インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 「自分の体験したことが、自分の言葉になってどんどん出てきてる」 ハク。覚醒中! 素朴で壮大な新作『僕ら』が示す’23年の道しるべ この一年の変化を映したバンドの現在進行形を語る あい(g&vo)×カノ(b)インタビュー&動画コメント


「自分の体験したことが、自分の言葉になってどんどん出てきてる」
ハク。覚醒中! 素朴で壮大な新作『僕ら』が示す’23年の道しるべ
この一年の変化を映したバンドの現在進行形を語る
あい(g&vo)×カノ(b)インタビュー&動画コメント

 キャリア初のミニアルバム『若者日記』('22)のフィジカルリリース、初のワンマンライブを地元大阪で開催etc、平均年齢20歳のフォーピースバンドというみずみずしさもそのままに’22年を駆け抜けたハク。が、昨年末より配信してきた『ナイーブ女の子』『無題』『直感way』に、いち早くYouTubeにてショートバージョンが公開されていた『ハルライト』のフルバージョンを加えた、デジタルE.P.『僕ら』を3月8日にリリースした。セオリーにとらわれない独自のワードチョイスをデイドリーミングなポップサウンドに乗せた全4曲には、宇多田ヒカル、絢香、ねごとなど数々のアーティストプロデュースや楽曲制作を手掛けてきた河野圭が参加。進化を遂げるハク。のネクストフェーズを絶妙にリードしている。なお、リリース後には東阪でレコ発ライブ『ハク。presents.”譲らない心で遊ぼう“』も開催。3月16日(木)大阪・LIVE HOUSE Pangeaではベルマインツ、3月28日(火)東京・Flowers Loftでは東京少年倶楽部、Hwyl、the pulloversと共演。ハク。の'23年が本格的に動き出す。あい(g&vo)とカノ(b)が、この一年の変化を映した、ハク。の現在進行形『僕ら』を語るインタビュー!



自分たちの意思をここで残しておきたかった


――キャリア初のミニアルバム『若者日記』のリリースから約1年、SNSを見ていても以前のように迷ったり悩んだりするよりは楽しいことも多くて、続けていく覚悟も感じられた'22年だったのかなと思ったんですけど。

あい「それまでは自分だけが孤立してる感覚が結構あって、ぶつかってくる出来事にダイレクトにやられてたけど、今はみんなにそれがあるというか、自分だけじゃないんだなと気付いた。だからメンバーの誰かが落ち込んだとしても、寄り添うだけが優しさじゃなくて、近づかない、関わらないことも時には大切という。4人で"このライブに向けてどうしていこうか?"みたいに悩むのと、個人で悩む違いが分かるようになってきたと思います」

――視野が広がったからこそ理解できることがいっぱいあって。大人になったのかな?(笑)

あい「フフフ(笑)。あとはいろんな人と関わって、感情だけで動かなくなったのもあると思います」

カノ「この3月に専門学校を卒業するんですけど、1年生のときは新しいこととかチームがちょっとずつ大きくなることに、どこか背を向けて受け入れ切れてなかったけど、去年は『若者日記』を出したりワンマンをしたり、大きいイベントにも出させてもらって...やっぱり覚悟を決めなあかんというか、芯を持たないといけない焦りみたいなものに変わっていって。その中で、"うわ、学生も終わるしこの先どうしよう? でも、ハク。はずっとやっていきたいな"と思えたのが、一番変わったところですね。ホンマにちょっとずつやけど、自分たちにとってプラスなことや引き出しも増えて、この1年で"やってやるぞ!"という確固たる気持ちができた気がします」

――ハク。を続けていくんだと確信する具体的な転機はあった?

