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「よかったこともイヤだったことも、全部が私をかたどっている」
これぞ人生たるオールタイム・ベストアルバム『妙齢』を手に
いざ向かう『15TH ANNIVERSARY TOUR-新世界-』!
中村 中が数奇な運命と今を語るインタビュー

 昨年、デビュー15周年を迎えたシンガーソングライター中村 中(なかむらあたる)がリリースした、初のオールタイム・ベストアルバム『妙齢』。歴代のシングル曲や、映画『パラサイト 半地下の家族』のエンディングテーマに訳詞を付けた『一杯の焼酎~Album version~』、一度足を踏み外せば顔も名前も知らない人々に一発退場を強いられる現代社会に問う『あいつはいつかのあなたかもしれない』という2曲の新音源をはじめ、心の旅をなぞるように15年間の分岐点がチョイスされた全16曲は、その得も言われぬ憂いと慈愛に満ちた歌声に導かれた、中村 中の数奇な人生そのものか。そんな同作のリリースを記念し、4月に行われる久々の東名阪バンドツアーは、『15TH ANNIVERSARY TOUR-新世界-』。音で、言葉で、そして生きざまで、中村 中が踏み出す-新世界-を目撃してほしい。ライブという生きる場所での出会いと再会と再生を願って、時代に目を向け今を描く、中村 中が心中を語る。

 
 
音楽は自分の思想を奪われないためのもの
 
 
――昨年、デビュー15周年を迎えましたが、振り返ってどんなアーティスト人生だったと思いますか?
 
「子どもの頃から“こっちの方が好きだな”と思うものがことごとく他人と合わなかったり、家族や同級生にも自分の思っていることを相談できずに過ごしてきて…そうやって気持ちが押さえつけられていた反動で歌を作っていたと思うんです。デビューしてからも思っていることをうまく言葉にできないでいると、“早く喋れ”という雰囲気を出されて焦ってしまって、すごまれると言葉が出なくなってしまう。でも、いっちょまえに言いたいことはある。それを歌にすることが自分の思想を守る方法だった。そういう意味では、音楽は自分の思想を奪われないためのもので。ただ、それに集中したいのに結構気が散る、そういう15年だったと思います。物事を発信する以上、批評されて当然だとは思うんですけど、不必要なノイズみたいなものが気になってしまうタイプで…。例えば、ライブをした後とかに “どうだったかな? 楽しんでくれたかな?”と思ってSNSをのぞいたとき、それとは全く関係のない、私がどこにも話したことのないような言葉を捏造されて語られていることがあって、“これって誤解を解いた方がいいのかな? でも、別にいちいち言わないでいいか”と思いつつもしっかり傷つく、みたいなことが煩わしかったり。去年、活動15年目を機に受けたインタビューでデビュー前のいざこざについて答えたんですけど、思い返してみると原因を作っているのは全部自分だなと思って。というか、そう思うしかなくて。戻れないし。身から出た錆だから自分でどうにか鎮火していくしかないかと最近は思えているんですけど、そういう折り合いをつけるのに時間がかかっちゃったな」
 
――そこで“全部あいつらが悪いんだよ!”と思い出をバーンと放り投げられたら楽かもしれないけど、人のせいにしないところがらしさにも感じますし、だからこそ書ける歌がきっとあったと思います。そういったインタビューで15周年の区切りというか、ここで今一度、過去を整理したい気持ちもあったんですか?
 
「いえ、振り返るのは好きじゃないので。ただ、セクシュアルマイノリティの生き方について関心のある方が前よりも増えたような気がするのと、当事者にしか分からないニュアンスを期待されて取材を求められたのと、たまたま私の活動が節目だったタイミングと、いろんなことが合致したのもあったので」
 
――あと、15年で世の中も変わりましたよね。“みんながみんな、こんなに他人のことを気にしてたっけ?”とも思いますし、“生きていてモヤモヤすることがこんなに頻繁にあったかな?”と。
 
