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土井徳人(Ba.)加入後、初の全国ツアー中!
『DENIMS JAPAN TOUR 2021-2022 ONE-MAN SHOW』  
「彼らの変化のキーワード」から紐解くDAY2.京都公演

「2021年、新生DENIMSにも大いなる期待を寄せて。」2020年12月に彼らのライブレポートを執筆した際、私が書いた最後の一文がこれだった。昨年末のそのライブをもってベースの松原大地が卒業し、Special Favorite Musicでもベースを担当している土井徳人がバンドを掛け持つ形で加入するという発表がなされた時の記事のものだ(https://kansai.pia.co.jp/interview/music/2021-01/denims.html)。そしてやってきた2021年は、DENIMSが気持ちも新たにスタートを切ったメモリアルな年となった。
そんな彼らが新体制となって初のワンマンツアー『DENIMS JAPAN TOUR 2021-2022 ONE-MAN SHOW』で現在全国を駆け回っている。このツアーは2022年の2月まで続いていくのだが、今回はツアー2日目京都・磔磔公演の模様をお伝えしたい。今年DENIMSがどんな変化を得たのか、この記事から感じてもらえたらとても嬉しい。

denims1.jpgまず記事を読み進めてもらう前に、ひとつお断りをしておきたい。今回、当日の演奏曲についての記述がないライブレポートになっている。実のところは曲を“記述しない”のではなく、“記述できない”というのが正しい。というのもライブ中に岡本悠亮(Gt)がMCでも伝えたように、セットリストに関してはお客さんに対して箝口令(少々大袈裟に書いたけれど、実際は「ネタバレNGでお願いします~」というレベルのもの)が敷かれたからだ。その理由というのが
 
全公演同じセットリストを貫きたい
 
ということだった。ほ~、チャレンジだな~面白そうだな~と呑気に思ったが、直後にハッとした。曲名を出せずして、ライブレポートは何を書こうか…。 まぁいい最後まで見て考えようと思った公演終了後、頭に残ったことがある。DENIMSが、変わったと。この日のライブについて、ガッツリ2時間見た後心に残ったキーワードから、4人が感じさせてくれた変化について紐解いてみたい。そして来年2月の大阪・BIGCATのツアー最終公演を体験してもらうと、新生DENIMSがどういったバンドとして道を進もうとしているのかということも少しわかってもらえる気がする。
 
祝日だったこの日、磔磔に到着するとお客さんがDENIMSの音が鳴り始めるのを待っていた。少し日常を取り戻したような、日常を取り戻していく光が見えるようなそんな光景だ。そして18時ちょうど、メンバーが中央の階段から姿を表しステージに立つ。いつも通りSly & The Family Stoneの「Sing A Simple Song」のSEを背に、ライブが始まった。

 
キーワード①釜中健伍、決意の(?)ステージ衣装

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メンバーがステージに登場して早々、音を奏でる前に気になったのが釜中健伍(Vo&Gt)の衣装だった。デニムのセットアップ着用に身を包んで、どこからどう見てもDENIMSの人だった。デニムスの人が上下デニムを着ていた。一昨年の10月26日、デニムの日に船上で開催された『DENIMS CRUISE』のライブの時でさえデニムという出立ちではなかった彼ら。これまでのライブでもどこか1点デニムを取り入れている姿は見てきたけれど、センターに立つ釜中が全身デニムでギターを持った瞬間にそこはかとなくこのツアーに対する気合いを感じられた。デニムスの人が上下デニムを着ているわけだから。MCで「DENIMSって感じの服着てるでしょ? 俺こそがDENIMS! みたいなね」と言う釜中を、お客さんがくすくす笑っていたのもいいやりとりだった。

 
キーワード②フロント3人一直線横並びスタイル

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松原大地がベースを弾いていた頃は、釜中・岡本の2名がフロントの左右に立ち、少し下がったところに松原、そして江山真司(Dr)が構える配置だったライブ時のDENIMS。この日は何か見え方がいつもと違う…と思っていたら、釜中、岡本、土井の3名が横並びで演奏していたのだった。

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磔磔のステージの広さとの兼ね合いもあるかもしれないけれど、釜中がキーボードを弾く際には、4人全員が横並びで演奏している姿もあった。これは見たことがなかったフォーメーション。釜中の全身デニム同様、「新しいDENIMS」を見せようという決意が滲んでくる。MCで釜中も「FUJI ROCKまでは前の立ち位置だったんですが、今回からこういう形になりました!」と話してはいたが、真意については語られぬままだった。しかし、これもハッキリと可視化できた彼らの大きな変化だと言える。

