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『MBSアニメフェス2025』が7年ぶり開催
DAY1は『ウィンブレ』『シャンフロ』『呪術』『ハイキュー!!』
中村悠一「シークレット作品ではボルテージが一気に上がって震えました」

関西のテレビ局、MBSが放送したテレビアニメが「夢の競宴」を果たすイベント『MBSアニメフェス2025』が1月18日、19日に神戸ワールド記念ホールで開催。また、全国の映画館でライブビューイングも行われた。

同イベントは、声優たちによる生アフレコやオリジナルシナリオの朗読、そして関連楽曲を担当したミュージシャンたちによるライブなどを2日間にわたって行うもの。「アニメ名場面」「生アフレコ」「主題歌LIVE」の三位一体のイベントとしてアニメファンの間で「伝説化」している。2005年に第1回が開かれ、今回は7年ぶりの実施となった。

そんな『MBSアニメフェス』のおもしろさは、声優やミュージシャンたちが事前告知なくサプライズで登場するほか、シークレット作品も用意されるなど「なにが起きるのか分からない」というドキドキと高揚が味わえるところ。1月18日のDAY1も、事前告知されていた作品タイトルは『WIND BREAKER』、『シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜』、『呪術廻戦』、そして出演する声優は内田雄馬、ミュージシャンはなとりのみだった。

ちなみにDAY1の前説マナー映像も『進撃の巨人』が担当すること以外、中身はシークレットだった。そこに登場したのは、『進撃の巨人』のハンジ(CV:朴路美)。満席の会場に向けて「こんなに集まるなんて、最高にカッコつけたい気分だよ」と劇中台詞を口にし、さらに「『MBSアニメフェス2025』に心臓を捧げよ」と鼓舞するなどして、イベントを勢いづかせた。

『WIND BREAKER』桜遙が歯を食いしばって戦う様子を内田雄馬が力演

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オープニングを飾った作品は『WIND BREAKER』。2024年4月から放送された同作のオープニング曲「絶対零度」を歌うなとりがまず登場し、作品の名場面を背景にエネルギッシュなロックサウンドの歌唱を聞かせると、フロアは一気にヒートアップ。なとりは曲中「『MBSアニメフェス』、一言言わせてください。ぶちあがっていこうぜ」と盛り上げた。

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そのあとすぐ「弱いのに自分が強いと勘違いしてるヤツは...ヘドが出る」の台詞とともに、主人公の桜遙役の内田雄馬が登場。大勢に囲まれても屈することのない桜遙の大立ち回りを演じた。続いて、蘇芳隼人役の島﨑信長、梅宮一役の中村悠一、十亀条役の梅原裕一郎がサプライズで壇上に現れ、歓喜の悲鳴が連発。

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役者が揃ったところで熱演されたのが、多くのファンを魅了したエピソード「激闘の獅子頭連戦」。頭を踏みにじられる桜遙が歯を食いしばる様子を内田が力感いっぱいに演じた。さらに梅宮が、友人以上の関係でもある宿敵・兎耳山丁子から激しい攻撃を受けても彼を受け入れる"強さ"を見せるところを、中村が奥深い演技で表現。

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ダイナミックなアクションシーンの中に込められたメッセージの数々が、観る者を熱い気持ちにさせていった。



『シャングリラ・フロンティア』では
「レジェンド・オブ・アニメ声優」がサプライズ登場


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2作品目は『シャングリラ・フロンティア』。まずエンディングテーマ「エース」を担当するCHiCOがパフォーマンス。<いつだって本気であれ>と気合十分に拳を振りかざしながら、パワフルに歌い上げていった。

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「えーっと、ゴッドドア(=神戸)ってここで合ってる?」と周りを見渡しながらステージにやって来たのは、"二連投目"になる内田雄馬。同作でも主人公のサンラク/陽務楽郎を演じている内田は、サプライズ出演のアーサー・ペンシルゴン/天音永遠役の日笠陽子、オイカッツォ/魚臣慧役の小市真琴とともに、本イベント用に書き下ろされたストーリーの朗読を披露。「最高級のトマトを探せ」「三日天下をとれ」といったミッションを課せられ、名作アニメのネタを絡めながらクリアを目指した。

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ユニークなオリジナルシナリオの朗読後、「さあ、宴とまいりましょう」の声が響く。場内はどよめきが起き、内田の「レジェンド・オブ・アニメ声優!」の紹介とともに出現したのが速水奨。日本を代表する名声優である速水は墓守のウェザエモン役をつとめており、そのまま同作屈指のエピソード「墓守のウェザエモン戦」の生アフレコに。サイボーグ型のアンデッドモンスターであるウェザエモンが抱えている深い悲しみを、速水が生アフレコでリアルに再現した。目の当たりにできた観客にとって、まさに感激の極みだった。

