「全員が同じ景色を観なくてもいい、同じ気持ちになれたら」 痛みも悲しみも抱えてそれでも信じて突き進め―― ircleの叫びと哲学をぶち込んだ 『Cosmic City』全員インタビュー&動画コメント
雑踏を切り裂くギターが鳴り響いた瞬間に、強烈なビートと共に物語が動き始める『ラストシーン』を皮切りに、『Heaven's city light』『忘レビ』『ばいばい』…ircleの最新作『Cosmic City』は、何かに導かれるように“別れ”を描いた楽曲が集まった。前作『CLASSIC』(’18)でバンドに訪れた意識改革を経て、よりソリッドに、よりマッシブに、人生が何度でも突き付ける痛みや悲しみを受け止め、それでも前を向いて信じて突き進む全8曲28分が、この胸にとめどなく問いかける。“血が流れていれば身体は腐らん、感動が続けば心も腐らん、全てが繋がると気づけばきっと魂も腐らんよ”…。現在はリリースに伴う対バンツアー真っ只中の4人が語る、ircle全員インタビュー。“最後の最後の一秒に 会いたい人が浮かぶか/会いにいこうぜ伝えて死のうぜ/その目をひらけ フィクションじゃないんだろ”(『ラストシーン』)。ircleは今日も聴く者に語りかける。一度しかない人生を、あなたはどう生きるのか――?
もっともっと悪いところは悪い
いいところはいいって言い合わなきゃ、このバンドは終わるなと思って
――ここまでキャリアを積んできたircleが、前作『CLASSIC』('18)から新展開なムードになって。『CLASSIC』以降、自分たちの心境とかバンド内に変化はありました?
ショウダ(ds) 「『CLASSIC』を出してツアーを回って、自分たちが表現したいことがお客さんにうまく伝わらないもどかしさみたいなものが、ちょっと晴れたというか。そこから“じゃあ、もっと何かできるんじゃないか!?”というアイデアがどんどん湧いてきたのが『Cosmic City』で」
仲道(g) 「僕らが楽器を始めた頃の気持ちに近い“フォーキーさ”みたいなものが、ちゃんとみんなにも伝わるんだなって。『CLASSIC』以前までは、バンドとして積み上げてきた、いわゆる“ircleらしさ”に囚われてた部分が結構多くて。“激しくなきゃいけない”じゃないけど、カッコいいか悪いかでよかったのに、そうじゃない別軸で判断しちゃうことも多かった。それが『CLASSIC』を作ってツアーを回ることによって、“力を抜いて、フォームとかも気にせず投げればいいじゃん!”っていう状態になって。そうなると、もう身体はほぐれてるから、次はどんな球でも投げられるというモードになったのかなって」
――バンドとしては改めて血が巡り出した状況で『Cosmic City』には向かえたと思うけど、その間には河内(vo&g)からの提案で割と大きなミーティングもあったらしいね。
仲道 「今までは、“何となくこうなればいいな”って4人ともが流れに身を任せがちだったんですけど、やっぱり自分たちでちゃんと決めていかなきゃいけないって、その話し合いでギアを入れ直したというか。自分たちが思い描く活動の中で、あれがしたい、これがしたいって河内くんが話してくれて、そういうことは言葉にしなきゃ伝わらないんだなって改めて感じて。自分もちゃんと言わなきゃいけないし、そのためには4人がぞれぞれ何をしたらいいのか」
――河内はよくそれをちゃんと提案したね。
河内 「何かずっとモヤモヤしてて…最初は“とにかく話そうや”みたいなことを言ったわけなんですけど」
――“いい作品を作れたはずなのに、まだ残ってるこの淀んだ空気は何なんだ?”みたいな。
河内 「そうそう。俺らみたいに“こうやっていこうや!”って自発的にやってこれなかった人間は、それぞれがしっかり意見をぶつけ合ってバンドをやらなきゃ…もっともっと悪いところは悪い、いいところはいいって言い合わなきゃ、このバンドは終わるなと思って」
――そう考えたら、バンドはまだまだスリリングな状態ではあったんだね。