 
キーワード③メンバーのフィット感、日々マシマシ

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私が初めて土井が加入したDENIMSを見たのは、昨年末のBIGCATでのこと。前ベース松原の卒業ライブで釜中の「僕たちは僕たちで来年動いていこうと思っています。2021年から一緒にやる新メンバーと曲をやってもいいでしょうか」との言葉とともに、土井を加えアンコールで2曲が披露された。そのライブから半年ほど経った頃のライブを見た時、急激に土井のベースがDENIMSにフィットしたと感じたことがあった。そのことを釜中に伝えた時「ノリト、めちゃくちゃ頑張ってくれてるんです。俺、結構無茶なこと言ってるのに」と言っていた。新しいDENIMSの形を構築していく中でさまざまな葛藤や模索があったと想像に容易いが、そういったことも含めて土井のDENIMS初ライブから約1年、土井の加入によってDENIMSの音にも変化が生まれたと濃く感じた今回の磔磔。より重心が低く、骨太で4人それぞれの演奏が際立つ音になったし、メンバーひとりひとりが丁寧にひとつひとつの音を以前にも増して大切に演奏をしているように映った。ちなみにライブ中、とにかく釜中の土井への目線が優しかったこともお伝えしたい。とにかく土井のことがかわいいのか、土井に目線を送ってはニコニコ~ニヤニヤ~となる回数の多いこと。それは岡本も同様、MCで「ノリトかわいいでしょ~? コーギーぐらいかわいい。ホンマ相当かわいい」と言い出すほどだった(釜中はお前がコーギーをかわいいっていうレベルがどれくらいかわからんから知らんけど、とつっこんでいた)。

 
キーワード④たくさんの曲を最大限披露するライブ構成

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これまでのDENIMSのライブの中でも、昨年の松原卒業公演はMCを削ぎ落として曲をたくさん演奏することで演奏に全てを込めることを追求したライブだった。あの日は1部・2部の1日2公演だったが、1公演につき20曲ほど。これまでにはないほど、「曲を聴きまくった」満足感に満ちたライブだったが、今回の『DENIMS JAPAN TOUR 2021-2022 ONE-MAN SHOW』でもその1公演の曲数を凌ぐ演奏をしているのだ。コロナの影響でライブ時間に制限がある中でも、本当に曲をやりまくるライブであると言っていい。彼らが今、各地に届けたい曲をピックアップしたらこうなったのだろうけど、どっからどう見ても「今の僕らです!」という宣言的&挑戦的セットリスト。キーワード②で書いた、フロント3人が横並びという変化も含めて、これから方向性をライブで見せるという意志の表れなのかもしれない。

 
キーワード⑤初めての京都ワンマン・初めての磔磔

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MCで釜中が「さっき気づいたけど、僕たち京都初ワンマンです!」という言葉に驚いた。もちろん京都でもイベントには出演してきたけれど意外にもDENIMSとして京都での単独は初めて、そして磔磔での演奏も初めてなのだと言う。「磔磔とDENIMSは合うって噂を聞いてたんですけど、どう? 合う?」という釜中の言葉に客席からは拍手が起こり、「いいなぁ、僕も磔磔でDENIMS見たいですよ。今生は叶わないから、来世はTENDOUJIで活動しようと思います」と岡本が言うと拍手とともに笑いも起こる。私が今までDENIMSのライブを数々見てきた中でも「今日のライブは今までにないほどスゴいのでは…」と感じた理由のひとつに、磔磔との相性の良さがあったように思う。みなさんご存知の通り、木造の磔磔の中で鳴っている音は素人耳にも「違う」ことを感じさせてくれる。木が音を吸収するのか木造ならではの反響をするのか、4人それぞれの演奏がストレートに耳に届いてくる感じというのだろうか。この磔磔公演でメンバーひとりひとりが感じた手応えを、その後の公演に反映させていく作業もまた(超大変だろうが)面白い変化になるのだと思う。
 
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…とはいえ、ここでお伝えしたのはまだツアー2日目のこと。この日以降、順調にライブを重ねている様子をSNSで発信しているDENIMS。年内を全力で駆け抜けた後に年明けに再び旅を始め、2022年2月11日に地元・大阪へと戻ってくる。その時に(ここでは書くことができなかった)壮大な曲数のセットリストとともに、どんな成長を自分たちのものにしてBIGCATのステージに立つのだろうか。
 
2022年、引き続きDENIMSに大いなる期待を寄せて。

取材・文/桃井麻依子
写真/nana.y(GREENS)



(2021年12月 9日更新)


Check

Live

『DENIMS JAPAN TOUR 2021-2022 ONE-MAN SHOW』

【石川公演】
▼12月11日(土) 18:00
金沢GOLD CREEK

【新潟公演】
▼12月12日(日) 18:00
新潟CLUB RIVERST

【宮城公演】
▼12月14日(火) 19:00
LIVE HOUSE enn 2nd

【香川公演】
▼2022年1月22日(土) 18:00
TOONICE

【広島公演】
▼2022年1月29日(土) 18:00
広島・4.14

【福岡公演】
▼2022年1月30日(日) 18:00
Fukuoka BEAT STATION

【愛知公演】
▼2022年2月4日(金) 19:00
名古屋クラブクアトロ

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:202-552
▼2022年2月11日(金・祝) 18:00
BIGCAT
自由-4500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※本公演は新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに沿って実施いたします。
※販売期間中は、インターネット(PC・スマートフォン)でのみ販売。お1人様1公演のみ2枚まで。
[問]GREENS■06-6882-1224

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