インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 1stミニアルバム『若者日記』をリリース! ネクストブレイクの呼び声高い4ピースバンド、ハク。の あい(g&vo)インタビュー


1stミニアルバム『若者日記』をリリース!
ネクストブレイクの呼び声高い4ピースバンド、ハク。の
あい(g&vo)インタビュー

ハク。の存在を知ったのは去年の春。知人から、ついこないだ高校を卒業した女の子たちのバンドが良いからと勧められたのが、ハク。『アップルパイ』。すぐ聴いて、一瞬で持って行かれたのを、未だに覚えている。淡々とひやっとしたサウンドに、落ち着いた声のボーカル。そして、大人びた歌詞にもドキッとさせられる。大人びているのだけど、10代特有の憂鬱さが感じられたのもたまらなかった。とにかく10代の楽曲なのに、40代の私にもしっくりくる不思議さも何とも言えない。間違いなく2022年度最重要バンドのひと組である。去年は配信シングルリリースを続けて、そこを軸に満を持して、今年1月19日(水)にリリースされたのが1stミニアルバム『若者日記』。若者が綴った日記の様なアルバム…、まさしくピッタリなタイトル。今回は、ギター&ボーカルのあいにマンツーマンで、じっくりゆっくりインタビューができた。是非とも読んで欲しい。

――今回、1stミニアルバムリリースという事で、たくさんのインタビューを活字やラジオで受けられていると思いますが、いかがでしょうか?
 
「こういう活動は未知だったので、経験をして知っていくと大事だなと思いますし、人生でこんな機会があると思っていなかったので嬉しいです。音楽をやっていなかったら、経験できてないことですからね」
 
――そもそも、こうやってプロとして活動していくという事は想像されていましたか?
 
「音楽はずっと続けたいと思っていました。ただ、こういう取材が、どれくらいのペースであるとか、どれくらい時間がかかるものだとかは知りませんでした。音楽を通して、違うコンテンツを学べることにも気付きましたね。インタビューは、めちゃめちゃ有名な人がラジオや雑誌に出てたら聴いたり読んだりしていましたが、自分が関わってみると大変ですし、緊張もします。でも、バンドのことや曲のことを深く考える良さもありますし、わりと楽しいですね。難しいんですけど、楽しいです。これだけ考えるからアルバムを作るんだろうし、(インタビューは)意味あるんやろなと思います」
 
――音源はレコーディング終わってから、聴き直す人と、レコーディング中にたくさん聴いたので、聴き直すまで期間を空ける人がおられますが、あいさんはどんな感じですか?
 
「レコーディングした直後は何回か聴きましたけど、その後は聴かない期間が出てきて、MVがアップされたら、また聴きたくなりましたね。日常では中々聴かないです」
 
――聴き直すと修正ポイントが見えてきて、そこが嫌だという人もいますよね。
 
「それ、めちゃくちゃあります。“ここの位置は後ろの方が良いかな?”とかメンバーと話していたことでも、アルバムになってから聴いてみると、その時にしかできない歌い方や、その時にしか作れない曲を作っているし、それは不思議な経験をしているなと思います。こんなことを言えたんやとか、こんなに素直だったんだとか、写真のアルバムを見てる感じになりますね。元々、アルバムって、わりと同じジャンル(の曲)を詰めるイメージがあったんですけど、ハク。『若者日記』はいろいろなジャンルが入っていて、いつか振り返れる1枚になるかなと。作っている時は、曲のジャンルが全体的にふわふわしていると感じてたのですが、アルバムが完成して聴いてみると、こんな1年があったんだなと思えましたね、最終的には。曲を作って、メンバーに持って行った時は、“いい曲だね”とか“この部分が好き”とか言われて、逆に“この曲やりたくない”というのが無かったから、方向性が定まらないままで作っている感じで悩みましたけど、曲を作っていく方が自分のためになるので、いったん作ってみよう精神で作り続けました」
 
――特に締切とかは無かったのですか?
 