ショウダ 「改めて河内がボーカリストとして言葉に出すことで1つの責任を負うというか…その変化は純粋に嬉しかったですね。例えば、俺が勝手に頭の中で考えていたことも結局、“俺が責任を取ったところで…”って思っちゃうこともいっぱいあったんで。フロントマンがそこを言葉にしてくれた安心感は感じましたね」
伊井(b) 「長く続けるほどなあなあになっていくことはあるとは思うんですけど、だからこそ、このタイミングが改めてスイッチが入れられたし、そうすることによって、河内がMCとか曲作りに関してもどんどん我を通すようになったというか。昔は、“こうした方がいいんじゃない?”って言うのも1/4の意見でしたけど、河内健悟の意見として尊重するようにバンドがなれたのは、結構デカかったですね。信頼していいんだな、というか。そういう考え方に変わったタイミングが『Cosmic City』かもしれない」
河内 「例えば、『CLASSIC』を作ってたときは、エンジニアの兼重(哲哉)さんがかなり介入してくれて、結構おかげさまな空気が俺の中にはあって。でも内心、“これ…もっと俺が自分で提案しろよ!”と思って(笑)。そういうシンプルな反省とかもありましたね」
――ありがたいけど、元来ならメンバー間でまずやらなきゃいけないことが。
河内 「まぁそういう性格だったんでしょうけど、もうそうは言ってられないなって。だから、これまでのことはだいたいが俺のせいだと思ってもらって構わないぐらいの気持ちです。それなりにみんながいいバランスを取りつつ活動してきたわけですけど、そういう提案はいいモノを作ろうという意欲と比例しないとね。モノを作るのにあたって必要なテンションを取り戻した感じはあります」
――フロントに立つ人間がそう言えたことが、もはや答えみたいな気もしますね。
ショウダ 「あと、『CLASSIC』を作ったときに兼重さんが1を10にしてくれることが分かったので、逆にこっちがもっと事前に準備していったらどうなるんだろうと思って。今回は4人でもちろん話し合ったし、機材とかアレンジ以外のことでもいろいろと準備していけたと思いますね」
別れの歌を作ろうという意識はそんなになかったんですけど
自ずと集まってきましたね、亡霊のように
――今作は自ずと“別れ”に関する曲が多くなったと。
河内 「別れの歌を作ろうという意識はそんなになかったんですけど、自ずと集まってきましたね、亡霊のように」
――しかも河内1人にとかじゃなく、メンバーそれぞれに同時多発的に起きてるのもすごいよね。
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ショウダ 「ただ、『ラストシーン』(M-1)とかも別れがテーマだから作ったわけじゃなくて、シンプルにカッコいいのでリード曲として詰め始めたのが最初で。そこにいい曲たちが集まってきて、だったらということで、『Heaven's city light』(M-4)とかはもう2〜3年前ぐらいからあった曲なんですけど、“何か今じゃないよな”ってずっと言い続けて、ようやくタイミングが来たというか。『ばいばい』(M-6)で割とトドメな感じはしましたけど、『Heaven's city light』が入ることでかなりまとまった感じはしましたね」
――まず、『ラストシーン』は(仲道)良くんが恋人と別れ、思いのほかダメージを受けたことから生まれたと(笑)。
仲道 「そうですね(笑)。個人的な話ですけど、今までは道を歩いてるだけで涙が出てくることとかはなくて…」
――いや、めちゃめちゃヘコんでるやん!(笑)
(一同笑)
ショウダ 「そんなのなかなかないですよね(笑)」
――うん。俺もない(笑)。
河内 「俺もない! 相当メンヘラですよね(笑)」
仲道 「自分の部屋にいたらもうダメだと思って散歩しに出たら、勝手に涙が出てくるんですよ(笑)。これはもう自分の中に渦巻いてるものを外に出さないと、どうにかなっちゃうと思って」
――ホント、音楽があってよかったね(笑)。なかったらこういうときはどうするんだろう?