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『シャングリラ・フロンティア』パートのラストは、1st Season 第2クールのエンディングを担当したReoNaのバラード曲「ガジュマル〜heaven in the Rain〜」の演奏。ハスキーな歌声から確かに感じる温かみで観客を魅了した。

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『WIND BREAKER』、『シャングリラ・フロンティア』のトークパートでは、「レジェンド・オブ・アニメ声優」と称された速水が「恥ずかしい、今からやり直してほしい」と照れ笑い。さらに「3、4話分の台詞を全部喋った」と内容が盛りだくさんの生アフレコ用のシナリオだったことを明かした。内田は「こういう熱量で収録しているんだなって、感じてもらえたんじゃないでしょうか」と振り返った。



『呪術廻戦』榎木淳弥と諏訪部順一が虎杖、両面宿儺の入れ替わりを再現

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animefes1-250130-18.jpg3作品目は『呪術廻戦』。TVアニメの第1期第2クールのオープニング曲であるWho-ya Extendedの「VIVID VICE」のヘヴィなサウンドが場内に轟くと、場内は一気に『呪術廻戦』のムード。激しいギターサウンドと力強いボーカルで熱気を高めていった。

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ここでもまず、内田雄馬が伏黒恵役として登場。次に主人公・虎杖悠仁役の榎木淳弥が登壇すると、TVアニメ第1期「呪胎戴天」の両面宿儺(りょうめんすくな)の指を飲み込む名場面などを再現した。虎杖が両面宿儺に変貌するところでは、大歓声に迎えられながら着物姿の諏訪部順一が出演。虎杖の体内で、虎杖と両面宿儺の二人の人格がやり合うところを、榎木と諏訪部が巧みに演じていった。

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また、黄色い歓声を浴びたのは中村悠一演じる五条悟。「大丈夫。僕、最強だから」の決め台詞が発せられると、盛り上がりはピークに。さらにTVアニメ第1期「幼魚と逆罰」の再現では、真人役の島﨑信長がその狡猾なキャラクターをステージで演じてみせ、不気味な笑い声を会場に響き渡らせた。「領域展開」のシーンでは、放射線状のライトが客席側に広がるなど臨場感あふれる照明演出も繰り広げられた。

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『呪術廻戦』のパートの最後は、ALIによる第1期第1クールのエンディング曲「LOST IN PARADICE feat.AKLO」の演奏。ソウルフルかつセクシーな歌とサウンドは、神戸ワールド記念ホールを"ダンス会場"に変えた。

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『呪術廻戦』のトークパートでは、榎木が「久しぶりに第1期をやりましたが、めちゃくちゃ疲れますね」と生アフレコのハードさを語りながらも、「オンエアのときとはまた違う解釈があったのではないでしょうか」とこのイベントだからこその捉え方ができると話した。また諏訪部はサプライズ出演について「どうだい、びっくりしただろう」とクールに嗤う。ちなみに貫禄十分の着物姿に対しは、共演者から「完全に演歌歌手じゃないですか」「着物にネックレス、えぐい!」とツッコミが飛んだ。



シークレット作品は『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』

animefes1-250130-34.jpg3作品のパートが終了し、DAY1のエンドロールが流れる。しかし突然、映像が乱れて『呪術廻戦』の五条悟が映し出され、「やるでしょ、サプライズ」と宣言。ラインナップルーレットが再び回り出すと、場内は混乱と戸惑いの声が広がる。

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そして、アニメファンなら見覚えがある猫の耳が出てくると、あちこちから「マジで?」「ちょっと待って...」と驚きの声が続出。シークレット作品は、2024年公開の映画『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』だ。

劇中の「もう一回がない試合」と言われる「両雄烏野高校対音駒高校」の一戦を、日向翔陽役・村瀬歩、影⼭⾶雄役・⽯川界⼈、孤爪研磨役・梶裕貴、黒尾鉄朗役・中村悠一が演じてみせると、感動の声と涙が会場を包み込んだ。中でも、淡々とバレーボールに臨んでいた孤爪研磨がプレーのおもしろさに気づきはじめ、「苦しい」と感じながらもそこに楽しみを覚える感情の変化を、梶が丁寧に表現してみせた。あらためて『ハイキュー!!』の魅力に気づかせられるパフォーマンスとなった。

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さらに同映画主題歌「オレンジ」をSPYAIRがサプライズ演奏。オレンジ色のサイリウムが会場中に広がり、エモーショナルな瞬間となった。