「事前に作っていっていて、“ここまでに作って!”とかは無くて。私は締切を設けた方がやりやすいのですが。いろいろ動き出していくとなった時には、既に7、8曲はあったんです。今回収録の曲だと『ame.』とかは、その後にできた曲ですね。どれをリリースしていくかは悩みましたけど、『hitonatsu』(2021年7月配信リリース)は決めていましたし、『ワタシ』(2021年4月配信リリース)を出すタイミングは、あの時しか無かったと思います」
 
――僕が一番最初に聴いたのは、2020年4月に公開された『アップルパイ』で10代が作ったとは思えない完成度に本当に驚いたんです。
 
「『アップルパイ』は、ちょっと不安なままで持っていきました。キャッチーなものを書きたかったし、メンバーも良いと言ってくれましたね。でも、ベースやギターを付ける時は悩みましたし、揉めました。初めてのレコーディングで、学校の地下で録ったんですけど、みんなむちゃくちゃ緊張していて。ヘッドホンの付け方ひとつわからないし、何もかもわからなくて、とにかく緊張しました」
 
――でも、あの曲の反響は結果、すごくあったと思うんです。
 
「友達が結構気持ちを伝えてくれましたし、SNSもむちゃくちゃ伸びましたね。目に見えて増えました。でも、『アップルパイ』は身近な人の感想が多くて、『BLUE GIRL』とかでタイアップが決まって、いろいろな人に知れ渡った感じがします」
 
――曲単位で、もう少し話を聴かせてもらいたいのですが、『本物』は“17”という歌詞も出てくるように、17歳で作った曲ですし、その時点で憂鬱な思いで人生を考えるという歌詞にも度肝を抜かれました。メロディーラインも落ち着いた大人びたものなので、余計に痺れたんです。
 
「17歳…、昔に感じます。影響されやすい歳ですし、高校生なりにいろいろ感じていたんだなということが、わかりやすく歌詞に出ていますね」
 
――あと、音源の収録8曲中6曲が既に配信リリースされているにも関わらず、ミニアルバムとして改めて聴いた時にすごく新鮮だったし、聴き応えがあったんです。曲順も素晴らしく良いんだなと思いました。
 
「アルバムなので、今までのハク。が詰まっている感じにしたくて。最初は何通りか候補がありましたけど、今の曲順を観た時に、一発でこれやなとなりましたね。実際に聴いてみたら、その当時のことを思い出せるし、とても良かったです」
 
――2020年と2021年は、本当に濃厚な期間になりましたよね。
 
「成長しないといけないということに気付かされた期間でした。このままじゃ駄目だと思いましたし、メンバーみんなとも話すようになりましたね。何が必要とか、ここは抜いても大丈夫だとか、そういう線引きも出来るようになりました」
 
――そういう意味では『若者日記』というタイトルは、これしかないというピッタリなものですよね。
 
「自分でもピッタリだと思います。将来、ハク。が続いていくとして、振り返った時に楽しく感じられるタイトルだなと思いますね。めちゃくちゃ青春というのは出したくなくて、でも今までの自分たちの青さをさりげなく入れつつと思っている時に“若者”っていいなと。何個か案が出て、“『若者日記』ってどう?”となりました」
 
――他には、どんな案が出ていたのですか?
 
「『若人日記』、『探し物を見つけたくて』、『両手でかきわけて』とかですね。“放課後に好きなものを持って集まっている感じを出したいね”や“模索している感じを出したいね”などとメンバーで話していました。でも、曲のジャンルが定まっていなかったので」
 
――先程も曲のジャンルが定まっていない的なことをおっしゃってましたが、僕からしたらすごく統一感があるので、不思議に感じるんです。
 
「曲ごとにプレイする時の気持ちを変えないといけなくて。17のあの頃と『hitonatsu』の時は同じじゃないですから。『本物』も冬に書いた記憶があって、高校の帰り道の静かで冷たい場面で歌うとかがあって。演奏する側の気持ちを変えないといけないというのが、ジャンルという言葉に繋がっているかもですね」
 
――そういうプレイする時の気持ちは、メンバーにもひとつひとつ説明していったんですよね?
 
「『hitonatsu』くらいまでは、こういう気持ちでとか説明をしていたんですけど、最近は意味とかを説明をしない面白さもあるので、何も伝えずにやっています。前よりも、曲を作った時点で、結構メンバーが聴きこんでいてくれていて、意味とかを伝えなくても、それぞれの感じ方があるんやなと。前は、気持ちをメンバーで統一してと思ってましたけど、今は、それぞれの感じ方でやってみています。私が曲作り自体が得意か苦手でいうと苦手かなと感じていますし、バンドで作り上げて消化していくのが、まだ難しく感じてはいるんですけど、だんだん出来上がってくるとワクワクするし、出来上がると感動しますしね。メンバーみんなが“いいね!”と言ってくれるから、そのために頑張ろうって」
 
――メンバーからの曲作りへの意見や提案は増えてきていますか?
 