仲道 「Twitterにめちゃめちゃ書くんじゃないですか?(笑)」
(一同爆笑)
――そして、元々歌詞もメロディもある状態で河内に渡して、それをブラッシュアップというか改変していったと。
伊井 「河内も元の歌詞のままだとむず痒かったんだろうなと(笑)。だから、それを違うベクトルで表現したという」
河内 「最初に聴いたときにメロディがキャッチーだったんで、もっと広く捉えてもらえるような物語にしてあげないともったいないな、みたいな空気はありましたね」
――それをちゃんと意見を出し合って変えていけるムードになったのが、今回はやっぱりデカいことだよね。歌詞は絶対に触らないで、とかじゃなくて。
河内 「『ラストシーン』っていう強烈な言葉が最初からあったから、自分が映していく曲のイメージは“ガッ!”とできて、あとはどう表現するかだけだったので、楽しく作詞はできましたね」
ショウダ 「今までは、あくまで元の雰囲気を尊重しつつ“こういう感じはどうかな?”みたいな提案の仕方だったんですけど、“4人がいいモノを作ることが最優先”というモードに切り替わったので。ガラッと曲が変わるようなことでもちゃんと責任を持てる言葉であれば結構ハッキリと意見できたのは、今までとは全く違うところでしたね」
何度かライブで歌いながら泣いてます(笑)
――ただ、『ラストシーン』が終わって、キラキラしたイントロが鳴って、どうなるのかと思ったらゴリゴリに荒れていくという(笑)。『ただでさえ君が』(M-2)は壮絶な展開が特盛りの曲で。
ショウダ 「高校・大学時代はこういうアレンジが多かったので、久しぶりにすごい集中力を要する曲ができました」
仲道 「当時の血が騒いだというか、意外と得意技だったりもするので。この曲は僕が書いたんですけど、言わない方がいいのかな? 実は僕の好きなアニメについての曲で(笑)」
河内 「俺も歌詞にそれと分かるようなワードをいっぱい入れてモロにそうしたつもりなんですけど、意外と誰からも言われないんで、これはもう何かは言わずにおこうと(笑)。完全に憑依型の歌詞ですね」
――じゃあ分かる人はニヤッとするということで。ただ、ircleがアウトプットするとこうなると。
河内 「『ラストシーン』で“フィクションじゃないんだろ”って歌った後に、めちゃめちゃフィクションという(笑)」
(一同笑)
――原曲から割と雰囲気が変わった曲はある?
河内 「『ラストシーン』じゃない? 『ペルセウスの涙』(M-8)は“変わった”というよりは“なかった”だから(笑)」
伊井 「あとは『ねえダーリン』(M-3)とかですかね?」
――『ねえダーリン』はまさにベースラインが肝のロックンロールで、この曲ではバイオリンベースを弾いてると。この曲の鉄琴みたいな音は?
仲道 「確かに『ねえダーリン』では鉄琴を入れましたね」
河内 「どこに入ってるの?」
ショウダ 「どこって(笑)」
仲道 「サビ裏とか1サビにも入ってるよ(笑)」
――お前の歌だよっていう(笑)。 でも、『ばいばい』で鳴ってる音はコップなんでしょ?