カノ「最初に思ったのは初めて東京遠征に行ったときで、自分が落ちていたところから救われた感覚があったんですよ。それから『若者日記』をリリースしたときや、その後にワンマンしたときも、"求めてくれてる人がこれだけいるんや"とか、メンバーもお互いに求め合ってると感じて..."一人じゃない"と思えたのはデカかったかな」

――"一人じゃない"と思えたのは2人ともに共通してる事項ですね。新作の『僕ら』に収録されている4曲は、そんな日々を映したような、まとめたような作品ですね。

あい「今年はフルアルバムを出すつもりなんですけど、そこにつながるように自分たちの意思をここで残しておきたかったというか...自分たちじゃないと、ハク。じゃないとダメなのはなぜなのか...そういう気持ちを忘れないE.P.にしたいなと思って、収録曲は選びました」


今回はハク。がいろいろとステップアップしていった中で作った曲


――『若者日記』以降、歌詞しかり音しかり確実に変わってますよね。その辺の自覚はあります?

あい「今でも真っすぐ歌詞を書く曲もあるんですけど、いろんな角度から見て書けるようになったなと。自分の体験したことが、自分の言葉になってどんどん出てきてる。ちゃんとした文章じゃなくていいやと思っていたものも、形にできるようになったのはすごく感じますね」

――『若者日記』より独自の言葉選びをするようになったからこそ、ある意味、抽象的な描写も増えたなと思いました。そういう変化はメンバーとしても感じました?

カノ「感じましたね。『若者日記』はバンドを組んですぐぐらいに作った曲を、練って練ってやっと形にできたんですけど、今回はハク。がいろいろとステップアップしていった中で作った曲で。ただ、『無題』(M-4)だけは結成して5曲目ぐらいにできた曲なので、それ以外は"この歌詞はどういう意味?"とか、"どういう曲調を聴いてイメージしたん?"とか...そういうことも聞いておかないと、曲にどう自分を乗せていいかが分からないので、あいちゃんのイメージを深く掘ろうという気持ちは今までよりありましたね。私たちがそれを本当にそのまま全部表現できているかは、正直まだまだ分からないんですけど、それでも今の最大限はできたかなって」

――今回はお互いにより踏み込んだ。

カノ「お互いに踏み込んでもいますし、曲について聞いたとき、今までよりも具体的な答えが返ってくる。それは実体験を落とし込んでるからかもしれないですけど、あいちゃんから出るものが変わってきて、しっかり芯のあるものになってきてるんやなって。めっちゃ頼もしいボーカルやなと思うようになりました!」

あい「いやぁ(照笑)。パフォーマンスとかメンタル面は昔から弱いしまだまだやけど、曲とか詞に関しては自信を持てるようにはなってきたかなと思います。曲を作ってるときはめっちゃ楽しい。でも、曲が書けへんときに"もう近づかんといて"みたいな空気が出てるのは申し訳ないけど。それぐらい曲作りには真剣になれましたね」



――"この歌詞はどういう意味?"ということで言ったら、『ナイーブ女の子』(M-3)の"白線をはみ出す様にファミレスの角が緑のシュワシュワ"って...いったい?

カノ「アハハ!(笑) 分からへんホンマに」

あい「確かにこの曲は瞬間的にバーッと書いたから、最初からみんなに共感してほしい気持ちはそんなになくて...でも、サビは分かりやすいからいいんじゃないかなと思ったっていう(笑)」

――他にも、"秘伝の書だけがその日を残す"の、秘伝の書って?

カノ「気になる〜!」

あい「音楽をよく知ってる人に話を聞いたとき、"誰々のルーツはこれで"とか、"これとこれは同じ系統で"とか、時系列みたいなものをブワ〜ッと書いてくれたんですよ。だからそれをもう全部聴こうと思って、そのバンドの曲のここがいいとかメモもしたし。それが秘伝の書です(笑)。あと、これは恋愛の曲なんですけど...やだ〜!(照笑)」