「最初は少なかったですけど、最近はいろいろと言ってくれるようになりましたね。自分では思いつかないことも言ってくれて嬉しいです」
 
――大人数での意思疎通というのは普通に考えても大変ですからね。
 
「大変っちゃ大変です。ちっちゃい問題もでっかい問題も真面目に向き合って解決しようとする姿勢が大切ですね。メンバーに対しての思いやりとかも、たくさん培われていってます。近い存在になると、気を抜いて良いとこと駄目なとかとかゴチャゴチャになりますから。メンバーがいるのは当たり前じゃないですし、サポートメンバーを入れて、すぐにバンドができるわけでもないですから。近い間柄だけど礼儀ありですね。2年前より、みんなのメンタルも思いやる気持ちも成長しています。先生や先輩や相談できる人が周りにいてくれたので、いろいろと大変だったけど結果的に良い2年だったかなと。周りの人のおかげというのは本気であって。悩んでいる時に学校の同期がさりげなく水を買ってきてくれたりという優しさがあったから、本気で心が折れなかったですね。学校のクラスの中の言葉で“愛を愛で返す”という極意のような言葉があって。アルフォートを買って行ってあげようとか、そういうのなんですけど(笑)」
 
――今のお話を聞いていると、むちゃくちゃ良い意味で青春をしているじゃないですか。でも、青春を出し過ぎたくないという考えがおもしろいなって思いました。言葉もメロディーもすごく落ち着いているし、淡々というか、独特のひやっとする感じがあるんですよ。
 
「そのテンションが好きなのかも。自分が作る感じとしては、一歩引いている感じが好きなのかもですね。(この2年が)そういうことに気付けてきた道なのかも知れないです」
 
――まだまだ始まったばかりなので、これからが楽しみで仕方ないんです。
 
「今回はいろいろな感情があって、上がったり下がったり、振れ幅が大きかったんですけど、次は聴きやすい曲というか、曲調を聴きやすくしていきたいです。ポップまではいかないと思いますけど、キャッチーというか。でも、ものすごくポップな曲を作っていたら、どうしよう!?(笑)」

Text by 鈴木淳史



(2022年1月26日更新)


Check

Release

2022年大注目!大阪を中心に活動する4ピースバンド「ハク。」初のミニ・アルバムを遂にリリース!

1st Mini Album『若者日記』
2022年1月19日(水)発売
配信URL:https://ssm.lnk.to/WkmnNk

Profile

あい(g&vo)/なずな(g)/カノ(b&cho)/まゆ(ds)
2019年結成の大阪を中心に活動する平均年齢19歳の4ピースバンド。爽やかなサウンドに乗せて、 透明感のあるあいのヴォーカルが、共感性溢れる歌詞を伸びやかに歌う。2020年、初音源の「アップルパイ」が音楽サイトにて週間1位を連続して獲得するなど話題になる。1stデジタルシングル「BLUE GIRL」が、WEB動画の主題歌に起用、そして十代才能発掘プロジェクト「十代白書2021」に出演し見事グランプリを獲得。更に8月9日に開催した自主企画がソールドアウトを記録。そして12月15日に新曲「カランコエ」をリリースし、2022年1月19日に初のミニアルバム「若者日記」をリリース。夢、友情、等身大、憧れ、葛藤。青春の全てが詰まったハク。が夢に向かって始動。

オフィシャル YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCk4hvA968aQhw32R9lV5svg

オフィシャル Twitter
https://twitter.com/haku_circle

オフィシャル Instagram
https://www.instagram.com/haku___official/


Live

ハク 。O-nest presents「若者日記~東京編~」
▼2月18日(金) 開場18:00 / 開演18:30
Spotify O-nest
[出演]ハク。/Monthly Mu & New Caledonia/Conton Candy/とけた電球

「若者日記~大阪編~」
▼3月19日(土) 開場17:30 / 開演18:00
大阪2ndLINE ワンマン