ショウダ 「やっぱり聴いてみるとニュアンスが違うんですよね」
仲道 「音楽的な景色なのか、生活的な景色なのかという話で」
――『ばいばい』は河内の親友の千葉龍太郎(GRAND FAMILY ORCHESTRA・b) の死から生まれた曲で。
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河内 「内に秘めた曲だったので元々MVにする話はなかったんですけど、周りからの意見もあって、そうやっていい曲だと思ってくれる人が多いのであれば、ちゃんと聴かれた方がいいなぁと思い始めて、うん」
――でも、親友と呼べる人がいたなら、いい人生よね。
河内 「事あるごとに高円寺辺りで呼び出して、呑まなくても朝まで話せるようなヤツもなかなか…っていうか1人ぐらいしかいない。ワンマンの前とかは絶対一緒にメシを食って、明日への緊張をお互いにほぐし合うみたいなポジションの人物だったので…何かフッと寂しくなりましたね。“そうか、明日はワンマンだけど、あいつはいないんだ”とかいう気持ちに、きっと次のワンマンとかではなるんだろうし」
――“死ぬのが怖いんじゃなくて、みんなに忘れられるのが怖い”って誰かが言ってたけど、こういうふうに曲にしてもらったら嬉しいだろうな。歌っててグッとき過ぎそうな曲だね。
河内 「そうですね。何度かライブで歌いながら泣いてます(笑)」
――アハハ!(笑) これは感極まるよね。この曲が歌われるたびに、誰かが彼のことを思い出してくれたらいいな。
河内 「ちょうど去年の『CLASSIC』の大阪キャンペーンの日の夜だったんですよ」
ショウダ 「うん、そうだったね。そう言えば」
――『忘レビ』(M-5)は“レビー小体型認知症”についての曲というのもあるけど、今まさに言ったようなことで。忘れちゃうというのも1つの死というか、別れというか。この曲のドラムは、マイクを2本だけ立ててエアーを録ったというスタジオライブみたいな鳴りで。
仲道 「サウンドのモチーフがNUMBER GIRLみたいな感じだったので、兼重さんがおもむろにマイクを外に向け出して、何をしてるのかと思ったら、“今はこの2本でしか録ってないから”って(笑)。それに準じて、結果的にボーカルも普通にブースに入って歌ってもしっくりこなくて、卓があるコントロールルームで歌うという(笑)」
自分で自分のことをそのまんまでいいって言い出したら終わりですから
――さっき話に出た『Heaven's city light』は故郷・大分の歌ですけど、最初はそうとは分からない歌詞だったと。
仲道 「これはうちの祖母が亡くなったときの曲で、別府をイメージして書いてはいたんですけど、河内くんがそのワードを引き出してくれたというか」
河内 「別府には“境”という文字が付く川があるので、いろいろとちょうどよくて」
――『Heaven's city light』も『ばいばい』も『ラストシーン』も、こうやって話を聞いていくと、結果論とは言え、よくこれで作品が重くならなかったね。
ショウダ 「暗い方にとことん引きずり込むのは得意っちゃ得意なんですけど、聴いた人のつま先が次の方向に向かわないと意味がないと思うので。その意識は4人一緒だったのかなと思いますね」
――前作のインタビュー では河内が“自分は中途半端な人間だ”という話をずっとしてたけど、そこからちゃんと這い出そうとしてる感じが伝わってくるね。
河内 「まぁ、自分で自分のことをそのまんまでいいって言い出したら終わりですから! そのまんまに見せることは大事かもしれないですけどねぇ」
――最後の2曲の『アンドロメダの涙』(M-7)と『ペルセウスの涙』はちょっと組曲っぽいというか。『ペルセウスの涙』には“コズミックシティ”が歌詞にも出てくるけど、河内が宇宙の話とかが好きなのは意外だね。
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河内 「大好きですね!(笑) 細胞とか宇宙とか。“何だこの言葉は?”と思うと、ついつい調べちゃって。星の話とかになるとギリシャ神話が多いので、どうしてもたどり着いちゃいますよね」
――『ペルセウスの涙』はオケだけしっかりレコーディングして、歌録りの段階では歌詞はまだなかったと。
河内 「最初からあえてそういうふうにやってみようかなと何となく思ってたんですけど、“エーアー♪”っていうコーラスも結構いいメロディだったので、それを言葉に変えた方がいいのかもと迷ってましたね。でも、仮歌でコーラスはもう録っちゃってたのもあったし、やっぱり違う感じで乗せてみようって。ハマったのかハマってないのかは分からないですけど、ハメました(笑)」
――ircleのライブを観たことがある人からしたら“キター!”と思う(笑)、あの語り口調が曲にパッケージされたのは、『ペルセウスの涙』が初めてよね。
河内 「でも俺、あれって意識してやってないんですよ。昔からライブ中に話す言葉は多かったので、それがどんどん過剰になって行き過ぎた時期もあって、メンバーがイラつくライブもよくあったと思うけど(笑)」
ショウダ 「ライブで歌い方を崩し過ぎて、“もう曲になってねぇじゃん!”って(笑)。“だったら最初からそういう曲を作れよ”ってずっと言ってはいたので」
――トーキングブルースじゃないけど、これはircleの1つのスタイルとしてアリだなと。じゃあこの曲は本当に、レコーディングのときにその場で湧いてきた言葉という感じ?
