かつ厳かな作品世界を歌であらわした。
『水星の魔女』では、スレッタ・マーキュリー役の市ノ瀬加那、サプライズ出演のミオリネ・レンブラン役のLynn、グエル・ジェターク役の阿座上洋平、エラン・ケレス/強化人士4号/強化人士5号役の花江夏樹、シャディク・ゼネリ役の古川慎によるオリジナル朗読が展開。『水星の魔女』一行が神戸を観光するシチュエーションほか、グエルが大仏モデルのモビルスーツ開発のために奈良にも立ち寄ったり、京都特有の言葉づかいをレクチャーする「京都人士クイズ」を出題したり、この日限りの設定で楽しませた。
生アフレコでは、名シーンの数々を再現。スレッタ、ミオリネがグエルと激突するダイナミックなバトルが観客の興奮を誘ったほか、シャディクの名台詞「俺は、俺の罪を肯定する」も生で聞くことができるなど、ファン垂涎の生アフレコとなった。
『水星の魔女』のパートの最後を飾ったのは、シユイによるSeason1のエンディングテーマ「君よ 気高くあれ」の歌唱。静けさと激しさのコントラストをつけたパフォーマンスや、両手を広げてのびのびと歌う姿で観客を引きつけていった。
『東京リベンジャーズ』と『水星の魔女』のトークコーナーでは、新が「東リべ」を象徴する台詞「ひよってるやついる?」「いねーよな」のコールアンドレスポンスをやってみせると、『水星の魔女』の市ノ瀬もスレッタの声で「ひよってるやついる?」「いねーよな」と"オマージュ"。また「東リベ」の福西が生アフレコについて「最初の方の(エピソードの)掛け合いも久しぶりにやらせてもらえたので、リベンジという感じで高揚しました」と振り返ると、『水星の魔女』のオリジナル朗読に関して古川は「こういう平和な世界があるんだなって。こういう時空があるとみんな平和に観光できるんですよね」と本編とは違う"世界線"を楽しんだようだった。
『進撃の巨人』がDAY2のシークレット第1弾
「人類に心臓を捧げよ」のセリフで一体感イベントはまだ中盤。しかしここでいきなりシークレット作品を示す映像演出が発生した。そして小野大輔が前触れもなく登場。「ウォール・マリア最終奪還作戦開始、進め」と発すると、悲鳴のような絶叫で会場が揺れた。もちろんそれが『進撃の巨人』のものであると気づくのに、時間はかからなかった。小野によるエルヴィン・スミスの台詞「今一度、人類に心臓を捧げよ」に鼓舞されるように、前のめりになる観客たち。
そこに、エルヴィンに対し「お前はよく戦った」と声をかけるリヴァイの台詞が加わると、俄然、強烈な熱波が渦巻いた。声の主は神谷浩史。続いてアルミン・アルレルト役の井上麻里奈が登壇。大巨人による攻撃で炎に包まれながらも戦い続けるアルミンを勇壮に演じた。
Season3のエピソードを中心とするこの生アフレコのサプライズは、まだ終わらない。超大型巨人の背後にまわるキャラクターの姿、そして「殺(と)った」の台詞。エレン・イェーガー役の梶裕貴だ。梶は、アルミンの命を救うか、それともエルヴィンを助けるのかという選択に迫られる「白夜」の名場面などを熱量いっぱいに再現。「駆逐してやる、この世から一匹残らず」というエレンの怒りもひしひしと伝えた。
生アフレコの興奮をそのままに、『進撃の巨人 The Final Season Part 2』のエンディングテーマ「悪魔の子」を担当したヒグチアイがライブを披露。赤いペンライトが広がる中、ヒグチが鬼気迫るようなパフォーマンスを見せた。
『ダンダダン』ターボババア役・田中真弓が登場
若山詩音と花江夏樹に感謝
『MBSアニメフェス2025』はいよいよ後半戦。「ねえ、オーカルン。今"アソコ"どうなってんの~?見せて」のキワキワなおねだりと、それに呆れるようなリアクション。『ダンダダン』のモモ役の若山詩音とオカルン役の花江夏樹がコミカルなやりとりをしながら登場し、観客を笑わせる。
さらに「おっぱい吸わせてやるからよ、イチモツしゃぶらせろ」の強烈な声。ターボババア役をつとめたレジェンド中のレジェンド、田中真弓がサプライズ出演し、割れんばかりの歓声があがる。絶体絶命のピンチに陥ったオカルンが、ターボババアの胸に食いついて形勢を逆転するところなどが一気呵成に演じられた。ターボババアと「鬼ごっこ」をする場面の再現では、若山と花江がハァハァと息を切らしながら奮闘する、モモ、オカルンを熱演。田中によるターボババアの招き猫になってからの演技も印象深く見ごたえ十分だった。
『進撃の巨人』と『ダンダダン』のトークパートでは、『進撃の巨人』の小野が「熱い芝居ができたなと思って。(放送当時を)超えられたかな」と充実した表情を浮かべると、『ダンダダン』の田中は「私が(生アフレコの間尺を)押しちゃったのですが、二人(若山、花江)が尻拭いをしてくれて」とチームワークで乗り切ったことを明かした。
大トリはまさかの『ONE PIECE』
登壇者たちも「偉大な一日」「伝説の回」と興奮
その後、MBSがこれまで放送したアニメ作品のラインナップを振り返る「MBSアニメヒストリー」の映像が流れ、2001年から2024年までの放送作品のタイトルがずらり。そして「2025年」のテロップが。そうすると、数字が逆回転して「1975年」のテロップが投影される。1975年より放送が始まった『まんが日本昔ばなし』のタイトルが表示されると、サプライズエンディングLIVEとしてガガガSPが登場。『まんが日本昔ばなし』のテーマ曲「にんげんっていいな」を演奏した。ガガガSPらしいロックンロールナンバーへとアレンジされた同曲。国民的と言っても良い歌詞を、観客も合唱して大団円を迎えた。