「私も活動しながらそういうものをモロに食らったなぁとは思いますね。特に今は外出するのもはばかられるし、フラストレーションのはけ口があまりにも少ないと思うんですよ。私は飲み屋=世界平和だと思っているタイプなんですけど(笑)、仕事をしていたら誰もが、多少はフラストレーションを抱えてしまう日があると思うんです。真っすぐ家に帰りたくない日もありますよね。家族にこそ言いたくないことを、名前は知らないけどいつも店にいる常連客に聞いてもらったりして、心を洗い流していたと思うんですよ。そういう場がなくなるのって、命綱を外されたみたいなことだなと思うんです。その分の時間とかパワーとか欲望が、今はSNSに集まっているんだと思うんですよね。SNSって顔が見えないから、一方的な会話にもなりがちじゃないですか」
 
――普通、ミュージシャンに周年の話を聞いたら、“あのときのライブが”とかもっと自分の話になるのに、こんなにも社会の話になる人はいないかもですね。昨年、『私』('21)という豪華6枚組BOXが出ましたけど、あれをまとめる作業は15年活動してきたギフトみたいなものだったんじゃないですか?
 
「大変でしたけど、楽しかったですね。過去にお世話になったレコード会社に連絡を取っていただいて、“あの素材はどこにあるの?”って、かなり頑張って探してもらったり、カメラマンの友人とライブのBlu-rayを作ったこととか」
 
――結果、追加生産分までが完売する大反響で。今回の『妙齢』に関しては、そのBOXのDISC1・傑作選曲集(グレイテスト・ヒッツ)『白粉』に新たに2曲を加えて、改めて皆さんに手に取ってもらえる形になっています。やはり、中村 中の人生を感じる収録曲ですよね。
 
「自分で曲を作っているから、どうしてもそういう一枚になっちゃいますよね。リリースするたびに恥ずかしいですもん。だって、一方的に自分のことを…まぁ自分のことだけじゃないですけどそれを聴いてもらうって、よくよく考えると傲慢だな~みたいな気持ちになることもあります。デビューした頃の曲は、他人との触れ合いを渇望している曲、恋愛の歌が多いんですけど、“生きている意味が欲しい。それは誰かと見つけるものなんじゃないか、一人でいることは未熟なんじゃないか”という考え方をしていて。でも最近の自分は、生きている意味を他人からもらおうなんてそれこそ傲慢だなと思うし、意味なんか“作ればいいじゃん”って思う。自分で作らなきゃ誰にももらえないと思う。今回の収録曲の歌詞をザッと読んだだけでも、そういう変化を感じたんですよね。人に何を言われようと自分は自分の道を歩きたい。何かを譲ったら自分の心が汚れてしまう。自分の心が汚れない選択をしたい。その中でまた人を求めたくなったらそうすればいい。選曲と曲順でそういう変化を表したつもりです」
 
――中村 中の心の旅をなぞっていくような、その分岐点の曲をチョイスしていく。ちなみに、3rdアルバム『あしたは晴れますように』('09)の曲が入っていないのはたまたま?
 
「今、言われて気付いた(笑)。『若気の至り』('11)というベストアルバムが昔に出ているので、そことなるべくかぶらないように選曲をしていったらこうなった感じですね」
 
――なるほどね。“暗黒時代の曲だから入れたくなかった”とかなのかと(笑)。
 
「あ〜全然全然。『妙齢』には暗黒時代の曲も入っていますから(笑)」
 
 
“ライブに来ているのに生きられないなんて”と思った
 
 
――オリジナルアルバムには未収録だった『ずっと君を見ている』(M-12)や、シングルのカップリング曲だった『死ぬなよ、友よ』(M-15)が入ってきたからには、大事な曲だったのかなと。
 