河内 「一応、どんなことを言うか大枠だけ決めたメモはあって、尺も収まるぐらいのところでメロディも入れて。でも、結構適当でしたね(笑)。なかなかアコギ1本で狙って作れるような曲でもないので」
ショウダ 「他の3人は、どういうメロディでどういう言葉が来るか全く知らないまま聴いてたんですけど、やっぱり最後は鳥肌が立ちましたね。ゾクッとしました。だから、“もう1テイク録り直したい”とか言い出したときは、“いやいやもう無理無理! 絶対にこれ!”ってみんなが(笑)」
河内 「でも、この曲に関してはさすがに兼重さんも困ってたよね。“どうすんのこれ!?”とか言って(笑)」
伊井 「最初はオケをもっとキラキラさせようとかいう話で楽器を足すつもりだったんですけど、河内の歌が入って、これはもうこのままでOKだなっていう話になって」
河内 「これだけ叫んだらもう、聴こえてくるものもきらびやかなものじゃないから(笑)」
――『わかりあうこと』(’18)でも、“あきらめたくないのはわかりあうこと”と歌ってたけど、ちゃんと見捨てずに進んでいくピュアさというか執念はこれぞircleだね。
河内 「自分たちもそういう音楽に支えられてきたので、自然とそうなっていってるんだと思いますね、やっぱり」
ベクトルは違うかもしれないですけど熱量が高い2バンドなので
当日は面白いことになると思います
――そして、今回もHPの特設ページ では漫画家の石田スイさん、小説家の住野よるさんからのコメント やツアーに参加してくれるバンドからのメッセージ なども載っていて、丁寧に作品を届けようとしてる意思が伝わってきますね。
仲道 「石田スイさんは、僕らの曲の歌詞が入った絵を描いて
Twitter に上げてくれたのがきっかけだったよね」
河内 「『きみが セ』(’15)のやつね。“ircleを知ってるのか!”っていう(笑)」
ショウダ 「『P.S.』('10)っていうかなり古い曲から聴いてくれてた経緯もあって、『CLASSIC』の音源を送ったらものすごい長文の感想を返してくれて…その言葉がとても素晴らしかったので、『Cosmic City』を聴いて何か感じてもらえたならぜひ言葉をもらいたいなって」
河内 「あと、住野よるさんは邦楽ロック好きで、ムロフェスとかにも行ってて」
仲道 「俺たちのライブにも来てくれてたみたいで、感想をつぶやいてくれて」
ショウダ 「でも、どれだけビッグネームであろうが、ただただコメントをもらったところでやっぱりお客さんには響かないと思うので。ちゃんと気持ちが乗ってる人にもらいたかったし、今回のツアーに出てくれてるバンドもみんなそうやってOKしてくれたので」
――リリースツアーも始まってますが、近年の『CLASSIC』に『Cosmic City』も加わって、ライブのメニューがエラいことになるね。すごいエネルギーを使いそう(笑)。
河内 「もう、こってりですよね(笑)」
――今回も 『CLASSIC』 における『Sunday morning relight』('18)みたいなアーバンな曲が1曲ぐらい入ってるのかなと思ってたら、案外ないし(笑)。
河内 「アハハハハ!(笑) 確かになかったですね」
ショウダ 「最初は『ねえダーリン』とかがそうなるかなと思ってたんですけど、これもゴリゴリになったので(笑)」
――大阪公演はセミファイナルで、GOOD ON THE REELとMAGIC OF LiFEを迎えたスリーマンです。
ショウダ 「もうこの2組とも長いですね。年齢も近いですし。でも、この3バンドが揃うことはなかなかない気がしますね。ベクトルは違うかもしれないですけど熱量が高い2バンドなので、当日は面白いことになると思いますよ」
伊井 「最近はジョッキを持つ姿を見る方が多いので(笑)」