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トークパートでは村瀬が「みなさん、気づくのが早いなって。猫の耳が出て来ただけで、すごいなって」とびっくりした表情。石川は「(自分の声は)録音の音声だと思ったんじゃないですか? それだけ再現度が高かったということで」、梶は「研磨の台詞の9割方が(今回のイベント用映像に)詰まっていました(笑)。映画を観たことがない人には『こういう話です』って」、中村は「シークレット作品ということでボルテージが一気に上がって。震えました」とそれぞれが興奮気味に語った。

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内田雄馬「これからもアニメをたくさん、たくさん楽しんで」


7年ぶり開催となった『MBSアニメフェス2025』のDAY1。この日の出演者が全員揃ったフィナーレの場では、『WIND BREAKER』『シャングリラ・フロンティア』『呪術廻戦』の内田は「いろんな人が関わってアニメってできあがっています。これからもアニメをたくさん、たくさん楽しんで」、『WIND BREAKER』『呪術廻戦』の島﨑は「かけがえのない時間でした」、『WIND BREAKER』の梅原は「これまで作られた作品、これから作られる作品、みんな必死に作っていますのでみなさん楽しんでいただけたら」、『WIND BREAKER』『呪術廻戦』『ハイキュー!!』の中村は「久しぶりに役を演じられて本当に楽しかったです」とコメント。

『シャングリラ・フロンティア』の日笠は「各作品、音楽と共に熱いシーンも演じられ、私も楽しめました」、小市は「錚々たるメンバーの中で出演させていただき、すごく嬉しいです」、速水は「世の中は愛と希望と勇気でできています、これからも一緒に楽しく過ごしましょう」、『呪術廻戦』の榎木は「こんなに多くの方に来ていただいて、すごくフェス感があるイベントになったと思います」、諏訪部は「サプライズ登壇ということで、(釘崎)野薔薇じゃないんかいと言われるかと思いましたが、どうにか歓声が起きて良かったです」、『ハイキュー!!』の村瀬は「まさかの"もう一回"をみなさんの前でできるとは、また別の感動が生まれました」、石川は「アニメの未来を感じて、これからも一生懸命、アニメ制作を頑張りたいです」、梶は「この場所へ戻ってくることができて嬉しかったです。またいつかみなさんの前で、生でお芝居ができれば」とそれぞれ感想を話し、DAY1は終了した。

Text by 田辺ユウキ

『MBSアニメフェス2025』DAY2ライブレポートはこちら




(2025年2月 4日更新)


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『MBSアニメフェス2025』DAY1

開催日:2025年1月18日(土)
会場:神戸ワールド記念ホール
出演キャスト:内田雄馬、島﨑信長、中村悠一、梅原裕一郎、日笠陽子、古市眞琴、速水奨、榎木淳弥、諏訪部順一、村瀬歩、梶裕貴、石川界人(順不同)

Set List

①WIND BREAKER
LIVE:なとり「絶対零度」(Season1 OPテーマ)
生アフレコ :内田雄馬(桜遥役)、島﨑信長(蘇枋隼飛役)、中村悠一(梅宮一役)、梅原裕一郎(十亀条役)

②シャングリラ・フロンティア
LIVE:CHiCO「エース」(1st Season 第1クールEDテーマ)
ReoNa「ガジュマル」(1st Season 第2クールEDテーマ)
生アフレコ:内田雄馬(サンラク役/陽務楽郎役)、日笠陽子(アーサー・ペンシルゴン役/天 音永遠役)、小市真琴(オイカッツォ役/魚臣慧役)、速水奨(墓守のウェザエ モン役)

③呪術廻戦
LIVE:Who-ya Extended「VIVID VICE」(第1期第2クールOP)
ALI「LOST IN PARADISE feat. AKLO」(第1期第1クールED)
生アフレコ :榎木淳弥(虎杖悠仁役)、内田雄馬(伏黒恵役)、中村悠一(五条悟役)、島﨑信長(真人役)、諏訪部順一(両面宿儺役)

④劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦 ★シークレット作品
LIVE:SPYAIR「オレンジ」
生アフレコ:村瀬歩(日向翔陽役)、石川界人(影山飛雄役)、梶裕貴(孤爪研磨役)、中村悠一(黒尾鉄朗役)

オリジナルグッズ販売

DAY1のシークレット作品『ハイキュー!!』、DAY2のシークレット作品『進撃の巨人』のMBSアニメフェス2025オリジナルグッズの販売がイベント終了後に発表された。
2/11(火・祝)23:59まで公式ECサイトで販売中。

MBSアニメフェス2025 ECサイトURL
https://special.movic.jp/shop/special/mbs_animefes_after.aspx