――なるほど、そうやって解説されるとめっちゃ分かる!(笑)  突っ込んで聞くのは野暮かなと思いつつ、やっぱり今の話を知ると楽曲の解像度が上がるというか。

カノ「そうなんですよ! 歌詞をじっくり読んでそのことを聞いたら、余計にキュンとしますよね? ってなると届け方も変わる。それこそ『ナイーブ女の子』は、今までとはちょっと違う歌詞やなと思って。でも、あいちゃんが普段から目にしてるものとか感じるものをそのまま残してくれてる感じはあったから」

――となると、"白線をはみ出す様にファミレスの角が緑のシュワシュワ"についてもやっぱり聞きたくなるね(笑)。

あい「まぁ普通はここから出たらダメだよ、危ないよという白線をはみ出さないようにするもんですけど、その人は自由だからはみ出ちゃうので"白線をはみ出す様に"。"ファミレスの角"はそのときファミレスの角の席に座ってたから、"緑のシュワシュワ"は、メロンソーダを飲んでたからです(笑)」

――あいちゃんの実体験に基づいてはいるけど、言葉遣いの独特さがさらに加速して、ドリーミングな曲調ともマッチした白昼夢っぽい感じで。この辺のテイストは『若者日記』までとはひと味違いますね。


河野さんのおかげで、音楽を理解することに対してみんなが鋭くなってきてる


――今作に関しては、宇多田ヒカル、絢香、ねごとなど数々のアーティストプロデュースや楽曲制作を手掛けてきた河野圭さんが全曲に参加していて。

カノ「『無題』『ナイーブ女の子』『ハルライト』(M-1)『直感way』(M-2)の順にできて、去年の春の初ワンマンの頃には一応、全曲原型はあったんですよ。そこにエッセンスを加えるところで河野さんと一緒にやりました」

あい「例えば、自分がメンバーに伝え切れなかったことを音の長さで教えてくれたりするので、"そうやって伝えればいいんや"って思うし、それによってドラムとかならフィル一つに対してもまゆ(ds)の引き出しが増え始めたというか。河野さんのおかげで、音楽を理解することに対してみんなが鋭くなってきてるのはありますね」

――言わば河野さんは、バンド内での音楽的な会話を翻訳してくれているような。

あい「私にとってはそんな存在だし、歳上だけど今は友達みたいでうれしいです(笑)」

カノ「あいちゃんの言い方も河野さんにだんだん似てきてるもんな(笑)。4人だけのスタジオとかでも、"いやそれ河野さんが言いそう!"みたいなことをあいちゃんから言われるようになりましたから(笑)。多分、元々通じるものがあったから円滑にいったんやろうなと」

あい「ただ、最初はこっちも思いをうまく伝えられず、河野さんは河野さんでバンドとの距離感がまだ分からないから、お互いにちょっと戸惑いはあったよね? 河野さんはもっと上の次元の話をしてくれてたのに、私にも譲れないところがあって飲み込めないとか(笑)」



――『ハルライト』は昨春ショートバージョンが発表されていましたが、"KDDIのコンセプトショップGINZA 456の『つなぐプロジェクト』にインスパイアされて制作"という、その全てのワードが"どういう意味?"っていう(笑)。

あい「私も最初は全然分からんかった(笑)。これは本当に急にお話をいただいたんですけど、コロナ禍でお花見も満足にできない時期に、ライトとかプロジェクターを使った室内のブースをお客さんが歩けるようになっていて...」

カノ「そこにコロナ禍で伝え切れなかった思いとか、平和になってほしい願いとかも飾れて」

――バーチャルの桜の並木道のような。何かモチーフに向かって書いていくのも初めてのトライでしたよね?