あらためてエンドロールが流れ始め「MBSは全てのアニメーションを応援します」とメッセージが浮かび上がった。ただ、そこに「だから!!」の文字が続く。ここでさらなるシークレット作品を示す映像演出が出現。混乱が広がる会場。そこに、「TV animation ONE PIECE 25th」のロゴがスクリーンに。
「時は大海賊時代」。
『ONE PIECE』ではおなじみの声のナレーションが流れると、場内はもはや阿鼻叫喚の大騒ぎ。そう、放送局の垣根を飛び越えて『ONE PIECE』が、まさか、まさかの大トリ。
モンキー・D・ルフィ役の田中真弓が「にしても、みんな遅えな。サンジもいねえし」と言いながらステージに再登場。後を追うように「探しても無駄だ、麦わら屋」の声が。トラファルガー・ロー役の神谷浩史だ。二人の生アフレコによる、『MBSアニメフェス2025』用に描き下ろされたオリジナルアニメがスタートした。ルフィとローが、ワノ国近海に棲息する"主"と遭遇するという内容だった。ラストは「海賊王におれはなる」の決め台詞も飛び出し、割れんばかりの拍手が起きた。
しかし、サプライズはまだ終わらない!『ONE PIECE』の初代オープニング曲「ウィーアー!!」をきただにひろしが熱唱。きただにに合わせて、観客も一緒に拳を突き上げる。さらにこの日の出演者たちも加わり、ステージはまさに大団円。
ありえないことが現実となった、奇跡的な一日。『東京リベンジャーズ』の新は「感動を得させていただきました」、福西は「自分の声優人生にとって偉大な一日」、狩野は「『MBSアニメフェス』ってすげえな」、森久保は「他の作品のアフレコを見入ってしまった」と感激の表情。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の市ノ瀬は「こんなに豪華でいいのって思うくらい、濃い時間がギュッと詰まっていた」、Lynnは「聞こえてくる歓声に私も胸が高まっていました」、阿座上は「伝説の回に来ることができました」、古川は「それぞれの作品に、それぞれの人生が詰まっている」、『ダンダダン』の若山は「今回限りだからこそ喜んでもらえることを一生懸命考えて、やらせていただきました。喜んでもらえたら嬉しいです」、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『ダンダダン』の花江は「『ダンダダン』はまだ"タマ"が戻ってきていないので、(7月より放送の第2期では)『ONE PIECE』ばりに探してください」と感想を口々に。
『進撃の巨人』の梶は「こういった場でみなさんと一緒に、生の作品の空気感を共有できたことが本当に嬉しい」、井上は「今日は私の30代最後の日。『進撃の巨人』は30代を共にし、すべての魂を捧げた作品。それをみなさまの前で演じることができて特別な時間でした」、小野は「また「『MBSアニメフェス』に出られるように、役者として精進したい」、『ONE PIECE』『進撃の巨人』の神谷は「声優になって良かったです。これからも日本のアニメを愛してください」、『ONE PIECE』『ダンダダン』の田中は「今日来てくださったみんなは、俺の仲間だ!」とメッセージをおくり、『MBSアニメフェス2025』は終幕した。
Text by 田辺ユウキ
『MBSアニメフェス2025』DAY1ライブレポートはこちら
(2025年2月 4日更新)
開催日:2025年1月19日(日)
会場:神戸ワールド記念ホール
出演キャスト:新祐樹、福西勝也、狩野翔、森久保祥太郎、市ノ瀬加那、Lynn、阿座上洋平、古川慎、花江夏樹、小野大輔、神谷浩史、井上麻里奈、梶裕貴、若山詩音、田中真弓(順不同)
①ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~
サプライズOPENNING LIVE:KANA-BOON「ソングオブザデッド」
②東京リベンジャーズ
生アフレコ:新祐樹(花垣武道役)、福西勝也(龍宮寺堅役)、狩野翔(松野千冬役)、森久保祥太郎(稀咲鉄太役)
③機動戦士ガンダム 水星の魔女
LIVE:yama「slash」(Season2 OPテーマ)
シユイ「君よ 気高くあれ」(Season1 EDテーマ)
生アフレコ:市ノ瀬加那(スレッタ・マーキュリー役)、Lynn(ミオリネ・レンブラン役)、阿座上洋平(グエル・ジェターク役)、花江夏樹(エラン・ケレス役)、古川慎(シャディク・ゼネリ役)
④進撃の巨人 ★シークレット作品
生アフレコ:梶裕貴(エレン・イェーガー役)、井上麻里奈(アルミン・アルレルト役)、神谷浩史(リヴァイ役)、小野大輔(エルヴィン・スミス役)
⑤ダンダダン
生アフレコ:若山詩音(モモ/綾瀬桃役)、花江夏樹(オカルン/高倉健役)、田中真弓(ターボババア役)
⑥まんが日本昔ばなし
サプライズENDINGLIVE:ガガガSP「にんげんっていいな」
⑦ONE PIECE ★シークレット作品
生アフレコ:田中真弓(モンキー・D・ルフィ役)、神谷浩史(トラファルガー・ロー役)
生LIVE:きただにひろし「ウィーアー!」
DAY1のシークレット作品『ハイキュー!!』、DAY2のシークレット作品『進撃の巨人』のMBSアニメフェス2025オリジナルグッズの販売がイベント終了後に発表された。
2/11(火・祝)23:59まで公式ECサイトで販売中。
MBSアニメフェス2025 ECサイトURL
https://special.movic.jp/shop/special/mbs_animefes_after.aspx