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「僕の音楽をずっと好きでいてくれて、とても感謝しています」
70歳にして第一線! ギターインストのレジェンド高中正義が
サマソニから意外な機材、オールタイムベストな全国ツアーまで
10/1(日)大阪城音楽堂ワンマンに向けて語るインタビュー

 この夏は『SUMMER SONIC 2023 TOKYO』に初登場。艶やかなギタープレイで、海沿いのBEACH STAGEに集った多くの観衆を魅了した高中正義。そんな日本インスト音楽史におけるレジェンドの古希=生誕70年を記念した、オールタイムベスト構成の全国ツアー『TAKANAKA SUPER BEST LIVE 2023 ULTRASEVEN-T』が、9月18日(月・祝)群馬・太田市新田文化会館 エアリスホールよりいよいよスタートする。同ツアーでは、サディスティック・ミカ・バンド(’72年〜)、サディスティックス(’76年春〜)&並行して始めたソロ(’76年7月〜)と、これまでのキャリアを総括したベストなセットリストで、『タイムマシンにおねがい』('74)、『READY TO FLY』(’77)や『BLUE LAGOON』(’80)、『JUMPING TAKE OFF』('83)ほか名曲群を多数演奏予定。10月1日(日)大阪・大阪城音楽堂での野外ワンマンライブに向けて、名実共に日本が誇るスーパーギタリストとして走り続ける高中正義が語る、サマソニの思い出、音への探求心、ツアーへの意気込み、そして、ファンへの思い…必見です!



僕も70歳になったから、今はもうオマケみたいな人生ですよ


――高中さんの近況としては、何と言っても『SUMMER SONIC 2023 TOKYO』への出演があって。SNSでも、"夕暮れの海沿いで高中正義を聴くというシチュエーションが最高だった"みたいな反応が多かったですね。

「フェスは久しぶりで...いや~暑かった(笑)。いろんなバンドが出るから準備の時間もあんまりなくて、割とぶっつけ本番みたいな形でしたけど、海の隣のBEACH STAGEだったから、ギターを弾きながら横を見ると、きれいな海が見えてね。昔、九州で井上陽水や忌野清志郎、細野晴臣さんたちと一緒にやったときも、ロケーション的に気持ち良かったけど(=福岡・海の中道海浜公園で開催された『ACOSTIC REVOLUTION STAR STOCK 91』にスペシャルバンド、"ハバロフスク&マフィア"として出演)、サマソニでは外国人のお客さんも踊って見てくれていて、すごく楽しい雰囲気で。久々に珍しい体験をしました。ただ、暑過ぎて終わったら即、涼しい軽井沢に帰りましたけど(笑)」

――セットリストの最後には、加藤和彦(vo&g)さん、高橋幸宏(ds)さんらと結成されたサディスティック・ミカ・バンド時代の『黒船』('74)も披露されて。

「僕が思い出すのは、"後の人生はオマケみたいなもんだ"という言葉で。ゲーム『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』に出てくるんだけど(笑)。高橋も、『SONNA BAHAMA!』('86)を一緒に作った坂本龍一も天国に行っちゃったけど、僕も70歳になったから、今はもうオマケみたいな人生ですよ」



――高中さんが70歳=SEVENTYになったのをもじって、今年の全国ツアーのタイトルは『TAKANAKA SUPER BEST LIVE 2023 ULTRASEVEN-T』ということで。昨年のツアーは名盤『SAUDADE(サダージ)』('82)を再現するというテーマがありましたけど、今回はオールタイムベスト的な構成を予定していると。

「今回は特にセットリストの後半が、"これでもか!"というぐらい盛り上がるというか結構大変で。ちょっと体力を使うけど頑張ろうかなと。『READY TO FLY』('77)とか『BLUE LAGOON』('80)はもちろんやるけど、飽きられないように新鮮な曲も多少入れつつ(笑)」

~ここで高中がおもむろにバッグからミニアンプ(=ポジティブ グリッドのスパークゴー)を取り出す~

「あと、昔ながらのアンプとスピーカーに加えて、たまにはこういう新しいアンプも使ってみようかと。これ、見たことあります? 自分の背より高いマーシャルのアンプを3つ並べて鳴らす人とかもいるけど、これでほとんど同じ音が出るんですよ。今回のツアーでもある曲の一部分に使うんだけど」

――自宅練習用とかじゃなくて、ライブの本番でも使える音質なんですね。すごいなぁ...!

「(アンプと連動したスマホのアプリを操作しながら)これがひずんだ音、こっちがクリーンな音みたいに調整ができて、エフェクターも付いてるんですよ...って何か宣伝みたいになっちゃうけど(笑)。最近はいろんなアンプの要素をそっくりに再現したシミュレーターみたいなものがどんどん出てきて、しかも小型化してるから」

――これまではライブの機材をトレーラーで運んでいたのが、いずれ小さいワゴンで運べるようになったりして。

「あり得ますよ。毎月ギターの雑誌を読んでると、"これ欲しいなぁ~"っていうものが出てきちゃうんですよねぇ」


夕方に暗くなって、照明が効き出す頃に風が吹いてくると最高なので


――そして、ツアーの大阪公演は10月1日(日)、恒例の大阪城音楽堂で行われます。

「やっぱり10月ぐらいがちょうどいいよね。夕方に暗くなって、照明が効き出す頃に風が吹いてくると最高なので」

――昨年の野音も満員で、ゴージャスな編成でのライブは本当に贅沢な空間だったなと。

「僕はビートルズが好きでギターを始めて、テン・イヤーズ・アフターにハマって、結局、大学にも行かず18歳でプロになって...ギターで失敗したらバーテンダーになろうと思ったこともあるけど(笑)、好きな音楽をここまでやってこれたのは、ライブを見に来てくれるお客さんのおかげだから。時には"ライブで『黒船』を聴いて泣きました"とかいうメールを読むこともあって...その方は学生時代に僕の曲を聴いてくれて、カセットに好きな曲を集めて、彼女を乗せてドライブに行ったのかもしれない。僕の音楽を最初はイヤイヤ聴かされていた彼女も(笑)、だんだんファンになってくれたかもしれない。そういう方たちも同じように年を取って、子ども連れでライブに来てくれたり...ありがたいですよ。僕の音楽をずっと好きでいてくれて、とても感謝しています」