あい「そうですね。ただ、最初に一曲できたものの曲調が暗く感じてきて、改めて作ったのが『ハルライト』だったんですけど、先にできた曲に気持ちを引っ張られちゃって、いろいろ大変だったという」

――ハク。はまだストックも少ないから、一曲一曲に思い入れが生まれるでしょうしね。

あい「だから気分を変えるために明るい曲を聴いたり、逆に音楽を聴かんとこうと思ったこともありました。そこが音楽に対して初めて"あ、ちょっとしんどいな"ってなった時期かも」

カノ「自分が影響を受けたものから作るんじゃなくて、コンセプトをもらって書くのは、当時のあいちゃんにとってホンマに難しかったんやろうなって感じるぐらい、いつもより覇気がなかったです(笑)。制作期間も短かったんで、こっちはこっちでそのイメージを吸収し切れないうちに動き出さないといけないのは、今までとは違う初めての経験でした。そんなにピリピリしてるわけじゃなくても、どこか張り詰める空気があって」

――今までで一番プロの現場っぽいシチュエーションで。でも、ショートバージョンだからまだよかったですよね。

カノ「ホンマにそう!(笑)」

あい「フルだったらごめんなさいしてたかもしれない(笑)」

――今作で満を持して聴ける後半部分は、シンガロングで終わるような最後の展開にも工夫が感じられるし、アウトロのベースラインもいいですね。最終的には、しっかり形にできたのが伝わってきます。

あい「『ハルライト』の伴奏は、春の桜が風で動いてるというか、音がごちゃごちゃ混ざってる感じを大切に作りましたね。あと、最後の"溢れ出す願いを忘れないでいて~"っていうところは、初めてみんなで歌いました」

カノ「マイク一本に対して4人が立ってね。マイクの角度とか、声の遠さ、高さも変えてみたり」

あい「カノは得意の低音で、男性風に歌ったり(笑)。自分たちを解放できる雰囲気が楽しかったですね」

カノ「なずな(g)なんかは、去年の自主企画まではライブでもマイク自体立ててなかったんですよ。それがレコーディングではこんなに楽しそうに歌うんやって。元々歌うのはみんな嫌いじゃないんですけど、意外な発見でしたね」


私は優柔不断なくせに勢いで選んじゃうタイプ


――『直感way』は最近配信された、言葉遣いもファニーな曲で。



あい「毎日生活してると、いろんな選択肢があるなと思って。私は優柔不断なくせに勢いで選んじゃうタイプなんですけど。逆に"やりたくなくなったから辞める"ができない、途中で変えられない人とかもいるやろうし」

――これから社会に出る世代ならではの惑いというか、"このままでいいのかな?"と思う揺らぎが感じられます。特に、"いつまでも通用するか期限が怖い"というラインは、ハク。の現在進行形とも言えますよね。

あい「本当にその気持ちで書いた(笑)。だから今回は、"詞がいいね"と言われるとうれしいけど複雑な気持ち(笑)」

――そうやって悩んでる間にふと入る、"鼻の膨らみを気にしちゃった"というフレーズが、何ともキュートだなと。

カノ「あいちゃんらしくて、何か憎めないですよね」

あい「夜中に大泣きして"こんなんじゃダメだ、何のために歌ってんねん"と思ったとき、鼻がめっちゃ赤くなって膨らんでるのを鏡で見て、"これも曲にしてやる!"と思って(笑)」

――そのタフさがまさにこの一年の成長かもしれない。『若者日記』の頃は言葉の乗せ方が面白いという話をしましたけど、今作ではもう言葉自体が面白くて。好きな人="Love人"と表現する発想とかは、なかなかないですよね。

カノ「あいちゃんの普段の言葉とか言い回しが『直感way』には出てるなって。何か...ルー大柴さんみたいな(笑)」

(一同爆笑)

――そういう意味では、歌詞っぽい言葉じゃなくて自分の言葉になってきたのかも。

あい「何か...恥ずかしい! 今日の取材、コップの水の減りがハンパない!(笑)」

スタッフ「どんどんめくられていってる(笑)」


素朴な歌詞だけど壮大な景色が見える


――そして、最後の『無題』はゆったりとしたBPMで、歌詞に"僕ら"という言葉が出てくる、今作のタイトルチューンにも思えるような存在感の楽曲です。



カノ「ハク。の2本目ぐらいのライブでも演奏していた初期の曲なんですけど、当時は高校2~3年生で手応えは正直なくて。でも、あいちゃんが作る曲に対しての誇りみたいなものだけはあったから、大事やなと思ってきた曲で」