――そういう意味では、一緒にライブもしたいしコメントももらいたいし酒も呑みたい人たちだもんね、今回の対バンたちは。まぁircleは基本的にいつもそうだけど(笑)。
ショウダ 「対バンに関してはそこはブレてない(笑)。あと、このツアーが終わった頃に、来てくれたお客さんが“やっぱりワンマンが観たいな”っていい意味で思うようなライブができたらいいなって。ただエネルギッシュなだけじゃないところも観てほしいですし、やっぱりライブハウスで会えたら一番嬉しいです!」
仲道 「今回は別れが多い内容の作品ですけど、CDを聴いて思ったことと、ライブに来てもらって感じることはちょっと違ってくるかもしれない。僕ら自身もライブをして曲の理解が深くなるほど演奏も変わっていくと思うから、そこも楽しみにしてほしいですね。全員が同じ景色を観なくてもいいけど、同じ気持ちになれたらいいなと思ってます」
Text by 奥“ボウイ”昌史
(2019年6月11日更新)
Check
Movie
新譜とライブと大阪の某カレー(笑) ircleからの動画コメント!
VIDEO
Release
別れの先にあるものが人を前に進める 胸を震わせる渾身の8曲を収録!
Mini Album 『Cosmic City』 発売中 1500円(税別) YAMANOTE Records/JMS YMNT-1010 <収録曲> 01. ラストシーン 02. ただでさえ君が 03. ねえダーリン 04. Heaven's city light 05. 忘レビ 06. ばいばい 07. アンドロメダの涙 08. ペルセウスの涙
Profile
アークル…写真左より、伊井宏介(b)、仲道良(g)、河内健悟(vo&g)、ショウダケイト(ds)。’01年、大分県別府市にて同中学の同級生であった4人が、文化祭に出演することを目的に結成。’06年、大学進学を機に拠点を福岡に移す。’09年、デビューe.p.『未来』をタワーレコード大分、福岡店にて限定発売し、3週連続インディーチャート1位を獲得。同年3月には大分club TOPSでの初ワンマンライブを成功させる。’10年には上京し、’12年11月にシングル『夜明けのテーマ』、’13年7月にはミニアルバム『さよならリリー』を発売。『FUJI ROCK FESTIVAL』『MURO FESTIVAL』『スペースシャワー列伝~瞬刻の宴~』ほか多くのフェスやイベントに出演。’14年4月にはシングル『失敗作』を、9月には初のフルアルバム『iしかないとか』を発売。’15年6月にはシングル『風の中で君を見たんだ』を、10月には2ndフルアルバム『我輩は人間でr』を発売。それに伴い自主企画『HUMANisM(ヒューマニズム)』を立ち上げる。’16年9月にはミニアルバム『光の向こうへ』、’17年1月にはミニアルバム『Copper Ravens』を発売。9月にはTHE NINTH APOLLOからSIX LOUNGEとのスプリットCD『地獄盤』を発売し、全国ツーマンツアーを開催。’18年5月にはミニアルバム『CLASSIC』を発売。全国ツアーファイナルとして渋谷CLUB QUATTROにてワンマンライブを開催。’19年1月にはTSUTAYA O-EASTにて自主企画『HUMANisM~超★大乱闘編~』を開催、チケットはソールドアウトに。5月8日にはミニアルバム『Cosmic City』を発売。現在は対バンツアーを全国10ヵ所にて開催中。バンド名は、円(circle)の持つ“完全の象徴”という意味を、その頭文字のCを外し型を崩すことにより、“今ある世界に新しい風穴を開ける”という想いを込めた造語である。ircle オフィシャルサイト http://www.ircle.jp/
Live
対バンツアーが絶賛開催中 大阪はJANUSでセミファイナル!