「『死ぬなよ、友よ』はファンの方からの感想が一番多く届く曲なので、ライブで印象に残る曲なんでしょうね。『ずっと君を見ている』は映画『種まく旅人~みのりの茶~』の主題歌で、タイミング的には’11年3月の東日本大震災直後に作った『聞こえる』('12)に入れられたんですけど、あの頃は“先行き不透明なときにいったい何にすがればいいんだろう?”という気持ちで曲作りをしていて、自分としては音楽にすがりたい想いがあって、『闇のまん中』という曲でアルバムを締めくくったんです。“その後に『ずっと君を見ている』をボーナストラックで入れるのはどう?”と提案もされたんですけど、『ずっと君を見ている』は働くエネルギーがある人たちを描いているから、『闇のまん中』を聴き終わった後にいきなり日々の生活の積み重ねの歌が流れてくるのは、自分の中でギャップがあり過ぎて受け入れられなかったんですよね。今にして思えば“再生の歌”という解釈もできたかもしれないですけど、当時はそういう気持ちではなかったし、そういうことを言えと言われても、私は自分で自分を“キモっ!”と思ったら話せなくなっちゃうので(笑)。そんな理由で収録できませんでした」
 
――そういう意味では、ここで『ずっと君を見ている』を入れられたことで、ようやく伏線を回収できたというか。今作の収録曲の中で、とりわけ思い出深い曲はありますか?
 
「’19年の6月に友人のシンガーソングライター、ヨースケ@HOMEが急逝してしまって。彼とはデビュー直後から交流があって、何度か一緒にライブもしたし、曲の感想を言い合ったりもしました。彼は本当に太陽のような人だったし、イヤなこととかも笑い話にできるすごい人で、彼に明日にでもすぐ会えそうな、寂しくならない雰囲気の曲を書きたいなと思ったので、『会いたいひと』(M-9)は思い出に残っていますね」
 
――ヨースケさんも、そうやって時折思い出してくれる曲を書かれてうれしいだろうな。あと、ベストアルバムに入ることで再度、聴いてもらう機会にもなりますし。
 
「そうですね。私もこの曲を聴くと彼を思い出します」
 
――そんなベストアルバムの最初と最後が新しい曲で。まず、『一杯の焼酎~Album version~』(M-1)は、映画『パラサイト 半地下の家族』のエンディングでかかっていた曲に訳詞を付けたものですけど、MVを見たらさっき中さんが、“飲み屋=世界平和”と言ったのも分かります。めっちゃ楽しそう(笑)。
 


「アハハ!(笑) そうなの。あれが早く帰ってきてほしいという」
 
――同時に、あの渋谷センター街ですらゴーストタウンと化す、ここ2年を象徴したような光景も映っていますね。
 
「酒場にもエンターテインメント界にも、いろんな業種に活気が戻ってきてほしいと思いますし、ライブでお客様が歓声を上げられない姿を見て、ステージにいる私より、よっぽど歌っていたんだなと感じたんですよ。お酒を飲んで愚痴をこぼすこともそうですけど、大きな声を出して発散していたんですよね。コロナはそういうものを奪ったんだと。それって命を半分取られたみたいなことだと思うし、“ライブに来ているのに生きられないなんて”と思った。去年の2月にライブをやったとき、私が思っているよりもみんなが…苦しい想いをしているんだなと気付きましたね」
 
――そして、『あいつはいつかのあなたかもしれない』(M-16)は一番新しい曲で。今の時代、一度でもミスったら取り返しがつかない、気に食わないことがあれば見知らぬ他人に一発退場を強いられて、地獄の底まで追い込まれるような空気があって。それがもし自分ならという目線があれば、いつだって明日は我が身だと思えるかどうか。足りないのは想像力と思いやりだと常々思っていて。
 
「誤って道を踏み外してしまった人、追い詰められて苦しんでいる人のことをなぜさらに叩けるの? と思いますよね。例えば、『テラスハウス』という番組で起きたこともずっと考えています。エンターテインメントを作るにあたり、チームで決めたことを表に顔の出ない人たちの思惑とかもいろいろ背負って、キャストはパフォーマンスするわけですよね。それに対して感想を持つのはいいとして、期待していたことと違ったからと言って、素性を調べたり、必要以上の誹謗中傷に発展していくのが理解できなくて。最初は個人の意見でも、批判の声が多くなったらその他大勢として紛れ込めるから、普段は声を上げない人も参加してしまったり。そうやってまひしていく感覚は本当に恐ろしくて。それが正論だったとしても、行動としては正しくないと思いますし、見えていることだけを信じるのは危ないということを、たくさんの人が学ばなければいけないと思います。あの出来事は私もエンターテインメントに関わる人間として考え続けなきゃいけないことだと思いますし、この歌を書くきっかけの一つにもなっています」
 