あい「作った頃は伝えるのがヘタだったし、人に響かせるのはまだ難しいからしまっておこうという気持ちもあって、歌詞にもちょっと空白があったり。だから今が一番ちゃんと歌える曲なんですよ」

――自分の思いに表現がようやく追いついてきた。サビの"走って"のリフレインがすごく印象的で耳に残ります。

あい「その当時からバンドを頑張りたい気持ちはあって、それをどう表現しようかなと思ったとき、"走って"が自分らしいかなと思って。あと、ベースがボリューミーに、動くようになったので、私の中では歌いやすくなったかな」

カノ「元々は単音でずっと最後まで走り切ってたんですけど、河野さんと作っていく中で、"攻めてもいいんじゃない?"という話になって。この曲のベースラインが出せる力はフルになったと思います」

あい「この曲のドラムも好きで、最後の大サビの"走って"のところが力強くて泣いちゃうぐらいの勢いで。だから思いを乗せても雑にならなくなったし、この曲は素朴な歌詞だけど壮大な景色が見える。そこを大切にした一曲です」

――バンドのモットーとして、以前から"ありのままごころ"(=ありのままの素直さ+人間らしい心)を掲げていましたけど、素朴さはやっぱりハク。の大事にしたいところだと。

カノ「去年は事あるごとに"ありのままごころ"と言い続けてたし、それが曲にも出てきたのかもしれないですね。メンバーそれぞれがお互いのことを知ろうと探ってもいたから余計に、開き切れてなかった心の扉がちょっとずつ開いて...最近はもう言わなくなったことで、むしろ深みが増していったのはありますね」

――あえて口にしなくても、もう音楽になっていると。


よりいい形でハク。に還元していきたい


――今作に『僕ら』というタイトルを付けたのは?

あい「今、初のフルアルバムを制作中なんですけど、さっき話した『ハルライト』の前に作った一曲も入れる予定で。その歌詞を久しぶりに見たときに、"これは絶対アルバムに入れなあかん。自分にとって大切な曲になる"と思って、『僕ら』はその曲のタイトルから取ったんですよ。今回のE.P.が後のアルバムにもつながるように」

――リリース後には東阪でレコ発ライブ『ハク。presents."譲らない心で遊ぼう"』も開催されます。3月16日(木)大阪・LIVE HOUSE Pangea公演にはベルマインツがゲストで出てくれますが、昨年の自主企画にも呼んでいたものの体調不良でキャンセルになってしまったので、リベンジですね。

カノ「本当に楽しみです。自主企画では一緒にできなかったんですけど、『サウンドクリエーター夏休み特別企画「サンクリ夏休み'22」』でステージが違うながらも対バンができて。そこで仲良くなって、ライブハウスで会うたびにお互い気に掛けるような存在になって。今回はツーマンなんでちょっと緊張なんですけどね、私たちは(笑)」

あい「高校生の頃からめっちゃ好きで、それまでは歌モノを聴き込むことがあんまり得意じゃなかったんですけど、"何だこのメロディ!?"って感動したのを今でも覚えてます」

――3月28日(火)東京・Flowers Loft公演のゲストも東京少年倶楽部、Hwyl、the pulloversが決定し、ここからハク。の'23年が本格的に動き出しますね。

カノ「この半年ぐらいは視野の広さを手に入れたかったというか、インプットすることも多くて、ちょっとずつ自信もついてきてるんですよ。ちゃんと私の色をベースラインに乗っけられているなと感じながら、うぬぼれることなくよりいい形でハク。に還元していきたい。それをみんなと手を取り合ってできたらいいなと思いますね」