『ircle New Mini Album リリースツアー 2019「Cosmic Tours」』【大分公演】 ▼5月25日(土)club SPOT [共演]WOMCADOLE/Unblock【福岡公演】 Thank you, Sold Out!! ▼5月26日(日)福岡Queblick [共演]WOMCADOLE/climbgrow【山口公演】 ▼5月28日(火)周南LIVE rise [共演]ハルカミライ/Brian the Sun【岡山公演】 ▼5月29日(水)CRAZYMAMA 2nd Room [共演]ハルカミライ/rem time rem time【香川公演】 ▼5月31日(金)DIME [共演]テスラは泣かない。/The Floor/KAKASHI【宮城公演】 ▼6月7日(金)仙台MACANA [共演]GRAND FAMILY ORCHESTRA/ サイダーガール [オープニングアクト]Chronograph【新潟公演】 ▼6月8日(土)新潟CLUB RIVERST [共演]GRAND FAMILY ORCHESTRA/ ハンブレッダーズ【愛知公演】 ▼6月13日(木)アポロベイス [共演]Ivy to Fraudulent Game/ Halo at 四畳半
Pick Up!!
【大阪公演】
チケット発売中 Pコード142-267 ▼6月14日(金)18:30 心斎橋JANUS オールスタンディング3000円 [共演]GOOD ON THE REEL/ MAGIC OF LiFE 清水音泉■06(6357)3666 ※未就学児童は入場不可。
【東京公演】 ▼6月21日(金)渋谷CLUB QUATTRO
[共演]Saucy Dog
Column1
「やっぱりちゃんと 音楽で感動させたい」 あの日の初期衝動を取り戻せ! 我らがircleのまばゆき第2章 『CLASSIC』インタビュー
Column2
「ircleは痛みも持っていく バンドだから」 思春期の先にあったircleの正義 闘争の幕開けと覚悟を語る! 『Copper Ravens』インタビュー
Column3
「音楽より楽しいこともあるけど 音楽ほどは伝えられない」 夢と現実、希望と絶望 うごめく感情も葛藤もぶち込んだ 『我輩は人間でr』インタビュー
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ライター奥“ボウイ”昌史さんの オススメコメントはコチラ!
「『Cosmic City』の由来は今作を締めくくる『ペルセウスの涙』を聴いてもらえれば感覚的に分かると思いますが、どんなに大きな悲しみも時に小さく感じるし、どんなに小さな喜びも時に大きく感じるように、全ての感情はつながっていて、ミニマム=街からマキシマム=宇宙まで一気に行き来する。そんなircleの哲学が冠された今作ですが、制作におけるメンバー間のイニシアチブがフラットになり、結成18年目にしてバンド内の構造改革がさらに進んでいます。しょっぱなの『ラストシーン』からきっちり鳥肌が立ったし、河内の声を改めていいなと思ったり。話していても改めて思ったけど、やっぱりピュアだわircleは。“血が流れていれば身体は腐らん、感動が続けば心も腐らん、全てが繋がると気づけばきっと魂も腐らんよ”とは、インタビューの導入部で引用したircleの印象的なある言葉ですが、4人の故郷・大分の街並みが映し出されたジャケットも美しい『Cosmic City』を手に取って、彼らがそこに忍ばせたメッセージにぜひ出くわしてください。そして、ircleはライブを観ないと始まらない。観たら絶対なのです。最高なのです。間違いないのです。ライブハウスでお会いましょう!」