――『るつぼ』('18)のインタビューでも、“シンガーソングライターは今を歌うものだ”と中さんが言っていて、すごく納得したというか、この曲を聴いてまさにだなと思いました。あと、この曲のネオソウルなフレーバーだったり、ラップのパートも含めて、メッセージだけじゃなくて音も更新されているなと。
 
「自分のルーツにはないサウンドなんですけど、雑食なので普段からいろんな曲を聴いてはいて。この歌を今一番聴いてほしいのはSNSとか新しいツールが出てきたときに即座に反応できて、使いこなせる人。発信力があり、影響力があり、勢いを持った人。仮にそれを若者と言うなら、今自在に言葉を操るエネルギーを持っている人にこそ、このことを考えてほしいんです。こういうネオソウルみたいな音を若い世代は聴いているのではないかという…偏見も入ってはいますけど(笑)、そういう人たちに聴いて考えてほしいから、このサウンドで歌うことには意味があるなと」
 
――このメッセージしかり、この音しかり、次のオリジナルアルバムがどうなるか楽しみになりますね。
 
「ありがとうございます、私も楽しみです」
 
 
正直、自分が作ったものに追われる日々です(笑)
でも、幸せです。やりたいことにだんだんピントが合ってきたので
 
 
――ベストアルバムのタイトルの『妙齢』はどこから?
 
「若い年という意味らしいんですけど、どっちかと言うと、“もう子どもじみてもいられないな”みたいなニュアンスで付けたんですね。あとは字面が好きだったから」
 
――字面的には“ベストアルバムに何ちゅうタイトル付けんねん”と思いましたけど(笑)。
 
「アハハハハ(笑)。それ書いてください!」
 
――4月には久々の東名阪バンドツアー『15TH ANNIVERSARY TOUR-新世界-』もありますが、かつてコロナ禍に行ったライブ(=『中毒集会〜蛙の七〜』)後のTwitterでも、“自分の中からぐんぐん気力が湧いてくるのを感じました”と言っていましたし、いよいよですね。
 
「大阪、名古屋はバンドを連れてライブができるのが本当に久しぶりで、楽しみでもあり、ちょっと怖い部分もあります。今回はデビューの頃からの出来事を振り返ろうと思っているツアーなんですけど、いいことだけ話すのも気持ち悪いと思っていて。よかったこともイヤだったことも、その全部が私をかたどっているわけだから。そこも包み隠さず話そうと思っているからこそ、ちょっと怖いなと思っています」
 
――今回のツアーに向けての意気込みに、“超強力なバンドメンバーと愉しみながら、活動15年分+新しい一歩をライヴで表してみます。15年で感じた喜びや悲しみ、包み隠さず話すつもりです”とありましたが、“歌うつもりです”じゃなくて、“話すつもりです”なんだなと。
 
「確かに(笑)。でも、私は歌を、音楽をやっているけど、実は語っている、訴えているような気持ちが強いですね」
 
――最後に、10周年のときは、“自分の活動は歌手と、楽曲提供や舞台に書く曲などの作家業、あとは役者という3本柱で成り立っているんだなって確認するような年だった”と言っていましたが、15周年はどうでしたか?
 
「元・少年少女合唱団もやり始めたので、正直、自分が作ったものに追われる日々です(笑)。でも、幸せです。やりたいことにだんだんピントが合ってきたので。自分の人生の歩き方は自分で描く。その都度、応援してくれる人のことも幸せにするべく、まずは自分がちゃんと歩けないとなと思うので」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 




(2022年4月 6日更新)


Check

Release

歴代のシングルに代表曲に新録も
中村 中の足跡をたどる濃厚ベスト!