あい「こういうインタビューで話を聞かれたら、いい話をしがちやけど落ちるときは落ちるし(笑)」

カノ「ホンマに(笑)。最近、自分で"うわ、落ちてる"って初めて感じて、それをメンバーに言うか悩んだとき、"やっぱり言わないと分からないし、しんどくなるだけやな"と思って伝えたんです。ただ、結局、自分自身のことじゃないから無責任とは言わないですけど、軽い回答が返ってくるわけですよ(笑)。でも、それで救われたというか抜け出せたことがあって。そういうことを言える相手がいる=今は復活の薬を持ってるような頼もしさはあります」

あい「今回のE.P.も一曲一曲に色があると思うんですけど、もっと入り込める曲も作りたいなと思っていて。それをアルバムにたくさん入れたいし、'23年は自分の考えももっと深くしていきたいなと思います!」

Text by 奥"ボウイ"昌史




(2023年3月10日更新)


Check

Movie

ほのぼのが過ぎる(笑)
あい(g&vo)×カノ(b)の動画コメント

Release

躍進の過程を鮮やかに描き切る
4曲4様のポップソング!

 
Digital EP
『僕ら』
発売中
SPACE SHOWER MUSIC

<収録曲>
01. ハルライト
02. 直感way
03. ナイーブ女の子
04. 無題

Profile

ハク。…写真左より時計回りに、カノ(b)、なずな(g)、まゆ(ds)、あい(g&vo)。’19年結成、大阪を中心に活動する平均年齢20歳のフォーピースバンド。交差する裏と表の感情の繊細な揺らめきを、透明感と芯を兼ね備え自由かつ意思の強さを秘めたあいの歌声と、UK/USのインディの影響を感じさせるポップなサウンドで表現。’21年リリースの1stデジタルシングル『BLUE GIRL』がWEB動画『#青春カムイ』の主題歌に起用され、関西の十代才能発掘プロジェクト『十代白書2021』でグランプリを獲得。’22年1月には、5曲のデジタルシングルを収録した初のミニアルバム『若者日記』をリリースし、初ワンマンライブがソールドアウトを記録。’22年11月に『ナイーブ女の子』、’23年1月に『無題』、2月に『直感way』と新曲を発表し、3月8日にはデジタルE.P.『僕ら』をリリースした。

ハク。 オフィシャルサイト
https://hakumaru.com/

Live

東阪でゲストを迎えたレコ発ライブ
地元大阪はベルマインツとツーマン!

 
『ハク。presents."譲らない心で遊ぼう"』

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中
▼3月16日(木)19:00
LIVE HOUSE Pangea
オールスタンディング2500円
[ゲスト]ベルマインツ
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※未就学児童の入場不可。

【東京公演】
チケット発売中
▼3月28日(火)19:00
Flowers Loft
オールスタンディング2900円
[ゲスト]東京少年倶楽部/Hwyl/
the pullovers
Flowers Loft■03(6407)9520


Column

1stミニアルバム『若者日記』を
リリース! ネクストブレイクの
呼び声高い4ピースバンド、ハク。
あい(g&vo)インタビュー('22)

Recommend!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「昨年他メディアで初インタビューして約1年。お互い関西在住とあって、ライブハウスやらイベントのバックヤードやらで、その間もちょくちょく接触はあったハク。の面々。その際に交わしたちょっとした会話でも喜び、悩み、次に会ったときには改善されているようなスピード感で、ぐんぐん成長していく姿はほほ笑ましいやら頼もしいやら。若さなんてアドバンテージはすぐになくなる。でも、そんな彼女たちを見ていると、このバンドの未来はそんなものでは揺るがないのが分かるから、どこか安心している自分がいます。新作の『僕ら』にもその片鱗がちらほら。特に『無題』にはそれを感じましたね。まだまだ子犬のようなポテンシャルと人懐っこさもたまらない(笑)ハク。のこと、以後ごひいきに!」