――70歳になった今でも現役で、この規模感で、全国を回れるのはすごいと思います。

「できれば年中、週末にライブをやれば、お酒の量も減るし(笑)、指の練習にもなるかなと。ツアーは3回、4回、5回とやって慣れてきたら飲めるんですけどね」

――じゃあ、ちょうどツアー5本目の大阪城音楽堂では乾杯を解禁できるかもしれないですね(笑)。今年も楽しみにしています。本日はありがとうございました!

Text by 奥"ボウイ"昌史




ライター奥"ボウイ"昌史さんからのオススメ!

「僕は今年『FUJI ROCK FESTIVAL'23』にも行ったんですけど、 GREEN STAGEで見た御年74歳のロックスター矢沢永吉さんといい、サマソニを沸かせた70歳のギターレジェンド高中正義さんといい、今でも素直に"すげー!"と思える先達がいることがうれしくて。昨年に引き続き、今年も高中さんのインタビューを担当できて光栄でした。いまだ現役でライブをし続けてくれるからこそ、青春時代がよみがえる喜びを感じる方もたくさんいるでしょうし、オールタイムベストな今回のツアーでは幅広い世代のファンを満足させること間違いなし。ぜひマジックアワーの大阪野音でお会いしましょう!」

(2023年9月15日更新)


Check

Release

昨年の『SAUDADE(サダージ)』
ツアー日比谷野音公演をBlu-ray化!

 
Blu-ray
『TAKANAKA SUPER LIVE 2022
 SAUDADE』
【初回生産限定盤CD2枚組付】
発売中 7700円
Lagoon Records LAGB-7~9
※同内容のライブCD2枚組付。

【通常盤】
発売中 5500円
Lagoon Records LAGB-10

<Blu-ray収録内容>
01. A Fair Wind
02. Saudade
03. Eona
04. Breakin' Loose
05. Pipe Creek
06. Alone
07. The Forest of My Heart
08. New York Strut
09. SUMMER YOU
10. エピダウロスの風 '86ver.
11. ALL NIGHT
12. 渚・モデラート
13. TAJ MAHAL
14. WOODCHOPPER'S BALL
15. Manifestation
16. THUNDER STORM
17. EARLY BIRD
18. BLUE LAGOON
[Encore]
19. READY TO FLY
20. 黒船

Profile

たかなか・まさよし…’53年生まれ、東京都出身。’71年、つのだ☆ひろ、故成毛滋に誘われフライド・エッグにベーシストとして参加。これがプロミュージシャンへのきっかけとなりキャリアをスタートさせる。’72年、サディスティック・ミカ・バンドにギタリストとして参加。同バンドは解散するが、後に結成されるサディスティックスのメンバーとして活動を続ける。’76年、アルバム『SEYCHELLES』でソロデビュー。以降、『READY TO FLY』(’77)『BLUE LAGOON』(’80)など多くの名曲を発表。’81年にリリースされた代表作『虹伝説 THE RAINBOW GOBLINS』は、日本インスト音楽史に残る超大作に。リー・リトナー、サンタナ、ナラダ・マイケル・ウォルデン、シーラ・E他、海外の大物ミュージシャンともアルバムやライブで共演。’00年に自社レーベル、Lagoon Recordsを設立。現在も毎年精力的に全国ツアーを行っている。

高中正義 オフィシャルサイト
https://takanaka.com/

Live

古希=70歳を飾るベストな全国ツアー
大阪城野音ライブが間もなく開催!

 
『TAKANAKA SUPER LIVE 2023
 ULTRASEVEN-T』

【群馬公演】
▼9月18日(月・祝)太田市新田文化会館
エアリスホール
【広島公演】
▼9月22日(金)NTTクレドホール
【福岡公演】
▼9月23日(土・祝)福岡国際会議場
メインホール
【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼9月30日(土)日比谷野外大音楽堂
 

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード241-954
※販売期間中はインターネット販売のみ。
 チケットの発券は9/17(日)10:00以降と
 なります。
▼10月1日(日)17:00
大阪城音楽堂
古希席(お土産つき)11000円
指定席9000円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※雨天決行・荒天中止。3歳以上有料。

チケット情報はこちら


【神奈川公演】
▼10月8日(日)茅ヶ崎市民文化会館 大ホール
【宮城公演】
▼10月14日(土)SENDAI GIGS
【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼10月18日(水)かつしかシンフォニーヒルズ
モーツァルトホール
【愛知公演】
▼10月22日(日)Zepp Nagoya
【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼10月28日(土)ルネこだいら
(小平市民文化会館) 大ホール
【北海道公演】
▼12月21日(木)カナモトホール

【東京追加公演】
『TAKANAKA SUPER BEST LIVE 2023
 ULTRASEVEN-T FINAL』
▼12月29日(金)Zepp Haneda(Tokyo)
 

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 晴れ男になりたいんですが(笑)」
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