Album
『妙齢』
発売中 3000円
Imperial Records
TECI-1766

<収録曲>
01. 一杯の焼酎〜Album version〜
02. 幾歳月
03. ここにいるよ
04. 友達の詩
05. 閃光花火
06. 家出少女
07. うれしい
08. 思い出とかでいいんだ
09. 会いたいひと
10. 裸電球
11. 愛されたい
12. ずっと君を見ている
13. 世界が燃え尽きるまで
14. 孤独を歩こう
15. 死ぬなよ、友よ
16. あいつはいつかのあなたかもしれない

Profile

なかむら・あたる…’85年6月28日生まれ、東京都墨田区出身。歌手・作詞作曲家・役者。 ‘06年にシングル『汚れた下着』でメジャーデビュー。同年、2ndシングル『友達の詩』のリリース時にトランスジェンダーであることを公表。翌’07年には同曲で『第58回 NHK紅白歌合戦』に出場。’10年には4thアルバム『少年少女』が『第52回 輝く!日本レコード大賞』にて優秀アルバム賞を受賞。歌手としての活動の傍ら、AAA、戸田恵子、STARDUST REVUE、岩崎宏美、研ナオコ、八代亜紀、大竹しのぶ、藤あや子などの表現者や、舞台への詞・曲提供も行う。役者としての活動は、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(‘07)、『ガス人間第1号』(‘09)、『エドワード二世』(‘13)、『夜会vol.18/19「橋の下のアルカディア」』(‘14/’16)、『マーキュリー・ファー』(‘15)、『ベター・ハーフ』(‘15/’17)、『ライ王のテラス』(‘16)、『ぼくと回転する天使たち』(’18)、『祝杯ハイウェイ』(’18)、『毛皮のマリー』(’19)、『らぶゆ』(’19)など。’22年2月16日には、オールタイム・ベストアルバム『妙齢』をリリースした。

中村 中 オフィシャルサイト
https://ataru-atariya.com/

Live

曲と言葉で15年のヒストリーをたどる
久々の東名阪バンドツアーが開催!

 
『15TH ANNIVERSARY TOUR-新世界-』

【東京公演】
▼4月2日(土)・3日(日)日本橋三井ホール

 

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中
※販売期間中はインターネットのみでの販売。
▼4月9日(土)17:00
umeda TRAD
全自由6700円
夢番地■06(6341)3525

チケット情報はこちら


【愛知公演】
チケット発売中
※チケットは、インターネットでのみ販売。
▼4月10日(日)17:00
ボトムライン
自由6700円
サンデーフォークプロモーション■052(320)9100

チケット情報はこちら


Column1

「自分の感覚を取られるな」
無慈悲に加速する格差や
日々吊るし上げる獲物を探すSNS
イジメにDV、LGBT…迷える社会に
中村 中が突き付ける反撃の
『るつぼ』インタビュー('19)

Column2

諦めることで、人は前に進める――
揺れ動く想いと
答えが出ないという答え
4年ぶりとなるシングル
『幾歳月』インタビュー('14)

Recommend!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「そんなに空いた気がしませんが3年ぶりのインタビューだった中村 中さん、分かっちゃいたけどやっぱり最高だったな。会えるのをとっても楽しみにしていました。なぜなら、中さんとの会話はただ音源を語るに留まらず、こっちにも刺激と気付きと喜びをたくさんくれるから。常日頃いろんなタイプのアーティストを取材していますが、“この人に恥じない自分でいなければ”と思わせる人がたまに現れるんです。中さんはまさにそういう人物で、関われて本当に光栄だなと思うアーティストです。『妙齢』はオールタイム・ベストアルバムなので当然良いのですが、自身の人生と時代を刻んだメッセージ、歌謡曲を血筋にさまざまな音楽的挑戦が試みられてきた足跡が、代わりの利かない歌い手であることを全曲で証明しています。久々の東名阪ツアーも相当濃いものになることでしょう。お酒(の場)が好きなのが話していてめちゃくちゃ伝わってくる中さんと、早く乾杯できる日が来ますように(笑)。個人的には去年、僕が大病を患って死にかけた話になったとき、“よかったよ、こうやってインタビューしてもらえて…”とぽつりと言ってくれたこと、うれしかったな」